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水遣り
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報告の必要は無いのでしょうが、不思議です。

全てを話したくなってきます。

携帯を妻が差し出した事、佐伯と昨日会った事、妻が入院した事を話します。

「そうか、佐伯と会ったか。それで佐伯の事は どうするんだね」

「慰謝料で済ませる積もりはありません。社会的立場をなくしてやりたい」

「君が手を下すまでも無く、佐伯の立場はなくなる」

「どう言う事ですか?」


「君には全て話そうと思っていた。もうその時期だな。

前にも言った通り佐伯の身辺調査をしている。

その結果は火曜日に依頼人に渡す。

その後 君にもな」


調査の依頼人は未だ明かせないと言う前提がありますが、調査の内容を大筋で話してくれます。

「君も知っての通り、佐伯は社長の甥だ。

専務の妹、出戻りだがね、その妹と佐伯の結婚話が持ち上がっていた。

専務は次期社長。

筋から言って その次は佐伯になる。

将来の社長の身辺がきな臭いものであればしょうがない」


所長は淡々と語ります。

「佐伯は大阪センターの建設担当役員も兼任している。
佐伯と大阪の建設業者の間で前々から きな臭い噂があった。

女の方も相当ある」


「・・・・・」


「業者からの金銭授受も多少のものなら目を瞑れる。

女の方は金で整理がつくかも知れない」


出来るだけ詳細な報告をと依頼されたのです。

ここまで聞けば依頼主が誰なのか私にも大凡の見当はつきます。 


「その程度の物であれば、佐伯には訓告で済ませたと思う」


「その程度では無かった?」


「その通りだ。女はともかく金が程度を超えていた」


「そうですか」


「言うまでも無いが、この事は奥さんにも佐伯にも時期がくるまで話さないでほしい」


「勿論です。私は私の材料で戦います。でもその時期とは?」


「来週一杯と言っておこう」


佐伯の人間性が解ります、妻を こいつだけには何があっても渡せません。


「妻が昨日入院しました」


「どうしてそれを早く話さない。早く病院に行ってあげるんだ」


「今は会えません。妻の顔を見れば出てくる言葉は一つです」


「そうか。どうして入院したんだね」


「大量の睡眠薬を飲んだと」


私の携帯に着信があります。病院からです。

「奥さんの担当医です。ご主人、今日病院に寄ってもらえますか」


「直ぐ伺います」

松下さんに直帰する旨伝え、病院に向かいます。

担当医と話します。

「ご主人、奥さんは相当弱られています。断り無く血液検査をしました。ご主人、少しは控えて頂かないと」


「は?どう言う事ですか」


私には言われている意味が解りません。


「つまりですね、薬を使うのを程々にして欲しいと。求めるのは解りますが」


血液検査の結果、ピルの常用、経口催淫剤の大量常用が残留成分として検出されたのです。

特に経口催淫剤の量は限界を遥かに超えた量だそうです。

その影響は長く持続する可能性があるそうです。

しかたありません、事実を話すしかありません。

第三者に話したくはなかったのですが妻の不倫の事を話します。
勿論相手の名前は伏せたままです。 


「そうですか、失礼な事を言いました」


もう一つ気になる事があります、妻の女陰の事です。


「先生、実は妻のあの部分に媚薬を塗られていた可能性があります」


「その部分を見て欲しいと」


「お願いします」


「解りました。今直ぐには手配出来ません、明日朝見る事にします」


「ご主人、お名前は圭一さんですね」


「そうですが、それが何か」


「奥さんが何度も何度も ”圭一さん、御免なさい”とうわ言で繰り返しています」


「・・・・・」


「話掛けてあげればと思いまして」


「いや、余計なお世話だ」


結果は、明日聞きに来る旨言って病院を辞します。


『圭一さん御免なさいか』

余計な事だ。妻がうわ言で何を言おうが、夢で何を見ようが関係ありません。

してしまった事は戻らないのです。許す気持ちはありません。

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家に戻ります。

憂鬱な夜が始まります。

酒を煽ります。

妻の事、佐伯の事、松下さんの事が頭でぐるぐる回ります。

酔う程に松下さんの比重が大きくなってきます。

携帯を手に取っています。松下さんをコールします。

「松下さん、今から行っていいかな?」

「散らかってますけど、いらして下さい」

松下さんのアパートに始めて訪れます。8階建ての立派なマンションです。2階に彼女の部屋があります。

「こんな時間にお邪魔して申し訳ない」

「いいえ、お上がり下さい」

「君には全て知られている。今日病院へ行ってきた。夜一人じゃ居られない」

「病院では何と」

「今は言えない」

松下さんがウィスキーを用意してくれます。ちびりちびりと飲んでいますが、話す事がありません。私はリビングをあちこち眺めているだけです。

「身分不相応な所に住んでいると思っているんでしょう?」

「いや、そんな事は無い」

「私、両親を早く亡くしたの」

ご両親が早く亡くなり、結構な財産を一人娘の松下さんに遺したのです。


>>次のページへ続く
 
カテゴリー:復讐・倍返し  |  タグ:浮気・不倫, 寝取られ, SM_調教, すっきりした話, 性癖・プレイ,
 


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