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絶対に読んではいけない本を小学生の頃に読んでしまった話
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90 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 20:34:58.06 ID:aFKLnE6IT
引き戸の磨りガラスの向こう側に俺のカバンが透けて見える。

怖かった、本当に怖かった。

俺は心の葛藤をAに伝えず呑み込んで、首から下げている紐を手繰り寄せ、その先に縛ってある家の鍵を取り出し鍵穴に差し込んだ。

金属の擦れる音も解錠した感触も全て指先から伝わってきた。

加減を忘れたのか、中の誰かに伝えたかったのか、俺は取っ手にかけた指を力一杯右にスライドさせた。

大きな音とともに開かれた引き戸、少し身構えたAと俺は見える場所全てに目を通した。

とても穏やかだった。

先程の入る事を拒む様な空気は無く、いつもの安全な家族を守ってくれる、ただの家に戻っていた。

それは、Aが隣に居てるから心に余裕が出来たせいか、それとも攻める側にまわったからなのか分からないが。

電気は変わらず点いてなかったけど、怖い暗さでは無くなっていた。

俺はAを玄関に待たせると、小走りで部屋の中や押入れ、物干し場も一応目を通してAに居ない事を伝えた。



91 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 20:36:40.07 ID:aFKLnE6IT
こうなると、やはり弟の家に行くしかない。

今度は鍵をしっかり閉めて弟の家に向かった。


インターホンを押して間も無く弟が出てきた。

俺達は小声で鍵の話を伝えようとしたけど、どうも様子がおかしい。

何か奥から弟の婆ちゃんの泣き声も聞こえる。

弟は言いにくそうな態度で口を開くと「兄ちゃんが捕まった」と小さな声で呟いた。

その言葉に2人して呆気にとられていると、弟が もしかしたら あの本のせいかなぁと消えそうな声で呟いた。

確かに兄貴が変わったのは本が届いてからだ。

俺達が勝手に読んだ時のキレっぷりも今まで見た事がない態度だったし。


話が途切れて、一応鍵の話も軽くしておいたが根本はやっぱりあの完全犯罪マニュアルにあると思った俺は、今のうちに何が書いてあったか見た方がいいんじゃないか?と弟に言うと、同意して部屋に案内してくれた。



92 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 20:37:20.40 ID:aFKLnE6IT
階段を上がる途中、お婆ちゃんのすすり泣く声が廊下に響いた。

弟が学校から帰って来た時、母親が不在でお婆さん1人で泣いていたらしい。

お婆さんに泣いてる理由を聞いたところ、兄貴を迎えに警察に行ったと弟に伝え。

「後は ずっと泣いてて理由は わからなかった」

弟はボソボソと話した。

兄貴の部屋の前に着くと何も考えずに弟が扉を開けた。

俺は心の中で拍子抜けした。

前のように鍵がかかっているものと思ったからだ。

2人とも何事も無く部屋に入って行くので俺も黙ってそれに続いた。

部屋の中に入ると1番最初に目がいったのは窓だった。

厳重にテープで貼られた窓は何かの侵入を防ぐ為にしか見えなかった。

Aは口に出して気持ち悪いと言ったが、俺は黙って本探しに取りかかった。

先ずは机からと、半分ある筈無いと心の何処かで思いつつ引き出しを引いた。

一体全体何がなんなのか。

グシャグシャになった完全犯罪マニュアルがそこにポツンと入っていた。



93 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 20:39:20.21 ID:aFKLnE6IT
2人も流石にそれには面食らったのか驚きの声をあげた。

本を手に取ると表紙の部分に水が流れた様な跡が付いていた。

ボンヤリ眺めていると、2人に急かされ急いでページをめくった。

真ん中辺りを開くと道具の項目が開いた。

あまり時間も無いと思い、そこからページを弾くように淡々とめくっていった。

武器から通信、盗聴、そして薬とある程度目を通して、先を急いだ。

残りのページも少なくなった時に目に飛び込んで来たのは、人だった。

年齢も性別も書けないが、俺達はただ今すぐ本を捨てたかった。

壊れていく写真を無言で眺めてページをめくる。


最期の数ページになった時、俺は泣いていたのかもしれない、目の前が歪んだまま最後のページをめくった。

右1ページ全面に拡大された顔

左のページに文書が2行、たった、2行の文で俺達は完全に壊された。



94 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 20:40:36.81 ID:aFKLnE6IT
後書き

