先生を好きになった話
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48 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:00:39.97 ID:HXEO5afsa.net
R先生「あ、そういえば1組のBちゃん覚えてる?」
俺「うん、クラス違うのによく話しかけてくれてた」
R先生「この前久しぶりにスーパーでお母さんといるところに遭遇したんだぁ」
俺「元気そうだった?」
R先生「うん!でね、Aくん元気かって聞かれたから元気だよって答えた。バレンタイン貰ったらしいじゃないか〜w」
俺「あーそうそう。Bさんのラッピング凄すぎてw」
R先生「そういえばAくん彼女は?」
俺「無縁。触れるな。それに彼女いるのにこんなに電話してたらやばいだろw」
R先生「確かにwでもAくんモテるでしょ」
先生が好きだと自覚してから他の人とのことなんて考えたことはなかった。
先生と どうなりたいとかもあまり考えないようになっていたが、だからと言って他に好きな人ができることもなかった。
俺「モテてたらRちゃんの相手せずに毎日違う女の子といるね」
R先生「サイテーw 俺くんは絶対すぐ彼女できるよ。バレンタインであの数は見たことないw」
これは探りを入れてきているのか?と前向きに考えたかったが、恐らく自分と話していることで他の子と仲良くできていないのか教師なりに心配してくれているんだろうと思った。
しばらく会話していると花火が上がり始めた。
暗い夜空に弾ける花火は暗い田舎を彩り、俺と先生の時間を祝福してくれているようにも感じた。
49 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:11:02.00 ID:HXEO5afsa.net
>>47
俺やっと出会った時のR先生の年齢に追いついたから まだ無縁な言葉のはず…
「綺麗だね」
電話口で呟く先生に、思わず「それはRちゃんだよ」って言いたくなるほど酔いしれていた。
この時間は間違いなく後の人生でも最高の思い出になる。
大切にすべき時間は俺だけではなく2人の時間だから下手な真似はしたくなかった。
終盤に差し掛かり、話も盛り上がっていたところから少しシリアスなムードになっていた。
なんとなく終わりの雰囲気を察した俺は気まずくなり、また惜しいと感じていた。
俺「Rちゃんもう終わるね」
Rちゃん「ねー、あっという間だった」
俺「急に誘ったのにありがとう」
Rちゃん「全然!こちらこそありがとう!Aくん大人になったら一緒にお酒飲みながら見ようね」
この言葉には少し胸が締め付けられた。
素直に喜びたいが恐らく社交辞令なんだろう。
いつか終わってしまうこの関係は、綻びを見せる瞬間にいつも怯えていた。
ヘタレな俺は「約束だよ」
とも言えず「そうだね」
とドライに返してしまった。
50 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:15:03.09 ID:HXEO5afsa.net
花火も終わり、少し談笑していつものように「おやすみ」と交わし、電話を切った。
俺は先生の言葉が胸に引っかかったまましばらくぼーっとしていた。
大人という生き物はズルいなと感じながら子供の自分を恨んだ。
それからもLINEは続き二学期も変わらず充実した毎日を過ごせた。
バイトを始めバイクを買い、先生に揶揄われたのもいい思い出。
しかし2月に俺には地獄が待っていた。
52 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:30:41.03 ID:HXEO5afsa.net
2月のある日のバイト終わり
俺はいつも通りいつもの道をバイクで帰っていた。
閑静な住宅街、人もほとんど通らない道で、脇道から自転車の子供が飛び出した。
慌てて避けた俺はカーブミラーと壁の間ににバイクの前輪が刺さり、数メートル吹き飛んだ。
意識はしっかりあった。ヘルメットのおかげだと思う。
子供は蹲って泣いていた。
「大丈夫?」と声をかけると子供は泣きながらも頷いてくれて安心した。
音を聞いた近所の人や子供の母親が現れた。
すぐに通報してくれていたので安心した。
しかし妙なことに痛みを感じない。それに体が今までに感じたことがない感覚だった。
起きあがろうとしているのに動いていない。自分の体じゃないような感覚だった。
頭だけは痛いと感じていたが、これだけの衝撃で痛くないのはおかしいと思ったが、そのまま救急車の到着を待った。
隊員「聞こえますか?」
俺「はい」
隊員「意識あり、痛いところある?」
俺「頭が痛いです」
警察「状況も教えて欲しいけど、とりあえず病院行って治療受けて。足と腕の消毒とかレントゲンもいると思う」
俺「ぼく手足怪我してるんですか?痛くないんです」
隊員と警察は「えっ」と顔を見合わせていた。
後から見せてもらうと酷い様子だった。
服は破れ、道路には血痕も残っていたらしい。
それで痛くないのはおかしいという感じだった。
隊員「今から足触ります。痛かったら言ってください」
