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俺の墓場までもっていく秘密となった体験談
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46 :代理人:2005/05/16(月) 01:23:29 ID:4q5HEOqc0
俺はクルー仲間には、二人の関係を知られないように心掛けていた。

彼女も最初はそうだった。
すれ違うとき、一瞬視線を合わせる。彼女の胸やお尻、二の腕が俺
にチッとかすめてゆく。
後はお互いに知らんぷりだが、その一瞬に何かが通っていたと思う。


彼女はスターと呼ばれていた。休憩室に自分のデスクを持っている。
制服も、他のクルーとは違っていた。当然ロッカーも個人のものだ。

Mで彼女は相当信頼されていた。
俺は余りバイトに入らなかったが、連絡を取ることはできた。
休憩室の隣りにもう一戸部屋が借りてあり、そこは彼女が鍵を持っ
ていた。クルーも入れるが、鍵は持っていない。

俺は彼女の手伝いや打ち合わせで、2人きりになる時をその部屋で
もった。2人きりになると、俺達は隣あって座り、休憩室で休んでいる
クルーに内緒で打ち合わせや手伝いをした。彼女を触りながら。
頻繁に打ち合わせがあるわけではない。


たまにある時、彼女は時にはノーパンで俺の隣に座った。



47 :代理人:2005/05/16(月) 01:24:46 ID:4q5HEOqc0
彼女も結構スリルを楽しんでいたと思う。
月に2回ほどだが、一緒に飲みに行ったり、ディスコで踊ったりも
した。
その後はホテルに入った。俺には余りお金がなかったため、
2回に1回は彼女がホテル代を持ってくれた。

彼女と付き合いだして、俺はマスターベーションをする必要がなく
なった。いつでも自由になる女体がある。

彼女は、家庭を壊すつもりはない。
俺も、彼女の考え方に口を出さなかった。




48 :代理人:2005/05/16(月) 01:25:17 ID:4q5HEOqc0
4ヶ月が平穏に過ぎた。

平穏が崩れだしたのは、彼女の行動がエスカレートし始めたためだ
った。

ある時、クルーノートに詩が書いてあった。クルーノートとは、
クルーが思いを書いたり、今日あった出来事を書いたり、色々書き込
む雑記帳のようなもので、いつも机の上に置いてあり、全員が読むこ
とができる。

その詩は、一ページを埋めており、まさしく俺達の結ばれた夜のこ
とをデフォルメして書いてあった。
もちろん性行為の事までは書いていない。が、あの夜が如何に素敵
だったか、等々、詩の形をとって書き込んであった。






49 :代理人:2005/05/16(月) 01:25:54 ID:4q5HEOqc0
今でも思い出す。
詩の中の最後のあたりの一節

「社会が無かったら、道徳が無かったら、
私を縛る太いロープが無かったら
貴方と一緒になれるのに・・・・」

俺は、それを読んで背筋が寒くなった。

この詩はクルー仲間で話題になった。
「これを書いたの、誰だ?」

ご丁寧に、筆跡鑑定を始めるやつがいる。
「Sさんじゃねーか?」
「この部分、どういう意味だ?」




50 :代理人:2005/05/16(月) 01:26:34 ID:4q5HEOqc0
正社員のMgrは、流石に大人で「人生色々あるんじゃないか?」
俺も実はこの会話に加わっていた。
冷や汗を流しながらも、できるだけ自然に振る舞い、
友の発言に相づちをうったりしていた。

俺は今まで彼女のことを聡明で、自分の安定を壊さない程度に人生を
楽しむ術を見つけた女性だと思っていた。

だから、俺にとっても都合の良い彼女だった。
しかし、そうでなくなってきている。



51 :代理人:2005/05/16(月) 01:27:13 ID:4q5HEOqc0
彼女と2人きりになった時、彼女に俺は問いかけた。

「どうしてあんな詩を書いたんだ?」
「さあ、なぜかしら」それから「ふふふ・・・」と笑った。

「皆、あれを見て、あることないこと詮索しているよ」
「やらせておけばいいんじゃない?」

話にならなかった。俺は、誰もいない時を見計らって、あのページを
びりびりと破り捨てた。

そういえば、兆しもあった。彼女は、バイト先で俺に突然怒りだす
こともあった。
他のクルーには相変わらず愛想がいいが、俺に冷たかったりする。
理由で思い当たる節はなかった。




52 :代理人:2005/05/16(月) 01:28:20 ID:4q5HEOqc0
俺のふとしたしぐさや、仕事の進め方、特に新人の教え方など、
気にかかることがあると俺に突っかかってくるらしいというのは、
後で分かったことだ。
俺は結構厳しいトレーナーだったし、仕事で甘えるのは嫌いだ。
技術というのは、厳しく教えられなければ身に付かない。

その厳しく接する姿が気にくわないと、怒りだすのだ。が、
それは彼女の職分を超えている。
事実、俺は店長にはほめられていた。

要は、彼女はバイト仲間としての一線を超え、俺に彼女が理想とす
る姿を演じて欲しくなったのだろう。
彼女は俺にひどく甘えてきたり、つっけんどんになったりと
俺は彼女に振り回されるようになってきた。



53 :代理人:2005/05/16(月) 01:29:08 ID:4q5HEOqc0
またある時は、休憩室の流しの前の鏡に、俺の名前とハート、
それを貫く矢が落書きされていた。
ご丁寧にボンドを使って描いてある。
俺の名だから、がりがりと引っかいて30分位かけて綺麗にした。

後で彼女に「こんな事があって、困ったよ」というと、
彼女はクスクス笑い始めた。
俺が目で「君か?」と問い掛けると、彼女はあかんべーをした。
そして、俺に乗りかかってきて激しいキスをして、そのまま俺を抱
きしめた。

