37 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 22:45:03.69 ID:rJNFqAHX0
「富田さん?・・・どうして俺を、こんな所に呼び出すの?
・・・どうしたの?・・・顔が赤いよ?」
「・・・豊川君・・・これを受け取って下さい・・・」
「富田さん・・・何故、俺にチョコをくれるの?」
「今日がバレンタインデーだから・・・」
「富田さん・・・それって・・・」
「豊川君・・・・・私・・・私・・・・・
豊川君の事が、ずっとずっと前から好きでした!豊川君の事ばかり見ていました!
だから・・・だから・・・・・私と付き合って下さい!」
「・・俺も・・・富田さんの事が好きだったんだ!」
「えっ??・・・ と・・豊川君・・・本当?・・・本当に?
・・・・嬉しい・・・グスッ・・グスッ・・・」
「バカだな・・・泣く奴があるか・・・富田さん・・・いや、靖子って呼んでいいか?
ほら靖子・・・ハンカチ・・・」
授業中に富田さんの後ろ姿を見ながら、そんな妄想をしていた。
40 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:11:08.68 ID:rJNFqAHX0
「豊川君、放課後に自転車置き場で待っていてくれる?」
昼休みに、喋ったこともない同じクラスのブス女子に言われた。
「・・・何で?」
「いいから来てよ。」
「何でだよ?・・・俺、友達と一緒に帰るんだけど。」
「友達には適当に言って、帰ってもらってよ。
それと、この事は誰にも言わないでよ。」
そう言うと、そのブスは去っていった。
富田さんを見ると、一瞬目が合ったように見えた。
(富田さん・・・やっぱり俺にチョコをくれるのか?)
俺はチョコを食べていないのに鼻血が出そうだった。
41 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:22:59.30 ID:rJNFqAHX0
放課後、言われるがままに自転車置き場で待っていた。
頭は富田さんの事でフル回転。
俺が脳内で、富田さんと付き合っている頃・・・
俺に「ここで待て」と言ったブスの姿が見えた。
そのブスの後ろにいたのが・・・
中澤だった。
42 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:27:27.51 ID:rJNFqAHX0
「義理チョコじゃないよ。」
そう言って、中澤は俺に紙袋を渡した。
中澤の、ほっぺたは赤かった。
俺は中澤からチョコを貰ったことと、
富田さんからは貰えなかった現実に呆然とした。
44 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:34:32.50 ID:rJNFqAHX0
暫くボーッと中澤の赤い顔を見ていたが、
富田さんの顔が頭から離れなかった。
やっぱり俺は富田さんが好きなんだ。
「知っていると思うけど、俺、富田さんが好きだから・・・」
「うん、知ってるよ。でも気持ちは伝えたかったんだ。」
そう言うと、中澤は小走りに去っていった。
俺を呼んだブスは、何度もこちらを振り向いた。
中澤は一度もこちらを振り向かなかった。
俺は一人で自転車に囲まれ、呆然としていた。
45 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:40:02.69 ID:rJNFqAHX0
いつもは友達と、くだらない話をしながら帰る家までの道を一人で帰った。
手には中澤から貰ったチョコの入った紙袋を持ちながら・・・
46 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:8) :2014/02/08(土) 23:46:01.48 ID:X77WNDq/0
もらえたのかよ、リア充か
47 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:48:13.37 ID:rJNFqAHX0
一人で家に帰る途中で、何故か俺は、そのチョコが気になったんだ。
そして帰る途中にあったスーパーの横の路地に入って、
その紙袋を広げて覗いてみた。
今でも覚えているんだけど、その紙袋の中には小さな白い箱があった。
箱を開けると、中にはイチゴの上に生チョコがかけられていて、
その上には白いパウダーみたいな粉がかかっていた。
ひと目で手作りチョコだと分かった。
48 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:53:40.38 ID:rJNFqAHX0
で・・・ここからが、俺の最悪に・・・アホな所なんだけど・・・
なんか嫌だったんだよ。そのチョコが・・・
好きな女の子以外から、本命チョコを貰ったということが・・・
分かってくれるかな?
