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水遣り
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松下さんが成人するまで親戚の方が預かり、成人するの待って、その一部でマンションを買ったのです。
「そうなのか。苦労したんだ。それで そんなに強いんだ」
「強くありません。強いなんて言わないで下さい。それを聞いて女は喜びません」
「ご免、そんな積もりで言ったんじゃない」
「こんな歳まで女一人で不思議だと思っているんでしょう」
「うーん、まあ君のような綺麗な人がとは思う」
「私も色々ありました。結婚を考えた人も居ました。でも、一人暮らしが長いと ついつい慎重になっちゃって。この部屋に入った男の人は社長が始めて。もう結婚は考えない事にしました」
「君がその気になりさえすれば、相応しい相手はいくらでもいるさ」
取り止めの無い世間話をしています。妻の話題は、松下さんも避けているのが解ります。
話題があって来たのではありません。話が途切れます。
松下さんは酒の世話をやいてくれます。
摘みを取りに、チェイサーを取替えにキッチンに何度もリビングと行き交います。
私の目は自然と尻を追っています。
歩を進めるたびにそれは上に、下に、右に、左に揺れ動くのです。
スカートの上からショーツの線が見えています。
チェイサーを取替える時、私の肩越しに腕が伸びます。
薄いセーターのV−ネックから胸の谷間が覗けます。うなじが目の前に現れ、女の匂いが鼻腔を擽ります。
4ヶ月以上も妻を抱いていないのです、
『松下さんを抱きたい』
衝動が突き抜けます。と同時に別の思いが掠めます。
佐伯、妻との決着はついていません。
しかも、妻は入院中です。
ここで松下さんを抱くわけにはいきません。松下さんをも汚してしまう事になります。
「松下さん、急に思い出した事がある。病院に妻のものを届けなければいけない。ご免、これで帰る」
勝手な男です。突然来て、突然帰ります。
松下さんが その気になっていたのかは解りませんが、傷をつけてしまった事は確かです。
松下さんは私の嘘を見抜いていたのでしょう。
「奥さんをお大事に」
これで考えなければならない事が3つに増えました。
妻の事、佐伯の事そして松下さんの事。
しかし、私の生き方は ”すべて水のように”です。
酒を煽って酔いつぶれて寝る事にします。
酒を飲みだすと松下さんの姿態が目に浮かびます。
打ち消すように酒を煽ります。
--------------------
酔いつぶれて寝て翌朝起きたのが11時です。
シャワーを浴びて がんがんする頭を押さえて病院へ急ぎます。
「事後ですが、ご主人この書類にサインを頂けますか?」
担当医が書類を出します。
今朝、私と連絡が取れなかったので、事後になって申し訳ないと一言添えます。
私が酔いつぶれて家の電話にも、携帯の着信にも気がつかなかったのです。
妻に麻酔を施したと、その了解が欲しいと書かれています。
「奥さんに了解を求めても それは無理でしょう。私の判断で麻酔をする事にしました」
「結構です。問題ありません」
サインを済ませ、担当医の説明を聞きます。
その報告は衝撃的な物です。
「失礼だとは思いましたが、奥さんの陰部、肛門とそれから乳房を検査しました」
女陰には、クリトリス、陰唇、膣口と膣のの中に至るまで、そして乳首に大量で強力な媚薬を塗布された形跡があると言うのです。
皮膚から相当量の残留成分が検出されたのです。
しかも、皮膚から血液の中に溶け出しているだろうと。
普通の性交では、皮膚まで破ける筈はありません。
肛門からは何も検出されません。
「聞きたく無い事を言わなければいけません。
皮膚にこれだけの成分を残すには、相当長期間に渡り、大量に常用する事が必要です。
皮膚の糜爛、傷もしかりです。
奥さんの皮膚は普通の成人女性に比べ相当薄いようです。
玩具を使っていないとすれば、相手の男根は普通では無いと考えられます」
「普通では無い?」
「そうです。真珠を埋め込んでいるとか、シリコンで成形しているとかです」
中条さんの言葉を思い出します。
”大人のオモチャのようにゴツゴツしたグロテスクな物だった。こんな恐ろしい物、おぞましい物”
しかも、妻は入院中です。
ここで松下さんを抱くわけにはいきません。松下さんをも汚してしまう事になります。
「松下さん、急に思い出した事がある。病院に妻のものを届けなければいけない。ご免、これで帰る」
勝手な男です。突然来て、突然帰ります。
