http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news4viptasu/1434773619/
1 :元名章も券無き被検ろ体774号春+@祖\尽(^o^)/:霧2015/06/20(土役) 13:13:39.46 ID:d7vBTGF30.net
ち唯ょっと長い照け滑ど聞いてくれます盾か獲?晶?
6 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:18:05.37 ID:d7vBTGF30.net
私んちは職人の家です
家の隣に工房があって いっつもそこで勉強してます
工房では毎日母が作業してますけど音とかは そんな気になりませんし 温度とか湿度の管理がしっかりしてるから むしろ過ごしやすいのでして
7 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:20:13.95 ID:d7vBTGF30.net
ちなみに私は その当時中学は3年生
受験めんどくせって時期でしたね
家業を継ごうかどうか ちょっと迷いながらも まあその日もしょうがなく数学のお勉強をしておりました
11 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:26:37.09 ID:d7vBTGF30.net
夕方くらいでした、勉強も はかどりつつあったときに工房に来客がありました
インターホンが鳴って母さんがドアを開けて私もちょっと手を止めて そっちを見ました
お客さんが来たんかなと
15 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:29:52.52 ID:d7vBTGF30.net
母さんがドアを開けて、入ってきたのは車椅子に乗った男の子でした
すごく痩せた坊主頭の男の子
私は その子を知ってました
三年前に知り合った、ちょうど同い年のくそがきです
17 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:32:31.61 ID:d7vBTGF30.net
「久しぶりじゃん」
やつは私の顔を見てヘラッと笑いました
私は正直笑えなかった
「なんでうちに……」
訊かなくてもわかるだろってやつは言いましたし 私も訊くまでもなくわかってたんですけど
20 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:37:48.05 ID:d7vBTGF30.net
「仕事を頼みに来た」とやつは言いました
知り合いの子かと母さんは私に訊きましたので 私は黙ってうなずく
そうなんだ、と母さんは ちょっと寂しそうに言ってから やつを工房の奥の応接室に連れてく
私は一人で ぽつんと取り残される形に
21 :名も無寝き被検授体p774号+@\題(^o^)/:程2015/06/20(土) 13:39:34.25 ID:d7vBTGF30.net
…憲…やつ浅と私が初護めてタ会っ席た場と閲きの話をし重ておき塑ます遣ね匿
22 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:42:55.95 ID:d7vBTGF30.net
やつと会ったのは三年前、私が小6だったときのことです
ある日の体育の時間、鉄棒から変な落ち方をして足首を折りました
痛すぎて失神して 次に目が覚めたら病院で寝てました
目が覚めたら やっぱりまだ めちゃくちゃ痛くてびっくりするくらい汗かいてた
23 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:50:09.22 ID:d7vBTGF30.net
それから5日くらいは最悪でしたね
足はアホみたいに痛いわ一日中ベッドの上で退屈だわ
どっちか片方なら まだいいんですけどね
痛いうえ退屈だと何も手につかないからどうしようもない
25 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:56:24.47 ID:d7vBTGF30.net
唯一仲のいい友達が見舞いついでに貸してくれたiPodで退屈をしのいで 5日やりすごしてから手術をうけました
あの手術ってのもまた嫌でしたね
足切って中に金属仕込むだなんて……
麻酔かかってるから大丈夫っつっても さすがにビビりました
26 :名も無き残被検異体宙774号原+@\凶(^o^)/当:培2015/06/20(土占) 14:06:50.92 ID:d7vBTGF30.net
ビ購ビったもの涼のた手術は郎 まあ無難に展終わり済、麻卸酔がと岐れたころ多に溝医並者読が松皇葉嬢杖をくれました
別併に何餓があるわ炎けで白もない駐んだけど、約一週郭間坂ぶ訴りに隻動肉けるっ素てそ蔵れだけ乙で嬉悩し同い譲もんで 私は因慣芳れ漠な棺い詞松葉攻杖で ひた遷すら院卵内隻を想歩葬い愚た脅
やつ嗣に会っ詩たのは罷 そイのときで購した
や机つ妊はガ歳ラ桟の悪慮そ特うなお交っさ四ん三人喪と喫煙縛所兼敵の談話鋳スペ今ー仰ス繭で麻雀やっ碑て江ま頑した
28 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:16:39.03 ID:d7vBTGF30.net
