はよ
早くー
「実家に電話した?」
「…携帯繋がんないんです。メールはしたんですけど。」
「実家ってお父さんとお母さんがいるの?」
「兄もいます。後親戚も。でも電話繋がらないです。大丈夫だとは思うんですけど。」
後輩ちゃんは青ざめてた。
そんな時ふと思いついた。
うちの会社には出張用に携帯がフロアに並んでいる。
その中には今やあまり目にしなくなったPHSもある。
携帯は繋がらなくてもPHSは繋がる事がある。と何かで見た気がした俺は思いつきで後輩ちゃんに
「会社のピッチで掛けてみたら?ピッチ同士だと繋がったりしないかな。」と言った。
結論から言うと これがビンゴだった。
後輩ちゃんの叔父がPHSで繋がったのだ。
家はメチャクチャだが避難していて皆 無事との事だった。
叔父さんのPHSに繋がった時、いつも仕事場では緊張感のある後輩ちゃんが珍しく「あ、よかった繋がった〜。」とホッとした声を出していたのが印象的だった。
そんなこんなしているうちにジジイから携帯に電話が入った。
こちらも無事とのこと。でも帰る脚が なさそうとの事だった。
俺は帰れるなら どんな方法でもいいし泊まってもいい、それなら早めに泊まる所確保したほうが良いとジジイに伝えた。
その時点で停電中のフロアには俺と後輩ちゃんだけになっており、ジジイと話し中の俺を後輩ちゃんは椅子に座って待っていた。
後輩ちゃんは誰似よ?
<(・ω・`)> もーりー
(_(
((( く く )))
<(´・ω)> あーがって
)_)
((( > > )))
ヽ(・ω・`)ノ きたーフゥゥー!
ノ_ノ
((( < < )))
俺は後輩ちゃんに
「帰っていいよ、ちょっと俺サーバー室だけ不安だから見てくわ。」と言った。
「あ、私も行きます。」と後輩ちゃんは答え、2人でサーバー室に行った。
しょぼい部署用のサーバー室で後輩ちゃんと話をした。
「電車止まってるかな。」
「止まってるみたいですよ。歩い帰るとか さっき言ってましたよ。」
ああ、とそこで思いついた。
俺は車通勤であり、会社から少し離れた場所の駐車場に車を止めている。
で、今日は実家に帰ろうかなと考えていて、後輩ちゃんの家は うちの実家から近い。
「じゃあ俺実家帰るつもりだし 家まで送ってやるよ。」
そう後輩ちゃんに言った。
後輩ちゃんは
「え?本当ですか?いいんですか?助かります。」
と嬉しそうに言って来て俺は
「いいよいいよ。歩くわけにいかねーだろお前。何時間掛かるんだよ。」と言った。
サーバー室でやるんだなと思ってたのに残念だわ
オフィスでのセクロス期待したのに…