戦争の体験談を語るわ
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192 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:45:07.74 ID:kv3yaWMo
気づいたら朝になっていて、洞窟の中で まだ息のあった人たちも、皆亡くなっていた。
もう心が耐えられなかった。
情けない自分が、同じ過ちを何度も繰り返す自分が許せなかった。
193 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:46:37.65 ID:kv3yaWMo
それから数日間、ソニアや民兵と一緒に過ごしていたんだ。
でも、外に出ていた民兵の人は誰も帰ってこなくて、もう全てが終わった事に気づいた。
本当は とっくに気づいていたけど、もう現実を受け入れるほど俺の心は強くなかったんだ。
194 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:53:22.76 ID:kv3yaWMo
それから、少しして、俺は皆の遺体を埋めることにしたんだ。
スコップとかがないから、木の棒でひたすら彫り続けて、全員の遺体を埋めるには数日かかった。
俺ムスリムじゃないからさ、お墓に何をすればいいかわからなかったんだ。
だから、棒を立てて、咲いていた花を移して植えるぐらいしかできなかった。
ボシュニャチの民兵の人に、辛くても生き抜けって言われたけど、もうそんな気力もなかった。
もう全てを失って、希望だとか光も何もないんだ。
その場で死のうと思って、銃を探したんだけど、銃が全部なくなってるんだ。
少量もとっくに尽き果てていて、飲まず食わずでいた俺は、もう疲れて眠くなっちゃってさ、そのままソニアを埋めた場所の前で寝たんだ。
196 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:55:56.97 ID:kv3yaWMo
目を覚ましたら、夢の中みたいで、どこかの家のベットに寝てたんだ。
おかしいな、これは夢なのかなって それとも今までのが夢なのかなって思ってたんだ。
そしたら部屋の中に中年ぐらいの女の人が入ってきてさ、何か俺にいいながら、水とか食べ物をくれたんだ。
197 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:58:15.40 ID:kv3yaWMo
それから少しして、これが夢じゃないってわかってさ。
俺は山で倒れていた所を、スルツキの民兵に保護されて、そこから結構離れた民兵の暮らす集落に連れて来られていたんだ。
198 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:59:56.27 ID:kv3yaWMo
もう死にたいって思ってた俺はさ、スルツキの民兵がソニア達を撃ったんだろって、絶対に許さないって暴れたんだ。
気づいたら朝になっていて、洞窟の中で まだ息のあった人たちも、皆亡くなっていた。
もう心が耐えられなかった。
情けない自分が、同じ過ちを何度も繰り返す自分が許せなかった。
193 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:46:37.65 ID:kv3yaWMo
それから数日間、ソニアや民兵と一緒に過ごしていたんだ。
でも、外に出ていた民兵の人は誰も帰ってこなくて、もう全てが終わった事に気づいた。
本当は とっくに気づいていたけど、もう現実を受け入れるほど俺の心は強くなかったんだ。
194 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:53:22.76 ID:kv3yaWMo
それから、少しして、俺は皆の遺体を埋めることにしたんだ。
スコップとかがないから、木の棒でひたすら彫り続けて、全員の遺体を埋めるには数日かかった。
俺ムスリムじゃないからさ、お墓に何をすればいいかわからなかったんだ。
だから、棒を立てて、咲いていた花を移して植えるぐらいしかできなかった。
ボシュニャチの民兵の人に、辛くても生き抜けって言われたけど、もうそんな気力もなかった。
もう全てを失って、希望だとか光も何もないんだ。
その場で死のうと思って、銃を探したんだけど、銃が全部なくなってるんだ。
少量もとっくに尽き果てていて、飲まず食わずでいた俺は、もう疲れて眠くなっちゃってさ、そのままソニアを埋めた場所の前で寝たんだ。
196 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:55:56.97 ID:kv3yaWMo
目を覚ましたら、夢の中みたいで、どこかの家のベットに寝てたんだ。
おかしいな、これは夢なのかなって それとも今までのが夢なのかなって思ってたんだ。
そしたら部屋の中に中年ぐらいの女の人が入ってきてさ、何か俺にいいながら、水とか食べ物をくれたんだ。
197 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:58:15.40 ID:kv3yaWMo
それから少しして、これが夢じゃないってわかってさ。
俺は山で倒れていた所を、スルツキの民兵に保護されて、そこから結構離れた民兵の暮らす集落に連れて来られていたんだ。
198 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:59:56.27 ID:kv3yaWMo
もう死にたいって思ってた俺はさ、スルツキの民兵がソニア達を撃ったんだろって、絶対に許さないって暴れたんだ。
199 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:01:54.57 ID:kv3yaWMo
でも、この家の奥さんや、民兵の旦那さんは悲しそうな顔しながら、自分たちはしていないって言ってさ、俺が暴れてるのに抱きしめてくるんだ。
200 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:02:47.48 ID:kv3yaWMo
俺は嘘つきめ、嘘つきめって叫びながら暴れたんだけど、離してくれなくてさ、寝るって言って部屋に篭ったんだ。
202 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:05:08.93 ID:kv3yaWMo