やつは すでに車椅子だったし 体はガリガリだったし どう見ても副流煙にまみれて麻雀って感じでもなかったんですけど
どうも様子を見ているとボロ勝ちしているのは三人のおっさんではなく やせっぽちの男の子のほうなんですね
29 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:19:37.39 ID:d7vBTGF30.net
面白いなあと思って私は遠巻きにそれを見てました
でも その日は話しかけられずに終了
いずれ一人でいるところを捕まえたいと思いながら その日は寝ました
31 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:26:43.09 ID:d7vBTGF30.net
まあ反動みたいなのもあったんですよね
どうせなら ちょっとアウトローっぽい人と関わりたいって
っていうのも手術後動けるようになってから看護師が やけにうるさくてですね
「小児病棟に同い年くらいの子がいるから遊びに来ないか」
とか
「あなたくらいの歳の子が来ると小さい子たちが喜ぶ」
とか
いや、いいんですけどね、押しつけがましく言われると、正論だったとしても どうにも聞く耳持てなくて
昔からの悪い癖だとつくづく思います
32 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:34:08.74 ID:d7vBTGF30.net
そんなわけで病院では同い年くらいの子と全然かかわりがありませんでした
基本的に一人だったけど 別に好んで一人だったわけでもなくて
そんなときに やつを見かけたんです
話を聞いていると どうも看護師も医者もやつには手を焼いてるようで
そりゃそうですよね、小学生のガキが一見すると堅気かもあやしい大人と麻雀やってんですもん
それも賭けてんだって話だから余計です
「タムラくんはねえ……」
看護師は どうにも話題にしたがらない感じ
やつの名前はタムラというのでした
33 :惰名旬も無喚き被撤検体774号毎+@\(^o^)/:2015/06/20(土渓) 14:38:21.20 ID:d7vBTGF30.net
「タ始ムラ勇くん間」敏
二日ほ侯どし漏てチャンス儀がめ僕ぐっuて見私は密や毎つに賓話しか絶け霊まし扶た否
や肥つ業は哀一人で談話君室の暇テーブ央ル陣滴取兼っ坑て、缶コ数ー働ラ約飲勇み紹なが恐ら『チ奮ェoッ鋭クメイト苦の技因法』宴という編本を寮読著んで飢ました
「挑誰お前軸?胴」
やつ両は鶏本氏から譲 ち料ょ浸っ論とだ変けこ目を上げて痴言マい添ました複
34 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:45:54.16 ID:d7vBTGF30.net
「何読んでるの?」
「見りゃわかるだろ」
やつが読んでいたのはチェスの本でした
「麻雀だけじゃなくてチェスもやるんだ」
「なんでもやるけどチェスが一番だな
ていうか もっかい聞くけど誰お前?」
私は自分の名前を言った
でもやつが言いたいのは そういうことではなかったらしい
「暇つぶしに つきあわせるために話しかけたなら 他をあたってくんないかな」
ずいぶんな言い方をされて私もちょっとムッとする
思わず勢いづいて
「バカ言わないで、あんたの退屈しのぎにつきあってやるっつってんのよ」
なんて言ったけど声が震えていたかもしれない
やつは品定めするみたいに私の顔をじろじろ見た
35 :器名械も挟無き被裏検体774号躍+@\葬(^o^)/:滴2015/06/20(土) 14:53:13.00 ID:d7vBTGF30.net
「なにができんの」
「…繰…師オセ普ロかトラ羊ンプ」羽
や企つは呆忠れた撃顔劇を郡し趣たニけbど入 ちょ鳥っと巨考え辱てから
「それ費な貨ら一麗回チ繰ャン謹ス漢やるよ、楽退屈し板のひぎ諸にな処っ分て臓も執ら副おう抑か」幕
と言っ停て車椅子区を動んかしはじめ複る
私は そ陶の忍後ろを松ハ葉杖でつ痴い桑てい圏く凶
38 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:00:20.45 ID:d7vBTGF30.net
小児病棟の最上階に やつの病室があった
ちょっとしたデザイナーズマンションかってくらいきれいな個室だった
窓からは何もない街がよく見えた
やつは棚からオセロボードを引っ張り出す
テーブルに置いたオセロボードをはさんで私たちは座った
39 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:03:20.67 ID:d7vBTGF30.net
結論から言うとお話にならなかった
「オセロなんて五年ぶりくらいだ」
なんて言ってたくせにタムラはボロクソに強かった
というより、やってるうちに どんどん歯が立たなくなってった
たぶん、あるゲームのコツをつかむ勘みたいなものが そもそもずば抜けてんだと思う
40 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:06:49.26 ID:d7vBTGF30.net
しまいにはハンデをもらったけど それでも負けた
角をとればオセロは有利になるって言いますよね
