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突然の海外赴任
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妻が自分に恋愛感情を抱いているのではないかと感じ出した頃からは、勤務時間中は無関心を装い、仕事が終ってから喫茶店などで待ち合わせ、妻の悩みを聞きながら服に包まれた妻の胸や身体を間近で見ては、想像を膨らませる様になりました。

これほど露骨には出来なくても、同じ男である私には、ここまでの気持ちは分からない訳では有りません。

私も女子社員がタイトスカートなどを穿いて来た時などは、お尻の丸みが気になる事も有りますし、通勤時なども、夏場女性が薄着になるのは嬉しいものです。


「その頃から妻を抱きたかったのか?」


「抱きたいと言うよりは、いつも想像していた裸を見たかったです。いいえ正直に言います。出来ればそうしたかったです。

私の事を好きになっていると感じていた時は、ホテルに今日は誘おう、明日は誘おうと思っていましたが、婚約していた事も有って、思うだけで結局そこまでの勇気は出ませんでした。

その内 これは恋愛感情を抱いているのでは無く、兄か父親の様に思っているのかも知れないと感じ、そう思うとトラブルが嫌で、余計に誘う事も出来なくなりました。」


その時奥さんが、

「智子さんを抱きたかったと言う事は、その時点で私よりも智子さんを愛していたと言う事でしょ?正直に、好きだったと言ったら。

どうして私と結婚したの?その時どうして私を振ってくれなかったの?」


この時の稲垣の気持ちは分かりませんが、奥さんのこの話は少し違うと感じました。

私は、男なので女性の気持ちは分かりませんが、男は好きな人がいても他の女性と出来てしまうのです。

男は、出来てしまうと言い切ると、そうでない方に悪いのですが、私には出来てしまいました。


妻と付き合う前にも、何人かの女性とお付き合いした事は有りましたが、その時々相手を真剣に愛していて、身体の関係も有りながら、友達とソープに行ったりした事も有ります。

お尻を振りながら前を歩く女性を見ていて、抱いてみたいと思った事も有ります。

結婚してから妻を裏切った事は有りませんが、正直その様な気持ちが無い訳では有りません。


奥さんは、私がいるのも忘れているかの様に、自分が疑問に思っていた事を稲垣に問い詰めだし、

「どうして好きでも無い私と付き合ったの?どうしてお母様にあれだけ反対されても、好きでも無い私なんかと結婚したの?」
「いや、付き合っていて愛していると分かったからプロポーズした。これは本当だ。」


「それなら逆を言えば、それまでは、好きでも無いのに交際を申し込み、好きでも無かったのに付き合ってくれていたという事?」


「その頃は、お袋に逆らいたかっただけかも知れない。でも結婚したのは愛したからだ。典子だけを愛していたからだ。これは本当だ。」


「それなら今は どちらが好きなの?智子さんなの?私と子供まで捨てて、一緒になろうとしていたのだから、智子さんの方が好きになったのね?私の事は嫌いになったのでしょ?」


「嫌いじゃない。智子さんを好きになってしまったと思い込んでいたが、本当は典子の方が好きだったと気付いた。

典子から逃げようとしていただけで、本当は典子や子供達と一緒にいたいのだと、最初 ここにお邪魔した時の、典子の話を聞いていて、はっきりと分かった。」


「私から逃げる?」


2人の会話を聞いていて分かった事は、稲垣は幼い頃から2人の姉と比べられながら、勉強から生活態度まで母親に厳しく育てられた様です。

優秀な姉と比べられながらも母親に褒められたくて、母親の望む通りの学校へ行き、

父親も銀行マンだった為に銀行に就職しろと言われて、母親が選んだ銀行に就職し、

後は母親が決めてくれる相手と結婚するだけのはずでした。

しかし、一流大学を出ていて趣味はピアノ、お茶やお花の師範の免状も持っている娘とお見合いをしろと言われた時に、

ようやく自分の人生がこれで良いのか考える様になり、母親に初めて逆らって、母親の理想とは逆の、大学を出ていない習い事もした事のない奥さんと付き合ったそうです。


「口喧しいお袋や姉達に逆らいたくて、典子と付き合ったのかも知れない。

お袋に決められた人生が嫌だという理由だけで、典子と付き合ったのかも知れない。

お袋が理想としている女性以外なら、誰でも良かったのかも知れない。

しかし、付き合っていて好きになったから結婚したのは本当だ。

私はそれまで、女は皆お袋や姉の様な生き物だと思っていた。

お見合い写真を見て、この女と結婚をしても あの様な生き物が、身の回りにもう一人増えるだけだと思った。

しかし、典子と付き合ってみると お袋達とは違っていた。

最初は私と結婚出来る様に、優しい振りをしているのでは無いかと疑っていたが、違うと分かったから結婚したいと思った。

実際、結婚してからも典子は優しく、私に逆らう事も無く、常に私を立ててくれて、典子といると私は男なのだと実感出来た。」


「私だけでは無いでしょ?智子さんにも同じ様な思いを感じていた。違う?」


「そうかも知れない。でも愛していたのは典子だった。しかし・・・・・・。」


結婚当初、何でも稲垣の言う通りにしていた奥さんも時が経つにつれ、当然の事ながら全て稲垣の思う様には出来ずに、意見が食い違う事も出て来ました。

特に子供が生まれてからは、奥さんが稲垣に色々頼む事も増えたのですが、私には それが普通だと思えても、幼い頃からのトラウマが有り、常に女性よりも優位な位置にいたいと思っていた稲垣には、奥さんに命令されている様に聞こえたと言います。


最初は奥さんに謝る様な雰囲気だった稲垣も、次第に奥さんへの不満を訴え出し、

「セックスもそうだ。最初の頃は私がしたい時に応えてくれていた。

しかし、子育てに疲れているとか何かと理由をつけて、徐々に典子主導になっていった。

私はしたくなると、典子の顔色を伺っては、お願いする立場になってしまった。だから・・・・・。」


「だから何?だから智子さんを騙して浮気したと言いたいの?

