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突然の海外赴任
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「話していません。本当です。あなた、ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・・・。」
私は、稲垣に電話をしましたが、これも怒る事無く、淡々と話していたと思います。
--------------------
次の日、稲垣は弁護士を伴って私の家にやって来ました。
「約束の違反金は この前と同じ口座に振り込んでくれればいい。話は以上です。お帰り下さい。」
「その事ですが、今回の事は話が出来過ぎている。出張に行っているはずのご主人がいたのもおかしい。もしかしたら、これは・・・・・・・・。」
「つまり、私が妻に この男を誘惑わせたという意味ですか?そう思うのなら訴えて下さい。それで結構です。
妻の私に対する気持ちに自信が持てず、出張だと嘘をついて、妻を罠に掛けたのは事実です。
その結果がこの有様です。もう何もかもが嫌になった。もう生きているのが辛い。好きにして下さい。」
「相手を疑うのも私の仕事です。そういう見方も出来るというだけで・・・・そう言わずに。」
怒るでも無く、呟く様に話す私が不気味だったのか、弁護士は焦っている様でした。
「稲垣さん、昨夜は妻がお世話になりました。
妻を抱いてくれたみたいですね?妻は、喜んでいましたか?
妻は無理やりされたと言っていますが?それでは、まるで強姦だ。」
「待って下さい。私は、ただ話をしていただけだと聞いている。稲垣さん、その様な事が有ったのですか?」
「・・・・いいえ・・・・。」
私は妻を呼び、
「稲垣さん。もう一度、その様な事が有ったのか無かったのか答えて欲しい。」
「・・・・・有りましたが・・・決して無理やりでは・・・・・同意の上で・・・・・。それに、最後まではしていません。」
妻の言った、最後まではされなかったと言うのは本当のようですが、私には妻が感じてしまったた事が気になっていました。
「そうですか。肉体関係に近い事は有ったようですね。
しかし、強姦と言うのは どうでしょう?
分別の有る大人の奥様が、ホテルの部屋までついて行った。
しかも以前は不倫関係に有り、会おうと言い出したのも奥様からです。
多少強引なところが有ったとしても、はたしてそれが強姦と言えるかどうか。」
「強姦では無く、強姦未遂になるのかも知れませんが、2人きりの密室で証人がいない事を良い事に、事実を隠し通すおつもりですか?
訴えるも、訴えないも妻の問題なので、別に私にはどうでも良い事ですが・・・・・・。」
すると弁護士は少し待って欲しいと言い、稲垣を連れて外に行ってしまいました。
「今回の事は、された、していないで水掛け論になってしまう。
ただ明白なのは約束を破って2人で会っていたという事です。
本来は、奥様の過失も大きいので満額は無理かと思いますが、約束の1千万をお支払い致しますので、それで納得していただけませんか?」
「1千万は当然です。
約束を破ったら、妻と合わせて1千万と決めた訳ではない。
妻には別に相応の償いをさせます。
本当は、お金などどうでもいい。
お金よりも この男を殺したい思いが強いのですが、娘の事を考えると、まだ刺し違える決心がつかない状態です。」
「少し待ってくれ。それは完全に脅迫ですよ。その言葉だけでも犯罪だ。」
「そうですか。それなら私は罪に問われなければならない。どうぞ訴えて下さい。もうどうなってもいい。
今後 生きていたところで、人生に何の意味も無いかも知れない。」
弁護士は私を責めていたと思えば、今度は宥める様に、
「そう悲観的にならずに、冷静になって下さい。
最初に疑う様な発言をしたのは、仕事上 色々なケースを念頭に置いて進めなければならないからです。
私は、そういう事も有り得ると一般的な話をしただけで、その事でも傷付けてしまったとしたら、私の不徳の致すところです。許して下さい。
奥様の件は、私は相談者を擁護する立場に有るので、稲垣さんを信じて、強姦の様な事は無かったとしか言えない。
しかし双方の利益を考えれば、示談にするのが好ましいと思います。どうでしょう?」
すると稲垣は弁護士に対して不満を露にし、
「そんな・・・・・。先生は私の代理人だろ。」
「稲垣さん。あなたは私にも、奥様とは二度と会わないと約束してくれましたよね?
