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ブタとチビの話
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101 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 11:57:46.51 ID:Omu9vydwO
最近 たーくん とおばさんは、週に2回ぐらいのペースで病院に行っていた。
つまり週に2回ぐらい たーくん はうちに遊びに来ていた。
数年前から、私が好きで集めていた絵本がある。
大人でも楽しめるタイプの絵本だった。
なかでも、台湾のジミーさんという方が描いた本が大好きだった。
何冊かある中で、2冊。
目が見えない女の子が地下の世界をさまよう『地下鉄』と、『ブルーストーン』青い石のお話。
地下鉄は私自身が苦しい時に読んでいた。
ブルーストーンは星ではないけど、宇宙や星を連想するようなお話だった。
たーくん とソファでその二つの絵本を一緒に見た。
『地下鉄』の少女は私の心そのものだった。
たーくん に《これは私だよ》と女の子を指差し、《 たーくんはこの綺麗な石だね》とブルーストーンを指差した。
大人しく覗き込んでいた たーくん は、静かに熱意のこもった目で絵本の絵を追いかけていた。
そんな顔を見ながら以前から思っていたことが、自然と頭をよぎる。
私は たーくん の中の、心の影のようなものが気になっていた。
もう聞いても大丈夫だろうか、失礼に当たらないだろうかと躊躇したが、聞こうと思った。
103 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 12:17:13.47 ID:Omu9vydwO
質問を訊ねた相手は おばさんだった。
おばさんの勤務時間が始まる前に、うちに寄って貰った。
何となく いつか私からそういう質問が来るだろう予想していた表情だった。
「どうして、病院に行かれるんでしょうか」
もうちょっと上手な聞き方もあっただろうと思ったけど、ぎこちなくこんな言い方をしてしまった。
少し間を置いてから、おばさんが話してくれた。
「父のお見舞いに行ってるの。最近は特に優れなくて…」
え?と思った。
私はてっきり、 たーくん の体に関することだと勝手に思い込んでいた…。
「それじゃ、いつもお見舞いに行ってたんですか?」
「ええ。あの子も父を慕ってるので…。でも最近行きたがらないんです」
「………」
「たぶん悪くなってるのをあの子なりに感じてるんだと思うんです」
ああ…、
何となく分かった、気がする。
あの小さい胸にどれだけの不安があったのだろう。
「 たーくん は、すごくいい子で…、私も頑張らなきゃっていつも思えて、だからあの」
お祖父さんはまだ元気だし、不謹慎だぞっと思ったけど、涙がぐ〜と込み上げてきた。
笑っていてほしい。だってすごい良い子だから。神様
私にも四つ葉があればいいのに。
私は今、誰か人のために泣いている。誰か人のために。
友達というのはこういうものか。
104 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 12:37:16.75 ID:Omu9vydwO
もう たーくん に確認することは無いと思った。
とにかく一緒にいる間は元気に遊ばせたい。
自らの人生にいまだ緊張感を持っていなかった私は、そうすることで自分の道から目を逸らしていたのかもしれない。
そんな善人じゃない。
何もしてあげられることなんてない。
貰ってるのはいつも私の方だったし。
「チャンネル変えるわよ」
母が言ってポチポチッとリモコンを押す。
わぁわぁ煩いバラエティから、N○Kニュース→教○テレビの手話ニュースに切り替わった。
最近何となく私が手話ニュースを見ているから、母もそうするようになってきた。
「ねぇ、何で私って馬鹿なんだろう?」
「脳に栄養が廻ってないからでしょ。そんなに食べておいて」
「ねぇ、何で私は耳が聞こえるの。そういうのって誰が選んでるのかな…」
と呟いたら思いっきし頭を叩かれた。
「軽々しく言うのはやめなさい。あなたも、他の人も、同じように生きてるのよ」
「…………頭回ってないね、私」
「いいじゃない、うんと悩んで苦しめば。今までそんなこともなかったでしょ!?」
「そうですね。うん」
もやもやもやもやしながら日々は過ぎて行った。
オセロとトランプのスピードで勝負するのが最近の たーくん との流行りだった。
たーくん は3年生になり豚も一つ歳を取った。