俺「…」
隊員「痛くない?」
俺「もう触ったんですか?なんか手足動かせそうにないですし変なんです」
隊員「わかった。安心してね。ちょっと大きな病院行くことになるから道のりは長いけど我慢してね」
隊員さんは務めて冷静に対応してくれた。それもあってパニックになることはなかった。
救急車で運ばれている最中に親の連絡先聞かれたり、学校を聞かれた。
道中で隊員から「ケイソンの疑いです」という聞き慣れない言葉が聞こえてきた。
それでも俺は不思議とそのときもR先生のことを考えていた。
また心配かけるなと考え憂鬱だった。
1時間ほど救急車に揺られ、大学病院に搬送された。
遅れて両親も到着し、1時間くらいだろうか、検査を受けていた。
そして両親も同席の上、医者から説明があった。
53 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:43:40.46 ID:HXEO5afsa.net
医者「ご両親に説明したら、俺くんにも今の状況を伝えておいた方が本人のためだということで、伝えることにした。ちゃんと聞いておいてね」
俺「わかりました」
医者「今回の事故により、俺くんは頚椎の損傷が見られます。完治は不可能ということだけ伝えておきます。」
この時点で俺は医者が何を言ってるのか意味がわからなかった。
頚椎の損傷と言われてもパッとしないし完治不可とはどういうことなのか。
俺「よくわかりません、どういうことですか?」
医者「今の俺くんは痛覚とか触覚がないよね。それは頚椎という首から通る神経が壊れてしまっているから、感じなくなっているんだ。
ここを損傷すると完治というのは難しい」
母「寝たきりや車椅子での生活ということでしょうか」
医者「それはまだわかりません。点滴と経過観察でしばらく様子を見ます。
回復次第ではリハビリを始め、運動機能を少しずつ戻すトレーニングなんかもしていきましょう。
後遺症は残りますが、人によっては大したことない後遺症で済むこともあります。
今は何とも言えません」
母は泣き崩れ、父は腕を組んで壁を見据えていた。
俺は不思議と冷静だった。治る見込みがあるなら頑張るしかない。そう思うとまずは両親と医者に告げた。
俺「若いから治る可能性高いはず。一生懸命頑張るから、それまでは迷惑かけるかもしれないけど よろしくお願いします」
医者は両親に「強いお子さんに育てられてるんですね」と言い、俺の視界に俺の腕を上げ、手を握り頑張ろうと腕を振ってくれた。
それを見て母が大号泣、父は土下座してよろしくお願いしますとか言ってた。
俺は愛されてるんだなと感じた。
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R先生「あ、そういえば1組のBちゃん覚えてる?」
俺「うん、クラス違うのによく話しかけてくれてた」
R先生「この前久しぶりにスーパーでお母さんといるところに遭遇したんだぁ」
俺「元気そうだった?」
R先生「うん!でね、Aくん元気かって聞かれたから元気だよって答えた。バレンタイン貰ったらしいじゃないか〜w」
俺「あーそうそう。Bさんのラッピング凄すぎてw」
R先生「そういえばAくん彼女は?」
俺「無縁。触れるな。それに彼女いるのにこんなに電話してたらやばいだろw」
R先生「確かにwでもAくんモテるでしょ」
先生が好きだと自覚してから他の人とのことなんて考えたことはなかった。
先生と どうなりたいとかもあまり考えないようになっていたが、だからと言って他に好きな人ができることもなかった。
俺「モテてたらRちゃんの相手せずに毎日違う女の子といるね」
R先生「サイテーw 俺くんは絶対すぐ彼女できるよ。バレンタインであの数は見たことないw」
これは探りを入れてきているのか?と前向きに考えたかったが、恐らく自分と話していることで他の子と仲良くできていないのか教師なりに心配してくれているんだろうと思った。
しばらく会話していると花火が上がり始めた。
暗い夜空に弾ける花火は暗い田舎を彩り、俺と先生の時間を祝福してくれているようにも感じた。
49 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:11:02.00 ID:HXEO5afsa.net
>>47
俺やっと出会った時のR先生の年齢に追いついたから まだ無縁な言葉のはず…
「綺麗だね」
電話口で呟く先生に、思わず「それはRちゃんだよ」って言いたくなるほど酔いしれていた。
この時間は間違いなく後の人生でも最高の思い出になる。
大切にすべき時間は俺だけではなく2人の時間だから下手な真似はしたくなかった。
終盤に差し掛かり、話も盛り上がっていたところから少しシリアスなムードになっていた。
なんとなく終わりの雰囲気を察した俺は気まずくなり、また惜しいと感じていた。
俺「Rちゃんもう終わるね」
Rちゃん「ねー、あっという間だった」
俺「急に誘ったのにありがとう」
Rちゃん「全然!こちらこそありがとう!Aくん大人になったら一緒にお酒飲みながら見ようね」
この言葉には少し胸が締め付けられた。