その舌の根も乾かない内に、これは何ですか?
もしも奥様の方から連絡が有った時は、毅然と断って、トラブルにならない様に、すぐに私に連絡しろと言いませんでしたか?
お金の事まで言いたくはないが、私は あなたのお姉さんに頼まれて、お姉さんの同級生というだけで、儲けも考えずに引き受けているのですよ。
これ以上まだゴタゴタするのなら、私はこの件から降りる。」
結局、稲垣が私に分割で1千万を支払い、もう妻と会えない様に、次に約束を破った時には5千万を支払うという事に署名させ、それとは別に、稲垣が妻へ解決金として五十万支払う事で決着しました。
「稲垣さん。もう一度、その様な事が有ったのか無かったのか答えて欲しい。」
「・・・・・有りましたが・・・決して無理やりでは・・・・・同意の上で・・・・・。それに、最後まではしていません。」
妻の言った、最後まではされなかったと言うのは本当のようですが、私には妻が感じてしまったた事が気になっていました。
「そうですか。肉体関係に近い事は有ったようですね。
しかし、強姦と言うのは どうでしょう?
分別の有る大人の奥様が、ホテルの部屋までついて行った。
しかも以前は不倫関係に有り、会おうと言い出したのも奥様からです。
多少強引なところが有ったとしても、はたしてそれが強姦と言えるかどうか。」
「強姦では無く、強姦未遂になるのかも知れませんが、2人きりの密室で証人がいない事を良い事に、事実を隠し通すおつもりですか?
訴えるも、訴えないも妻の問題なので、別に私にはどうでも良い事ですが・・・・・・。」
すると弁護士は少し待って欲しいと言い、稲垣を連れて外に行ってしまいました。
「今回の事は、された、していないで水掛け論になってしまう。
ただ明白なのは約束を破って2人で会っていたという事です。
本来は、奥様の過失も大きいので満額は無理かと思いますが、約束の1千万をお支払い致しますので、それで納得していただけませんか?」
「1千万は当然です。
約束を破ったら、妻と合わせて1千万と決めた訳ではない。
妻には別に相応の償いをさせます。
本当は、お金などどうでもいい。
お金よりも この男を殺したい思いが強いのですが、娘の事を考えると、まだ刺し違える決心がつかない状態です。」
「少し待ってくれ。それは完全に脅迫ですよ。その言葉だけでも犯罪だ。」
「そうですか。それなら私は罪に問われなければならない。どうぞ訴えて下さい。もうどうなってもいい。
今後 生きていたところで、人生に何の意味も無いかも知れない。」
弁護士は私を責めていたと思えば、今度は宥める様に、
「そう悲観的にならずに、冷静になって下さい。
最初に疑う様な発言をしたのは、仕事上 色々なケースを念頭に置いて進めなければならないからです。
私は、そういう事も有り得ると一般的な話をしただけで、その事でも傷付けてしまったとしたら、私の不徳の致すところです。許して下さい。
奥様の件は、私は相談者を擁護する立場に有るので、稲垣さんを信じて、強姦の様な事は無かったとしか言えない。
しかし双方の利益を考えれば、示談にするのが好ましいと思います。どうでしょう?」
すると稲垣は弁護士に対して不満を露にし、
「そんな・・・・・。先生は私の代理人だろ。」
「稲垣さん。あなたは私にも、奥様とは二度と会わないと約束してくれましたよね?
その舌の根も乾かない内に、これは何ですか?
もしも奥様の方から連絡が有った時は、毅然と断って、トラブルにならない様に、すぐに私に連絡しろと言いませんでしたか?