それは、Mの休憩室の中だった。
俺は彼女を優しく離し、唇をぬぐった。
口紅が付いてしまっているはずだ。
彼女愛用の口紅の味が、俺の唇にこびりついていた。



54 :代理人:2005/05/16(月) 01:32:49 ID:4q5HEOqc0
彼女は36歳。19歳で結婚し、20歳で出産していた。
目の前にいる、未だ独身と言われてもおかしくない彼女に、
俺とそう違わない子供がいるなんて、不思議に思えた。
思わずまじまじと写真を見つめてしまった。

このように恵まれた生活の中、何が好みででMのバイトなどに入っ
ていたのか。そして、なぜ俺と不倫など始めたのか。

「寂しかったのよ」とぽつりと彼女は漏らした。

自分を無くして、子供達のためだけに生きてきた。子供達は健やか
に育ち、一応育て上げへの準備が整ってきたとき、
彼女は失われた20代を思い起こしたのだろう。






55 :代理人:2005/05/16(月) 01:33:31 ID:4q5HEOqc0
今になって彼女の気持ちがわかる。
が、当時は分からなかった。彼女の感情の振幅の大きさに、
俺は当惑していた。

突然べたべたと甘えてきたり、俺に冷たくなったりする彼女。
彼女を抱いているときは、彼女は従順だった。
彼女には体臭が余りなく、清らかな感じだった。
俺はマスターベーションをいつの間にかしなくなった。
我慢していれば、彼女を抱ける。そんな思いがあった。
だから、抱くとなると一度に3発など、若かったな、と思う。


彼女はご主人に抱かれるのを好まなかったという。
それが俺には信じられなかったのだが、あの男前だ。
浮気も相当だったのだろう。
俺との関係も、ご主人に対する復讐みたいな意味合いがあったのか
もしれない。

が、いつの間にか、彼女は本気になり始めた。




56 :代理人:2005/05/16(月) 01:34:19 ID:4q5HEOqc0
言葉の愛撫を彼女は好んだ。これは、毎回そうだった。
愛の言葉を聞きたがり、それを聞くたび濡れていった。
俺は、時に冗談で聞いた。

「ご主人と別れる? 俺と一緒になる?」すると彼女は
必ず左右に首を振った。
「そう、所詮俺は君にとって若い燕なんだよね」
彼女は申し訳なさそうに俺の髪をなでた。

が、後半になると、同じ質問をしても返事をしなくなった。
黙って俺の目をじっと見つめたり、視線をそらせたりした。
ノートの件があったのは、その頃だ。
彼女の心は揺れていたのだと思う。最初は遊びだったのだろうが。

そこで俺が彼女の心に応えてあげたら、どうなっただろうか。
が、俺は一歩引いた。
泥沼に引き込まれるような何か恐ろしいものを感じ、鳥肌が立つこ
とがあった。



57 :代理人:2005/05/16(月) 01:35:07 ID:4q5HEOqc0
俺の生活で、Mはごく一部でしかなかった。
彼女の存在も、俺にとって都合の良い関係でしかなかった。
時に一緒に時間を過ごす。そして、セックスする。
彼女は若い男とデートできるし、俺も性欲を満足することができた。

俺のメインの生活基盤は大学で、部活もやっていたので非常に忙し
かった。3年になると、司法試験を受けることができる。
俺の友達は、司法試験目指して目の色を変えている人間が多かった。

俺も、受験を考えていた。受からなくても、勉強すれば成績は上が
るし、成績が上がれば、良い職場に就職すると事ができる。

俺は部活を止め、町道場で剣術を学び始めた。
古流を教える道場で、古流は型を学び反復して身に付ける。
時間があれば、自主稽古できるので、受験生の俺には都合が良かった。





58 :代理人:2005/05/16(月) 01:35:51 ID:4q5HEOqc0
剣術の道場では、俺は真面目な修行者だった。
友達は作ったが、雑談を交わすぐらいでほとんど稽古終了後は帰宅し、
机にかじりついた。

稽古も、勉強につかれたときに素振りをしたり、型の練習をしたりで
時には汗だくだくになるまで反覆をしたりした。

道場には司法試験の受験生が数名いた。彼らは卒業後、研究室に所
属し、試験には毎年落ち続けていた。俺はああはなりたくなかった。

が、T大をはじめとする一流大卒が落ち続けているのを見ると、
俺は自分に自信がなくなった。
道場に、可愛い子が入門してきた。
俺は、初心者クラスの指導も行っていたので(当時は)、
彼女とはしばしば話をした。

彼女は親しげに俺に指導を求めてくる。俺は、できるかぎり彼女に
教える。
それこそ手取り足取りだ。足構えを直すには、太ももに手を触れ、
構えを直すには手を取る必要がある。



59 :代理人:2005/05/16(月) 01:36:57 ID:4q5HEOqc0

俺はいつしか、稽古の帰りに彼女と並んで駅まで歩くことが多くなった。
会話は楽しかった。Mでは俺は浮いていた。余りバイトに入らな
かったから。

俺がトレーナーでしごいた人間が、いつの間にかMが全ての人間になり、
MGRの卵になっていった。ということは、俺より上になっていっ
たのだ。自然、面白くなくなる。


道場では、Mちゃん(彼女の名)は俺を尊敬の目で見てくれていた。
といっても、一年早く入門しただけの先輩だったのだが。
Mちゃんは、幼児教育学科に所属し、幼稚園の先生になるのが夢と
いっていた。

いつしか俺はMちゃんとも仲良くなっていった。



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