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忘れられない小学生の頃から好きだった子の思い出
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749 :428:2007/10/17(水) 18:39:25 ID:CIIj+hkQ0
じゃあね

次ぐらいで終るかな。。





754 :えっちな18禁さん:2007/10/17(水) 21:25:43 ID:UUqgBnCsO
428来てたのか、乙。
長さもちょうど良く、最終回が楽しみだ。



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771 :428:2007/10/18(木) 14:29:12 ID:+YDE76H70
中3になって俺の陸上部の顧問が変わった。

今まで超ぬるま湯体質だったのが、いきなり超スパルタになって。
平日は高校生とハードな練習、そして土日は試合。

しかもそこそこ早いほうだったから上の大会へと勝ち進んでいく。

ただ、忙しくはなったものの、彼女はいつも試合会場にきてくれていた。

そして彼女の応援が力になった。

ほかの部員からのやっかみもむしろ気持ちいいぐらいに。

ただ、それでも。
体の疲労は徐々に蓄積されていき。

彼女への電話、さらには試合のない休みの日の外出がおっくうになって。





772 :428:2007/10/18(木) 14:34:40 ID:+YDE76H70
糸のほころびは些細なことだったと思う。

最近ゆっくり会えていないね、という話をぞんざいに扱ってしまい。

空気が重くなる、少し言い合いをしてしまう。

電話を切った後も何か釈然としない思い。



その週の土日の試合会場に彼女の姿はなかった。

それでも毎日はやってくる。

忙しい日常に飲み込まれて会えない日々が続く、だんだんと疎遠になる。

ほつれた糸が流れていく、一度疎遠になってしまうと止まらない。

素直になれたらいいのになれない、一本電話をする勇気があれば、ただ「ごめんね」と言えたならば。

四年前の秋に突然咲いた桜は春を待たずに。

中学が終わるころには自然消滅、の状態になっていた。








773 :428:2007/10/18(木) 14:36:55 ID:+YDE76H70
前にも書いたとおり、今のように携帯電話が普及している時代だったなら。

メールができる状態だったなら。

人生に「タラレバ」を繰り返しても仕方がない、仕方がないけれども考えてしまう。

確かに見えた未来はもろいもので。

構築する間に崩れ落ちて。

僕がなくした君の夢
君がなくした僕の夢

そして僕がなくした僕の夢

でも、二人は終わらなかった。

物語が再び始まるのは7年後のことだった。





774 :428:2007/10/18(木) 14:39:25 ID:+YDE76H70
というわけで、どっかのスレに消えます。

さて、どこにしようか。
エロ系の描写が苦手なんで違う板になるのではないかと。

今までありがとうございました。

過去の思い出なんでかなりの脚色と、現在の思考を注入している部分がありましたが、基本的にこんな流れでした。

さて、仕事に戻ります。




777 :えっちな18禁さん:2007/10/18(木) 15:25:57 ID:8X9Q24Fr0
詩人すぎワロタ



779 :えっちな18禁さん:2007/10/18(木) 15:41:46 ID:kvj6Aa6i0
428さん
今のお年を聞きたい



781 :428:2007/10/18(木) 16:46:33 ID:Ml+QJv8BO
>>779

三十歳です。




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357 :他スレ428:2007/10/22(月) 17:12:54 ID:bWAcz5Xx
ちなみに舞台背景で表現がややこしいので書いちゃうと

