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戦い
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ある時、酒に誘ったが、その時点で下心が有った訳ではない。いや、多少有ったが、そこまでの勇気が無く、考えない様にしていたと言った方が、正しいかもしれない。

しかし、酒に弱い美鈴さんは、少し呑んだだけで顔がほんのりピンクになり、その顔を見ていて凄い色気を感じてしまい、

妻と遠ざかっていた私は人肌が恋しく、酒の力も借りて思い切って誘ってみると、良い返事は無かったが、強く拒む事もなかった。

その後、ホテルで見た美鈴さんの裸は、妻しか知らない私にとって、凄く眩しく綺麗だった。」


「えっ、妻しか知らない?」


「ああ。恥ずかしい話だが、私は美鈴さんを知るまで妻しか知らなかった。一生それでいいと思っていた。」


「いや、馬鹿にしているのでは無い、以外だっただけだ。」


妻を手玉に取っていた様に思っていましたが、野田も妻に溺れていたのだと思いました。

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5月30日(日)の4

野田は、余程 感激が大きかったのか、興奮気味に話し出しました。


「セックスに興味が無かった訳ではないので、知識だけは豊富だったが、妻との経験しか無く、実践には乏しいので、はたして私のやり方で、美鈴さんを喜こばせる事が出来るのか、凄く心配だったが、

美鈴さんは、何回も何回も達してくれて、これが普段会社で見ている、あの清楚な美鈴さんかと、疑いたくなる程の乱れようだった。

私は、美鈴さんを、喜ばせる事が出来た事で、有頂天になった。

会社で美鈴さんの姿を見ているだけで、あのイヤらしい腰の動きや、妻の低い声とは違う、可愛い喘ぎ声、達する時の表情までも思い出し、デスクの下で、あそこを硬くしていた。

美鈴さんと目が合うと、恥ずかしそうに下を向く仕草がまた可愛く、私は美鈴さんの虜に成っていった。」


「美鈴は最初から すんなりと受け入れたのか?」


「いや、ホテルの部屋に入ると、正気に戻った様に“やはり私は主人を裏切れない”と言って帰ろうとしたので、抱き締めて やや強引に・・・・・すまん。」

「次に関係を持った時は、すぐに付いて行ったのか?」


「美鈴さんは、凄く罪悪感を持っていた。もう二度と裏切れないと言われたので

“美鈴さんだけが生きる糧で、美鈴さんと付き合えないなら、死んでしまいたい。”

と言って、優しさを利用してしまったが、美鈴さんを手放したくなかった。

1度結ばれただけなのに、愛してしまっていた。

嘘をついてでも、脅してでも、もう離したく無いと思った。」


「別れた奥さん、美代子さんの事は、もう愛していなかったのか?」


「・・・・・・・・いや、愛していた。怒られそうだが、2人とも愛していた。」


私には、この感覚が分かりませんでした。

昨年不倫していた時の妻も そうだったのですが、気になるとか、素敵だと思うとか、あの人を抱いてみたいまでは分かっても、2人の人間を同時に、同じ様に愛せるという感覚が、私には理解出来ません。