105 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 12:50:11.45 ID:aHeXaOjq0
いいかーちゃんだな
106 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 13:12:15.79 ID:Omu9vydwO
親が子を思う愛情も、男の人が女の人を愛する気持ちも いまいち分からない。
あの おしっこ事件から一年ぐらい経った時、いつもと違う出来事があった。
相変わらず お見舞いに行く日々は続いていたようだけど、ある日おばさんが迎えに来なかった。
たーくん と一緒にピノを食べながらテレビを見ていたら、インターホンが鳴った。
おじさんですって感じのおじさんが立っていた。
初めて見る たーくん のお父さんだった。
おばさんのいるコンビニに訊ねた後、私の家の名字と簡単な道筋を聞いてここまで来たらしい。
荷物をまとめて出てきた たーくん は、突然現れたお父様を他人のような目で呆然と見た後、照れ笑いをしながら靴に両足をさして飛び込んでいった。
…おおおう、何とも初めて見る 子供デースっていう たーくん の動きに驚いた。
おじさんは笑いながら たーくん の頭を片手で軽く触った。
でも たーくん に比べたら ちょっとあっけないというかなんというか(´・@・`)
そして背中に隠してた もう一方の手を出してお菓子の詰め合わせの入った大きな袋をかざした。
おお!☆ って私が喜んではいけない。
たーくん はクリスマスシーズンの玩具の会社のCMに出てくる子供のように、可愛くはしゃいでいた。
…んー、なんかあれだ。なんだろうかこの違和感は。なぬかがおかすくて、もやっとする。
じゃあねー、 たーくん !とこの頃お別れする時してたハイタッチをして、門の外で二人を送り出した。
おじさんに手を引かれて たーくん が早歩きで少し弾みながら付いていく。
何度も おじさんの顔を見上げている後ろを姿を見送って、家の中に戻った。
たーくん 身長伸びたなーー。
私の体重は増えもせず減りもせず食欲も減らない。
恐ろしいことに期間限定のバイトに味をしめた私は、また働きたくなったらでいいや〜と…
気付けば一年経ってもニートをしていた。
108 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 13:32:08.47 ID:Omu9vydwO
父といえば、我が家の父も定年退職をして日中家にいる事が多くなった。
たーくん のことはあらかじめ話していたので驚きはしなかったが、父には豚以外の人間の子供は未知生物に思えるらしく どう振る舞ってよいのかわからない様子。
たーくん は敏感に相手の気持ちが読める子だった。
ある日 台所の机で新聞を読んでいた父に、 たーくん が絵をプレゼントした。
「お父さん、こう!お礼、こうだから」
ありがとうの手話を たーくん の背後から父に伝えると、微妙に違うが なんとなくそれらしい手話をした。
小走りで居間に戻ってくる たーくん はちょっと誇らしげにニヤついていた。
父が新聞を読んでるふりをしながら じっーと見入ってるその絵には、大きな魚が一匹描かれていた
玄関の脇に置いてある道具を不思議そうに見ていた たーくん に、父が釣りをする道具だよーと教えたことがある。
かんなり前のことだった。たーくん はちゃんと覚えていた。
それから暫くして、父がさすらいの一人旅をして帰ってきた時、「坊やに…」ともみじ饅頭を私に渡してきた。
自分で渡せよ〜〜
あなたのコミュ力は確かに私が引き継いでいる。
109 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 13:45:25.92 ID:CJ5IZghy0
とうちゃんww
110 :1族 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日派) 14:22:53.52 ID:Omu9vydwO
父偉と押娘款の関畜係は付岐かず鋭 離知れず、ベタベ絹タしない駐のが我褒が家流殺だ川っ奉た宝。た怠ーく恵ん は無 そuれが涙気宴になるら認しい提。
三年生銀に数なAっ到て、稚遊ぶうこ扇とより漢字顕や巻計条算の宿縮題を線や窃る彩ことが増えて号きた慣。嫁遊び足りな上くて お姉排さ赦ん複はち本ょbっ嘱と寂辺し洞い配。充
私帽の享部済屋のテ戦ー扱ブル盲で宿題容をし曇て参いる た殊ーくん のは近くで校、耕仕帽方失ない五の同で漫寸画を読むこトとにした。ヒ
