はじめ、妻にはうまく伝わっていないみたいでした。
「その趣味の悪い私が勝手に選んだのあげて、彼の就職活動失敗し
たらどうするの?」
と半ば怒り気味。
「だから、一緒に行って、彼が気に入ったの買ってあげればいいじ
ゃないか。店員がいいの探してくれるよ」
と言い直します。
「さすがにスーツ買ってやるほど気前は良くないけどな」と付け加えて。
さらに、
「だけど、○○君だって忙しいんじゃ・・・。
こんなおばさんと一緒じゃ・・・」
と、もはや意識しているのを白状したも同然なのですが、
私も気付かぬふりして、
「大学生なんて入学してから卒業までずっと暇なんだよ。お前も昼間暇だろう」
と再プッシュ。
暇と言われて何か言い返したそうでしたが、さすがにチャンスだと
気付いたのか、「そうね。勉強頑張って見てくれてるものね」と
引き受けました。
このしばらく前から、妻の携帯もチェックしてました。妻もあまり警戒
してないのか、普段はロックなんてかけませんし、かけても簡単な
キーロックくらいです。
ただ、これまでは、妻と彼は授業時間の変更や遅刻を伝えるなど、
事務連絡にしか使っていないようでした。
GW明けのお出かけのあとですら、「今日はありがとうございます。
次の授業は○曜日7時からでお願いします」といった味気ないもの
でしたし回数もほとんどありませんでした。
ですので、デートのお誘いに妻は昼間に電話でもかけるのかなと思
いましたが、さっそく翌日メールを入れていたのは予想外でした。
(くだらない挨拶などは省いてあります)
妻 「いつもご苦労さま。近いうちにお暇な日はありますか?」
彼 「曜日や時間によりますが、どうかしましたか?」
妻 「もし良かったら、また買い物に付き合ってもらいたいです」
彼 「なら、ユウキ君が休みの土日ですよね?今週末は両方とも・・・。
何かまたユウキ君に問題集や資料集でも買うんですか?」
彼は5月のことが頭に残ってるようです。
妻
「ううん。いつも一生懸命教えてくれてるから、お礼に○○君の誕生
日プレゼント買ってあげる。一緒に買い物行きませんか?」
彼
「え、そんな悪いですよ。別にプレゼントなんて。いつもおいしい料理
とお酒出してくれてるだけでありがたいです」
買ってやるのは俺の金だろバカヤロー。と訂正したくなりましたが
我慢して読み進めます。
彼
「じゃあ、今週の金曜か来週の月曜がいいです。せっかくだから、
朝から一日出掛けませんか?こないだ話してた映画見て、○○行きたい」
妻
「じゃあ、金曜。さっさと買い物して、ランチは○○にしようよ」
彼
「すごい楽しみ。じゃあ・・・」
そうして、時間や行く場所を決めています。
他人行儀な敬語から、普段家でも話しているような友達感覚の文体
になり、段々、二人がノッテきてるのがわかりました。
しまいには、
「何着ていこうかな?○○君と並んで浮いちゃうのはやだし」と
すでに付き合ってる二人のようです。