私が初恋をつらぬいた話
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47 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:20:52.22 ID:L9GcuA1Wi
いいね〜ニヤニヤしながらみてます
49 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:22:24.92 ID:sMVE+LP3i
wktkしながらみてるー!
いいね〜ニヤニヤしながらみてます
49 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:22:24.92 ID:sMVE+LP3i
wktkしながらみてるー!
50 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:22:27.80 ID:+beSXCVE0
ありがとうございます。
「凄かった。他の子達には悪いけれど、ずば抜けて一番上手でしたよ。」
先生はニコニコしながら言う。
私はブンブンと首を振った。
「そんな事無いです、私はそんなに上手じゃないです。」
恥ずかしさに下を向く。
何だか気持ちが高揚しすぎて、なぜか自然に目が潤んでしまう。
耳まで真っ赤にした私の様子にハハっと笑うと、先生は私の頭をポンポンと撫でた。
「恥ずかしがらないで、自信を持って。」
聞き覚えのある懐かしい言葉に一瞬だけ間を置いて、私は思わずクスっと吹き出した。
「先生、前もそういってくれましたね。」
「そうでしたっけ?」
目が合うと、なぜか私達はアハハと笑い合った。
いつもと変わらない先生の様子に、いつの間にか私の心は落ち着きを取り戻していた。
「さて、それじゃ そろそろ僕は帰りますね。」
「はい、今日はどうもありがとうございました。」
「じゃあまた。」
先生が小さく手を振って背を向ける。
中学2年の頃に止まってしまった時間が、また動き出す音がした。
51 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:24:20.92 ID:+beSXCVE0
文化祭で久々の再会をしてから、私と先生のメールの回数は徐々に増えていった。
今日はこんな事があったよ。とかありきたりな内容だったけれども、一日の終わりに毎日メールするのが当たり前になっていた。
私は人生で2度目の、充実した穏やかな毎日を過ごしていた。
が、しかしその平和が脅かされる日は、突然にやってくる。
冬休みが始まった日。
終業式を終えて家に帰ると、普段から滅多に帰って来る事のなかった母が、台所で鼻歌まじりにご飯の用意をしていた。
ビックリしてどうしたの?と聞くと、母は満面の笑みで私を抱きしめるとこう言った。
「なぎ〜、私ね〜再婚する事にしたの〜♪〇〇さんっていってね〜凄く優しいのよ〜♪今日から一緒にココで暮らすからよろしくね〜♪」
あんまり突然の告白で面食らっていると、母はまた鼻歌を歌いながら調理に戻った。
「ちょ、どういうこと!?なんでそんな事になったの!?」
呆けている場合じゃないと、焦って聞き返す。
「どうこうもないわよ〜♪赤ちゃんが出来たからね、一緒に暮らすのよ〜♪もうすぐ弟か妹が生まれるの〜♪なぎも嬉しいでしょ?♪」
「赤ちゃん!?」
「そうよ〜♪おめでたいのよ〜♪〇〇さんも もうすぐ帰ってくるからね〜、仲良くしてね〜♪」
まるで宇宙人と話しているみたいだった。
突然 相談もなく勝手に決められても困ると話しても、なんで〜?どうして〜?としか母は言わない。
話にならない…
そう諦めて自室に戻ると、言いようの無い疲れがどっと押し寄せて、私はしばらく何も考えられずにベッドに突っ伏しているしかなかった。
52 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:26:00.05 ID:+beSXCVE0
夕飯の時。
母から呼ばれてリビングに行くと、母の言っていた〇〇さんという人は、もう食卓についていた。
いつの間にか眠っていたらしい私は、その男が家に来たこともまったく気がついていなかったのだ。
「なぎ〜、この人が〇〇さん♪かっこいいパパが出来てよかったね〜♪」
母は目の中にハートマークを浮かべながら、一度も私を見ることなくそう言った。
お世辞にもかっこいいとは言えない23.4位の、やたらとガタイのいい…今風にいうと明らかにDQNな男は、私を上から下までギロリとした目つきでゆっくり眺めると、
「…………よろしく。」
と、無愛想に挨拶をした。
「………」
私は無言で頷いた。
地獄のような日々が始まった瞬間だった。
54 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:27:26.30 ID:L9GcuA1Wi
え、やめてよ
地獄ってえええええ
