妻は男の言葉に更に興奮が高まってきたのか、喘ぐようにいいます。
「紀美子をずっと健一さんのものにして。もっと、もっと淫乱になるように紀美子を作り変えてっ!」
「マゾで露出狂にもしてやるぞ」
「わ、わかりましたっ。好きなようにしてっ」
そう叫んだ妻は男に唇を求められ熱い接吻を交わします。
指による責めで絶頂に達したのか、妻は男から唇を離すと「イクっ」と叫び、身体を震わせました。
お気に入りのスカートは妻の花蜜ですっかり濡れてしまったでしょう。
そこまで見た私は衝動的にメディアプレイヤーを停止させました。
***
完全に妻を失ってしまった。
私が愛した妻はもうどこにでもいない。
今いるのは春日という男に身も心も捧げる一匹の淫らな牝でした。
私は、これまで妻のどこを見ていたのでしょう。
人間は15年以上も共に暮らした相手を、こうも残酷に裏切ることができるのでしょうか。
私にとって最も辛かったことは、信頼する相手に裏切られたことによる衝撃、
妻が私が思っていたような人間ではなかったことからくる失望よりも、
愛するものを失ったという喪失感と悲しみでした。
そう、あれほどの妻の変貌振りを見せられても、私は妻への愛を捨て切れていないのです。
この耐え難い苦しみを断ち切るためには、同時に妻への愛も断ち切らなければならないと思いました。
そのために私は妻の醜い姿を直視し、自分とは縁のない存在だと思わなければならないと考えました。
写真が庭での散歩の場面からすぐに食事の場面に移っているということは、その間はビデオで埋められていると思われます。
その一部、着衣のまま男に秘部を嬲られ絶頂に達する妻の姿はたった今見た訳ですが、
食事前に浴衣に着替えているからには、2人で部屋に備え付けられている露天風呂に入ったに違いありません。
そういえば先程、ほんの短い時間ですが、妻がタオルを身体にあてて露天風呂に入っている場面がありました。
私は深呼吸をしてビデオを再開させました。
妻は、全裸になって露天風呂の前に仁王立ちの姿勢をとっています。
露天風呂は前面が完全に海に面しているため、目隠しは一切ありません。
夕日にキラキラ光る海を背景に立つ妻の裸身は、思わず見とれてしまうほどです。
画面の中に男が現れます。
男は片手に剃刀やシェービングクリームの入った洗い桶を、
もう一方の手に手拭を持ったやはり全裸の姿です。
だいぶ前から気づいていましたが、
男は2台のビデオカメラを使って妻を撮影していると思われます。
1台は固定、1台は手持ちで撮っているようですが、
撮影は相当手慣れておりまた編集も巧みであるため、映像の流れは極めてスムーズです。
しかし、ここでは妻の陰毛を剃るため男の手が塞がることから2台とも固定で撮影されます。
1台のカメラは妻の秘部をクローズアップで撮るよう調整されており、
もう一台のカメラは妻のバストショットを収めるようになっています。
「あなた……
チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子の、
むさくるしいマン毛を一本残らずお剃りになって、
早く赤ちゃんのような姿にしてちょうだい」
もはや「春日紀美子」という言葉を聞いても大きな感慨はありません。
まるで他人の夫婦を覗き見しているような気分でした。
男は、妻にシェービングクリームを吹きかけ、丁寧に剃り上げていきます。
妻も最初のビデオで見せたような抵抗は見せず、
うっとりしたような表情で男にされるがままになっており、
時折腰を浮かして男の作業に協力したりしています。
「ああ、、あなた、、紀美子のクリトリスに間違って傷をつけたりしては嫌よ」
「そんなへまをするもんか。ほら、もっとマンコをしっかり突き出せ」
「これでいい? あなた……あっ、悪戯してはいや……綺麗にしてからゆっくりすればいいじゃない」
「はは、悪い、悪い」
妻と男はそんな言葉を交わしながら淫らな遊びに酔っているようです。
私は、妻と男はいつからの関係なんだろうかと考えてみました。
この、まさに夫婦のような親密さに至るまで、2人の間でどれほどの密会が交わされたのでしょうか。
私はふと、この「霽月館」という旅館が、土曜の夜などは1年前から予約しないと取れないということを思い出しました。
