2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
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ケータイの中だけの恋愛
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96 :名無しさんの初恋:2005/10/29(土) 17:59:14 ID:iClqfF6X
名スレの予感


97 :名無しさんの初恋:2005/10/29(土) 18:04:26 ID:37w5e01b
おもしろいなー続きが楽しみ

てか、文章上手いな

ひきこまれる


101 :名無しさんの初恋:2005/10/29(土) 18:51:31 ID:ojMJ7240
スレタイ見て、なんだろ??とは思ってたけど、こういうスレだったのか。

見てみてよかった!!これからも楽しみにしてまーす。




106 : ◆qOJOlxW/1U :2005/10/29(土) 21:03:35 ID:DV3GgTKn
そうして彼女の話を聞くうちに、彼女のことが少しずつわかっていった。


3人兄弟の一番上であること。

両親が厳しいこと。

今は一人暮らしであること。

仲が良かったけど喧嘩して連絡をとってない友達の話や、昔の恋愛の話。


ひとつひとつ、それぞれの話を聞き、それに対して意見を交換していく内に 少なくとも俺は、お互いを段々と深く理解して行っているのだと感じていた。

同じ空間を共有しない、電波とケーブルで届く文字だけのつながりだけどね。


こんな関係は やっぱり希薄な人間関係だと思うかい?直接会って交流しなければ、やはり深い人間関係にはなれないのかな?自分でも そういう限界はずっと感じていたんだ。

でも俺にはひとつだけ希望があった。それは彼女の銀行口座のある支店が、結構俺の家と近いのだ。とは言っても電車で20〜30分と言ったところだけどね。

一応 写真でお互いの顔は知っている。

どこかで偶然に出会うのではないかと気が付けば俺は外出時には無意識の内に彼女を探すのが習慣になっていた。

でもこれだけ人口の多い東京で、そんな偶然は宝くじに当たるよりも確率は少ないんだろうけどね。

銀行口座だって本人のものか分からないし、その近所に住んでいるとも限らない。

でもこれが唯一の慰めだったんだ。


こんな風にして、毎日会社と家を往復し、その間、彼女と一日中メールをやりとりし、通勤時間には そのメールの相手との偶然の出会いを求める生活が続いた。

彼女と時間と空間を共有したいという欲求は日増しに強くなっていった。



108 : ◆qOJOlxW/1U :2005/10/29(土) 21:16:24 ID:DV3GgTKn
ある日 俺は彼女にデートを申し込んだ。一緒に映画を観ようって。

もちろん実際に会ってのデートは断られるに決まっているので、そこはひとつ工夫をした。ふたりで同じDVDを借りて、週末の同じ時間に一緒にその映画を観るのだ。

こんなのがデートだって言えないのはわかっている。それでも彼女と少しでもいいから時間を共有する感覚が欲しいという願いから俺は こんなことを考え付いたのだった。

まあ元ネタは昔雑誌で読んだ遠距離恋愛のカップルの記事なんだけどね。


俺のバーチャルデートのオファーは彼女に承諾され、ある週の土曜日に同じ時間に それぞれ別のレンタルビデオ店へと足を運んだ。

あらかじめタイトルを決めておいて、それぞれ別々に借りてもよかったのだが、新作は全部貸し出し中になってる心配があったし、旧作は置いてある店と置いてない店があるだろ?

だから同じ時間にビデオ屋に行って、メールで相談しながらタイトルを決めることにしたんだ。

偶然同じビデオやで ばったりと出会う。そんな期待をしていたのは彼女には内緒。

実際そんな偶然は起こらなかったけどね。



110 : ◆qOJOlxW/1U :2005/10/29(土) 21:33:28 ID:DV3GgTKn
新作は案の定、全部貸し出し中のものが多かった。俺の方では借りれても向こうが借りれなかったり、その逆だったりしてあえなく断念。


色々相談の末、結局 借りたのは去年あたりにリリースされた、韓国の純愛映画。恋愛モノに誘導したのは もちろん俺。だって初デートの映画ってそういうものでしょ?

帰りにコンビニでスナックと飲み物を買って準備完了。彼女は じゃがりこを買ったみたい。もし本当に一緒に映画を観ることがあったら、じゃがりこは勘弁して欲しい。だってあれ、食べる時の音が大きいし。

14時ちょうどに映画をスタート。話には聞いていたけど、韓国の映画は本当に話がゴテゴテしすぎてる。この映画にしても、ヒロインの昔の恋人に主人公がそっくりだったり、別れた二人がお見合いのようなもので また偶然に再会したり。

それでも話自体は爽やかな純愛モノで、セレクションはまずまずだった。観終わった後のメールも、結構盛り上がったしね。

それでも俺の物足りなさは解消されるはずもなかった。同じ時間に同じものを観る。それは確かに嬉しいけれど俺は映画のそれぞれのシーンで彼女がどんな表情をするのかが見てみたかった。

大体、肝心の映画の最中に、メールは出せないからね。

延々と続く ないものねだりのループ。クモの糸みたいに絡み付いて、彼女を想う胸の苦しさは日を追うごとに ますますひどくなるのだった。



113 :名無しさんの初恋:2005/10/29(土) 21:38:16 ID:gdv0ErWF
>>110
まさか「猟奇的な彼女」?

