男は、妻を言葉で責めながら、同時に片手でパンティの割れ目越しに妻の秘部を嬲り、空いた手の平で乳首を転がすようにしています。
それだけで妻は情感が迫って来たようで、「あっ、あっ」とこらえ切れない喜悦のうめき声を上げ始めます。
「自分で買ったということは紀美子はこんな助平な下着が好みだということだな」
「ハイ……淫乱妻の紀美子は助平な下着が大好きです……ああっ」
妻の興奮はますます高まり、鼻息が荒くなっていきます。
「初めてのときは、いかにも貞淑そうな白い下着をつけていた癖に。
明るいところで抱かれるのも、マンコを近くから見られるのも嫌がっていた癖に。
あの時の紀美子は猫を被っていたのか」
「ハ、ハイっ。猫を被っていましたっ。本当は淫乱なのを隠していましたっ」
興奮して妻は叫びます。
私は男と妻のやりとりで、2人が初めて関係を持った時の様子のほんの一端を知りました。
私が心の底で本当に恐れていたのは、妻が結婚した当初から私が考えていたような人間ではなかったということです。
それならば私と妻の15年以上の結婚生活はすべて無意味なものとなってしまいます。
***
そうでなくても、今回の男が初めてではないという可能性もありました。
妻の昼の顔と夜の顔が全く違う、あるいは夜の顔も私に見せるものと他の男に見せるものが違うということです。
しかし、恐らくは、妻は今回、春日という男と出会うことで変貌させれれたようです。
このようなことにもささやかな安堵を感じてしまうのは、これまであまりにも衝撃的なことが多かったからでしょうか。
しかし、どうして妻は変わってしまったのでしょうか。
私との行為では淫らになれなかった妻が、男とでは淫らになれるのはなぜでしょうか。
それほど男の妻に対する調教が巧みだったということでしょうか。
「紀美子のような淫乱妻に一晩付き合ったのでは流石の俺も体力がもたん。最初の一回目は見ていてやるから一人でイけ」
「そんな……」
妻は嫌々と首を振ります。
すでに妻の小ぶりの乳房は完全に露出し、パンティは身体を隠す役割は一切果たさなくなっています。
「淫乱妻はチンポでないとイケないのか? 一度一人でイカないと、いつまでもハメてやらないぞ。それでもいいのか」
「あっ……それは嫌です。我慢できません」
「それならやるんだ。まずこう言ってから始めろ」
「ああ……」
耳元で何事か囁いてくる男に、妻は首筋まで真っ赤にしながらかぶりを振ります。
何度か催促された妻はようやく諦めたように口を開きました。
「あ……あなた……チンポ大好きな淫乱妻、春日紀美子がマンズリをかいてイクところを見ていてください。お、お願いしますっ」
男に秘部を嬲られながらそう言った妻は、「ううっ」と声を上げ身体をブルブル震わせました。
自分の発した淫らな言葉と男の玩弄がシンクロし、絶頂に達したのでしょう。
画面が変わり、妻は布団の上で蛙のように脚を広げ、横たわっています。
豊満な尻の下には枕が当てられ、妻の無毛の秘部ばかりでなく、双臀の狭間に秘められた肛門までが露になっています。
妻は右手に持ったローターを乳首にあて、左手に持ったバイブで膣口からクリトリスをゆっくりと愛撫しています。
2つの器具から発せられるジーッというモーター音が次第に妻のハア、ハアという喘ぎ声にかき消されていきます。
ビデオカメラの一台は妻の股間から全身を写し出す位置に、
もう一台は男が手に持っているようでローターやバイブの動き、
また喘いでいる妻の顔を写しています。
相変わらず男のビデオ編集は巧みで、まるで本物のAVを見ているようだ、などと変なところで感心してしまいます。
「黙ってマンズリをかいてるんじゃない。今どんな気持ちなのか、
どこが感じるのか、ビデオを見る人間がちゃんと分かるように実況するんだ。
上手くやらないとこのビデオをアダルトビデオの業者に持ち込むぞ」
「ああ、嫌……それだけはやめてー外を歩けなくなっちゃうー」
「分かったら始めるんだ」
「ハ、ハイ……チンポ大好きの淫乱妻、か、春日紀美子は、今ローターを乳首にあてて、お、おバイブをオマンコに当てていますっ」
「そんなことは見ていれば分かる」
男は妻のヒップをピシャリと叩きます。
