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絶対に読んではいけない本を小学生の頃に読んでしまった話
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77 :本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 21:49:48.61 ID:5bIaa9ZrT
俺はページをめくる事に躊躇した。

Aが言うオモチャがこの後どのようになっていくかすぐに見当がついたからだ。

前のページで見たカエルの様になっていくのは容易に想像がついた。

Aの方を見ると文章を目で追っていた、俺もならって読んだが内容も惨過ぎて頭に入ってくる事を拒むようだった。

ここは一気にページを飛ばしていくのが良いと思った俺は数ページつまみあげて開けた。


最悪だった。

Aでさえも軽口が出なかった。

シーンとした部屋はこのまま続くのかと思ったが、弟の後ろの扉が開いて怒声が響いた。

兄貴が帰ってきた。

普段マジメそうな顔が引きつり聞いた事もない様な声で怒鳴られた。

「お前ら、みたのか!」

弟は泣きそうだったのでAが代わりに頷くと

「どこまで見た!?」

まくしたてるように更に聞いてきた。

俺は開いてるページを指差すと、兄貴はバッと取り上げて本を閉じた。

兄貴は興奮を抑えて俺達に帰れと一言だけ言うと弟を連れて部屋を出た。



78 :本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 22:12:00.97 ID:5bIaa9ZrT
兄貴に怒られて意気消沈して弟の家を出たAと俺は、行く当てもなくガードレールに腰掛けて話しをした。

Aは回復が早いのかポツポツと本の話をして俺が相槌を打つ、そんな感じで数分経った時にAがまた思いついた。

「本屋に行って探そうぜ」

そうだった、コピーに惑わされていたが、基本的には売ってる本なのだから、本屋に行けば売ってる事は間違い無かった。

俺も動揺はしていたが、どちらかと言うと普段温厚な兄貴が声を荒げて怒った事に対してなので、本に対しては既に回復してる感じだった。

幽霊の写真が載っている本でも時間が経てば、くだらないと言い合えるAと俺が写真位で長々怯える事は無かった。

早速ガードレールから降りて近所の1番大きな店に向かった。



79 :本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 22:26:01.07 ID:5bIaa9ZrT
本屋は今で言う大手古本チェーン店並みの規模を誇る新刊しか置いてない店だった。

この店に置いて無い筈が無い。

早速俺達は配置してそうなコーナーへ向かうと、何とも簡単に見つけた。

流行りの自殺マニュアルを筆頭に、それに類似する本が10種類位あった。

俺達は他の本に目もくれず目的の自殺マニュアルを手に取ると適当なページを開いた。

が、それは まさに本当の自殺マニュアルだった。

俺達はここにきて始めて自殺マニュアルの題名間違いと思っていた完全犯罪マニュアルが別の物と気づいた。

その本は それはそれで何と無く子供心をくすぐる内容だったが、時間が無かったのでAに自殺マニュアルは今度見ようと伝えると今度は別々に類似品を漁った。

結果は、無かった。

どういう事かさっぱり分からなかった。

Aにどうすると聞くと時間がヤバイから明日にしようと意見が一致したので、その日はモヤモヤしながら家に帰った。



80 :本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 23:03:51.31 ID:5bIaa9ZrT
今日はここまでにしときます。


不可解な体験の方で少し情報が入っていたので俺も思ったんだけど、当時 凄い類似本でてたんだよね。

んで探しまくったんだけど一つも出てこなかったのよ。

でも通販には載ってたのよね、だから絶対買ってる人がいてる筈

そこのあなた、持ってるんじゃないですか?

ちなみにワニブックの方はどうも違ったみたいです、ありがとうございました。


こう言う風にクールダウンしないと何故か喉がカラカラになって指が震えるよね。

実話オカルト書いてる人って凄いなと思う。

そんなわけで明日も規制されてると思うんで、また出来るだけ書き溜めていきたいと思ってます。

最後にもう一度書きますが、あなた、持ってるんじゃないですか?



81 :本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 23:05:17.38 ID:ZEKBVAFr0
持ってねえよ

でも話の続きを聞かないと絶対とは言えないな


82 :本当にあった怖い名無し:2013/06/28(金) 23:06:06.14 ID:ZEKBVAFr0
データハウスの「悪のマニュアル」なら持ってたけど中身がどうも違うし


83 :本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 21:45:31.02 ID:FROXnkr4T
>>82
あー、なんか いっきにに分かったような気がする。

悪のマニュアルをググったら悪の手引き書ってのが出てきた、両方とも完全犯罪マニュアルとは違うんだけど少しづつ違うんだよね。

思い返せば自殺マニュアの模造品も少しづつ違う。

完全犯罪マニュアルは存在したけど、存在してなかったと考えるのが正しいのか。。。

取り敢えず書いてきたんで続き投下します。



84 :本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 21:47:00.45 ID:FROXnkr4T
次の日、学校で弟に あの後どうなったか話を聞いた。