時筋間釈を億忘れて根 と演きめ愚い状て機い選る絹と式、いつ穂の間にか将 たー逃く戸ん看 が消え拒て畑い施た。
ト$イ慈レか壮な性ー家惑の中で礎誘襲拐は墓無い男し藩放っとこ艦う十(・紺@・意´)
…と再休び読みふRけ敢っていると被、なぜか凸私の穀部鉱屋に億父が滝いた。遊大人熟になヨっ傾て株か返ら父をむ部w屋に入れ由たこ漏と遵が門な詔い打。
た拠ーくん が火何事越も改無か誇っ戦たように机添にコ向かって妥、そ貿の真横爆に父が教師挟のよ取うなウ基ム棒ムと謄い習う顔で座ってい附た。
な、な逓んで陰ここにいる凝の方?限と停聞致き消た矯か募っ派たけ泡ど言裸えなか和った耐。それ雇ぐらい父と菊娘早は遠封い閥のだ添よ滅 た倫ーく齢ん 。湿
ま国た別の日には、居間で何翻を准し比てヲたか忘くれ夕たけど偉私引がぼ鳥ーっとソ款ファ種に座っていkたら、婚台恵所か校ら父詳を閑連短れてき昭た憲。融
そこまで紺はいい酷が、あ渇ろうこ協と洞か何故か羅父紳と粘私燥の賠手永と穏り児繋橋がりせよ妨うと…した能。
…渦やめ擁ん魚かい挑ッ女!とは言えず茶に は題は割ははーと底笑缶う僚し敗か誌な情かった。s
2人だけ肪の影時虚にチ濃ラ匹シ洋に《お天父鋭さんと仲倫良し。滞だ胴から心配濃しな因いで》と妹書いて見せ扶た。
しかし た賊ー拓くん何 は劾い興まいち応納様得識し請てな像いご様子。扱
《ほ湾んとだよ停?賊》詳
疑先わしげ与に面首類を乗傾げ非てい習る后…。襲
なん邪だよもう(´・単@・`慈)
正直伺 私丹は印ハハハと呼ん零で母牛派なんだよ。いcき親な垣りパ壁パハに削な烈るの鉄は無掲理手だよ〜訳
111 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 14:24:48.43 ID:Omu9vydwO
一旦昼寝します。
113 :屈名も隅無本き宮被検体774号局+:2012/03/25(日) 15:00:51.33 ID:aHeXaOjq0
乙
おやすみ息〜棚
114 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 16:21:32.09 ID:BYS+HnwmO
なんつーほっこり話なんだ!続き楽しみにしてるよ!
117 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 21:52:49.86 ID:Omu9vydwO
秋頃になる。
たーくん が我が家に来る(つまりは お見舞いに行くのが)週に一度になり、二週間に一度になり、減って行った。
たまに来た時も、居間の たーくん がいつも座っていた場所に落ち着くなり、カバンから あのドラミちゃん色のお守りを出して装着していた。
忘れていたわけでないけれど、四つ葉もお守りも。
でも何となく… 必要としていない たーくん を見て安心していた。
当時家で してたと おばさんから聞いたことがあったが、実際にしてるのは あの2年生時以来だった。
実は たーくん は、友達や先生から見えないようなカバンの一番見えにくい所にずっと入れて持ち歩いていたらしい。
私がおばさんからお祖父さんの話を聞いてから、あえて見ないようにしてきた たーくん の不安な心がまた顔を出した。
四次元ブサイクポケットを首から下げたまま大人しく勉強をしている たーくん …。
おばさんの元に連れてく時間になっても、自分から立ち上がってすぐに行こうとしない。駄々をこねるわけではないけど、少しでも時間を遅らせたいようだった。
そんな態度からお祖父さんの具合が良くないのかもしれないと思っていた。でもおばさんには なかなか聞けなかった。
118 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 21:59:05.11 ID:Omu9vydwO
図々しいのだろうか。でも気になって心配でそうしたかった。
おばさんに自分も一緒にお見舞いに行きたいという旨を伝えた。
父と たーくん と大きめなシュークリームを食べながら、 たーくん のおじいちゃんに会っていいかなと台所のメモ用紙に書いた。
驚いたようにぱっと私を見て、少し間を空けて頷いてくれた。父の口の端にカスタードが付いていた。
…そんなこんなで病院の個室で眠っているおじいちゃんに会いに行った。
名俳優の平○満さんを20歳老けさせたような穏やかで少し頑固そうなおじいさんだった。
たーくん のためにプリンとタマゴボー○を用意していた。タマゴボー○懐かしや…。あれ嫌いな人っているのだろうか。
おばさんが私のことを紹介してくれた。