49 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:59:32.33 ID:rJNFqAHX0
俺には好きな富田さんがいる。
それなのに異性として好きでもない中澤からチョコを貰ったということが・・・
浮気じゃないけど、そんな感じ・・・
分かってくれるかな?
もし、彼女がいるのに他の女から本命チョコを貰ったら、
なんか後ろめたくない?
もし、彼氏が他の女から本命チョコを貰ったら、なんか嫌じゃない?
そんな感じ。
当時は中学一年生。
男女交際なんてしたこともない。
恋愛については少女漫画のような、綺麗な理想のイメージしかない。
そんなガキの俺にとって、そのチョコが不純で汚らわしい物に思えてしまったんだよ・・・
51 :名も無き被検体774号+:2014/02/09(日) 00:03:26.65 ID:jmY9hEEZ0
>>49
完全にストーカー思考だな。
頭では「好きな人がいるのに貰ってしまった」ってわかってるけど
気持ち的には「彼女がいるのに貰ってしまった」って思い込んでる
52 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 00:06:04.64 ID:itg4Z5GG0
で、俺はどうしたかって言うと・・・
その路地にあったゴミ箱に、その紙袋を捨てた。
中身ごと・・・全部・・・
・・・で、家に帰った。
53 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 00:11:23.04 ID:itg4Z5GG0
そしたら、その事が学校にバレた。
次の日の放課後に、担任の女性の先生に会議室に呼ばれた。
会議室に入ると、生活指導の怖いおっさんの先生が腕を組んで、
俺を睨んでいた。
そのおっさんの前にある机の上には、
昨日捨てたハズの紙袋が置かれていた。
55 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 00:14:23.68 ID:itg4Z5GG0
担任の先生は女だったこともあったのか、涙目になっていた。
担任の先生は同じ女性ということもあってか、中澤に感情移入していた。
「何で、あんな事をしたの?」
「貴方は中澤さんが、どんな気持ちであのチョコを作ったのか分からないの?」
涙目の先生に質問攻めをされた。
スッゴイ怒られた。
生活指導のおっさん先生は腕を組んだまま、
無言で俺を睨んでいた・・・
58 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:8) :2014/02/09(日) 00:52:50.92 ID:/hU5ezLK0
先生が怒る意味が分からん
釣り臭いですぞぞぞ
62 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 07:58:48.28 ID:itg4Z5GG0
>>57
>>58
俺の本当の体験だぞ。
でも、それを証明することなんか出来ないよ。
だから、気にせず進めるしかないんじゃないかな。
60 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 07:15:52.44 ID:itg4Z5GG0
なんでバレたのかは、今でも分からない。
しかし、捨てた時には気が付かなかったのだが、
あの紙袋の中にはチョコ以外に手紙もあったらしい。
その手紙も、担任の先生と生活指導の先生の前で広げられ、声を出して読まされた・・・
今でも覚えている。
『豊川君が、富田さんが好きなのは知っているけど、
気持ちを伝えたくてチョコを渡しました。
もし、付き合ってくれなくても、
友達として、これからも付き合ってね。』
手紙には、そう書かれていた・・・
61 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 07:57:28.80 ID:itg4Z5GG0
次の日の放課後に、また俺は担任の先生に呼ばれた。
ただし、今回は教室に残らされていた。
そして、残っていたのは三人・・・
俺と担任の先生と・・・
そこには中澤の姿もあった・・・
中澤も残らされているようだった・・・
63 :名も無き被検体774号+:2014/02/09(日) 08:52:32.14 ID:Z0Nb5s9i0
はよはよ
64 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 09:03:48.88 ID:itg4Z5GG0
中澤は俺の方を全く見ずにじっと真っ直ぐ先生を見ていた・・・
意識して、俺を見ないといった感じがハッキリ伝わった。
以前の明るい活発な中澤は、そこにはいなかった。
俺をガン無視だった・・・・・
>>次のページへ続く
「富田さん?・・・どうして俺を、こんな所に呼び出すの?