それから何日も、部屋にもって来てくれたご飯とかも食べないで、ずっと篭っていてさ、そうだ、ここから逃げればいいんだって思ったんだ。
それで夜になるのを待って、窓から外に飛び出して、辺りを見渡したら、十何キロ先かわからないけど、前いた山っぽいのが見えたんだ。
203 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:08:31.86 ID:kv3yaWMo
俺はソニア達の所に戻らなきゃって、あそこに戻らなきゃって思って、山に向かったんだ。
途中で、道がわからなくなったりして、何とか洞窟についた時には3日以上経っていたと思う。
その後、2日くらいまた洞窟で一人過ごしていたんだ。
そしたらさ、集落の民兵の人が来たんだ。
気づいた時には もう洞窟の入り口の所まで来ていて、逃げ場はなかった。
204 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:10:41.80 ID:kv3yaWMo
ああ、俺も撃たれるんだな、良かったって ほっとしたんだ。
だけど、彼らは俺を撃たないんだ。
撃たないどころか、一人で何してるって怒るんだよ。
意味がわからないんだよ。
お前らスルツキは子どもでも女の人でも殺して、子どもに乱暴だってするだろって。
俺の事も同じようにしろって泣きながら叫んだんだ。
206 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:13:02.05 ID:kv3yaWMo
だけど、彼らは ただ無言のまま俺を担いでさ、洞窟から連れ出そうとするんだよ。
嫌だ嫌だって言っても離してくれなくて、バックがバックが だから離しせって言っても離してくれなくてさ。
バックはどれだって言うから、答えたら、俺が預かるとかいってさ、俺の事を下ろさないまま山を下ったんだ。
疲れていたのもあって、俺は途中で寝ちゃってさ、起きたら もう集落のすぐ近くまで来てたんだ。
207 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:15:03.96 ID:kv3yaWMo
その後、また同じ家に連れて行かれて、家に入ったら、あの二人が怒りながら俺の事をビンタしたんだ。
それから俺の事、この前よりも強く抱きしめてきて、また暴れようとしたんだけど、力が強くて暴れられなかった。
208 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:19:02.02 ID:kv3yaWMo
それから知ったことなんだけど、この集落の人たちは元々民兵じゃなかったんだ。
ボシュニャチの民兵に襲われて、村の女の人や男の人、子どもも何人か殺されたり連れ去られたりして、それで武装してたんだ。
俺を世話してくれた夫婦にはさ、俺よりちょっと年上ぐらいの子どもがいたんだ。
だけど、彼は襲われた時にボシュニャチの民兵の人に殺されてしまっていてさ…。
その時、漠然と皆が苦しんでるっていう感じだったものがさ、スルツキの人も苦しんでいるんだ、被害にあってるんだ、皆が辛いんだって確信に変わったんだ。
209 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:20:09.85 ID:kv3yaWMo
多分だけど、俺がお世話になっていたボシュニャチの民兵の人達なんだ。この集落を襲ったのはさ。
そして同じような事を他の集落でもやっていたんだ。
210 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:23:44.15 ID:kv3yaWMo
中には、本当に悪い奴もいて、虐殺や暴行、レイプをしている人間もいるんだ。
それは否定しようがない事実なんだ。
そしてスルツキが今回の紛争で大勢のボシュニャチの人々を殺してたり、暴行したり、レイプしたのも事実なんだ。
だけど、彼らもまた、同じような被害にあってるんだ。
自分達を守る為に、家族を守る為に、お互いにお互いを殺しあってるんだ。
望んでいるのは、形は異なっていても、同じ 平和に暮らす ってことなのにさ。
212 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:24:44.22 ID:kv3yaWMo
でも、昔に起きた虐殺や戦争の禍根が未だに残っていて、それが お互いの理解とかそういうのを邪魔するんだ。
積もりに積もったものが、阻むんだ。
213 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:26:41.84 ID:kv3yaWMo
今までの歴史が、彼らに人を殺させるんだ。
やらなきゃ、やられるって思わせるんだ。
215 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:30:33.18 ID:kv3yaWMo
それから俺は、彼らと1年ちょっと生活した。
スルツキの人を憎む気持ちは薄れることはないんだ。
だけど、彼らにも彼らの事情があって、それを俺は否定出来ないんだよ。
否定する事が出来ないんだ。
少なくとも、全員が望んで人を殺しているわけじゃないんだ。
罪悪感とか そういうのと戦いながら、それでも殺さなきゃいけないって、それで相手を殺している人たちもいたんだ。
216 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:32:40.44 ID:kv3yaWMo
彼らと暮らして半年ぐらい経った頃だったと思う。
アメリカを始めとするNATOが、スルツキの勢力下の地域に爆撃を始めたって聞いた。
後で知ったけどさ、もっと前から国連として活動はしていたんだけど、遅すぎるんだよ。
もう何もかもが遅すぎるんだ。
219 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:43:25.67 ID:kv3yaWMo
そして彼らと暮らして大体1年2ヶ月ほど経って、1994年の12月になったんだ。
1月から停戦になるから、祐希はサラエヴォへ行って、そこから国に帰りなさいって言われたんだ。
でも、俺はもう嫌だった。
というより、これから先、全てを背負って生きていく自信がなかったんだ。
集落を出発する朝、俺を世話してくれた夫婦とか、民兵の人が集まってくれたんだ。
だけど、俺はもう無理だって、もう死にたいって思ってさ、頼んだんだ。
頼むから俺を殺してって。
痛くても我慢するから、殺してって。