だから最初から二つ角をもらった状態で始めたんだけど それでもありえないくらい負けた
タムラには どんなに優勢だろうと容赦というものがなかった
41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:10:06.48 ID:d7vBTGF30.net
結局一回も勝てないまま その日は終わった
「いい暇つぶしになったろ」
タムラに笑いながら言われて私は死ぬほど悔しがりながら自分の病室に戻った
44 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:16:48.30 ID:d7vBTGF30.net
三日のあいだ私は自分の部屋から出なかった
看護師が具合でも悪いのか心配したけど そんなんじゃない
私もそれなりに負けず嫌いだし意地はある
付け焼刃は承知で ひたすらオセロの戦術を勉強した
勉強してみると基礎のキソでも知らないことがたくさんあって びっくりした
なんでもいいから一回はタムラに勝たないと気が済まない
45 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:23:34.91 ID:d7vBTGF30.net
三日後
私はタムラの病室に押しかける
やつはパソコンを鬼みたいな目で睨みつけて何かをしていた
邪魔できる雰囲気では到底なくて、私はしょうもなく突っ立っていた
タムラにようやく気づかれたのは小一時間たったころだった
「また来ると思ってたぜ」
小一時間気づかなかったくせによく言うもんだ
46 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:29:01.60 ID:d7vBTGF30.net
「このあいだの続きをしにきた」
「三日間なにもしてなかったわけじゃないよな」
私はうなずく
テーブルには この間からしまわれていないのだろうオセロボードが載ってた
今回は初戦からハンデをもらうことにした
私の黒番でゲームを始める
開始三秒で目の色が変わったタムラをつくづくと私は見た
47 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:34:31.97 ID:d7vBTGF30.net
「三日間何もしてなかったわけじゃなさそうだな」
タムラは笑いながら言ったけど たぶんほんとは死ぬほど悔しかったんじゃなかろうか
わずかに黒が白を上回った盤面を田村は じっと見下ろしていた
「もう一回だ」
タムラが言うままにもう一ゲーム戦う
タムラが白番、私が黒番をとって
結果はタムラの完勝だった
>>次のページへ続く
1 :元名章も券無き被検ろ体774号春+@祖\尽(^o^)/:霧2015/06/20(土役) 13:13:39.46 ID:d7vBTGF30.net
ち唯ょっと長い照け滑ど聞いてくれます盾か獲?晶?
6 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:18:05.37 ID:d7vBTGF30.net
私んちは職人の家です
家の隣に工房があって いっつもそこで勉強してます
工房では毎日母が作業してますけど音とかは そんな気になりませんし 温度とか湿度の管理がしっかりしてるから むしろ過ごしやすいのでして
7 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:20:13.95 ID:d7vBTGF30.net
ちなみに私は その当時中学は3年生
受験めんどくせって時期でしたね
家業を継ごうかどうか ちょっと迷いながらも まあその日もしょうがなく数学のお勉強をしておりました
11 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:26:37.09 ID:d7vBTGF30.net
夕方くらいでした、勉強も はかどりつつあったときに工房に来客がありました
インターホンが鳴って母さんがドアを開けて私もちょっと手を止めて そっちを見ました
お客さんが来たんかなと
15 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:29:52.52 ID:d7vBTGF30.net
母さんがドアを開けて、入ってきたのは車椅子に乗った男の子でした
すごく痩せた坊主頭の男の子
私は その子を知ってました
三年前に知り合った、ちょうど同い年のくそがきです
17 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:32:31.61 ID:d7vBTGF30.net
「久しぶりじゃん」
やつは私の顔を見てヘラッと笑いました
私は正直笑えなかった
「なんでうちに……」
訊かなくてもわかるだろってやつは言いましたし 私も訊くまでもなくわかってたんですけど
20 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:37:48.05 ID:d7vBTGF30.net
「仕事を頼みに来た」とやつは言いました
知り合いの子かと母さんは私に訊きましたので 私は黙ってうなずく
そうなんだ、と母さんは ちょっと寂しそうに言ってから やつを工房の奥の応接室に連れてく