私が小学校にいたのは京都の某市です。




358 :428:2007/10/22(月) 17:29:17 ID:bWAcz5Xx
7年が過ぎて。

俺は大学生になっていた。

日々、目標もなくだらだら過ごしていた頃。


夢も、希望も、友達も、何もなく。

陸上も高校で辞めていた。

無気力、そして喪失感がいつも付きまとって。


この感覚はどこからくるのか。失われし時間に対してか、それとも漠然とした不安か。


京都市内の大学に入って一人暮らしをしていたものの、彼女と連絡を取ることはなかった。

というより、今更彼女に連絡を取ってどうするのか。

吹き飛んだ砂の城を寄せ集めてまた同じものは作れまい。

無気力が、さらに自分の自信などを奪って。







359 :428:2007/10/22(月) 17:30:24 ID:bWAcz5Xx
4年生。お決まりの就職活動のシーズン。

氷河期、ということもあったのだろうが、この無気力人間に差し伸べる手はなかった。

まるで他人事のようにいつしか諦めて。

冬が終わって卒業の時を迎える前にもまだ立ちすくんで。


不安がすべてにリアルを感じられないのはなぜだろうか。

今、本当にここにいるのが自分かどうか、それすらもあいまいになって。




そんなとき、実家から連絡があった。

電話の内容は「同窓会のはがきがきてるよ」ということだった。

今の姿を誰に見せられるだろうか。誰かに笑われたりしないだろうか。

そう考えつつも、出席にしたのはやはり彼女にもしかしたら会えるかも、との期待。

ただ、それも不安があるといえばある。

彼女に責められたりしないだろうか、今更、何を話せばいいんだろうか。どこから話せばいいのだろうか。


つまらない悩みというのは間違いなかった。




360 :428:2007/10/22(月) 17:32:56 ID:bWAcz5Xx
日がすぎて、そして当日になる。

昔住んだ町の駅に降り立つも脚が動かない。怖いという感情。

いまさら、彼女に会ってどうするのか。そんなに気軽に話せるわけないだろうに。


思い出の風景が目に浮かぶ余裕のないままに。

あの日々の記憶、それでさえも。

桜が咲くにはまだ早い時期で。

少しでも咲いていたならば何かが変わっていたのだろうか。

タバコが次から次へとなくなっていく。


結局、30分ほど遅れて会場の居酒屋へといった。




361 :428:2007/10/22(月) 17:33:26 ID:bWAcz5Xx
ひとまず今日はこの辺で。

また時間あるときにでも。



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373 :428:2007/10/24(水) 14:05:48 ID:6n5jayae
「おせーよー」なんて声が飛ぶ。

懐かしい顔が並ぶ。

その中にひとつ、愛しかった顔を見つけて。

眼と眼が合う、思わず目をそらして、あいている席に座る。


どうして逃げてしまうのか。

どうして素直になれないのか。

いつもどおり勇気のないままに。

決意なんてものは空回り。



時がすこしずつ過ぎていく。

酒もすすみ会話がはずむ。

誰がどこに就職して、だとか院にすすむだとか。

はぐれた人間には辛く、話の輪に加わることのないままに。


ふと気がつくと、隣に彼女がきていた。





374 :428:2007/10/24(水) 14:06:49 ID:6n5jayae
久しぶりね

ああ、久しぶりやね

会話が続かない。

7年すぎて、本当は話したいことがたくさんあるはずなのに、本当は言いたいことがあったはずなのに、言葉が生まれてこない。




あたしね

沈黙を破ったのは彼女だった。


結婚したの、1年前に

気が遠くなるほどの白い感覚。

この静寂の間はなんなのか。

突如として何も聞こえなくなって。


そうなんや

精一杯の声。

でも、どうあがいても「おめでとう」という言葉が続かない。




375 :428:2007/10/24(水) 14:07:56 ID:6n5jayae
帰りたい。

現実に直面すれば逃げ回る。

弱い、とても弱い心。

何かに期待していたということなのだろうか。

期待は失望へ、望みは失意にかわるものならば。


外はまだ春は来ない季節だった。

そしてまた冬に戻るのではないかという感覚。


彼女の話を聞く。

旦那とは17のときに知り合っただとか、まだこの街に住んでいるだとか、短大を卒業してしばらく結婚しただとか。



あなたは彼女はいるの?

当然いない。

というか、この7年ずっといなかった。

チャンスがなかったわけじゃない。

でも心のどこかで彼女を求めていた。

彼女の面影を、という生ぬるいものでなくて

彼女でないとだめなぐらいに。


現実は残酷だった。






>>次のページへ続く




 

 

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