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友達の親父に喧嘩売った話
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30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:51:39.033 ID:zFjzs8hM0.net
俺は死ぬほど悔しかった。

そりゃ俺だってもっとかっこよく生まれたかったし何も好き好んでナマズみたいな顔に生まれてない。

運動も喧嘩も俺の方がちょっとだが坂倉より上。

だが顔面レベルは 坂倉>>>>>>>>>>>>俺=ナマズ ぐらいの差があり、女子人気は圧倒的に坂倉が勝っていた。

俺は思った。


こ の バ カ 女 達 の 邪 魔 し て や る




32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:52:21.072 ID:zFjzs8hM0.net
ハイキングが始まり、このクソバカ女3人組は いろいろと坂倉に質問を始める。


クソ女1「ねぇ?休みの日、坂倉君は何してんの?」

俺「呼吸してんだよ。当たり前だろボケが。」

クソバカ女2「ねえねえ?好きな女の子のタイプは?」

俺「パンツにうんこつけない女だよな。だからお前らは無理だって。」

ビチグソメス3「彼女とかつくらないの〜?」

俺「俺が坂倉ならお前らからは選ばねえよ。」


物凄い低いレベルのガヤだが当時は小学6年。これで精いっぱいだった・・・・




33 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:53:05.571 ID:zFjzs8hM0.net
糞×3「超うざいんだけど!1には聞いてないし!少し黙ってくれる?」

俺「文句あんならてめえらが消えろよ。俺は坂倉とハイキングするって決めてたんだよ!な?」

坂倉「あ・・ああ・・。ま、1と約束してたし文句あるならおまえらがどっか行ってくれ。悪いな」

屁×3「マジで言ってんの?ひどい〜!でも・・かっこいいから許しちゃう〜♪」


坂倉は本当にいいやつだし大好きだけど10年以内に殺すリストに入れることにした。






34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:54:16.888 ID:zFjzs8hM0.net
そんなこんなで俺は嫉みパワー全開で糞どもの邪魔をし続け、結果的には ただでさえ薄かった人気をさらに堕落させるに飽き足らず「坂倉君を奪い取る会」なるものが女たちの間に誕生し 同時に「1討伐隊」も編成され あろうことか、クラスで不動の2トップと呼ばれ片方は女ながら死神顔の女と いつもバッタと会話し「飛びたいんだよね。飛びたいんだよね」と囁き続けるヤク中のような女を刺客として送り込まれ 逃げ惑ううちに坂倉とはぐれるという事件も起きた。


ちなみに死神もヤク中も特に坂倉は好きではなかったらしいが「頼まれたから」という理由で俺を暗殺しにきたらしい。

女の団結力はこれから恐ろしい・・・


そんなこんなで修学旅行の時間が進み夜になると坂倉の様子が少しおかしくなってきた・・・

飯を食い終わったあたりから なんか焦ってるような落ち着かないような素振りを見せている。




35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:55:10.082 ID:zFjzs8hM0.net
坂倉「・・・・あのさ・・・1」

俺「ん?どした?」

坂倉「俺さ、調子悪いから風呂やめておくわ・・」

俺「え?マジで?どした?大丈夫か?」

坂倉「う〜ん・・ダメかも・・・とりあえず先生のとこ行って寝てくるわ」

と、告げると部屋から出ていき先生の所へと坂倉は向かっていった。

俺は心配しつつも風呂に入り帰ってきて30分ぐらいしたら坂倉は元気な顔をして部屋に戻ってきた。


俺「大丈夫か?」

坂倉「ああ!大丈夫だ。バファリン飲んだら速攻で良くなったわ。やっぱすげえなバファリンは!」


さっきとはうってかわって急に元気になった坂倉を見て安心し、一緒に遊び夜が更けていく・・・・




36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:56:02.057 ID:zFjzs8hM0.net
俺と坂倉はずっと起きていた。周りはみんな寝静まった深夜2時・・・

バッグに隠してきたタバコをすっと取り出す坂倉。


俺「おまえ・・・しっかり持ってきてたんか!やるじゃん!」


坂倉「へへへ・・・まあ一服しようぜ。」


窓を開けると温かい空気が入ってきた。

時期は梅雨だがこの日は空に満月が輝いていた。

満月の遥か下で少年二人が灯をあげ小さく赤い満月二つを作り、煙をあげる。


タバコが美味いと思っていたわけじゃない。

でもどこか大人に近づきたくて早く大人になりたくてタバコに手を出していた少年二人が少し大人の階段をまたのぼる・・・


坂倉「・・・なぁ・・・早く大人になりてえよな・・」

俺「ああ。そうだな〜。堂々とタバコ吸いてえな〜。」

坂倉「そうじゃなくてさ。早く働いてさ。自分で金稼いで一人で生きていけるようになりたい・・って思うんだ。」


正直俺には何を言っているのかわからなかった。




39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:56:35.777 ID:zFjzs8hM0.net
俺はただただ大人に憧れていただけで一人で金稼いで生きていきたいと思ったことはないし そんなことより夜遅くまで堂々と遊びたい!とか バイクに乗ってみたい!とかそんな浅い大人像しか頭にはなかった