9年前の浮気は、私のせいだと言いたいの?

私は精一杯あなたに応えていたつもりです。

よく思い出して下さい。

風邪気味で熱っぽい時や、子供が熱を出して前日ほとんど眠っていない時なんかに言われても、それは無理です。

それなら、今回の事は何と言い訳するつもりですか?」


「典子はずっと私を疑っていた。

私の帰りが遅かったり、出張が有ると必ず事細かに行動を聞いてきた。
疑っていた訳が、脱衣所で拾った智子さんのイヤリングの一部だと今回分かったが、私は全て監視されているようで息苦しかった。

結婚するまでは お袋や姉で、今度は典子かと思った。」


「でも、結局は疑われる様な事をしていたのでしょ?あなたが何もしていなければ、この様な事にはならなかった。私に責任転嫁しないで。」


奥さんが母親の様になってきたと感じた稲垣は、何でも言う事を聞く妻に惹かれ、妻に乗り換えようと思ったのでしょう。


稲垣と奥さんの話を聞いていた私は複雑な心境でした。

妻を愛していたのではなくて、奥さんを愛していると言うのは、全て失うのが嫌で、奥さんの手前言っている事だとしても、

未だに妻を愛していると言われるよりは、今後の対処がし易いと思え、私には喜ばしい事なのですが、

裏を返せば、妻を真剣に愛してもいずに、私の大事な家庭を壊した事になり、それは今迄以上に許せない事でした。


稲垣の話が本当なら、この様な歪んだ理由で家庭を壊されたのかと思うと、強い怒りを覚えます。

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「そんな話は帰ってから2人でしてくれ。それよりも、今回の事を聞かせろ。どうやって妻と付き合う様になった?」


稲垣は、転勤が決まる前まで、行き付けのスナックに手伝いに来ていた、バツイチの女に入れ揚げていました。

お金の為に機嫌を取っていると分かっていても、その事が心地良かったと言います。

しかし奥さんは、女の影を感じてから相手は妻でないかと疑い、稲垣を問い詰める様な会話が増えていき、稲垣には その事が煩わしく、転勤を期に単身赴任を強く望んだ事で、奥さんも それまでの自分の態度を反省して、これを許したそうです。


いざ赴任すると そこには偶然にも妻がいて、稲垣は勝手に運命のような物を感じ、奥さんが浮気をして離婚になりそうだと嘘をつき、同情を惹いて近付いた様です。

妻は、以前 凄く世話に成ったので少しでも恩返しがしたいと言い、外で会っていて要らぬ噂を立てられては、妻に迷惑を掛けてしまうからと言う稲垣の提案に乗り、アパートへ行く様になりました。


最初は稲垣の悩みを聞くだけだったのですが、次第に先に帰る妻が食事の用意をして稲垣の帰りを待ち、一緒に食事をする事も増え、休日には掃除や洗濯にも行く様になりました


「まるで通い妻じゃないか。智子がアパートに行く様になってから、すぐに抱いたのか?」


「いいえ、身の回りの世話をしてくれていただけでした。」


「以前に関係を持った事の有る男と女が、狭い部屋に2人だけでいて、何も無かったと言うのか?正直に話せ。」


「すみません。アパートに来る様に成って一ケ月ほど経った頃から、キスの様な事は・・・・・有りました。

私の執拗な要求に負けたのか、渋々ですが応じてくれました。

でも、身体の関係だけは、ご主人を愛していて娘さんにも顔向け出来ないので、いくら私の頼みでも聞けないと言って強く拒まれました。」


いくら特別な感情をもっていて、以前世話に成ったと勘違いしていたとしても、私が日本を離れてから2ヶ月ほどで、簡単にキスを許したのは許せません。

身体は許しても唇は許さないと聞いた事が有りますが、妻の場合それとは逆で、結婚している事が足枷に成っていて身体を許さなかっただけで、心は完全に許していたように感じてしまうのです。


私は この運命の悪戯を怨みました。

私の単身赴任が無かったら、この様な事にはならなかったかも知れません。

多少、稲垣との接触はあっても、毎日私の顔を見ていたら、罪悪感から これ以上は進まなかったかも知れません。

何より、稲垣と同じ職場にならなければ、稲垣との接触も無かったでしょう。


「それなら、どの様に関係をもつ様になった?」


「それは・・・・・・・・・・・・。」


「はっきりと言いなさいよ。私や智子さんに話した事をご主人にも話なさい。

もう、殴られても殺されても仕方が無いでしょ?

全てあなたがしてきた事なのだから。少しぐらいは男らしく、もう腹を括ったら?」


稲垣は妻と会う度に、以前 関係を持った時に見た身体が脳裏に浮かび、服は着ていても裸に見えたと言います。

稲垣自身も歳をとったせいか、腰の回りに肉が付き、以前よりも肉付きのよくなった妻のウエストを見て、乳房も以前より垂れた崩れかけた身体を想像すると、若い娘の身体よりも遥かに興奮を覚えたそうです。


>>次のページへ続く
 
カテゴリー:復讐・倍返し  |  タグ:浮気・不倫, 寝取られ, SM_調教,
 


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