大切な友達達も皆いなくなってしまったのに、生きていても辛いって言ったんだよ。
220 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:45:46.87 ID:kv3yaWMo
そしたら、周りの兵士たちも お世話をしてくれた二人も悲しそうな、少し困ったような顔したんだ。
そして お互いに見つめあいながら、何かを早口でいってさ、俺を取り囲んだんだ。
俺はソニア達に、もうすぐ そっちに行くよって、心の中で呟いたんだ。
222 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:48:08.81 ID:kv3yaWMo
やっと終われるって思ったんだ。
だけどさ、彼らは俺に何かをするわけでもなく、歌を歌いだしたんだ。
何が起きたかわからなかった。
違う国の言葉だし、意味もわからなかったんだ。
意味を知ったのは、日本に帰って数年してからっだ。
227 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:53:37.20 ID:kv3yaWMo
今、youtubeのを貼るけれど、クリックして聞くのは、日本語訳を書くまで待って欲しいんだ。
歌を聴きながら、日本語訳を目で追ってくれれば、俺が伝えたいこと、彼らが俺に伝えたかったことがわかってもらえるかもしれないから。
※参考
229 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:54:55.73 ID:kv3yaWMo
歌詞はね、
I see trees of green, red roses too
I see them bloom, for me and you
And I think to myself, what a wonderful world
I see skies of blue, and clouds of white
The bright blessed day, the dark sacred night
And I think to myself, what a wonderful world
The colors of the rainbow, so pretty in the sky
Are also on the faces, of people going by
I see friends shaking hands, sayin' "how do you do?"
They're really sayin' "I love you"
I hear babies cryin', I watch them grow
They'll learn much more, than I'll ever know
And I think to myself, what a wonderful world
Yes I think to myself, what a wonderful world
Woo yeah
230 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:55:40.64 ID:kv3yaWMo
日本語訳です。音楽を聴きながら、読んでみて下さい
青々とした木々、そして真っ赤に咲くバラが見える
僕と君のために、咲き誇っているよ
僕は自分に語りかけるんだ、
「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。
青い空、そして真っ白な雲が見えるよ
光り輝く日が訪れ、夜がやってくる
僕は自分に語りかけるんだ、
「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。
美しい虹が、大空に架かっている
道を行き交うみんなの顔も輝かせているよ
人々は「元気かい?」と手を振りながら握手をしているよ
皆心の中で「愛しているよ」と言っているんだ
赤ちゃんの鳴き声を聞き、その成長を見守るんだ
この子たちは皆、僕が知らない世界も目にしていくんだろう
そして僕は思うんだ、
「なんて素晴らしい世界だろう」って。
そう、僕は思うんだ。
「なんて素晴らしい世界だろう」って。
235 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 06:02:29.33 ID:kv3yaWMo
この歌はさ、今の戦争の世界が素晴らしいって言ってるんじゃないんだ。
きっと、世界は素晴らしくなるんだ。
そう皆が願い、思えば、素晴らしい世界になるんだって意味なんだ。
愛でね。
皆、好きで殺してるわけじゃないんだ。
そうしないと自分達の仲間が子どもが殺されてしまうからなんだ。
そして、相手も同じなんだ。
それをお互いにわかっているんだよ。
わかっているのに、止められないんだ。
泣きながら歌ってるんだ。
ボシュニャチやフルヴァツキを殺した民兵たちが泣きながらさ。
彼らは好きで殺してるわけじゃないんだ。
そして それが許されない行為だと知っているんだ。
知っていながら、どうすることも出来ないんだ。
お互いにね・・・。
236 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 06:02:50.94 ID:kv3yaWMo
この時、英語が理解できていれば、彼らに何か言えたかも知れない。
でも、当時の俺には何の歌かわからなかったんだ。
悲しい歌なのかと思った。
平和を願う歌とは知らなかったんだ。
238 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 06:05:28.27 ID:kv3yaWMo
その後、俺はサラエヴォまで連れて行かれてさ、解放される時に手紙を貰ったんだ。
その手紙の内容は、ちょっと長いから要約するけど、
人生は不公平だ。
一生平穏に暮らす者もいれば、
一生紛争や貧困に喘ぐ者もいる。
だけど、人生には、神様が皆にチャンスをくれるんだ。
学校やお父さん、お母さん、大人や友人、彼らは何度でも君にチャンスを与えるんだ。
それを活かすかどうかは、君次第なんだよ。
小さな贈りものになるけれど、私は君に生きるチャンスを与えよう。
強く優しく、そして誠実に人生を全うしなさい。
そして、素晴らしい世界を作りなさい。
子どもが笑いながら育つ世界を。
君達子どもに託そう。
素晴らしい世界を。
こんな感じの内容なんだ。
>>次のページへ続く
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