戦争の体験談を語るわ
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117 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:11:38.23 ID:YjM.1pYo
もう希望なんて正直消え失せていた。
この街から逃げたくても逃げ出せない。
街の所々にはボシュニャチの人々の収容所とかが作られたりしてさ、男の人は暴行、処刑されて、女性は数人がかりでレイプされていたらしい。
この時は、そんな事になっているとは知らなかったけどさ。
何もする気力が起きないし、する事が無い。何日もぼーっとしてたんだ。
そしたら、モスクに元々いた年配の人がさ、
「君はムスリムなのか?」って聞いてきたんだ。
だから、違うって答えた。
そしたら、「何で我々と一緒に行動するんだ」って言うんだ。
何でって そんなの俺が知りたかったよ。
だけど、友達と離れたくないから、友達を守らなきゃいけないからって答えたんだ。
そしたらさ、君は異教徒で異民族かもしれない。
だからこそ、生きて目にしたものを伝えなさいって言って、藁半紙みたいなノートを数冊くれて、鉛筆も何本かくれたんだ。
今こうして書いている内容の元は、この時にもらったノートに書いてある日記というか、起きたことを書いた文なんだ。
元々さ、カリノヴィクに居た頃から絵日記みたいのは つけていたんだけど、あの時は急だったから持って居なかったし、取りに行ける状況じゃなかった。
だから、このカリノヴィクから逃げる時期やフォーチャでの出来事、これから先の出来事は多少細かく書けるんだけど、
その前の出来事は、時々思い出みたいのが書いてあるぐらいだから、今じゃ どんどんその時の記憶が思い出せなくなってきているんだ。
それがとても怖い。
118 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:13:47.78 ID:YjM.1pYo
ちょっと休憩。
書き始めるの遅かったので、一応1時まで書いてみます。
細かく書くと、全然進まないから、これから先書くのはもっと短く要約するね。
ごめん。わからない所があれば聞いてください。
124 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:27:44.36 ID:YjM.1pYo
あー、この人のお陰で記録を書くことは出来たし、
この人との約束も、俺が前に書いた約束の一つではあるんだけれど、
こうして体験を書き込まなきゃいけないっていうのは、この人との約束ではないんだ。
後で ぱぱっと書くけど、この後、ボシュニャチの民兵と一緒に行動する事になるんだけれど、その人との約束なんだ。
そして、その後に死なずに今まで無様に生きてきたのは、ボシュニャチの民兵と離れた後に行動を共にしたスルツキの民兵のお陰なんだ。
とりあえず書いていくね。
前のよりも出来るだけ短く書きます。
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/22(土) 00:28:51.20 ID:OujeChY0
殺しや暴行レイプをしていたのは警察だけ?そのときスルツキの市民はどうしてるんだ?
もう希望なんて正直消え失せていた。
この街から逃げたくても逃げ出せない。
街の所々にはボシュニャチの人々の収容所とかが作られたりしてさ、男の人は暴行、処刑されて、女性は数人がかりでレイプされていたらしい。
この時は、そんな事になっているとは知らなかったけどさ。
何もする気力が起きないし、する事が無い。何日もぼーっとしてたんだ。
そしたら、モスクに元々いた年配の人がさ、
「君はムスリムなのか?」って聞いてきたんだ。
だから、違うって答えた。
そしたら、「何で我々と一緒に行動するんだ」って言うんだ。
何でって そんなの俺が知りたかったよ。
だけど、友達と離れたくないから、友達を守らなきゃいけないからって答えたんだ。
そしたらさ、君は異教徒で異民族かもしれない。
だからこそ、生きて目にしたものを伝えなさいって言って、藁半紙みたいなノートを数冊くれて、鉛筆も何本かくれたんだ。
今こうして書いている内容の元は、この時にもらったノートに書いてある日記というか、起きたことを書いた文なんだ。
元々さ、カリノヴィクに居た頃から絵日記みたいのは つけていたんだけど、あの時は急だったから持って居なかったし、取りに行ける状況じゃなかった。
だから、このカリノヴィクから逃げる時期やフォーチャでの出来事、これから先の出来事は多少細かく書けるんだけど、
その前の出来事は、時々思い出みたいのが書いてあるぐらいだから、今じゃ どんどんその時の記憶が思い出せなくなってきているんだ。
それがとても怖い。
118 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:13:47.78 ID:YjM.1pYo
ちょっと休憩。
書き始めるの遅かったので、一応1時まで書いてみます。
細かく書くと、全然進まないから、これから先書くのはもっと短く要約するね。
ごめん。わからない所があれば聞いてください。
124 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:27:44.36 ID:YjM.1pYo
あー、この人のお陰で記録を書くことは出来たし、
この人との約束も、俺が前に書いた約束の一つではあるんだけれど、
こうして体験を書き込まなきゃいけないっていうのは、この人との約束ではないんだ。
後で ぱぱっと書くけど、この後、ボシュニャチの民兵と一緒に行動する事になるんだけれど、その人との約束なんだ。
そして、その後に死なずに今まで無様に生きてきたのは、ボシュニャチの民兵と離れた後に行動を共にしたスルツキの民兵のお陰なんだ。
とりあえず書いていくね。
前のよりも出来るだけ短く書きます。
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/22(土) 00:28:51.20 ID:OujeChY0
殺しや暴行レイプをしていたのは警察だけ?そのときスルツキの市民はどうしてるんだ?