お金の事まで言いたくはないが、私は あなたのお姉さんに頼まれて、お姉さんの同級生というだけで、儲けも考えずに引き受けているのですよ。
これ以上まだゴタゴタするのなら、私はこの件から降りる。」
結局、稲垣が私に分割で1千万を支払い、もう妻と会えない様に、次に約束を破った時には5千万を支払うという事に署名させ、それとは別に、稲垣が妻へ解決金として五十万支払う事で決着しました。
本当は強姦が認められずに、逆に名誉毀損で訴えられようとも妻に訴えさせて、もっと稲垣を苦しめたかったのですが、
私にも この事を仕組んだ負い目が有り、妻が法廷で取り乱し、美人局をした事までばれるのを恐れてしまい、一応示談としましたが、
示談にした1番の理由は、私の中で急速に力が抜けて行くのを感じていたからです。
そんな中、ただ一つ嬉しかった事は、稲垣が1千万を即金で用意出来ない事でした。
離婚した事も有り、考えていたよりも稲垣の懐事情は厳しいらしく、私に分割を頼み、何度も頭を下げる姿には 多少ですが心が癒されました。
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2人が帰り、妻が稲垣の愛撫に感じてしまった事で、今後どうするかを考えていると、突然妻が言い難そうに、
「あなた、その五十万は私に頂けませんか?」
妻は、稲垣の奥さんから、慰謝料として百万請求されていたと知りました。
奥さんは、妻が稲垣に ずっと騙されていたと思っているので、この様なケジメだけの金額で許してくれたのでしょう。
長年苦しみ、この様な結果になってしまった奥さんの気持ちを考えると、また徐々に怒りで力が漲って行くのを感じます。
「おまえは 奥さんに これだけの事をしておいて、たったの百万で済ませるつもりか?」
「典子さんに償いたいけれど、今の私には百万のお金も有りません。」
「そうだな。2人で溜めたお金は、離婚に成った時に全て放棄すると決めていたので、いつ離婚になっても不思議で無い今、おまえは一切使えない。
それにしても情けない女だ。奥さんの一生を駄目にしておきながら、償いはお金でしか出来ない。しかし、そのお金すら無い。
奥さんが温情を掛けてくれて、たった百万で許してくれようとしているのに、それすらもまだ五十万足りない。」
「お願いです。五十万貸して下さい。お願いします。」
「そうだな。奥さんに迷惑はかけられない。五十万貸そう。その代わり保証人を付けてくれ。おまえの様な平気で嘘をつける人間に、保証人も無く貸す気にはなれない。」
保証人など頼める相手がいない妻は、声を殺して泣いていました。
話を聞いた時から百万出すつもりでいたのですが、素直には出せません。
「保証人が無理なら、俺が選んだ所で働くか?」
「・・・・離婚は・・・・・・・・はい、働かせて下さい。」
「そうか。それなら探してきてやる。最近は、熟女専門の所も結構有るそうだ。
旦那の俺が言うのも変だが、智子は童顔だから化粧の仕方によっては30代前半でも通るかも知れないし、何と言っても色白で乳がでかい。その上、淫乱とくれば人気が出るぞ。
おまえの様な平気で嘘をつける女の方が、お客に合わせて色々な人格の女になり切れるだろうから、向いているかも知れない。
稲垣に教え込まれたテクニックも有るだろうし、もしかすると、これは天職かも知れないぞ。」
「えっ・・・仕事というのは・・・・・・。」
「それで良ければ明日、百万おろして振り込んで来い。
それと、その汚い陰毛は何とかしろ。
よく稲垣は、そんな汚い身体を抱こうとしたな。
そのままだとお客が興醒めしてしまう。
そうだ、全て剃ってしまえ。
その方が、おまえの大人しそうな顔と淫乱な身体とのギャップに、きっと客も喜ぶ。」
こんな事を続けていては、いつか妻が9年前の様に精神的におかしくなってしまいます。それ以上になってしまうかも知れません。
しかし、妻に対して いつまでもこの様な陰湿な事が言える私は、すでに狂っていたのかも知れません。
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翌日、妻の作った物を食べる事の出来ない私は1人で食事に出掛け、少し呑んで ほろ酔い加減で帰宅すると、娘が寝て静まり返った家のキッチンで、妻は啜り泣いていました。
>>次のページへ続く
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