・・・どうしたの?・・・顔が赤いよ?」
「・・・豊川君・・・これを受け取って下さい・・・」
「富田さん・・・何故、俺にチョコをくれるの?」
「今日がバレンタインデーだから・・・」
「富田さん・・・それって・・・」
「豊川君・・・・・私・・・私・・・・・
豊川君の事が、ずっとずっと前から好きでした!豊川君の事ばかり見ていました!
だから・・・だから・・・・・私と付き合って下さい!」
「・・俺も・・・富田さんの事が好きだったんだ!」
「えっ??・・・ と・・豊川君・・・本当?・・・本当に?
・・・・嬉しい・・・グスッ・・グスッ・・・」
「バカだな・・・泣く奴があるか・・・富田さん・・・いや、靖子って呼んでいいか?
ほら靖子・・・ハンカチ・・・」
授業中に富田さんの後ろ姿を見ながら、そんな妄想をしていた。
40 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:11:08.68 ID:rJNFqAHX0
「豊川君、放課後に自転車置き場で待っていてくれる?」
昼休みに、喋ったこともない同じクラスのブス女子に言われた。
「・・・何で?」
「いいから来てよ。」
「何でだよ?・・・俺、友達と一緒に帰るんだけど。」
「友達には適当に言って、帰ってもらってよ。
それと、この事は誰にも言わないでよ。」
そう言うと、そのブスは去っていった。
富田さんを見ると、一瞬目が合ったように見えた。
(富田さん・・・やっぱり俺にチョコをくれるのか?)
俺はチョコを食べていないのに鼻血が出そうだった。
41 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:22:59.30 ID:rJNFqAHX0
放課後、言われるがままに自転車置き場で待っていた。
頭は富田さんの事でフル回転。
俺が脳内で、富田さんと付き合っている頃・・・
俺に「ここで待て」と言ったブスの姿が見えた。
そのブスの後ろにいたのが・・・
中澤だった。
42 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:27:27.51 ID:rJNFqAHX0
「義理チョコじゃないよ。」
そう言って、中澤は俺に紙袋を渡した。
中澤の、ほっぺたは赤かった。
俺は中澤からチョコを貰ったことと、
富田さんからは貰えなかった現実に呆然とした。
44 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:34:32.50 ID:rJNFqAHX0
暫くボーッと中澤の赤い顔を見ていたが、
富田さんの顔が頭から離れなかった。
やっぱり俺は富田さんが好きなんだ。
「知っていると思うけど、俺、富田さんが好きだから・・・」
「うん、知ってるよ。でも気持ちは伝えたかったんだ。」
そう言うと、中澤は小走りに去っていった。
俺を呼んだブスは、何度もこちらを振り向いた。
中澤は一度もこちらを振り向かなかった。
俺は一人で自転車に囲まれ、呆然としていた。
45 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:40:02.69 ID:rJNFqAHX0
いつもは友達と、くだらない話をしながら帰る家までの道を一人で帰った。
手には中澤から貰ったチョコの入った紙袋を持ちながら・・・
46 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:8) :2014/02/08(土) 23:46:01.48 ID:X77WNDq/0
もらえたのかよ、リア充か
47 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:48:13.37 ID:rJNFqAHX0
一人で家に帰る途中で、何故か俺は、そのチョコが気になったんだ。
そして帰る途中にあったスーパーの横の路地に入って、
その紙袋を広げて覗いてみた。
今でも覚えているんだけど、その紙袋の中には小さな白い箱があった。
箱を開けると、中にはイチゴの上に生チョコがかけられていて、
その上には白いパウダーみたいな粉がかかっていた。
ひと目で手作りチョコだと分かった。
48 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:53:40.38 ID:rJNFqAHX0
で・・・ここからが、俺の最悪に・・・アホな所なんだけど・・・
なんか嫌だったんだよ。そのチョコが・・・
好きな女の子以外から、本命チョコを貰ったということが・・・
分かってくれるかな?