「どんな気持ちか、どこが感じるのかを伝えろといっただろう。
真面目にやらないと紀美子のマンズリビデオが全国のビデオショップに並ぶが、それでもいいのか」
「いやー、わかりました。ちゃんといいます」
男は妻が持ったバイブに手を添えるようにして、ぐいぐいと出し入れさせると、妻は悲鳴のような声を上げて男に屈服します。
「き、紀美子の淫乱な乳首が、ローターのブルブルする刺激で、ビンビンに感じていますわ。
ク、クリトリスも、おバイブのダイナミックな動きに……ああ、き、紀美子、もう、負けちゃいそうっ」
「流石に淫乱妻は表現力が豊かだな」
男は、楽しげに笑いながら、旅行カバンの中から小さな羽帚を取り出します。
「この前の復習だ。紀美子の性感帯を上から順番に言え。間違えたらお仕置きだからな」
「いやー、今それをされたら」
「イってしまいそうなのか」
妻は声を上げることもできず、ガクガクと頷きます。
「全部言い終わるまでに気を遣ってもお仕置きだからな。今日はアナルセックスをするんだから、お仕置きは浣腸がいいだろう」
「浣腸なんて嫌ー」
「なんだ、紀美子は経験があるのか」
「ありません、でも嫌ー」
「嫌なら最後まで我慢するんだ。言っておくが途中でローターやバイブを身体から離してもお仕置きだ。いいか、始めるぞ」
男がそう告げると妻は覚悟を決めたようで、ぐっと歯を食いしばります。
少しでも気を緩めたらイキそうになるのを必死でこらえているようです。
「一番上はどこだ」
「み、耳たぶ……」
男が羽帚で妻の耳たぶをくすぐると、妻は「ヒッ」と声を上げて首をすくめます。
「そんな答え方じゃ駄目だ。ちゃんと教えた通りに言わないか」
「わ、わかりました。ち、チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子の一番上の性感帯は耳たぶです」
再び男の羽帚による攻撃が妻を襲います。
妻は何とかイクのをこらえたようです。
続いてうなじ、腋の下、胸元、乳首が順に責められます。
妻が自分の性感帯をはっきりと告げるたびに私は何か複雑な気分になって来ました。
妻とのセックスでそれぞれの箇所を愛撫したことはありますが、
そこが性感帯であるということをはっきり意識していたでしょうか。
私は妻の身体について無知であったことを思い知らされました。
性感帯を順に執拗に責められた妻はもはや懊悩の極致といった感じで、
素っ裸をガクガクと痙攣させています。
あと少し責めればあっけなく絶頂を極めてしまうでしょう。
「さて、次は……」
男の羽帚が妻の下腹部から下に降りてくると、妻は恐怖に目を見開きます。
「クリトリスとオマンコは勘弁してやろう。さすがにそこを責めるとあっと言う間にイってしまうだろうからな」
妻は、一瞬安堵したようですが男の羽帚が双臀の狭間に触れると、
途端に「アアッ」とうろたえたような声を出しました。
「どうした? クリトリスとオマンコは勘弁してやるが、次は駄目だぞ。
いくら淫乱妻の紀美子でも、まさかこんな所を責められてイクはずはないからな」
「ハ、ハイ……」
妻の声は恐怖と緊張、そして押し寄せる快感に震えています。
私は思わず画面に引き込まれていました。
「それじゃあ、次の答えをいってみろ」
「ハイ……チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子の上から10番目の性感帯は、お、お尻の穴ですっ。ああっ……」
いきなり男の責めが開始されました。
妻は、電流に触れたように激しく身体を震わせています。
「1分間我慢すれば浣腸は許してやるぞ。どうだ、我慢できるか」
「が、我慢……しますっ」
「そうだろうな。いくら淫乱妻だといっても、まさか、ケツの穴を責められてイクほどの変態女じゃないだろう」
「ハ、ハイッ……」
妻は必死で絶えていましたが、30秒もたたないうちに降参します。
「あ、ああ……も、もうっ。駄目っ」
「イキたいのか」
「ハイッ、もう、我慢できませんっ」
「お仕置きは浣腸だぞ、いいのか」
「は、ハイっ。か、かまいませんっ」
「よしっ、それなら思い切りイケっ」
