北島さん!
北島が俺に呼ばれて入ってきたので、その姿を見せ…
「嘘は困るなぁ、北島さん。あんたも持ってるんでしょ?」
北島は震えながら頷いた。
俺は笑顔で
「明日の同じ時間にクレバーね、必ず持ってきてね」
と言い、トイレを流した。
藤原が呻きながら抵抗したが、構わずに…
「部長は転んだ事にしようね、その方がお互いの為だし…ね」
俺がトイレから出ると近くから親友が覗いていた。
「終わった?」
「飯行こうよ、奢るし」
親友は紙袋の事も聞かなかった。
ちょい朝飯です。一時間以内に投下します…
これから少し修羅場が続くので…飽きた方はスルーして下さい。
次の日定刻通りにクレバーに到着した
北島を確認して、後を付けている人間がいないかを確認した。
クレバーに電話をし道が込んでいるから10分遅れる事を伝えた。
先に店に入っていたらアウトだけど、回りには誰もいないし
それ以上の用心はしようがなかった。
俺は店に入り笑顔で北島の席に向かった。
「すいません、道が込んでて…」
北島は席を立ち、丁寧に挨拶をした。
「アレからどうでした?部長も不注意とはいえ、怪我はなかったですか?」
「実はあの後、胸が痛むって事で病院に行ったんですよ。
私が付いていきました」
俺は笑顔のままで聞いていた。
「それでレントゲンをとったら肋骨が折れてました」
「暫く安静にする必要があるみたいですが、入院はしていません。
自宅療養です。」
「そうですか、今日はあなたの番ですね」
北島の顔は引きつっていたが
「冗談ですよ、昨日は彼が嘘を吐いたから罰が当たっただけです」
俺は北島から藤原の住所を聞き出した。
北島は渋ったが簡単な地図を書いた。
「見舞いに行くだけですから、ご安心を。
あなたが嘘を付いてたり、約束を果たさない…破ったら」
「鬼になりますよ」
私は伝票を取ると支払いをして先に店を出た。
暫く後ろに注意を払った後、藤原の家に向かう電車の駅に
タクシーで向かった。
駅前のデパートで見舞いのケーキを買い、電車に乗った。
電車の中でぼんやりと…
俺のしてる事って復讐の名を借りた自己満足だな。
等と考えると目的意識が薄らいできた。
果たして彼女は喜ぶだろうか?
それよりも俺と彼女はどうなるんだ?
考えが纏まらないうちに駅に付き、
俺は駅前の地図で確認しながら…
藤原のマンションに向かった。
階下のインターホンを鳴らす。
すぐに奥さんらしき人物が出た。
「私、○○の田中と申します、北島からの遣いで参りました。」
奥さんはすぐにオートロックを解除してくれた。
エレベーターを降りると奥さんがドアを開けて待っていた。