たーくん は首から下げたまま お守りをおじいさんに見せて、おじいさんも朗らかに笑ってお守りを触ってた。
すみません。それ作った犯人はこの豚です。
>>次のページへ続く
最近 たーくん とおばさんは、週に2回ぐらいのペースで病院に行っていた。
つまり週に2回ぐらい たーくん はうちに遊びに来ていた。
数年前から、私が好きで集めていた絵本がある。
大人でも楽しめるタイプの絵本だった。
なかでも、台湾のジミーさんという方が描いた本が大好きだった。
何冊かある中で、2冊。
目が見えない女の子が地下の世界をさまよう『地下鉄』と、『ブルーストーン』青い石のお話。
地下鉄は私自身が苦しい時に読んでいた。
ブルーストーンは星ではないけど、宇宙や星を連想するようなお話だった。
たーくん とソファでその二つの絵本を一緒に見た。
『地下鉄』の少女は私の心そのものだった。
たーくん に《これは私だよ》と女の子を指差し、《 たーくんはこの綺麗な石だね》とブルーストーンを指差した。
大人しく覗き込んでいた たーくん は、静かに熱意のこもった目で絵本の絵を追いかけていた。
そんな顔を見ながら以前から思っていたことが、自然と頭をよぎる。
私は たーくん の中の、心の影のようなものが気になっていた。
もう聞いても大丈夫だろうか、失礼に当たらないだろうかと躊躇したが、聞こうと思った。
103 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 12:17:13.47 ID:Omu9vydwO
質問を訊ねた相手は おばさんだった。
おばさんの勤務時間が始まる前に、うちに寄って貰った。
何となく いつか私からそういう質問が来るだろう予想していた表情だった。
「どうして、病院に行かれるんでしょうか」
もうちょっと上手な聞き方もあっただろうと思ったけど、ぎこちなくこんな言い方をしてしまった。
少し間を置いてから、おばさんが話してくれた。
「父のお見舞いに行ってるの。最近は特に優れなくて…」
え?と思った。
私はてっきり、 たーくん の体に関することだと勝手に思い込んでいた…。
「それじゃ、いつもお見舞いに行ってたんですか?」
「ええ。あの子も父を慕ってるので…。でも最近行きたがらないんです」
「………」
「たぶん悪くなってるのをあの子なりに感じてるんだと思うんです」
ああ…、
何となく分かった、気がする。
あの小さい胸にどれだけの不安があったのだろう。
「 たーくん は、すごくいい子で…、私も頑張らなきゃっていつも思えて、だからあの」
お祖父さんはまだ元気だし、不謹慎だぞっと思ったけど、涙がぐ〜と込み上げてきた。
笑っていてほしい。だってすごい良い子だから。神様
私にも四つ葉があればいいのに。
私は今、誰か人のために泣いている。誰か人のために。
友達というのはこういうものか。
104 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 12:37:16.75 ID:Omu9vydwO
もう たーくん に確認することは無いと思った。
とにかく一緒にいる間は元気に遊ばせたい。
自らの人生にいまだ緊張感を持っていなかった私は、そうすることで自分の道から目を逸らしていたのかもしれない。
そんな善人じゃない。
何もしてあげられることなんてない。
貰ってるのはいつも私の方だったし。
「チャンネル変えるわよ」
母が言ってポチポチッとリモコンを押す。
わぁわぁ煩いバラエティから、N○Kニュース→教○テレビの手話ニュースに切り替わった。
最近何となく私が手話ニュースを見ているから、母もそうするようになってきた。
「ねぇ、何で私って馬鹿なんだろう?」
「脳に栄養が廻ってないからでしょ。そんなに食べておいて」
「ねぇ、何で私は耳が聞こえるの。そういうのって誰が選んでるのかな…」
と呟いたら思いっきし頭を叩かれた。
「軽々しく言うのはやめなさい。あなたも、他の人も、同じように生きてるのよ」
「…………頭回ってないね、私」
「いいじゃない、うんと悩んで苦しめば。今までそんなこともなかったでしょ!?」
「そうですね。うん」
もやもやもやもやしながら日々は過ぎて行った。
オセロとトランプのスピードで勝負するのが最近の たーくん との流行りだった。
たーくん は3年生になり豚も一つ歳を取った。
105 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 12:50:11.45 ID:aHeXaOjq0
いいかーちゃんだな
