この瞬間を思い出すだけでも、胸がドキドキする。
話をまとめると、こうだ。
以前、かおりさんが同窓会に行ったことを書いたのを覚えている人はいるだ
ろうか。そこでかおりさんは、高校の頃に付き合っていた初めての彼氏に会った
そうだ。ちなみに、その再開の時には何もなかった。
“相変わらずかっこいいけど…くたびれたおっさんになったな〜”そんな程度
しか思わなかったという。同窓会の日は、女友達と朝まで飲んでいたそうだ。
しかし、その数日後。かおりさんの親友から電話がかかってくる。
“あ、もしもしかおり?今から飲みに来ない?”
幼馴染の友人で、よく飲みの誘いを受けるらしい。
で、かおりさんは旦那さんの許しを得て出かける。
居酒屋につくと、友人がにこやかに待っていたそうだ。
“(ほれ!ほれ!)”首とアイコンタクトで、友人は かおりさんに何かを
伝えようとしていた。その首の向くほうをみると・・・そこには高校の時の
彼氏がいたそうだ。
そのあとは、他の高校の同級生も交えて談笑。
“そういえばあんたたち、当時付き合ってたよね?!”
“なら、昔を思い出すために2人で飲みなよ(笑)”
友人たちにからかわれ、2人で飲むことになった。
昔話に花が咲き、恋に恋い焦がれた時期の気持ちになったという。
“ホントお前って、昔から変わってないよな(笑)”この言葉が、
決定打になったとも言っていた。
その夜、かおりさんはその人に抱かれた。そして、こんな関係でもいいから
また一緒になろう、そう言われたそうだ。好きなタイプの男がいても、
普段なら自分の顔が思い浮かんだという。
「でも、その時は全くゆうじくんが出てこなくて・・・自分でも驚いたよ☆」
「でもさ、まだその人にOK出してないの。ちょっと踏ん切りつけてくる
から待っててって言ってある☆」
自分の心が壊れていく音がした。
かおりさんの高校の友人を憎んだ。(でも、それは関係ないだろ)
そのかおりさんの人生初の彼氏に怒りを覚えた。(でも、お前も既婚者だろ)
聞きたくもない会話は止まらない。
かおりさんは結婚後、自分で彼氏は6人目であったこと。
自分は付き合った期間が比較的長かったこと。この彼氏と自分との二股も
考えたが、あの甘酸っぱい気持ちにさせる彼氏に気持ちが大きく傾いたこと。
この彼氏と付き合ったことで、自分にはコンプレックスが生まれたこと。
そのコンプレックスを埋めるため、同じようなタイプの人間と付き合って
きたこと。最近はその趣味も変わってきて、自分を選んだこと。
「私、ビッチだからさ。いい社会勉強になったでしょ?
こういう女の人もいるってこと(フーーーーー)」
「もう気持ちないし、二股しても意味ないかなって。」
「でもやっぱり、私はあいつに振られた後も、あいつの幻想を追って
たんだろうな…だから元に戻ったってだけかもね」
自分は笑顔でその話を聞いていた。
というよりも、どんな顔して聞いていい内容なのかわからなかった。
怒るべきか?怒鳴るべきか?感情を押し殺し、自分は笑った。
『初めての彼氏か。。。そいつは敵わないわwww』
「でしょでしょ?でね・・・」
(もう話さなくていい)
「あいつったら・・・」
(もう勘弁してくれ)
「そしたらさー☆・・・」
(俺って、あんたにとって何なんだよ?)
心に黒いものが渦巻き、表現できない感情が胸を覆う。
心臓の鼓動は早くなり、笑顔はひきつる。
最初のほうに、だれか書いてたよね。ビッチって最低だって。
ああ、最低だ。でも、姿形だけは最高に好きになった女なんだよ。
泣けてきたー
ゆうじっていい奴なんだな
でもこれに懲りて勉強しな
これで済んで良かったと思いなはれ
では 続きどぞ ノシ