松下さんが その気になっていたのかは解りませんが、傷をつけてしまった事は確かです。
松下さんは私の嘘を見抜いていたのでしょう。
「奥さんをお大事に」
これで考えなければならない事が3つに増えました。
妻の事、佐伯の事そして松下さんの事。
しかし、私の生き方は ”すべて水のように”です。
酒を煽って酔いつぶれて寝る事にします。
酒を飲みだすと松下さんの姿態が目に浮かびます。
打ち消すように酒を煽ります。
--------------------
酔いつぶれて寝て翌朝起きたのが11時です。
シャワーを浴びて がんがんする頭を押さえて病院へ急ぎます。
「事後ですが、ご主人この書類にサインを頂けますか?」
担当医が書類を出します。
今朝、私と連絡が取れなかったので、事後になって申し訳ないと一言添えます。
私が酔いつぶれて家の電話にも、携帯の着信にも気がつかなかったのです。
妻に麻酔を施したと、その了解が欲しいと書かれています。
「奥さんに了解を求めても それは無理でしょう。私の判断で麻酔をする事にしました」
「結構です。問題ありません」
サインを済ませ、担当医の説明を聞きます。
その報告は衝撃的な物です。
「失礼だとは思いましたが、奥さんの陰部、肛門とそれから乳房を検査しました」
女陰には、クリトリス、陰唇、膣口と膣のの中に至るまで、そして乳首に大量で強力な媚薬を塗布された形跡があると言うのです。
皮膚から相当量の残留成分が検出されたのです。
しかも、皮膚から血液の中に溶け出しているだろうと。
普通の性交では、皮膚まで破ける筈はありません。
肛門からは何も検出されません。
「聞きたく無い事を言わなければいけません。
皮膚にこれだけの成分を残すには、相当長期間に渡り、大量に常用する事が必要です。
皮膚の糜爛、傷もしかりです。
奥さんの皮膚は普通の成人女性に比べ相当薄いようです。
玩具を使っていないとすれば、相手の男根は普通では無いと考えられます」
「普通では無い?」
「そうです。真珠を埋め込んでいるとか、シリコンで成形しているとかです」
中条さんの言葉を思い出します。
”大人のオモチャのようにゴツゴツしたグロテスクな物だった。こんな恐ろしい物、おぞましい物”
「相手の男は増大手術をしています」
「やはりそうですか」
「奥さんは精神的にも相当弱られています。ご主人のご了解を頂ければ心療内科の方でケアをしたいと思っています」
「心療内科?それで妻は今?」
「麻酔でまだ眠られています。あと3時間位は目が覚めないと思います」
「心療内科の件は考えておきます。先生一つ教えて下さい。薬の影響が無くなるには どれ位の期間が必要ですか?」
「これ程の例は見た事がありません。正直なところ解りません。一週間なのか、一ヶ月なのか。目が覚めればお話になってあげませんか?」
「いや、今私から出る言葉は矢のような事しかありません。会うつもりはありません」
「そうですか。その方がいいかも知れませんね」
本当は妻には言いたい事、聞きたい事、一杯あります。妻がこんな状態では言う事が出来ません。ジレンマに陥ります。
それにしても憎いのは佐伯です。私の手で社会的に葬ってやりたい。
しかし所長の話では私が手を下さずとも、もう一人の依頼の結果で社会的立場が無くなってしまうのです。
それが悔しいのです。私は私の材料で佐伯を潰したいのです。
私の足は自然と所長の所に向かいます。
--------------------
「病院に行って来ました」
「奥さんの様子は?」
「眠っています」
病院での検査結果を話します。
「酷いもんだ。それでは未だ奥さんと話していないんだね?」
「ええ、未だです。暫くは話せません」
「そうだな」
「佐伯を潰す方法が見つからない。
私でなくとも、もう一つの方で勝手に潰れてしまう。
自分の手で潰したかった」
「あんな男は誰が潰してもいい。君の その気持ちを佐伯にぶつければいい。奴のダメージは倍増する」
自分の思いを聞いてもらうとある程度 気持ちが治まります。
まだ3時、決心がつかぬまま佐伯のマンションへと向かいます。
途中電話をします。
「宮下だ。居るようだな。今から行く」
豪華なマンションです。この近郊一番と言って良いでしょう。金回りの良いのが解ります。
玄関を開けた時から佐伯の態度は卑屈です。
「大会社の常務ともなると、さすがいい所に住んでるんだな」
「ご主人、本当に申し訳ない。ほんの出来心で、洋子と、いや奥さんと気が合ってしまって」
>>次のページへ続く
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