129:祐希◆.0dKn/WD26:2010/05/22(土) 00:33:28.59 ID:YjM.1pYo
>>126
それには答えにくい。場所によって違うんだ。
警察だけのとこもあれば、民兵や市民も混じって暴行や霊王、殺人をしたりしていた場所もある。
それに反対する人だって当然いたけど、反対したら その人も民族浄化の対象になって、反対できなかったりとかもあったと思う。
逆もまた然り。
132 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:36:43.72 ID:YjM.1pYo
日にちは経って、4月22日になった。
この日も、ここ数日のように過ぎていくと思っていたんだ。
だけど、違った。
スルプスカ軍か、民兵か、警察かはわからないけれど、フォーチャにある歴史あるモスクが次々に破壊され、爆破されたんだ。
133 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:40:56.18 ID:YjM.1pYo
もう俺達が気づいた時には、街中から轟音が聞こえて来ていた。
また始まったと思ったけれど、この日は いつもと違ったんだ。
この日の標的は、俺達とは関係ないボシュニャチの人ではなく、俺達自身だったんだ。
急いで荷物をまとめて、モスクから逃げようとした。
大半の人は逃げていたけれど、サニャが忘れ物をしたといって、モスクに走って戻ったんだ。
俺は駄目だよ。危ないよって何度も叫びながら止めようとしたんだ。
134 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:41:50.92 ID:YjM.1pYo
でも、サニャはカミーユの荷物があるから取りに行くって言って、止まってくれないんだよ。
135 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:44:44.92 ID:YjM.1pYo
必死に追いつこうとしたけど、この時のサニャの足は速くて追いつけなくてさ、モスクのすぐ隣に生えている木の所でやっとサニャの手を掴んだんだ。
そして、危ないから俺がとりに行くって言った瞬間だったと思う。
耳がつぶれるかと思うくらいの轟音と一緒に、目の前が真っ暗になって、気づいたら10数メートル吹き飛ばされてたんだ。
136 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:45:58.09 ID:YjM.1pYo
一瞬、何が起きたのかわからなくてさ、耳もキーンとして聞こえないし、目もよく見えなかった。
体中にも激痛が走ってた。
だけど、感覚はあるし、どうやら自分が無事だって事は何とかわかったんだ。
137 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:47:42.03 ID:YjM.1pYo
それではっとしてさ。
そういえばサニャはどこだって。
でも、自分の手はサニャの手を握ってるんだよ。
だから、無事で良かったって思ったんだ。
140 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:50:59.52 ID:YjM.1pYo
だけど、違ったんだよ。
耳とか目の視力が回復してきて、よく見たら、サニャの手しかないんだよ。
俺は丁度木の陰に隠れて、打撲で済んだけれど、サニャは木の陰に隠れてなかったんだ。
俺よくわからなくなっちゃってさ。
サニャどこに隠れたんだろってサニャの事必死に探したんだよ。
でも、周りにサニャ居なくてさ。
あ、モスクの中に隠れたかもって思ってさ、崩れ落ちたモスクに行こうとしたんだ。
モスクの中に運よく隠れたんだって思ってさ。
142 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:53:38.67 ID:YjM.1pYo
そしたら、メルヴィナが俺のところに駆けてきてさ。
危ないから早く離れるの!って言うんだ。
でも、まだサニャがモスクにいるから、いるから!って俺何度も言ったんだ。
サニャに手を返さないと、くっつかなくなっちゃうから早くしないとって。
145 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 00:58:06.25 ID:YjM.1pYo
よくわからないけど、俺泣きながらサニャ早く出てこないと、手返さないよって叫んだんだ。
そしたら、メルヴィナにビンタされてさ。かなり痛かった。
「サニャはもう駄目なの!祐希まで死んじゃったら私たちどうしたらいいの!」
みたいな事を泣きながら言うんだ。
もう駄目だって そんなのわかってるんだよね。
わかってるんだ。
木の陰がとか、そういうのは その時は気づいてなくてもさ、手首から少し先がもぎ取られたみたいになってるのを見れば、そんなのわかるんだよ。
でも、そういった現実は俺には認められないんだよ。
だって、俺はカリノヴィクでカミーユにサニャを守ってねって言われて、約束してるんだよ。
その後、カミーユの代わりに俺がサニャを守るって誓ってるんだよ。
146 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 01:01:58.32 ID:YjM.1pYo
情けないけどさ。
俺それから数日の記憶なくてさ、気づいたらフォーチャからソニアやメルヴィナ、そして何人かの大人と、赤ちゃんとか小さい子ども数名と一緒に山の中にいたんだ。
147 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/22(土) 01:05:33.08 ID:YjM.1pYo
俺さ、サニャよりも足はずっと速いんだよ。
怪我でもしてない限り、サニャに追いつかないはずないんだ。
あの時、俺が追いつけなかったのは、多分、俺がビビッてたからなんだ。
俺は守るとか調子良い事言ってたにも関わらず、またビビッて、何も出来ずに今度はサニャを見殺しにしたんだって気づいてさ、悔しくて、悲しくて、そして憎くて涙が止まらなかったんだ。
>>次のページへ続く
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