戦争の体験談を語るわ
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146 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:52:53.16 ID:kv3yaWMo
恨みや禍根は残されたまま、次の世代へと引き継がれて、また同じ悲劇を繰り返している。
それが この時の紛争だったんだ。
147 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:58:58.97 ID:kv3yaWMo
前に、国は3つの勢力に別れたって書いたよね。
ボシュニャチ、フルヴァツキ、スルツキの3勢力に。
ボシュニャチとフルヴァツキは最初は味方同士のような感じだったけれど、連携は取れていなくてさ、国内で、つまりヘルツェグ=ボスナではフルヴァツキの軍や人々によって、ボシュニャチやスルツキの人々が虐殺された。
一つの民族が、一方的に虐殺するのではなく、お互いに民族浄化の応報を繰り広げていたんだ。
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/23(日) 03:00:15.41 ID:2MTA.cIo
レイプする必要あんのかよ
149 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/23(日) 03:04:20.53 ID:kv3yaWMo
>>148
レイプは単に性的欲求を満たす為の行為じゃないんだ。
敵対する、憎む民族の女性をレイプする、それは自分達の民族が、敵対する民族に勝利する、やっつけるといった優越感を示す行為でもあったんだ。
だから、女性は標的になったんだ。
恨みや禍根は残されたまま、次の世代へと引き継がれて、また同じ悲劇を繰り返している。
それが この時の紛争だったんだ。
147 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:58:58.97 ID:kv3yaWMo
前に、国は3つの勢力に別れたって書いたよね。
ボシュニャチ、フルヴァツキ、スルツキの3勢力に。
ボシュニャチとフルヴァツキは最初は味方同士のような感じだったけれど、連携は取れていなくてさ、国内で、つまりヘルツェグ=ボスナではフルヴァツキの軍や人々によって、ボシュニャチやスルツキの人々が虐殺された。
一つの民族が、一方的に虐殺するのではなく、お互いに民族浄化の応報を繰り広げていたんだ。
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/23(日) 03:00:15.41 ID:2MTA.cIo
レイプする必要あんのかよ
149 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/23(日) 03:04:20.53 ID:kv3yaWMo
>>148
レイプは単に性的欲求を満たす為の行為じゃないんだ。
敵対する、憎む民族の女性をレイプする、それは自分達の民族が、敵対する民族に勝利する、やっつけるといった優越感を示す行為でもあったんだ。
だから、女性は標的になったんだ。
150 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:06:17.03 ID:kv3yaWMo
9月に入ると、フルヴァツキとスルツキの二つの勢力が同盟を結んでさ、ボシュニャチは二つの民族から挟まれる状況になったんだ。
その理由は、フルヴァツキの人々も、自分たちによる、自分達の国が、このボスニア・ヘルツェゴビナの領内で欲しかったんだ。
そして、最初は共に戦ってもヘルツェグ=ボスナ内でスルツキの人々が一掃されて、領地の争いが減ったんだ。
フルヴァツキからすれば、次はボシュニャチだったんだ。
151 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:08:54.79 ID:kv3yaWMo
10月の中旬ぐらいだった。
ボシュニャチの勢力は、スルツキ・フルバツキの二つの勢力に挟まれ、絶望的な状況になっていた。
俺は そういった経緯は、日本に帰ってきてから知ることになったけど、この時、自分達が かなり追い詰められているというのは何となく認識していた。
152 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:11:16.14 ID:kv3yaWMo
俺とソニアが一緒に過ごしていた民兵達の部隊も、人数がどんどん減っていって、人手が不足していた。
この日も、殆どの人が離れた街に行ってしまって、拠点としていた洞窟には十数人しか残っていなかったんだ。
154 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:17:31.33 ID:kv3yaWMo
もう秋になって、辺りが暗くなる時間も早くなってきていた。
拠点に残っている大人はさ、殆どが負傷した人だったんだ。
だから、俺は暗くなる前にさ、水を汲んでくる必要があった。
この時、ソニアも一緒につれて行けば良かったんだよ・・・。
だけど、誰かが負傷した人を見てなきゃいけなくて、俺が水を汲んできて、その間ソニアが負傷した人を看ているってするしかなかったんだ。
157 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:22:41.74 ID:kv3yaWMo
水を汲む場所までは、山を下らなきゃいけなくて、子どもの足で往復4時間くらいかかるんだ。
水を汲んで洞窟の近くまで来た時には、もう辺りは暗くなっていた。
