「酷い!○君の子だったらどうするつもりよ!」
逆切れする彼女。
「うっせ!まずモテ雄のDNA鑑定が先だ!
それで俺のだって判明したら認知でも何でもしてやろうじゃねぇか!」
「私はおろしたっていいよ。○君がそう言うなら・・・」
もう・・・本当トンでも女でさ、思い出したくないから書きたくなかっ
たんだよね。
「おろすとか言うな!」
もううんざりな俺は呆れ気味に彼女を制した。
俺は本当に彼女しか女を知らんかったし、若造だった当事の俺には
話が重すぎた・・・。
「と、とにかくだ・・・」
俺はハァハァと息を切らしながら話を切り出す。
「まず話を整理しよう。いいな?」
俺が言うと彼女は素直に頷いた。
「俺はもうお前と付き合う気はない」
引きずらないようそこはキチッと言い切った。
「でも、もしお前の胎に子供ができてたら1%だが俺にも責任の可能性が
ないわけではない」
身じろぎせずに聞き入る彼女。
「だからもしデキてたら早急に俺の所に来い。いいな?」
「行ってどうするの?」
悲しそうな顔で俺を見る彼女。
「一緒にモテ雄の所に行って話しつけに行こう」
童貞も捨てさせてくれたし多少なりとも彼女に情が残っていた俺は
もしその時は 奴にそれなりの責任をとらせるつもりでいた。
しこたま殴った相手だし嫌だったけどしょうがない・・・。
「それでいいな?」
嫌と言わせぬ雰囲気で俺は彼女を睨んだ。
「・・・・」
返事をしない彼女。
「もしデキてなかったら、これでお別れだ」
別れを告げる俺。
「俺もお前も若いんだし、
最初につきあった者同士が最後まで
添い遂げるなんて事は稀だろう?
ドロドロする前に綺麗にわかれよう。
俺もお前を嫌いになりたくないし。頼むよ」
極力優しい口調で諭す俺。
「・・・うん。わかったよ」
彼女の表情から諦めムードが漂う。
「そうか」
やっと修羅場が終わりそうになりどっと疲れが襲ってきた。
居座られても困るので俺がすっくと立ち上がると彼女もバックを持ち
立ち上がった。