55 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:28:09.32 ID:LUqPOmqkP
(´;ω;`)思春期なのに…
56 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:28:16.99 ID:+beSXCVE0
母は18歳で未婚のまま私を産み、今まで水商売で家計を支えてきた。
支えてきた…とはいいつつも、
家は母の父母から相続した古いながらも一軒家だったので、実質かかっているお金は大したことは無かったらしい。
私が中学生になった頃には、週に1.2回帰ってきて、当面の生活費を無造作にテーブルに置いては また出て行く…という生活を送っていた。
どうせ男のところにでも行っているのだろう…薄々はそう感じていたが、まさか急に再婚などと言われるとは思ってもいなかった。
男を紹介された次の日。
男が日中仕事に出かけたのを見計らうと、私は籍を入れるつもりなら構わないが、男と養子縁組をすることだけは絶対に嫌だと母に抗議をした。
名字が変わるのが嫌だった訳じゃなく、ただ単純にあの薄気味悪い男の名字を名乗る事も、戸籍に入る事も嫌だったからだ。
私が一気にまくし立てると、母はニヤニヤしながらあっそう?じゃあそうするわ♪とだけ言った。
家庭環境は変わったが、それからも先生とは何も変わらずに、普通にメールをしていた。
もっと早く相談していれば良かったのだが、その当時の私は自分の汚い家庭環境を見られるのが何よりも嫌で、何も変わりない素振りをしていたのだった。
58 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:30:17.30 ID:+beSXCVE0
男が一緒に暮らすようになって数ヵ月後。
早いもので もう春休みに入っていた。
母はどこかに出かけ、私はバイトが休み。男も休みだったみたいで、朝からずーっと家に居た。
いつもは朝起きるとリビングに行き、軽く朝食を摂りながらテレビを見たりして過ごすのだが、その日は朝から男が家に居た為、私はずっと部屋に閉じこもっていた。
その日に限って友達がつかまらず、部屋で何もする事もなくボーっとしていると、不思議と睡魔が襲ってくる。
ベットにつっぷしていると、私はいつの間にか寝入ってしまっていた。
眠ってからどれ位か経った時、私は体に感じる違和感で薄っすらと目を覚ました。
「…?」
…誰かが私の体を撫で回している。
恐怖と混乱が、私を襲った。
「ハァ…ハァハァ…」
気味の悪い息遣いだけが、かすかに聞こえてくる。
瞬間、あの男が私の背面を触れるか触れないか位の手付きで弄っているのだ、と気がついた。
恐怖と気持ち悪さで、すぐにでもその場を飛び出したかった。
しかし、当時の私は何故か、寝たふりをしなきゃいけない!と咄嗟に思い込んだ。
ただ漠然と、起きてるとわかったら大変な事になる…そういう考えしか浮かんでこなかったのだ。
嫌悪感を必死に堪え、ひたすら寝たフリをしてやり過ごす。
あまりの吐き気に限界を迎えた頃、玄関から母が帰ってきた声がした。
すると、男の手は一瞬ビクっとし、物音を立てないように静かに部屋から出て行った。
私は例え様のない感情を抑えることができず、必死に声を押し殺して泣いた。
59 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:32:40.09 ID:+beSXCVE0
高校3年が始まる。
私はあの事件があって以来、夜家で眠ることが無くなっていた。
正確には、家で一夜を過ごすという事が出来なくなっていた。
学校やバイト、友達との約束が終わると、お風呂と必要最低限の荷物だけを取りに帰って、夜間は体を休められそうな場所を見つけてはジッと座って朝まで過ごした。
友人達の家にも泊めてもらった事もあったが、やはり迷惑になる事を考えると、次もまた甘えるということは出来なかった。
余りにも田舎だったため、夜9時を過ぎた頃には外に人出は無くなり、おまわりさんが見回りをするということも無かった。
私は噂にならないように必死に身を潜めて、毎日ジッと耐え続けた。
先生との毎日続けていたメールも、いつのまにか2.3日に一回返事を返す位になってしまっていた。
心がボロボロになっていくウチに、何故か先生に迷惑がかかるような気がして、不本意に返事を減らしていたのだった。
表向きには何事もなく過ごし、一歩裏に帰ると そんな生活を送っているという心労は、並大抵のものじゃなかった。
そんな生活をひと月ほど送ったある日、それでも体力には限界がやってくる。
その日のバイトを終えた午後8時頃。
いつものようにネグラを探していると、クラクラと立ちくらみがする。気合を入れて歩こうとはするのだが、体にまったく力が入らない。
私は限界を感じ、半ば無意識に家に帰ると、即自室のベッドに潜り込んだ。
>>次のページへ続く
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