メールだけの恋みたいなの自分もしたことあるから読んでて切ない・・・


116 : ◆qOJOlxW/1U :2005/10/29(土) 21:49:54 ID:DV3GgTKn
>>113
当たりです。

ちょっと話がコテコテとして作りこみ過ぎに感じたけど、意外と爽やかな終わり方と それなりに泣けるシーンがあったのでデートで観る映画としてはよかったと思いました。

でもこれをデートと呼べるかは分からないけど・・・・



111 :名無しさんの初恋:2005/10/29(土) 21:33:38 ID:gdv0ErWF
一緒にビデオ屋・・・

切ないね・・・


119 : ◆qOJOlxW/1U :2005/10/29(土) 22:09:50 ID:DV3GgTKn
こんな風にして、日々、彼女への想いを募らせながら、時間は あっという間に過ぎていった。


そして3回目の契約更新と料金の振込みが終わり、それから一週間が経った頃、運命の日は突然やってきたんだ。


その日は日曜日で久しぶりの晴れの日だった。俺は洗濯や掃除をしながらダラダラとテレビを見たりしながら過ごしていた。

夕方ごろに彼女からメール。

「今日は飲み会だから夜はメールできないかも」

がっかりしたけど仕方がない。この2ヶ月ちょっとの間、たまに こういうことがあった。彼女にも忙しい時間は当然あるわけで、異議の申し立てなんてできるはずがない。

「楽しんでおいで」とちょっと大人ぶった態度をとって、俺は寂しい週末の午後を過ごすことになった。


この頃、彼女とのメールの内容は一部のNGを除けば かなり深い話ができる位になっていた。それでも彼女に彼氏や好きな人がいるのかなんて聞けるはずもない。

NGのど真ん中だし、仮に彼氏がいるなんて言われた日には、この擬似恋愛は成り立たなくなっちゃうだろ?

彼氏がいたら、違う男とこんなにメールができるはずがないと、希望的観測で自分を慰めてはいたけど、もしかしたら、こんなことを許す心の広い彼氏だっているかも知れない。

どこか男の家に泊まりにいってるのかもしれない。今日は合コンなんじゃないか。そんな疑念が浮かぶたびに、また俺の胸は締め付けられた。

なるべく考えないように頭の中から そうした考えを振り払い、寂しくコンビニ弁当を食べて週末の夜をひとり悶々と過ごした。



133 : ◆qOJOlxW/1U :2005/10/29(土) 22:26:36 ID:DV3GgTKn
翌日は仕事なので、0時を過ぎた頃に彼女にオヤスミメールを出し、返事を待たずにベッドに入った。

今頃どうしているのだろうと、中々寝付くことができず、寝返りばかりうっていた。


ようやくウトウトし始めたころ、充電器にセットされた携帯のバイブ音が部屋に鳴り響いた。ベッドから飛び起きて携帯をチェックすると、メールは彼女からだった。


「やばい、終電寝過ごして終点まで来ちゃった。帰れない。」


もう10月。外で朝まで時間をつぶせる季節じゃない。

俺は まわりにビジネスホテルかマンガ喫茶でもないかと彼女に尋ねたが、どうも泥酔しているようでまともな返事が帰ってこない。

『駅名を聞いて迎えにいったほうがいいんじゃないか?』

そんな考えが頭をよぎった。

もし彼女がOKしてくれれば、ようやく恋焦がれた彼女に会うことが出来る。

しかし それは明らかにルール違反だ。

しかし彼女が今連絡をとってきてるのは俺だ。彼女が頼ってきているんだし、この場合ルール違反も仕方がないんじゃないか?

でもなんで彼女は俺にこんなことを言ってきてるのだろう。直接の知り合いに言った方が彼女には都合がいいじゃないか。

泥酔してそんなことも分からなくなっているのだろうか。色んな考えが頭の中を駆け巡る。


「大丈夫?意識まだしっかりしてる?自分が今いる駅の名前ちゃんとわかる?」

彼女に警戒されないよう、迎えに行くとは言わずに駅名だけでも聞き出そうと試みた。

すぐにまた震えだす携帯。

しかし画面を見るとメールの着信ではなく、番号非通知の電話の着信だった。



145 :名無しさんの初恋:2005/10/29(土) 22:39:18 ID:tglKyRFD
ドキドキわくわくハラハラ


146 : ◆qOJOlxW/1U :2005/10/29(土) 22:41:56 ID:DV3GgTKn
電話をとると、やはり相手は彼女だった。

ろれつが回っておらず、かなり酔っていることがすぐにでもわかる。


何故俺の携帯の番号を知っているのか不思議だったが、そんなことを聞きだせる状態ではなかった。

ひどい酔い方で質問をしても まともな返事が返ってこない。携帯から酒の匂いが伝わってきそうな勢いだ。


10数分の電話でのやり取りの末、ようやく彼女から駅名と今いる場所の目印を聞き出した。

駅は車なら30分くらいで付く距離の場所にあり、彼女は その駅前のコンビニの前にいるそうだ。

俺は迎えにいくからと彼女に告げ、絶対にコンビニの前から動かないよう彼女に繰り返し伝えた。

急いで着替えて家を飛び出し、最寄り駅にダッシュ。駅前でタクシーを拾い、彼女のいる駅へと向かった。


途中、ちゃんとコンビニの前にいるか確認のメールを何度か出した。

メール全てには返信がないものの、駅につくまでの間、2回だけ「ちゃんとコンビニにいるよ」と返事があった。

純粋に心配する気持ちと、やっと彼女に会えることへの期待と不安。そして何故 彼女が俺の電話番号を知っていたのかという疑問。

色んな考えが頭のなかを交錯し、タクシーは ようやく目的の駅へと着いた。

俺の心臓は大袈裟ではなく、ほんとうに口から飛び出しそうなくらい早鐘を打っていた。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:純愛, 胸キュン, 青春,
 


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