ちょっとした意識で、人っていうのは変われる。
特に男なんて、単純な生き物はその“ちょっと”が
とんでもなく化ける。
自分の心の中から、かおりさんが消えつつあった。
あれは夢であり、幻想であり、蜃気楼のようなものだったのだ、と。
確かに甘い汁だった。中毒症状を引き起こし、無いとダメだと思っていた。
さらに後味は苦く、失恋のような後遺症も残った。
こんな悲しい幻想は、情けない男が少しずつ変わることで壊れていった。
・・・はずだった。
まず出来ること。
一、完全着拒。相手に拒否がわからないモードで電話もメールも。
一、転職しろ。生き地獄な筈。
一、風俗行け。行って行って逝きまくれ。
一、嫁や家族の写真を転職するまでデスクに貼れ。
一、かおりの話題、悪い噂は絶対に誰にも流すな、相談もするな。
一、かおりも羨む転職か出世しろ。役員になるつもりで。
全面的にアンタを応援するぜ。
クソ女は高い勉強だったな。実はオマオレだ。
早く読みたいよ
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俺も経験がある
ゆうじさん頑張れ
はずだった。。てなに!!
やだよ、もうやだよ
・・・回想
別れた直後、色々と調べた。ビッチとはなんぞや?ってことを。ビッチに
なる女性の理由ってのは色々あるらしいが、自分が調べた範囲でいうと、
基本的に何かしらのコンプレックスで始まることが多いようだ。
かおりさんから聞いた内容から推測すると、イケメン元彼と釣り合わない
自分に嫌気がさして別れたと言っていた。その後、その元彼の幻想を追い
求めて似たような男と付き合い続け、ある意味で女を磨いた。
“いい人だったから”という理由で今の旦那と結婚。その後も女磨きは
止まらなかった。そして、“自分がこうなる原因”と出会った、というわけだ。
今がゴールなのか、通過点なのかわからない。スタートは間違いなく、
今の男だ。それからさらに周回するのか、ゴールなのか、それは本人にも分
からないだろう。
「40過ぎておばさんになって、誰も寄ってこなくなったら…また相手してね☆」
その時、自分はもっといい男になってるはずだから、あなたの相手なんて
できないですよ。