106 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 13:12:15.79 ID:Omu9vydwO
親が子を思う愛情も、男の人が女の人を愛する気持ちも いまいち分からない。
あの おしっこ事件から一年ぐらい経った時、いつもと違う出来事があった。
相変わらず お見舞いに行く日々は続いていたようだけど、ある日おばさんが迎えに来なかった。
たーくん と一緒にピノを食べながらテレビを見ていたら、インターホンが鳴った。
おじさんですって感じのおじさんが立っていた。
初めて見る たーくん のお父さんだった。
おばさんのいるコンビニに訊ねた後、私の家の名字と簡単な道筋を聞いてここまで来たらしい。
荷物をまとめて出てきた たーくん は、突然現れたお父様を他人のような目で呆然と見た後、照れ笑いをしながら靴に両足をさして飛び込んでいった。
…おおおう、何とも初めて見る 子供デースっていう たーくん の動きに驚いた。
おじさんは笑いながら たーくん の頭を片手で軽く触った。
でも たーくん に比べたら ちょっとあっけないというかなんというか(´・@・`)
そして背中に隠してた もう一方の手を出してお菓子の詰め合わせの入った大きな袋をかざした。
おお!☆ って私が喜んではいけない。
たーくん はクリスマスシーズンの玩具の会社のCMに出てくる子供のように、可愛くはしゃいでいた。
…んー、なんかあれだ。なんだろうかこの違和感は。なぬかがおかすくて、もやっとする。
じゃあねー、 たーくん !とこの頃お別れする時してたハイタッチをして、門の外で二人を送り出した。
おじさんに手を引かれて たーくん が早歩きで少し弾みながら付いていく。
何度も おじさんの顔を見上げている後ろを姿を見送って、家の中に戻った。
たーくん 身長伸びたなーー。
私の体重は増えもせず減りもせず食欲も減らない。
恐ろしいことに期間限定のバイトに味をしめた私は、また働きたくなったらでいいや〜と…
気付けば一年経ってもニートをしていた。
108 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 13:32:08.47 ID:Omu9vydwO
父といえば、我が家の父も定年退職をして日中家にいる事が多くなった。
たーくん のことはあらかじめ話していたので驚きはしなかったが、父には豚以外の人間の子供は未知生物に思えるらしく どう振る舞ってよいのかわからない様子。
たーくん は敏感に相手の気持ちが読める子だった。
ある日 台所の机で新聞を読んでいた父に、 たーくん が絵をプレゼントした。
「お父さん、こう!お礼、こうだから」
ありがとうの手話を たーくん の背後から父に伝えると、微妙に違うが なんとなくそれらしい手話をした。
小走りで居間に戻ってくる たーくん はちょっと誇らしげにニヤついていた。
父が新聞を読んでるふりをしながら じっーと見入ってるその絵には、大きな魚が一匹描かれていた
玄関の脇に置いてある道具を不思議そうに見ていた たーくん に、父が釣りをする道具だよーと教えたことがある。
かんなり前のことだった。たーくん はちゃんと覚えていた。
それから暫くして、父がさすらいの一人旅をして帰ってきた時、「坊やに…」ともみじ饅頭を私に渡してきた。
自分で渡せよ〜〜
あなたのコミュ力は確かに私が引き継いでいる。
109 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 13:45:25.92 ID:CJ5IZghy0
とうちゃんww
110 :1族 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日派) 14:22:53.52 ID:Omu9vydwO
父偉と押娘款の関畜係は付岐かず鋭 離知れず、ベタベ絹タしない駐のが我褒が家流殺だ川っ奉た宝。た怠ーく恵ん は無 そuれが涙気宴になるら認しい提。
三年生銀に数なAっ到て、稚遊ぶうこ扇とより漢字顕や巻計条算の宿縮題を線や窃る彩ことが増えて号きた慣。嫁遊び足りな上くて お姉排さ赦ん複はち本ょbっ嘱と寂辺し洞い配。充
私帽の享部済屋のテ戦ー扱ブル盲で宿題容をし曇て参いる た殊ーくん のは近くで校、耕仕帽方失ない五の同で漫寸画を読むこトとにした。ヒ
時筋間釈を億忘れて根 と演きめ愚い状て機い選る絹と式、いつ穂の間にか将 たー逃く戸ん看 が消え拒て畑い施た。
ト$イ慈レか壮な性ー家惑の中で礎誘襲拐は墓無い男し藩放っとこ艦う十(・紺@・意´)