41 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:57:36.722 ID:zFjzs8hM0.net
俺「俺はそんなこと考えたことねえな。お前大人だな〜。」

坂倉「子供だよ。子供だから・・・悔しいんだよ・・」


いつしか小さく赤く輝いてた満月は一つだけが呼吸に合わせ時に強い輝きを放ち もう片方は消えそうな光を必死にとどめていた。


坂倉「俺さ・・・俺の親さ・・・ 親父の方が血が繋がってないんだよ。」

俺は坂倉の家族の事はほとんど知らなかった。

聞いても何も教えてくれないし家にも呼んでくれない。

まああんまり言いたくないんだろうな〜くらいにしか思っていなかった。




42 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:58:28.621 ID:zFjzs8hM0.net
俺「そ・・そうなのか・・・」

坂倉「俺の親父と母ちゃんさ。俺が小さい時に離婚してさ。んで母ちゃん、2年前に新しい親父を連れてきたんだ。こいつさ・・・ロクでもねえ奴でさ・・・母ちゃんばっかに働かせて、自分は働かねえんだ。普通男が働いて女が料理したり洗濯したりするだろ?俺からするとそれがおかしくてさ・・・あるとき言ったんだよ。その親父に「仕事しねえの?」って。」

俺「・・・・・・・・・・・・・」

坂倉「そんとき、俺は胸倉つかまれて「誰に物言ってんだ!クソガキ!」っておもいっきりぶん殴られた。鼻血が出て、尋常じゃねえ痛さで泣いた。泣いてるのにまだ殴りかかってくるんだ・・・あんまり殴られるとさ。目の前が白黒になるんだよ。知ってるか?」

俺はそんな経験はない・・・・

なんて言葉を返したらいいのか戸惑った・・・

戸惑いを隠せない俺を見ながら坂倉はまだ話を続けた




44 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 22:59:51.449 ID:zFjzs8hM0.net
坂倉「俺が殴られて、泣いて、また殴られてを30分ぐらい繰り返したのかな・・ 最後意識がなくなったからわかんないけど・・・ で、意識が戻ったら母ちゃんがいたんだ。俺は泣きたかった。母ちゃんに助けてほしかった。ちょっと聞いただけでこんな目にあわす親父に怒って欲しかった。母ちゃんは俺に言った。

   「こ の バ カ!あ の 人 に 謝 れ !」



もう俺は坂倉が何を言っていたのかわからなかった。

ただ、あまりにも自分の理解できる範疇を超えた話を聞くと体が震えて声がでなくなることをこのとき初めて知った。



坂倉「俺はその日、親父に無理やり土下座させられた。母ちゃんも土下座してた。 親父は「ガキの躾はしっかりするって言ったんだろうが!んな生意気なバカガキならどっかに捨てて来い!と叫んでた。

   母ちゃんは「ごめんなさい。きちんと躾けるから許して」と泣いて謝っていた。

   俺はもう体に力が入らなくて、何が起こってるのかわからない・・ただただ謝らさせられて、やっと許しが出て鏡を見たら、俺の右目が完全にふさがるほど腫れて口から血を流しててびっくりした。

   それを見て俺は余計に怖くなった。暴力を振るわれたことじゃない。自分の息子がこんなひどいけがをしてるのに

   土 下 座 さ せ る 事 を 優 先 さ せ た 事 に !」




45 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/03/27(水) 23:00:38.036 ID:zFjzs8hM0.net
俺は・・どうすれば・・いいんだろう?

こいつを・・どうしてやればいいんだろう?


タバコを吸って大人ぶって喧嘩が強いから俺は頼りになる男だ!なんて自分に酔っていた。

それが何の役にも立たないこと。

自分が子供だということに気がつかされた。


話を聞いてるだけで足が震えうまく酸素を体内に運べなくなりそうになった。

恐怖で浅く早い呼吸になるのを感じ もうやめてくれ!と叫びたかった。

声が出れば叫んでいたんだろうか・・・?





>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:すっきりした話, 面白,
 


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