49 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:59:32.33 ID:rJNFqAHX0
俺には好きな富田さんがいる。
それなのに異性として好きでもない中澤からチョコを貰ったということが・・・
浮気じゃないけど、そんな感じ・・・
分かってくれるかな?
もし、彼女がいるのに他の女から本命チョコを貰ったら、
なんか後ろめたくない?
もし、彼氏が他の女から本命チョコを貰ったら、なんか嫌じゃない?
そんな感じ。
当時は中学一年生。
男女交際なんてしたこともない。
恋愛については少女漫画のような、綺麗な理想のイメージしかない。
そんなガキの俺にとって、そのチョコが不純で汚らわしい物に思えてしまったんだよ・・・
51 :名も無き被検体774号+:2014/02/09(日) 00:03:26.65 ID:jmY9hEEZ0
>>49
完全にストーカー思考だな。
頭では「好きな人がいるのに貰ってしまった」ってわかってるけど
気持ち的には「彼女がいるのに貰ってしまった」って思い込んでる
52 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 00:06:04.64 ID:itg4Z5GG0
で、俺はどうしたかって言うと・・・
その路地にあったゴミ箱に、その紙袋を捨てた。
中身ごと・・・全部・・・
・・・で、家に帰った。
53 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 00:11:23.04 ID:itg4Z5GG0
そしたら、その事が学校にバレた。
次の日の放課後に、担任の女性の先生に会議室に呼ばれた。
会議室に入ると、生活指導の怖いおっさんの先生が腕を組んで、
俺を睨んでいた。
そのおっさんの前にある机の上には、
昨日捨てたハズの紙袋が置かれていた。
55 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 00:14:23.68 ID:itg4Z5GG0
担任の先生は女だったこともあったのか、涙目になっていた。
担任の先生は同じ女性ということもあってか、中澤に感情移入していた。
「何で、あんな事をしたの?」
「貴方は中澤さんが、どんな気持ちであのチョコを作ったのか分からないの?」
涙目の先生に質問攻めをされた。
スッゴイ怒られた。
生活指導のおっさん先生は腕を組んだまま、
無言で俺を睨んでいた・・・
58 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:8) :2014/02/09(日) 00:52:50.92 ID:/hU5ezLK0
先生が怒る意味が分からん
釣り臭いですぞぞぞ
62 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 07:58:48.28 ID:itg4Z5GG0
>>57
>>58
俺の本当の体験だぞ。
でも、それを証明することなんか出来ないよ。
だから、気にせず進めるしかないんじゃないかな。
60 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 07:15:52.44 ID:itg4Z5GG0
なんでバレたのかは、今でも分からない。
しかし、捨てた時には気が付かなかったのだが、
あの紙袋の中にはチョコ以外に手紙もあったらしい。
その手紙も、担任の先生と生活指導の先生の前で広げられ、声を出して読まされた・・・
今でも覚えている。
『豊川君が、富田さんが好きなのは知っているけど、
気持ちを伝えたくてチョコを渡しました。
もし、付き合ってくれなくても、
友達として、これからも付き合ってね。』
手紙には、そう書かれていた・・・
61 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 07:57:28.80 ID:itg4Z5GG0
次の日の放課後に、また俺は担任の先生に呼ばれた。
ただし、今回は教室に残らされていた。
そして、残っていたのは三人・・・
俺と担任の先生と・・・
そこには中澤の姿もあった・・・
中澤も残らされているようだった・・・
63 :名も無き被検体774号+:2014/02/09(日) 08:52:32.14 ID:Z0Nb5s9i0
はよはよ
64 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/09(日) 09:03:48.88 ID:itg4Z5GG0
中澤は俺の方を全く見ずにじっと真っ直ぐ先生を見ていた・・・
意識して、俺を見ないといった感じがハッキリ伝わった。
以前の明るい活発な中澤は、そこにはいなかった。
俺をガン無視だった・・・・・
>>次のページへ続く