妻と男が泊まった12月4日はまさに土曜日です。
すると2人は、1年以上前からの関係なのでしょうか。
1年前の12月もやはり妻と男はどこかで関係を持ち、
1年後はこの旅館に泊まろうと約束を交わしたのでしょうか。
もし、そうだとしたら、私は妻に、想像以上に長い間裏切られてきたことになります。
この1年間の妻の笑顔、妻の優しさ、それはみんな偽りだったのでしょうか。
ビデオの中の妻はすっかり剃り上げられたあげく、自ら男に対して剃り残しのチェックをお願いしています。
妻の恥丘から肛門の周囲に至るまで念入りに点検した男は「よし」といって妻のヒップをパシッと平手打ちします。
場面は変わり、妻は露天風呂の洗い場で、風呂の縁に腰をかけた男の前に正座しています。
「あなた……綺麗にして頂いて有難うございます。
お礼として、たっぷりご奉仕させていただきますわ。
チンポ大好きの春日紀美子に、
あなたのザーメンをいっぱい飲ませてね」
妻はそういうと、男に深々とお辞儀し、髪をぱっと後ろに払って男のペニスにむしゃぶりつきます。
「おっ……随分うまくなったじゃないか……さすがはチンポ大好きの淫乱妻だ」
そういいながら男は妻の頭に両手を当て、髪の毛をぐしゃぐしゃにします。
妻はうっとりした表情で男にしゃぶりつき、舌を犬のように大きく出して男の玉袋をペロペロと嘗め、
また口をすぼめるようにして激しく上下させます。
それは昨夜私に対して発揮したのとまったく同じ技巧です。
「あなた……後ろを向いて」
妻の言葉に男は後ろを向き、尻を妻のほうへ突き出します。
何をするのかと見ていた私は、次に妻が行った行為に驚愕しました。
妻は男の双臀を開くようにすると、男の肛門に接吻したのです。
「どうだ、俺のケツの穴の味は」
「ああ……美味しいですわ」
「もっと舌先をすぼめて、ケツの穴に押し込むんだ」
「ハイッ」
なんということでしょう。
男の排泄器官にまで奉仕する妻──
娼婦でさえ嫌がるような行為を進んで行うとは──
あの清楚な妻がここまで堕落するとは信じられないことでした。
たっぷりと男の肛門に奉仕した妻は、再び前を向いた男の肉棒をしゃぶります。
「もっと強くしろっ」
「……ハイッ」
「そうだ……いいぞ……おお……もう、出すぞ……いいか、全部呑み込めよ」
男はそう言うと「ううっ」と声を上げ、妻の口の中に一気に欲望を放出しました。
妻は一滴もこぼすまい、といった風に男の射精を必死で受け止めています。
妻のうっとりした表情が大写しになったところで長い一本目のビデオは終わりました。
私はどっと疲れがこみ上げてくるのと同時に、不思議な興奮を感じていました。
今まではビデオの中の妻の痴態を見ても怒りと悲しみが湧くだけで、
勃起することはほとんどなかったのですが、
今は私のペニスは昨夜3回も射精したとは思えないほどの硬化を見せていました。
いえ、正確には一度、妻がビデオの中で焦らすようにパンティを脱ぎ、妻の白いお尻が徐々に現れる場面で私は興奮しました。
それはまるで妻が目の前で私に対して挑発しているように感じたからなのです。
それでは今、妻が男に奉仕しているところを見て興奮したのはなぜでしょうか。
それはやはり、妻が私に対して奉仕しているような錯覚を感じたからだと思います。
昨日の妻の絶妙なフェラチオ──ビデオの中で妻は、私に対して行わなかった肛門への奉仕まで演じていますが、
そのことがむしろ、より私を興奮させたのではないかと思います。
私は、決して寝取られ志向ではないと思っていました。
むしろ自分を裏切った妻やその相手に復讐するというシチュエーションに興奮するほうです。
不倫を盾にして妻を従属関係に置くというのが好みなのです。
しかし、何故か最後には妻とはハッピーエンドになることを望むのが我ながら複雑ですが。
私は、ふと、男がビデオや写真の中で妻に対して行っている行為が、
日頃私自身が妻に対して試みてみたいと思って果たせなかったものだということに気づきました。
妻に対する言葉責め、軽い野外露出、剃毛などのソフトなSM、明るい場所でのストリップやコスプレ、いずれも私が妻に行ってみたいと思っていたことです。
実際に、妻に対して冗談交じりに提案したこともありますが、