素直に喜びたいが恐らく社交辞令なんだろう。
いつか終わってしまうこの関係は、綻びを見せる瞬間にいつも怯えていた。
ヘタレな俺は「約束だよ」
とも言えず「そうだね」
とドライに返してしまった。
50 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:15:03.09 ID:HXEO5afsa.net
花火も終わり、少し談笑していつものように「おやすみ」と交わし、電話を切った。
俺は先生の言葉が胸に引っかかったまましばらくぼーっとしていた。
大人という生き物はズルいなと感じながら子供の自分を恨んだ。
それからもLINEは続き二学期も変わらず充実した毎日を過ごせた。
バイトを始めバイクを買い、先生に揶揄われたのもいい思い出。
しかし2月に俺には地獄が待っていた。
52 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:30:41.03 ID:HXEO5afsa.net
2月のある日のバイト終わり
俺はいつも通りいつもの道をバイクで帰っていた。
閑静な住宅街、人もほとんど通らない道で、脇道から自転車の子供が飛び出した。
慌てて避けた俺はカーブミラーと壁の間ににバイクの前輪が刺さり、数メートル吹き飛んだ。
意識はしっかりあった。ヘルメットのおかげだと思う。
子供は蹲って泣いていた。
「大丈夫?」と声をかけると子供は泣きながらも頷いてくれて安心した。
音を聞いた近所の人や子供の母親が現れた。
すぐに通報してくれていたので安心した。
しかし妙なことに痛みを感じない。それに体が今までに感じたことがない感覚だった。
起きあがろうとしているのに動いていない。自分の体じゃないような感覚だった。
頭だけは痛いと感じていたが、これだけの衝撃で痛くないのはおかしいと思ったが、そのまま救急車の到着を待った。
隊員「聞こえますか?」
俺「はい」
隊員「意識あり、痛いところある?」
俺「頭が痛いです」
警察「状況も教えて欲しいけど、とりあえず病院行って治療受けて。足と腕の消毒とかレントゲンもいると思う」
俺「ぼく手足怪我してるんですか?痛くないんです」
隊員と警察は「えっ」と顔を見合わせていた。
後から見せてもらうと酷い様子だった。
服は破れ、道路には血痕も残っていたらしい。
それで痛くないのはおかしいという感じだった。
隊員「今から足触ります。痛かったら言ってください」
俺「…」
隊員「痛くない?」
俺「もう触ったんですか?なんか手足動かせそうにないですし変なんです」
隊員「わかった。安心してね。ちょっと大きな病院行くことになるから道のりは長いけど我慢してね」
隊員さんは務めて冷静に対応してくれた。それもあってパニックになることはなかった。
救急車で運ばれている最中に親の連絡先聞かれたり、学校を聞かれた。
道中で隊員から「ケイソンの疑いです」という聞き慣れない言葉が聞こえてきた。
それでも俺は不思議とそのときもR先生のことを考えていた。
また心配かけるなと考え憂鬱だった。
1時間ほど救急車に揺られ、大学病院に搬送された。
遅れて両親も到着し、1時間くらいだろうか、検査を受けていた。
そして両親も同席の上、医者から説明があった。
53 :名も無き被検体774号+:2021/12/21(火) 11:43:40.46 ID:HXEO5afsa.net
医者「ご両親に説明したら、俺くんにも今の状況を伝えておいた方が本人のためだということで、伝えることにした。ちゃんと聞いておいてね」
俺「わかりました」
医者「今回の事故により、俺くんは頚椎の損傷が見られます。完治は不可能ということだけ伝えておきます。」
この時点で俺は医者が何を言ってるのか意味がわからなかった。
頚椎の損傷と言われてもパッとしないし完治不可とはどういうことなのか。
俺「よくわかりません、どういうことですか?」
医者「今の俺くんは痛覚とか触覚がないよね。それは頚椎という首から通る神経が壊れてしまっているから、感じなくなっているんだ。
ここを損傷すると完治というのは難しい」
母「寝たきりや車椅子での生活ということでしょうか」
医者「それはまだわかりません。点滴と経過観察でしばらく様子を見ます。
回復次第ではリハビリを始め、運動機能を少しずつ戻すトレーニングなんかもしていきましょう。
後遺症は残りますが、人によっては大したことない後遺症で済むこともあります。
今は何とも言えません」
母は泣き崩れ、父は腕を組んで壁を見据えていた。
俺は不思議と冷静だった。治る見込みがあるなら頑張るしかない。そう思うとまずは両親と医者に告げた。
俺「若いから治る可能性高いはず。一生懸命頑張るから、それまでは迷惑かけるかもしれないけど よろしくお願いします」
医者は両親に「強いお子さんに育てられてるんですね」と言い、俺の視界に俺の腕を上げ、手を握り頑張ろうと腕を振ってくれた。
それを見て母が大号泣、父は土下座してよろしくお願いしますとか言ってた。
俺は愛されてるんだなと感じた。
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