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オレが昔出会ったすごい能力持った障害者の話する
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1 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:26:55.65 ID:7uc26IGK0.net
とある事情で荷物片づけてたら当時の日記が出てきて、とても懐かしいとともに不思議な気持ちになったから、当時のことを思い出しながら書いていく。
始めて書き込むから読みづらかったらゴメン
2 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:29:29.86 ID:7uc26IGK0.net
まず、出会いは今から10年ちょい前。
当時オレは短大を出て心身障害者施設の介護士として仕事を始めていた。
オレが働いていた施設では、新人はまず5人から8人くらいを担当して実際の雰囲気に慣れながら、仕事を覚えていくという流れだった。
そんな中、初めての担当についた利用者の一人に、その障害者さんがいた
4 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:32:44.12 ID:7uc26IGK0.net
たしか、4か5人目くらいに挨拶に行った部屋で、初めて見たときは驚いた。
それまで挨拶に行った部屋の障害者さんは、ああ、やっぱりねというような、いかもにもな障害者だったのに、その人は かなりまともに見えたから。
ともすると普通の人に見える。唯一普通の人と違うのは、風が吹いたら飛びそうなほど線が細いことくらい。
その時は、拒食症か何かなのかな〜くらいに考えていた
1 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:26:55.65 ID:7uc26IGK0.net
とある事情で荷物片づけてたら当時の日記が出てきて、とても懐かしいとともに不思議な気持ちになったから、当時のことを思い出しながら書いていく。
始めて書き込むから読みづらかったらゴメン
2 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:29:29.86 ID:7uc26IGK0.net
まず、出会いは今から10年ちょい前。
当時オレは短大を出て心身障害者施設の介護士として仕事を始めていた。
オレが働いていた施設では、新人はまず5人から8人くらいを担当して実際の雰囲気に慣れながら、仕事を覚えていくという流れだった。
そんな中、初めての担当についた利用者の一人に、その障害者さんがいた
4 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:32:44.12 ID:7uc26IGK0.net
たしか、4か5人目くらいに挨拶に行った部屋で、初めて見たときは驚いた。
それまで挨拶に行った部屋の障害者さんは、ああ、やっぱりねというような、いかもにもな障害者だったのに、その人は かなりまともに見えたから。
ともすると普通の人に見える。唯一普通の人と違うのは、風が吹いたら飛びそうなほど線が細いことくらい。
その時は、拒食症か何かなのかな〜くらいに考えていた
5 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:36:54.30 ID:7uc26IGK0.net
「はじめまして。今年からこの施設で介護を担当させていただくことになりましたオレと申します。よろしくお願い致します」みたいな、普通の挨拶をした。
そしたら、障害者さん(以下ショウタとします)は「ああ、そうなんだ、よろしくね。大変だと思うけど頑張ってね」と普通に挨拶を返してきた。
挨拶が終わるとオレは その部屋を後にし、次の部屋に向かいながらショウタさんの病状の確認を先輩にした。
先輩は「統合失調症と診断されてるね」と軽く返してきた。
でも、すごく違和感があった。だって、その前に行った4.5人のうち3人くらいが統合失調症だったのに、ショウタさんだけ全然まともに見えたから。
統合失調症ってさ、マジで人じゃなくなっちゃうんだよ。言葉が悪いかも知れないけれど。
7 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:41:08.04 ID:7uc26IGK0.net
でも、その時は、ああ、オレが新人だから かなり軽い病状の人を担当させているのかな?くらいに考えていた。
それからしばらくは覚えることも多く、本当に忙しい毎日を過ごしていた。
他の担当の利用者さんの身の回りのお世話に、投薬の管理、雑事、本当に介護はブラックだと痛感した。
そんな状態にも慣れてきた7月くらいだったかな。
ショウタさんだけは普通にコミュニケーションが取れたから、ふと思いついて投薬の確認と夕方の体調管理の時に話しかけたんだ。
「なんでショウタさんはここにいるんですか?話してる感じ、すごく元気そうですよね」
みたいな、実際はかなり気を使って話しかけたけど、ともかくそんな話を振ってみた。
8 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:46:54.52 ID:7uc26IGK0.net
そしたら、ショウタさんは「君は僕の病気をなんだって聞かされてるの?」と聞いてきた。
オレは素直に「統合失調とは聞いていますけど、あんまりそんな感じがしなくて…」と答えた。
ショウタさんは笑いながら「あはは、そうだよね。人は自分に理解できないことを話す人は妄想と決めつけるし、その時点で理解をしようという心を失う。だから、一般的に見たら僕は統合失調なのかもね」と答えた
「ってことは、本当はそうじゃないってことなんですか?」と聞くと、
「僕はね、僕の父に7週間後の今日にお迎えが来てしまうから、何かやり残したことは無い?と聞いたんだ。
そしたら、父は何を縁起の悪いこと言ってんだと言って僕を怒った。信じなかったんだね。
でも、本当に、きっかり7週間後に父は死んだ。
それからも、そういうことが続いたんだよ」と言った
9 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:52:20.84 ID:7uc26IGK0.net
「続いたってどういうことですか?」と聞くと、「それから3年後、祖母が無くなる半年前にも、祖母に忠告したんだ。
結果は同じ。
祖母もまだショウタが結婚していないのに あの世になんて行くもんかいと、僕の忠告を聞かなかった。
