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家出少女と一緒に暮らしている。今も。
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477 名前:長いよ 投稿日:02/05/29 20:20
やがて俺は、フリーターではなく、正規の社員として働くようになった。

以前の俺からは考えられないくらい、真面目になった。


それまでも、何人かの女と付き合ったことくらいあるし、同棲だってしたことがある。

だが、俺にどういう変化があったのかはわからないが、彼女と暮らしてから、俺は真面目になった。


1年が過ぎ、2年が過ぎ、3年が過ぎた頃。

俺は彼女にプロポーズをした。

このままじゃ、保険も何もない。

いや何よりも、彼女と結婚したい。

もし両親がいるのなら、俺も一緒に、結婚の許しを貰いに行く。

帰らなかったのは、俺が引きとめたからでもある。

一緒に謝る。だから、結婚しよう。


でも、彼女は、肯いてはくれなかった。

あと1年だけ、待って欲しい、と。




478 名前:長いよ 投稿日:02/05/29 20:21

約束の1年が過ぎ、俺は再び、彼女にプロポーズをした。

しかし彼女は、強張った顔をして、俺に言った。


「…お話が、あるの」


彼女の話は、俺の想像の少し上だった。

かなり、かもしれない。





479 名前:長いよ 投稿日:02/05/29 20:25
彼女は、東北の農村地に生まれた。

家は貧乏農家だった。

生まれたと同時に、母親を亡くした。

父親は、それでも彼女を育ててくれた。

だが、小学校6年の冬に、その父親も亡くなった。

両親とも、風邪をこじらせたのが原因だと思う、と彼女は言う。

保険には入っておらず、薬を買うお金もなかった。

生活は、ほとんど自給自足に近く、酷いものだったらしい。

俺は詳しくわからないのだが、農協(?)とやらにも関わっておらず、村八分に近いものがあったのだろう。

というのも、彼女の家は、その一帯で「忌み嫌われていた」というのだ。


彼女の両親は、兄妹だった。

戸籍上は、父親不明。


父親が他界したとき、彼女は近くの家(10Km以上離れている!)に行き、そのことを伝えた。

しかし その家の人は、ただ何も言わず、彼女を追い返したという。

布団の中で冷たくなっている父親の前で、彼女は2日間、泣いていたという。

2日経って、市役所の人と、学校の先生と、警察官が来た。


彼女に親戚はなかった。

俺が思うに、たぶん血縁者は、近くにいたのだろう。

だが、彼女の家は「忌み嫌われていた」。

結局、彼女は施設に入れられることになった。




480 名前:長いよ 投稿日:02/05/29 20:26

彼女は、家にあるお金をかき集めた。

金額にして、3000円ちょっと、だったという。

そのお金で、彼女は東京に出てきた。

当然、キセルなんだが…

はじめは、東京まで来ようとは思っていなかったらしい。

とにかく、遠くへ逃げたかっただけ。

土地勘もないまま、東京から新宿、新宿から東小○○へとたどり着き、ふらふら歩くうちに、小○○市の繁華街で、俺と出会った。


そう、俺と出会ったときは、彼女はまだ小学校6年生だった。

プロポーズを待って欲しいと言ったのは、16歳、結婚できる年齢まで待って欲しい、ということだったんだ。





481 名前:長いよ 投稿日:02/05/29 20:26
彼女と一緒に、彼女の生まれ故郷へ行った。


母親も父親も、近くの寺に無縁仏として、放り込まれていた。

俺たちは、寺の住職に話をして、いつかお金を貯めて墓を作りにくるから、せめて無縁仏として扱うのは止めてくれないか、と頼んだ。

住職は、彼女のことを覚えていた。

彼女に手を合わせ、何かを言っていたが、何て言ったのか、俺には聞こえなかった。

ただ、彼女の両親の供養と、それから、すぐには無理だが、できるだけ早くに墓を作ってくれると言ってくれた。

墓代は、俺の出世払いでいい、とも。

ちょっと、驚いた。



市役所に行き、彼女の転出届を提出してきた。

彼女の住んでいた家は取り壊されていた。

大家を探したが、見つからなかった。

けじめとして、溜まっていたであろう家賃を(一部でも)払うつもりだったんだが…。


彼女の通っていた小学校にも、行ってきた。

幸いにも、彼女はその学校に最後まで在籍し、卒業したという扱いになっていた。

ただ、当然だが、彼女が中学校に在籍した記録はない。


彼女の最終学歴は、今も小卒のまま。




482 名前:長いよ 投稿日:02/05/29 20:27

東京に戻り、俺たちは結婚した。


俺の実家に彼女を連れて行き、親父とお袋に、紹介した。

いきさつのすべてを、俺は話した。

それは、彼女の希望でもあった。


親父とお袋は、「それがどうした?」って顔をして、祝福してくれた。

いい親だと、思った。


しばらくして、住職から手紙が届いた。

俺たちに、渡し忘れたものがあるという。それは、彼女の父親の遺書、だった。

彼女の家を取り壊すときに、見つかったらしい。

見つけた人も、捨てるに捨てられず、住職に渡したのだろう。

そこには、どうやって手に入れたのだろう、○○ホテルの食事券が入っていた。

そして「ムスメノ○○ニ」とだけ、券に直接、鉛筆で書かれていた。


滑稽だよ。でも彼女の父親は、これしか残せるものがなかったんだ。

もし笑う奴がいたら、ぶっ殺す。


家出少女だった彼女と、俺は一緒に暮らしている。今も。


 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:泣ける話, 純愛,
 


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