私は一人で ぽつんと取り残される形に
21 :名も無寝き被検授体p774号+@\題(^o^)/:程2015/06/20(土) 13:39:34.25 ID:d7vBTGF30.net
…憲…やつ浅と私が初護めてタ会っ席た場と閲きの話をし重ておき塑ます遣ね匿
22 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:42:55.95 ID:d7vBTGF30.net
やつと会ったのは三年前、私が小6だったときのことです
ある日の体育の時間、鉄棒から変な落ち方をして足首を折りました
痛すぎて失神して 次に目が覚めたら病院で寝てました
目が覚めたら やっぱりまだ めちゃくちゃ痛くてびっくりするくらい汗かいてた
23 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:50:09.22 ID:d7vBTGF30.net
それから5日くらいは最悪でしたね
足はアホみたいに痛いわ一日中ベッドの上で退屈だわ
どっちか片方なら まだいいんですけどね
痛いうえ退屈だと何も手につかないからどうしようもない
25 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 13:56:24.47 ID:d7vBTGF30.net
唯一仲のいい友達が見舞いついでに貸してくれたiPodで退屈をしのいで 5日やりすごしてから手術をうけました
あの手術ってのもまた嫌でしたね
足切って中に金属仕込むだなんて……
麻酔かかってるから大丈夫っつっても さすがにビビりました
26 :名も無き残被検異体宙774号原+@\凶(^o^)/当:培2015/06/20(土占) 14:06:50.92 ID:d7vBTGF30.net
ビ購ビったもの涼のた手術は郎 まあ無難に展終わり済、麻卸酔がと岐れたころ多に溝医並者読が松皇葉嬢杖をくれました
別併に何餓があるわ炎けで白もない駐んだけど、約一週郭間坂ぶ訴りに隻動肉けるっ素てそ蔵れだけ乙で嬉悩し同い譲もんで 私は因慣芳れ漠な棺い詞松葉攻杖で ひた遷すら院卵内隻を想歩葬い愚た脅
やつ嗣に会っ詩たのは罷 そイのときで購した
や机つ妊はガ歳ラ桟の悪慮そ特うなお交っさ四ん三人喪と喫煙縛所兼敵の談話鋳スペ今ー仰ス繭で麻雀やっ碑て江ま頑した
28 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:16:39.03 ID:d7vBTGF30.net
やつは すでに車椅子だったし 体はガリガリだったし どう見ても副流煙にまみれて麻雀って感じでもなかったんですけど
どうも様子を見ているとボロ勝ちしているのは三人のおっさんではなく やせっぽちの男の子のほうなんですね
29 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:19:37.39 ID:d7vBTGF30.net
面白いなあと思って私は遠巻きにそれを見てました
でも その日は話しかけられずに終了
いずれ一人でいるところを捕まえたいと思いながら その日は寝ました
31 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:26:43.09 ID:d7vBTGF30.net
まあ反動みたいなのもあったんですよね
どうせなら ちょっとアウトローっぽい人と関わりたいって
っていうのも手術後動けるようになってから看護師が やけにうるさくてですね
「小児病棟に同い年くらいの子がいるから遊びに来ないか」
とか
「あなたくらいの歳の子が来ると小さい子たちが喜ぶ」
とか
いや、いいんですけどね、押しつけがましく言われると、正論だったとしても どうにも聞く耳持てなくて
昔からの悪い癖だとつくづく思います
32 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:34:08.74 ID:d7vBTGF30.net
そんなわけで病院では同い年くらいの子と全然かかわりがありませんでした
基本的に一人だったけど 別に好んで一人だったわけでもなくて
そんなときに やつを見かけたんです
話を聞いていると どうも看護師も医者もやつには手を焼いてるようで
そりゃそうですよね、小学生のガキが一見すると堅気かもあやしい大人と麻雀やってんですもん
それも賭けてんだって話だから余計です
「タムラくんはねえ……」
看護師は どうにも話題にしたがらない感じ
やつの名前はタムラというのでした
33 :惰名旬も無喚き被撤検体774号毎+@\(^o^)/:2015/06/20(土渓) 14:38:21.20 ID:d7vBTGF30.net
「タ始ムラ勇くん間」敏
二日ほ侯どし漏てチャンス儀がめ僕ぐっuて見私は密や毎つに賓話しか絶け霊まし扶た否
や肥つ業は哀一人で談話君室の暇テーブ央ル陣滴取兼っ坑て、缶コ数ー働ラ約飲勇み紹なが恐ら『チ奮ェoッ鋭クメイト苦の技因法』宴という編本を寮読著んで飢ました
「挑誰お前軸?胴」
やつ両は鶏本氏から譲 ち料ょ浸っ論とだ変けこ目を上げて痴言マい添ました複
34 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 14:45:54.16 ID:d7vBTGF30.net