確かに、人には時間が設定されているから、それを延ばすことは出来ないけれど、でも、終わりが分かれば、出来ることは増えるのにね。
だから、僕は死ぬ前に思い残すことが無いようにと、包み隠さず伝えたのだけどね」
と寂しそうに話した。
少し怖くなって、でもどうしても興味に抗えなくて「人には時間が設定されてるってどういうことですか?」と聞いた。
ショウタさんは「どんな人にも、生まれてきた時点でこの世に入れる時間が決まっているんだよ。
病気で死ぬ人も、事故で死ぬ人も、老衰で死ぬ人も。」と答えた
10 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:56:14.67 ID:7uc26IGK0.net
「じゃあ、生まれて間もなく死んじゃう子どもとかもそうなんですか?」
と聞くと、「たしかに時間が来てしまった子もいるとは思うけれど、例えば虐待されて死んじゃう子とか、アフリカとかで生まれて間もなく死んじゃう子には別の理由があるんだ。禊みたいなものなのかな、あれは」と答えた
「なんか、それはすごくかわいそうですね」と、本当にありきたりな返答しか言えなかった。
すると、
「仕方がないんだよ。
どうしても、人には雪ぐために何度も酷い死を迎えなきゃいけない人もいる。
そうならないように生きなければね」
と少し明るく答えた
11 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 21:59:14.52 ID:7uc26IGK0.net
「まあ、それしかないですよね、オレも頑張らなきゃな!」とオレも努めて明るく答えた。ムダにガッツポーズなんかも交えて。
なんの感情もなく、ただ事実を述べるだけのように答えるショウタさんが少し怖かったから。
その日はそこでショウタさんとの会話は終わり、なんだか心の中に重石を乗せられたかのようなズンとして気持ちで残りの仕事を終え、20時に帰宅した。
12 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 22:04:20.33 ID:7uc26IGK0.net
次の日、オレが朝出勤して、朝食の片付けをしているとショウタさんから呼び止められた。
「4017号室の男の人、再来週には時間が来ちゃうからね」とすごく短く伝えられた。
一瞬何を言われたのか分からなかった。
オレの担当でもないから詳しい情報は知らないけれど、4017号室の利用者さんは暴れることで有名で、気に入らないことがあると子どものように暴力を振るう問題児だった。
大人の力で子どものように暴力をふるう。それは本当に怖い。
そんな暴力をふるうような元気が有り余った人が、そんな簡単に死ぬわけないだろうと思った。
やっぱり、ショウタさんも妄想が入っているのかなとも思ってしまった。
でも、それが間違っていたのは、すぐに思い知らされた。
13 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 22:09:04.87 ID:7uc26IGK0.net
その日は夜勤で、夜仕事に行ったらステーションがすごく騒がしい。
何かあったのかと思って先輩に聞いてみたら、4017号室の利用者さん、誤飲して窒息死したよ。と伝えられた。
すぐにカレンダーを見た。ショウタさんが言っていた通りだった。ぴったり2週間後。
背筋が冷たくなって、動けなくなった。
すると先輩が、どうした?大丈夫か?顔色悪いし震えてるぞ。初めてだからショックだよな。今日は無理するなよ
と優しく声をかけてくれた。
オレは朝になったら絶対にショウタさんに話を聞こうと心に決め、震えながら夜勤の業務をした。
夜勤は基本的に暇なことが多いから、本当につらかった。
14 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 22:17:42.12 ID:7uc26IGK0.net
朝が来て、夜勤が終了する間際、オレはショウタさんの部屋に行った。
「ショウタさんが言っていたとおり、4017号室の方、亡くなりました」と伝えた。
本当はパニックを防ぐために基本的にそういうことは話しちゃいけないんだけど、我慢できなかった。
すると「残念だけど、仕方がないんだよ。時間が来ちゃっただけ。」とこっちも見ずに答えた。
オレは、夜勤しながら疑問に思っていたことをショウタさんにぶつけた。
「ショウタさんは なんで人が死ぬ時期が分かるんですか?なんで ここにいるんですか?なんでそんなに冷静に人の死を忠告出来るんですか?」
少し、責めるような言い方をしてしまったのを今でもよく覚えている。
ショウタさんは、少し優しい顔で
「辛いんだね。分かるよ。一つずつ、答えるね。
誰かが亡くなる時期は、本当は全員、感じているはずなんだよ。
別にデスノートの取引をしたからもらえる特殊能力みたいなものじゃないし、本来、自分の周りの死も、自分に近づく死も、感じ取れているはずなんだよ。
道端に転がっている少しだけ動くセミを見て、ああ、もうすぐ死ぬんだなって思ったことない?時間が近づくにつれて、匂いというか、なんというか、ともかく、もうすぐ死ぬというのが より感覚的に分かるんだ。
ただ、人は生きていく中で色々な情報で自分の感性に蓋をしてしまうんだ。
だから、どうしても、本当に死ぬ直前、人によっては死ぬまで、分からなくなってしまう」
15 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 22:21:17.91 ID:7uc26IGK0.net
「それだけじゃなく、人は本来持っているものを成長するなかで どんどん捨ててしまう。
そして、捨ててしまったら、取り戻すには大変な苦労をするんだ。
人が死ぬ時期だけじゃない。
例えば、霊感があるなんて人もそう。あれは別に幽霊を見ているわけじゃないけれどね。
僕は、そういうものを感じる力がまだ残っている。それを人は理解してくれない。僕の母さえもね。
だから、ここにいるんだよ。これが2つ目の答え」
16 :本当にあった怖い名無し:2024/06/23(日) 22:23:36.51 ID:7uc26IGK0.net
「そしてね、僕がいつも自分でいられるのはね、繋がっているからなんだよ。
オレさんともそう。4017号室の彼もそう。僕をここに入れた母もそう。
人だけじゃない。僕が生まれてきた意味を与えた全てにも。
だから、毛先で何が起きても、根元の僕は何ともないんだよ」
>>次のページへ続く
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