兄貴は物凄く怒っていたが、最後まで読んでないなら別にいいみたいな事を言い

俺ら2人には、絶対本を探すなと伝える様に言われたらしい。

弟に悪い事をしたので申し訳なさそうに2人で謝ったが、Aも俺も兄貴の話に従うつもりは全く無かった。


その日から俺とAは弟を抜きにして2人で本屋巡りをした。

自転車で行ける範囲や、時には電車で遠くの本屋まで行ったが、なんの成果も無かった。

本屋巡りの帰り道に、久しぶりに弟も誘ってちょっと公園で遊ぼうかって話しになって駅から弟の家に向かった。

インターホンを鳴らすと直ぐに出てきてバットとボールを持って公園に向かった。


公園で適当に遊んで話しをしてたら、最近兄貴の様子がおかしいと弟が言ってきた。

話の内容は、兄貴は学校に行ってるフリをしていたが、学校からの電話で登校してない事がバレて、親に散々怒られたが、逆に暴れるくらい叫んで親も対応に困ってるらしい。

Aは ふぅーんと感心なさそうだったけど、俺は弟の兄貴をよく知ってたから、兄貴が親に反抗する姿が想像つかなかったので、どうしたんだろうと思った。

弟は兄ちゃんは学校サボって何処に行ってるんだろうと不思議そうに言ったが、見当はつかないようだった。

その後は、妄想の話をダラダラと話して解散した。



85 :本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 21:48:33.74 ID:FROXnkr4T
次の日、Aと弟に遊ぶ約束をして学校が終わると一目散に家に帰った。

俺は、いつもの通り引き戸をガラッと開けて一歩足を踏み入れた


しかし、その時なんとも言えない違和感を感じた。

引き戸を開けるまで忘れていたが今日は かーちゃんのパートの日。

俺は いつも、そう、いつも取り敢えず勢いで引き戸を開けようとするが、かーちゃんのパートの日はガチャンと音をたてて扉が開く事はなかった。

俺が鍵を閉め忘れた時は散々怒るかーちゃんが鍵を閉め忘れる事なんて まずありえない。

もしかしてパートが休み?そんな事を思って電気のついてない家の中を見た。

俺の家は2部屋とキッチンからなるアパートだったんだけど、押入れが普通のアパートと違い壁際になく前の部屋と奥の部屋を分けるように何故か真ん中に押入れがあり、その横に奥の部屋に続く廊下が1m位ある、奥まで目が通しにくい作りになっていた。

一階なので裏の物干し場からの光もあまりなく、一般のアパートより更に暗さが増していた。


いつもの家?いつもの暗さ?いつもの空気?何かが違う

俺は耳に神経を集中して、見えにくい奥の方まで凝視した。

1秒、2秒、3秒、動く物、動く音を逃すまいと俺は集中した。

そして、目線は部屋から外さず、ゆっくりと玄関にカバンを置いて、肺いっぱいに息を吸うと、俺は自分の中で1番と思える程の声を張り上げた!

ヤバイ!

脱兎の如く玄関から飛び出して、俺はAの家に向かった。

絶対何か居た、幽霊とか化け物の類じゃない、人だ!

間違い無く人の気配がした、それは端から見える目とかそんなんじゃなく、本当に微妙な影の様な揺らぎ。


逃げているのか助けを求めて走っているのか分からないまま、Aの家に走った。

Aの家が見えて失速する、それと同時にAが居てるか確認するように目線がAの自転車に向いた。

自転車はある、自転車はあったけど、キーの挿さっていない鍵のロックが外れていた。



86 :本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 21:58:13.11 ID:GL6uK0fQ0
ゴクリ…


87 :本当にあった怖い名無し:2013/06/29(土) 22:02:21.64 ID:FROXnkr4T
いつもの調子でAの名前を呼んでドアを開けた。

すぐさま飛び込むと、来るの早いなと暖気に出迎えてくれた。

俺は おばちゃんが近くに居てない事を確認してAに鍵の事を伝えた。

Aは少し驚いてドアを少し開けて周りを見回した。

誰も居てないみたいだぞと俺に伝えると、自分の自転車を確認しに出た。


確かに誰かにやられてる、当然俺に疑いの目を向けたが、絶対に違うと言うと信じてくれた。

思い当たるのは俺とAと弟と兄貴だ。

Aは直ぐに2人に聞きに行こうと言ったが俺は先ず、弟と兄貴に話を聞きに行く前に俺の家を確認する方が早いかも知れないと言った。


俺の中では弟の線は消えていた、何故なら同時に下校した事を考えると時間的に無理だからだ。

もし兄貴が鍵を開けたなら、まだ家に居てるかも知れない。

何の理由か分からないが もしかしたら驚かそうとしたのかもしれない。


そんな事を言いながらAと俺は家まで走った。

Aが着いて来てくれてるので、少し不安は和らいだと思ったが、アパートの前まで来ると俺は更に怖くなった。

引き戸が閉まっている。

恥ずかしながら、いちいち引き戸を閉めて逃げる程の余裕を持ち合わせて無かった俺は絶対そのままAの家まで走って行った筈。

多分 今自分の顔を見たら能面のように喜怒哀楽が無いような顔をしてるんだろう。

俺は勇気を出して、引き戸の取っ手に指をかけると横にスライドさせるよう、右に力を入れた。

ガチャンと音がして、引き戸は鍵が掛かっている事を示した。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:不思議・怖い話  |  タグ:オカルト・ホラー,
 


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