「細かい事を聞くが、この頃は、ちゃんと付けていたのか?」


「美鈴さんを愛していて、大事に扱っていたから必ず付けていた。」


「その後、中に出した事も有ったのだろ?大事に扱っていたのなら、どうしてそんな事をした。」


「そうだな。嘘はいかんな。本当は、大事に扱っていたからでは無い。

最初の頃、私の興奮も凄く、美鈴さんが達するまで我慢出来る自身が無かった。

早く出してしまって、美鈴さんに馬鹿にされないか心配で、少しでも感覚を鈍らせる為に付けていた。

それに妊娠でもして、ご主人にばれるのが怖かった。そうかと言って、出る直前に外へ出す自信も無かった。」


「それでも中に出す様になった。そうだろ?」


「すまん、安全な時だけだ。何回か関係を持った頃、私は どうしても付けずにしてみたくなった。

最初の内は、付けずに入れても少しの間だけで、危なくなる前に付けていた。

しかし、ある時、誘惑に勝てず、中に出してしまった。

たまたま安全な時期なので良かったが、美鈴さんは泣いて抗議して来た。

しかし、その時の征服感、優越感は 言い様が無いほどだったので、逆に安全な時は、教えて欲しいと頼んだが拒否され、

それで私は、“私は子供が出来ても構わない。美鈴との子供が欲しいくらいだ。”と腹にも無い事を言って脅した。ご主人に ばれるのが怖かったくせに。

ただでも、美鈴さんが ご主人に打ち明けてしまわないか、毎日ビクビクしていたのに。」


どうしてこんなにも、中に出された事に拘るのか、自分でも分かりませんでした。

この事に付いて、もっと事細かに聞きたかったのですが、やはり耐えられず、他に聞きたい事も有ったので、次の質問に移ろうと思ったのですが、

私は、険しい顔になっていたらしく、私の顔を見た野田は、黙り込んでしまいました。


私の顔が険しくなったのは仕方が無い事です。

ここに来た時から、出来る限り友好的に接していますが、野田への怒りが、全く無くなっていた訳では有りません。

妻と私との問題だと思う様になっていて、確かに以前ほどの怒りは有りませんでしたが、それでも私の生活を壊した、責任の半分は有る男です。

妻を真剣に探してくれたぐらいで、そう簡単に許せるものでは有りません。

しかし、私には、妻の事を聞き出したいのと、もう1つ目的があったので、出切る限り、険しい顔にならない様にしていたつもりなのですが、

野田の話を聞いていて、妻と野田の様子が頭に浮かび、悔しさから、自然と怖い顔になっていた様です。

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5月30日(日)の5

野田の表情が、少し変わったので、飲みたくは無かったのですが、もう1杯コーヒーが欲しいと言うと、野田は急いでキッチンへ行き、コーヒーを煎れて来てくれました。

「怖い顔をしていたか?
つい 今迄の怒りを思い出してしまった。

でも今は、もう美鈴との問題だと思っているから安心してくれ。これを飲んで少し落着く事にするよ。」


野田は、あの時の恐怖を思い出していたのか、怯えた様な表情になっていましたが、私の言葉を聞き、ほっとした表情になり。


「もう止めておこうか?」


「いや、もっと知りたい事が有る。途中で俺が怒った様な顔になっても、何もしないから話を続けてくれ。頼む。」


野田は頷きました。


「最初の内は、普通に関係を持っていた様だが、いつから縛ったりとか・・・・・・・つまり、SMのような事をした?」


「最初の内は、美鈴さんと関係を持てるだけで充分だった。嫌な事を忘れられる唯一の時間だった。

しかし、回を重ねる内に、それだけでは満足出来なくなり、勝手な考えだと分かっていても、私は、美鈴さんとしかしていないのに、ご主人とも関係を持たれる事に嫉妬心を覚える様になった。独占したくなった。

美鈴さんに、ご主人の事を好きでも構わないから、身体の関係だけは持たないで欲しいと頼んだが、当然拒否され、色々考えた末に・・・・・。」


「俺に知られるのが怖かったのだろ?美鈴が俺を拒否し続けたら、当然ばれるとは思わなかったのか?」


「私に美代子以外にも好きな人が出来たせいか、美代子との関係は益々悪くなっていた。

私は、自棄になっていて、その頃には、ばれても殺される事は無いだろうと思っていたので・・・・・・・。」


「それとSMの様な行為と何の関係が有る?それは課長の性癖だろ?」


「勿論それも有る。若い頃から ずっと願望は有って、その様な雑誌や小説をよく読んでいて詳しかったが、実際には、変態だと思われないか心配で美代子には出来ず、そうかと言って、他に女を作る勇気も無かった。

美鈴さんにも嫌われないか心配だったが、私には ご主人と引き離す為だという、大義名分が有った。」


私には、それでどうやって、私と妻を引き離す事が出きると考えたのか、理解出来ませんでしたが、野田がまた、ぽつりぽつりと話し出し。


「美鈴さんを見ていて、その様な行為と美鈴さんは結び付かず、絶対にした事が無いと思っていた。

もしそうなら、その様な事をすれば、それで感じる事が出来れば、真面目な美鈴さんは

“私はこんな事をしてしまった。こんな女になってしまった。私は普通の女では無くなった。”

と思い、ご主人に顔向けが出来ず、ご主人と関係を持つことをためらうと考えた。

実際、私の考え通りに行くかどうかは分からなかったが、どちらにしろ、私がその様な行為をする、自分に対しての言い訳にはなった。

私が何も言わなくても、実際ご主人との行為を避け出したので、その事が原因かどうかは分からなかったが、上手く行ったと思った。」


本当にそこまで考えていたのか、ただ自分の欲望を満たす為にしていたのかは分かりませんが、他人事の様に、感心しながら聞いていました。

しかし、野田の言葉が途切れた時、本来聞きたかった事を思い出し。


「最初、どのような事をした?美鈴はどうだった?」


「美鈴さんが前戯だけでイッてしまい、まだ余韻に浸っていて朦朧としている時、持って来ていたロープで、両手首を縛ると、気が付いた美鈴さんは、かなり嫌がり抵抗したが、そのロープの端をベッドの上に縛った。

それでも私を罵りながら、足をばたつかせて抵抗していたので

“何もしない、暴れると足も縛るぞ、それに、手首に痕が残って旦那にばれるぞ”

と脅すと大人しくなったが、私がバイブとローターを出してきたのを見て、また暴れ出した。

それを見て私は逆に興奮してしまい

“両手首に痕が残れば、普通の男は何をしていたのか分かる。旦那だけでは無くて、会社のみんなにも分かってしまうぞ”

と脅すと、それからは抵抗しなくなった。

それで私はローターを当てると、言葉とは、裏腹に感じ出したが、次にバイブを使おうとすると“怖い。止めて、怖い”と少女の様に怯え、それがまた、かえって私を興奮させた。

しかし、これも、嫌がっていたのは最初だけで“美鈴はこんな物でイクのか?”とか言葉で辱めながら使っていると、美鈴さんは腰を上下させながら、何回も達してくれた。

その後、ロープを解いて自由にし、私がコンドームを着け終わると同時に、私を押し倒して、始めて自分から私に跨って腰を振り出した。

しかし、腰の動きは ぎこちなく、思った快感を得られない様だったので、私も下から助けてやると、我を忘れたかのように両手で自分の髪の毛を掻き毟り、口からは涎を垂らしていた。


>>次のページへ続く
 
 


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