その後Aと俺は一週間位、外に出られなかった。

兄貴は未遂だったらしいが、実際何をしたかも分からない。

学校に弟が その後登校する事は無く、Aと一緒に家にも何度か行ったが、ずっと留守のまま先生から引っ越したと聞いた事が最後に音信不通になった。


今思えば、扉の鍵が開いてたのも、本が探しやすかったのも何か伝えたかった、見つけて欲しかったのかもしれない。

それと、最後の文書が気になる人もいるかも知れないけど、本当にチープで何処かの推理小説の脅し文句をそのまま書き写したような陳腐な文書だった。

それでも、俺達、いや、多分一般的な市民はその呪縛から助けを求める事も出来ずに指示に従うか、俺達みたいにじっと動かないかのどちらかだろうと思う。

兄貴は多分、行動にうつしたんじゃないだろうか?

考察

色々と書き込みを見て気づいたんだけど、完全犯罪マニュアルは多分全ての便乗本や模造から少しづつ項目を引き抜いて作られたんじゃないかなと思うんだけど、どうだろう?

後、俺がこの事を思い出す時にいつも500円で買ったと言う言葉が最初に思い浮かぶんだけど。

500円の通販なら絶対1500円位になるから安いわけないじゃないかと今更変な事に気づいた。

本が届いた時に俺達は弟の家で兄貴も交えてゲームをしてた。

あの時 配達の人が来て、本が届いたんだけど、もしかしたら、あの本を届けた配達員が完全犯罪マニュアルを作ったのか、分からないけど そんな事が今更思い浮かんだ。

最後に、長々お付き合いありがとうございました。



95 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 21:04:56.19 ID:C3qX5eVO0
これ読んでいろいろ思い出したんだけど

90年代後半から2000年代始めくらいまで「悪のマニュアル」みたいな危険な本がよく出てたな

万引き、ピッキング、爆弾製造法、覚醒剤製造法、いろんな復讐方法、クラッキングやネット詐欺の方法なんかを載せてる「危ない28号」なんていう雑誌もあった

コミケに出すような同人誌にも犯罪の手口を書いた本がけっこうあったな

たとえば「ガメスト」なんていうのは万引きの手口を異常に詳細に書いてて売り出すと すぐに完売って感じだったし「激裏情報」なんかが始まったのもその頃だね

とにかくあの頃は悪趣味ブームみたいなのといっしょに そういう犯罪的行為を「自衛のため」と称しつつガンガン載せてる本がたくさんあったね

「完全自殺マニュアル」でも実際に実行して自殺者が出てるし、犯罪マニュアルの類を読んで忠実に実行してしまった人も多かっただろうね




99 :本当にあった怖い名無し:2013/07/01(月) NY:AN:NY.AN ID:VRE/q4LST
>>95
そういえば、その年代ってサイトもアングラなのが多くて、やっぱり怪談、オカルト、都市伝説なんかのサイトも多かったわ。

2ちゃん程盛り上がりなかったけど、めちゃくちゃ怖い話し一杯あって、楽しかった。

8月位になると百物語なんかやってさ、今ほど書き留めなんてする人少ない時代だったから、ルールで24時間以内に完結しないと、見てる全員から「みーつけた」ってレスが付いて全員分の呪いとかを引き受けて貰うって事にして。

途中失踪とかをさせないようにして書きたいヤツが勝手に書いてったんだけど。


96 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 21:30:20.66 ID:CIHgPRsx0
適度なモヤモヤ感

面白かった


97 :本当にあった怖い名無し:2013/06/30(日) 21:50:00.34 ID:aFKLnE6IT
>>96
荒れると思ったんだけど、さほど興味も持たれず進行出来たのが良かったのかもね?

後は持ってる書き込みした人が画像でもあげてくれたら嬉しいんだけどね


 
カテゴリー:不思議・怖い話  |  タグ:オカルト・ホラー,
 


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