…と再休び読みふRけ敢っていると被、なぜか凸私の穀部鉱屋に億父が滝いた。遊大人熟になヨっ傾て株か返ら父をむ部w屋に入れ由たこ漏と遵が門な詔い打。
た拠ーくん が火何事越も改無か誇っ戦たように机添にコ向かって妥、そ貿の真横爆に父が教師挟のよ取うなウ基ム棒ムと謄い習う顔で座ってい附た。
な、な逓んで陰ここにいる凝の方?限と停聞致き消た矯か募っ派たけ泡ど言裸えなか和った耐。それ雇ぐらい父と菊娘早は遠封い閥のだ添よ滅 た倫ーく齢ん 。湿
ま国た別の日には、居間で何翻を准し比てヲたか忘くれ夕たけど偉私引がぼ鳥ーっとソ款ファ種に座っていkたら、婚台恵所か校ら父詳を閑連短れてき昭た憲。融
そこまで紺はいい酷が、あ渇ろうこ協と洞か何故か羅父紳と粘私燥の賠手永と穏り児繋橋がりせよ妨うと…した能。
…渦やめ擁ん魚かい挑ッ女!とは言えず茶に は題は割ははーと底笑缶う僚し敗か誌な情かった。s
2人だけ肪の影時虚にチ濃ラ匹シ洋に《お天父鋭さんと仲倫良し。滞だ胴から心配濃しな因いで》と妹書いて見せ扶た。
しかし た賊ー拓くん何 は劾い興まいち応納様得識し請てな像いご様子。扱
《ほ湾んとだよ停?賊》詳
疑先わしげ与に面首類を乗傾げ非てい習る后…。襲
なん邪だよもう(´・単@・`慈)
正直伺 私丹は印ハハハと呼ん零で母牛派なんだよ。いcき親な垣りパ壁パハに削な烈るの鉄は無掲理手だよ〜訳
111 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 14:24:48.43 ID:Omu9vydwO
一旦昼寝します。
113 :屈名も隅無本き宮被検体774号局+:2012/03/25(日) 15:00:51.33 ID:aHeXaOjq0
乙
おやすみ息〜棚
114 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 16:21:32.09 ID:BYS+HnwmO
なんつーほっこり話なんだ!続き楽しみにしてるよ!
117 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 21:52:49.86 ID:Omu9vydwO
秋頃になる。
たーくん が我が家に来る(つまりは お見舞いに行くのが)週に一度になり、二週間に一度になり、減って行った。
たまに来た時も、居間の たーくん がいつも座っていた場所に落ち着くなり、カバンから あのドラミちゃん色のお守りを出して装着していた。
忘れていたわけでないけれど、四つ葉もお守りも。
でも何となく… 必要としていない たーくん を見て安心していた。
当時家で してたと おばさんから聞いたことがあったが、実際にしてるのは あの2年生時以来だった。
実は たーくん は、友達や先生から見えないようなカバンの一番見えにくい所にずっと入れて持ち歩いていたらしい。
私がおばさんからお祖父さんの話を聞いてから、あえて見ないようにしてきた たーくん の不安な心がまた顔を出した。
四次元ブサイクポケットを首から下げたまま大人しく勉強をしている たーくん …。
おばさんの元に連れてく時間になっても、自分から立ち上がってすぐに行こうとしない。駄々をこねるわけではないけど、少しでも時間を遅らせたいようだった。
そんな態度からお祖父さんの具合が良くないのかもしれないと思っていた。でもおばさんには なかなか聞けなかった。
118 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 21:59:05.11 ID:Omu9vydwO
図々しいのだろうか。でも気になって心配でそうしたかった。
おばさんに自分も一緒にお見舞いに行きたいという旨を伝えた。
父と たーくん と大きめなシュークリームを食べながら、 たーくん のおじいちゃんに会っていいかなと台所のメモ用紙に書いた。
驚いたようにぱっと私を見て、少し間を空けて頷いてくれた。父の口の端にカスタードが付いていた。
…そんなこんなで病院の個室で眠っているおじいちゃんに会いに行った。
名俳優の平○満さんを20歳老けさせたような穏やかで少し頑固そうなおじいさんだった。
たーくん のためにプリンとタマゴボー○を用意していた。タマゴボー○懐かしや…。あれ嫌いな人っているのだろうか。
おばさんが私のことを紹介してくれた。
たーくん は首から下げたまま お守りをおじいさんに見せて、おじいさんも朗らかに笑ってお守りを触ってた。
すみません。それ作った犯人はこの豚です。
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