妻はそんな変態的なことは出来ない、恥ずかしいといってどれも拒絶してきました。
どれも変態的というほど大層なものではないのですが、確かに完全に正常な行為とはいい難いので、私もそれ以上強く要求することはありませんでした。
しかし、妻が男に命じられて演じている行為は、いずれも不思議なほど私の嗜好に一致するのです。
妻の不倫相手になった男がたまたま私と趣味が一致する男だったのでしょうか。
もしそうなら、私の要求は聞けないで、男の要求は聞けるのはなぜでしょうか。
やはりそれは私よりも男を愛しているから、ということなのでしょうか。
私はその回答が知りたくてビデオの後半にあたる「20041204b」というファイルを開きました。
***
部屋には既に豪華な布団が敷かれています。
その横で真っ赤な下着を身につけた妻が正座をしています。
ビデオ後半はいよいよ男とのセックスシーンのようです。
下着は、撮影の角度からはよく分かりませんが、それまで着ていた黒のシースルーのものよりはずっと小さいと思われます。
部屋は煌々と明るく、備え付けの電灯以外に男が用意した撮影用のライトが灯されているようです。
セックスの際はいつも明かりを消すように訴えていた妻が、
こんな明るい場所で男に抱かれるということが信じられません。
「あなた……今夜はチンポ大好きな淫乱妻の紀美子を、思い切り可愛がってください。よろしくお願い致します」
そういうと妻は深々とお辞儀をしました。
「よし、可愛がってやるから今夜の紀美子の目標を言ってみろ」
「ハイ……」
紀美子は少し恥ずかしげに目を伏せましたが、すぐに顔を上げて口を開きます。
「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、最低8回はイクことを誓います」
「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、愛する夫であるあなたにお尻の処女を捧げることを誓います」
「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、お口、オマンコ、お尻の3つの穴を使って、愛する夫であるあなたに3回は気持ち良くなっていただくことを誓います」
「以上、3つの誓いに違反した場合は、どのようなお仕置きも喜んでお受けすることを誓います」
そこまで言い終えた妻はとろんと潤んだ瞳をカメラに向けます。
妻はそんな屈辱的な言葉をはかされることで明らかにマゾヒスティックな悦びを感じているようです。
「立って見ろ」
「ハイ」
妻は素直に立ち、気をつけの姿勢をとります。
妻の下着姿の全貌が明らかになりました。
赤い上下の下着は透けては、いませんが面積は非常に小さく、妻は裸同然、いや、むしろ裸よりも恥ずかしい姿だと言えます。
「そのブラジャーはどうなっているんだ」
男の問いに妻は無言でほほ笑むと、ブラジャーに指をかけました。
ビデオカメラが妻の胸にズームインしていきます。
赤いブラジャーは生地にラメが入っているようで、キラキラ光るそれは下着というよりは踊り子の衣装を思わせます。
驚いたことにそのブラジャーは前が割れるようになっており、妻の茶色の乳首が布地の間から飛び出しました。
既に興奮しているためか、乳首は堅く勃起しています。
男は、数回妻の乳首を揉み上げるようにしていましたが、やがて妻の下半身にビデオカメラのレンズを向けます。
妻のはいているパンティは、ストリッパーのやはりバタフライのような小さいもので、
事前に剃毛していなければ黒々とした陰毛が横からはみ出していたことでしょう。
「パンティーはどうなっているんだ」
妻はやはり無言でほほ笑むとパンティーに指をかけます。
想像した通りパンティーの前の部分は大きく開き、妻の無毛の陰裂が丸出しになりました。
「さすが淫乱妻の下着は普通とは違うな。そんな助平な下着をどこで買って来たんだ」
「これは……あなたが……」
「俺がどうした? 俺はそんなものを買ってやったおぼえはないぞ」
「ああ……ごめんなさい。紀美子が、紀美子が自分で買いました」
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