散々焦らされていた妻は「イクッ」と叫ぶと、魚が跳ねるような激しさで全身をガクガクと震わせます。
これほどのオルガスムスを感じる妻を見るのは初めてでした。
その後のビデオは、妻と男のセックスシーンが延々と続きました。
一晩中、妻と男は愛し合っていたようですが、ビデオには妻の絶頂シーンを中心に編集が施されていました。
妻はイク度に男からそう言うように命じられているのか、
「チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子、3回目、イかせて頂きますっ」
などと叫ぶのでした。
最後は声が涸れるほどになった妻は「8回目、イかせて頂きますっ」と叫んで男に抱かれながら失神するのでした。
妻は、一番目の誓いどおり一晩で8回の絶頂に達しましたが、
「20041204」と名づけられたビデオには、妻の浣腸シーンや、アナルセックスのシーンはどこにもありませんでした。
念のために写真のファイルもチェックしましたが、それは妻と男の翌日のスナップがほとんどでした。
前日のような刺激のある写真もほとんどなく、私には妻と男が旅館の前で仲良く手を組んでいる場面や、土産物屋で楽しそうに買い物をしている場面が心に痛かった程度です。
その日と翌日にかけて、私は、妻と男の記録、
つまり7月15日から12月24日までのビデオと写真を全てチェックしました。
私にとってはどれも衝撃的なものでしたが、
やはり、男と妻が1泊旅行をした12月4日のものがもっとも刺激の強いもので、
始めにそれを見た私は不感症気味になったのか、他のものについてはいくぶん冷静さを持ってみることが出来ました。
いよいよ連休明けの11日となりました。
私は会社に電話を入れ、急病のため休むと伝えました。
年明け早々、また三連休の後で急に休暇を取るというのは、
勤め人として褒められたことではありませんが、
妻と男のことにけりをつけない限り、落ち着いて仕事も出来ません。
私はスーツを着ると、いつもの会社とは違う方向、妻のパート先である銀行に向かいました。
***
妻と男の情交の記録を見続けた私は、到底妻とやり直すことは不可能だと思っていました。
妻とは離婚する。子供たちの親権も渡さない。
財産分与と養育費は相殺して妻を身一つで放り出し、さらに妻と男に対して慰謝料を請求するつもりでした。
また、私が営々と築き上げた家庭が崩壊した訳ですから、男の家庭も崩壊させるつもりです。
男の妻に対しても事態を明らかにするのです。
男の妻から私の妻に対して慰謝料の請求があるかも知れませんが、
それは離婚を決めた私には、もはや関係のないことです。
私は男と対決するにあたって、不倫や離婚にかかわる法的責任について十分頭に入れて行きました。
本当なら妻を奪った男をぶん殴り、
職場にも男の所業を言い触らして男を破滅させてやりたいところですが、
そうなると私の方が罪に問われかねません。
私の心は、男と妻に対する復讐心で一杯であり、
男と妻の関係を終わらせ、妻とやり直すなどという発想はまったくありませんでした。
私は、妻が冷蔵庫にマグネットで貼っているパートのシフト表から、妻の所属部署と直通電話を調べていました。
銀行の始業時間前をねらって、携帯から電話をかけます。
「お電話ありがとうございます。A銀行融資業務部です」
「そちらにお世話になっている○○の夫ですが、春日健一さんをお願いいたします」
「次長の春日ですね、少々お待ちください」
春日は喜美子の勤める部署の次長のようです。
銀行での出世の早さがどう入ったものなのか良く知りませんので、
優秀なのかそうでないのか分かりかねます。
電話が保留にさせる間、聞き慣れたクラシックのメロディが流れました。
私は必死で気持ちを落ち着けます。
「はい、春日です」
「はじめまして、私、○○紀美子の夫です」
「ああ、奥様にはいつもお世話になっております」
春日はわざとらしく陽気な声を出します。
私は春日の話振りがビデオとは違う関西弁のアクセントがあることに気づきます。
(別人か?)
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