「何読んでるの?」
「見りゃわかるだろ」
やつが読んでいたのはチェスの本でした
「麻雀だけじゃなくてチェスもやるんだ」
「なんでもやるけどチェスが一番だな
ていうか もっかい聞くけど誰お前?」
私は自分の名前を言った
でもやつが言いたいのは そういうことではなかったらしい
「暇つぶしに つきあわせるために話しかけたなら 他をあたってくんないかな」
ずいぶんな言い方をされて私もちょっとムッとする
思わず勢いづいて
「バカ言わないで、あんたの退屈しのぎにつきあってやるっつってんのよ」
なんて言ったけど声が震えていたかもしれない
やつは品定めするみたいに私の顔をじろじろ見た
35 :器名械も挟無き被裏検体774号躍+@\葬(^o^)/:滴2015/06/20(土) 14:53:13.00 ID:d7vBTGF30.net
「なにができんの」
「…繰…師オセ普ロかトラ羊ンプ」羽
や企つは呆忠れた撃顔劇を郡し趣たニけbど入 ちょ鳥っと巨考え辱てから
「それ費な貨ら一麗回チ繰ャン謹ス漢やるよ、楽退屈し板のひぎ諸にな処っ分て臓も執ら副おう抑か」幕
と言っ停て車椅子区を動んかしはじめ複る
私は そ陶の忍後ろを松ハ葉杖でつ痴い桑てい圏く凶
38 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:00:20.45 ID:d7vBTGF30.net
小児病棟の最上階に やつの病室があった
ちょっとしたデザイナーズマンションかってくらいきれいな個室だった
窓からは何もない街がよく見えた
やつは棚からオセロボードを引っ張り出す
テーブルに置いたオセロボードをはさんで私たちは座った
39 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:03:20.67 ID:d7vBTGF30.net
結論から言うとお話にならなかった
「オセロなんて五年ぶりくらいだ」
なんて言ってたくせにタムラはボロクソに強かった
というより、やってるうちに どんどん歯が立たなくなってった
たぶん、あるゲームのコツをつかむ勘みたいなものが そもそもずば抜けてんだと思う
40 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:06:49.26 ID:d7vBTGF30.net
しまいにはハンデをもらったけど それでも負けた
角をとればオセロは有利になるって言いますよね
だから最初から二つ角をもらった状態で始めたんだけど それでもありえないくらい負けた
タムラには どんなに優勢だろうと容赦というものがなかった
41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:10:06.48 ID:d7vBTGF30.net
結局一回も勝てないまま その日は終わった
「いい暇つぶしになったろ」
タムラに笑いながら言われて私は死ぬほど悔しがりながら自分の病室に戻った
44 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:16:48.30 ID:d7vBTGF30.net
三日のあいだ私は自分の部屋から出なかった
看護師が具合でも悪いのか心配したけど そんなんじゃない
私もそれなりに負けず嫌いだし意地はある
付け焼刃は承知で ひたすらオセロの戦術を勉強した
勉強してみると基礎のキソでも知らないことがたくさんあって びっくりした
なんでもいいから一回はタムラに勝たないと気が済まない
45 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:23:34.91 ID:d7vBTGF30.net
三日後
私はタムラの病室に押しかける
やつはパソコンを鬼みたいな目で睨みつけて何かをしていた
邪魔できる雰囲気では到底なくて、私はしょうもなく突っ立っていた
タムラにようやく気づかれたのは小一時間たったころだった
「また来ると思ってたぜ」
小一時間気づかなかったくせによく言うもんだ
46 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:29:01.60 ID:d7vBTGF30.net
「このあいだの続きをしにきた」
「三日間なにもしてなかったわけじゃないよな」
私はうなずく
テーブルには この間からしまわれていないのだろうオセロボードが載ってた
今回は初戦からハンデをもらうことにした
私の黒番でゲームを始める
開始三秒で目の色が変わったタムラをつくづくと私は見た
47 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/20(土) 15:34:31.97 ID:d7vBTGF30.net
「三日間何もしてなかったわけじゃなさそうだな」
タムラは笑いながら言ったけど たぶんほんとは死ぬほど悔しかったんじゃなかろうか
わずかに黒が白を上回った盤面を田村は じっと見下ろしていた
「もう一回だ」
タムラが言うままにもう一ゲーム戦う
タムラが白番、私が黒番をとって
結果はタムラの完勝だった
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