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戦争の体験談を語るわ
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107 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 01:55:11.19 ID:kv3yaWMo
ソニアはずっと ごめんなさいと繰り返し言っていた。

俺は、メルヴィナが乱暴されて、連れ去られるのを見ている事しか出来なかった。


この時だったよ。

今まで憎しみだとか、悲しみだった心が、自分には抑えられないぐらいの怒りと殺意みたいなのに変わっていた。

絶対に あいつらをころすって。

ころしたいって。



117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/23(日) 02:00:36.77 ID:D3NWmico
でもこれで>>1がそいつらを殺したら 今度はそいつらの遺族が>>1をぶっ殺したいって思うよね


120 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/23(日) 02:04:55.21 ID:kv3yaWMo
>>117
だから俺は書いて誰かに伝えなきゃいけないんだ

それを誰かに伝えて、何かを感じて欲しいから書いてるんだ


もう少し待って、

そしたら俺が伝えたいことが、何となくわかってもらえるかもしれないんだ。



128 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:14:57.99 ID:kv3yaWMo
それから数時間くらい、俺とソニアは そこから動けないでいたんだ。

だけど、ここにずっと居たって何も変わらない。


俺とソニアは手を繋ぎながら、轟音止まない方向へ向かった。

世界は不幸なことばかりじゃなくて、幸せもあるかもしれない。

だけど、不幸幸せ不幸みたいに、交互に来るとは限らないんだ。


俺達は、ずっと目指していたゴラジュデに、沢山の大切な犠牲を払って辿り着いたと思ったよ。

だけど、街には入れないんだ。



129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/23(日) 02:15:02.90 ID:OtPEKa6o
http://www.youtube.com/watch?v=ydUA7w8XGAs
紛争時のサラエヴォの映像

>>1はこんな状況の中、街に居ることもままならなかったんだな



135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/23(日) 02:26:01.81 ID:cpIQv7w0
というか、>>129の動画でなんでこの人たちこんなところにいるの?

なのに、子供だけで山の中放浪って・・・


137 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/23(日) 02:28:54.94 ID:kv3yaWMo
>>135
街から出れないからだよ。

陸路で街に入る事も、出ることも出来ないんだよ。

包囲された街に残された人々には、包囲が解けるのを待ち続けて、生き抜くしかないんだよ。

援軍も見込めない中、いつ包囲が解けるのか、それとも死ぬのか、わからないまま そこで生き抜くしかないんだ



130 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:16:51.96 ID:kv3yaWMo
近づくことも出来ないんだ。

もう、街はスルプスカの軍に包囲されて、攻撃を受けていたんだ。

山の中にもスルプスカの兵士が大勢居て、全ての希望を打ち砕かれてさ。

声も出なかった。



131 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:20:25.73 ID:kv3yaWMo
ここに留まることも、街へ入ることもできない。

俺とソニアは、世界で二人だけ取り残された気分になってさ、でも諦めたら駄目だって。

自分に言い聞かせて、ゴラジュデから離れて延々と、山の中をあり着続けたんだ。



132 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:20:46.73 ID:kv3yaWMo
ごめん。山の中を歩き続けたんだ



133 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:22:05.37 ID:kv3yaWMo
ここらへんは、日記も ちゃんとかいてなくてさ、何日歩き続けたかわからない。

でも、今思えば、約2ヶ月くらい山中で生活した経験がなかったら、俺とソニアは ここで死んでいたと思う。



136 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:26:30.02 ID:kv3yaWMo
歩き続けて何日目かわからないけどさ、小さな川というか湧き水みたいなところがあって、そこで休んでいたら、銃をもった人が駆け寄ってきたんだ。

スルプスカの兵士かと思ったけれど、そうじゃなくてさ、ボシュニャチの民兵の人たちだった。



138 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:33:36.77 ID:kv3yaWMo
それから93年の10月くらいまで、一年半くらいボシュニャチの民兵の人と行動を共にしたんだ。

俺はさ、彼らと過ごして1ヶ月ほど経った頃に、俺も戦わせてと頼んだんだ。

何でもするって。

死んでもいいって。

だから俺も戦わせてって頼んだんだ。



139 :以下、 VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/23(日) 02:34:51.14 ID:QwzgeD.0
>>1よ
楽になるために書くならまだしも 辛い思いをして書くこたねえと俺は思うぞ


140 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/23(日) 02:36:47.37 ID:kv3yaWMo
>>139
辛くても書かなきゃいけないから書いてるんだ。

これは俺の為でもあるんだ。



141 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:41:16.83 ID:kv3yaWMo
勇気を出すって。

勇気を出して戦う。

もう逃げないって。

だからお願いって。


でも、彼らは それを許してくれなかった。

中学生くらいの子どもにも銃を持たせているのに、何で俺は駄目なのかってしつこく聞いたんだよ。

スルプスカの兵士が許せないって。


そしたら、名前は書けないけど、民兵の一人が俺に言うんだ。


戦いに勇気なんて必要ない。

生きる事に こそ勇気が必要なんだ。

君は戦う以外にも出来る事があるだろう。

君だから出来る事があるだろう。

俺達は戦争が終わるまで生きていられないだろう。

君は、ここで何が起きたかを伝えなさい。

同じ事が起きないように。

辛くても生き抜いて、そして胸を張って友人に天国で会えるようにしなさいって。



143 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:45:03.06 ID:kv3yaWMo
彼らと過ごした間、俺は色んなものを目にした。

俺の中で、この時スルツキの人々や軍、警察、民兵は絶対的な悪のような存在になっていたんだ。

そして、ボシュニャチは被害者だと。


だけど、違ったんだよ。

民兵の人たちはさ、スルツキの集落を襲って、食料を奪ったり、スルツキの大人や子どもを殺害したり、女性をレイプしたりしていたんだ。


俺は わからなくなっちゃったんだ。

何が正しくて、何が間違っているのかとか。

何が悪で、何が正義なのか。

あんなに被害を受けて、その苦しみを知っているはずの人たちが、同じ事を、相手の民族に、人々にするんだ。



145 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 02:52:02.43 ID:kv3yaWMo
俺は、何でそんなことをするの?やめようよって何度も言った。それは やっちゃいけないことだよって。

そういうと、決まって民兵の人は悲しそうな顔をしてさ、そんなのはわかっているんだって。

でもこうしないと、自分達の仲間が同じ目に合うって。

矛盾に気づいているのに、それをしなければいけない状況だったんだ。

ボシュニャチもスルツキも。


俺はこの時、まだ彼らの紛争の歴史も何も知らなかった。

前にも書いたと思うけれど、スルツキの人々も同じように、歴史上で何度も こういった虐殺の被害に合ってるんだ。

どちらも被害を受ける苦しみや怒り、恨みをしっているのに、それでも尚、お互いに そうしなければ、やられる状況になっていたんだ。



>>次のページへ続く
 
 


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