ソニアは ちゃんと看てるのかなって心配しながら、水汲んできたよって洞窟の中に入ったんだ。
158 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:25:58.77 ID:kv3yaWMo
だけどさ、洞窟の中に明かりが点いてないんだ。
もう外は暗くて、洞窟の中も真っ暗なのに、明かりが点いてないんだよ。
最初は おかしいなって思ったんだ。
だけど、ソニア疲れて寝ちゃったのかって。
ちゃんと看病しなきゃ駄目じゃないかって。
ソニアちゃんと看ててって言ったでしょって言いながら、スイッチを押したんだ。
160 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:29:20.82 ID:kv3yaWMo
だけど、明かりが点かないんだ。
何回押しても点かないんだ。
俺さ、民兵の人たちと過ごしている間、前のように本当に危険な目に合う事が殆どなかったんだ。
ソニアを守るって、だから どんな時でも俺はソニアから離れちゃ駄目だし、どんな時でも警戒して、気をつけてなきゃいけないんだ。
でも、馬鹿な俺は その大切なことも忘れて平和ぼけしてさ、それを怠ったんだ。
信じたくなかった。ただ電球が切れただけだと思いたかった。
161 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:33:33.70 ID:kv3yaWMo
確かめるのが怖かった。
誤解であってくれって、神様どうか誤解であってくださいって祈ったんだ。
だけど、洞窟の奥に進んでいくに連れて、真っ暗で何も見えなくても、嗅いだ覚えのある臭いがするんだ。
錯覚だって。
これは錯覚だって。
気のせいだって。
でも、うめき声とかも微かに聞こえてきて、何かが焼ける臭いもしてきてさ、気づいたら両手に抱えていた水の入れ物を落としていた。
162 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:34:34.01 ID:kv3yaWMo
ソニアの名前を何度も呼んだんだ。
ソニアソニアどこにいるのって。
隠れないで出てきてよって。
だけどソニア全然出てこないし返事しないんだ。
163 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:37:47.99 ID:kv3yaWMo
酷い話だけどさ、横で兵士の人がうぅって苦しそうに声を出していたんだ。
だけど、俺は それどころじゃなかったんだ。
必死に地面に這いつくばって、ソニアが居ないか手探りで探したんだ。
何人か、冷たくなった大人の死体とかに触れたけど、それに驚いたり気遣ってたりする余裕なんてなかったんだ。
164 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:40:48.10 ID:kv3yaWMo
どれくらい探してたのかわからない。
もう時間の感覚とかも よくわからなくなっていた。
気づいたら、洞窟の奥まで来ててさ。
壁に手を付きながら探していたら、小さな体に触れたんだ。
すぐにわかった。
夜になると、いつも一緒にくっ付きながら寝てたんだ。
すぐにソニアだってわかった。
165 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:41:49.77 ID:kv3yaWMo
頭が真っ白になって両手でソニアに触れたんだ。
でも、ソニアの体は温かかったんだ。
167 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:43:32.27 ID:kv3yaWMo
息もしていて、ソニアは生きていたんだ。
良かった。
何が起きたかわからないけど、ソニアは生きてる。良かったって。
ソニア大丈夫?って声をかけたら、小さい声でうん。って言ったんだ。
168 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:44:47.20 ID:kv3yaWMo
離れてごめんねって。
ソニアを追いて水汲みにいってごめんって言いながら、ソニアを抱き寄せたんだ。
170 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:50:41.56 ID:kv3yaWMo
そしたら、手に生暖かい液体がついてさ、最初は何かわからなかった。
でも臭いを嗅いだら、血ってすぐにわかったんだ。
慌ててソニア怪我してるの?ソニア大丈夫なの!?って聞いたんだ。
ソニアは また小さな声で、うん。って言ったんだ。
俺は急いで傷の手当しなくちゃって思って、洞窟の中は暗くてよく見えないから、ソニアを背負って外に出ることにしたんだ。
ソニアの体が いつもより軽く感じて、そしてソニアの体から垂れる血のピチャ、ピチャ、って音が、洞窟の中で響いていたんだ。
不安になった。
だけど、ソニアは返事をしているし、ちょっとした怪我なんだって、ちょっとした怪我だって、悪いことを考えないように必死に自分に言い聞かせたんだ。
171 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:53:48.55 ID:kv3yaWMo
洞窟の外に出た時は、もう外も真っ暗で、月が綺麗に輝いていたんだ。
俺はソニアを草の上に下ろしたんだ。
最初は見間違いかと思った。
だけど、何回目をこすってもさ、ソニアのお腹から血が一杯出てるんだ。
>>次のページへ続く
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