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バイクで日本一周してる女の子と仲良くなった話
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21 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:41:19.09 ID:DP/9YheF0
冬美『ふーん、ぬこって・・・・動物学的に言うところの、所謂イエネコの事ですよね?』

俺『他にどんなぬこがいるんってんだよ』

冬美『いやその、メタファーとしてのぬことか、かな・・・・と』

俺『なんだよそのメタファーって、高卒ハレ珍で機械屋の俺に分かる様に今北産業で説明汁』

冬美『いや その日本語で言うと暗喩って意味で、あなたが噛んだ小指が痛いとかそんな感じ』

俺『あーなるほどね、女ならいねーよ、ここ一年くらいでウチに入ったのは実の姉ちゃんとお袋だけ』

冬美『いや そんな女がいるかなんて聞いたわけじゃ

あの その私ぬこがいるなら会いに行きたいなとか思ってフジコ』

俺『何で急に点も丸も無くなるんだよwww

来たいんなら来いよ、ぬこもオスぬこだから女っけはカケラもねーYO』



22 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:42:51.36 ID:DP/9YheF0
冬美『ええ!行っていいんですか、居座りますよ私www』

俺『居座るっておい、おまいはそんなに休みあるのか?』

冬美『あれ、言ってませんでしたっけ?私こないだ仕事辞めて日本一周中なんですよ、だから時間は余裕!』

俺『それは初耳だなwww、最初の晩は お国自慢しかしてなかったからな、そう言えば やけに荷物多いと思ってたわww』

冬美『でもまだ始まったばっかりなんですよ、ウチ出て最短で北海道来て、寒くなったら南下しようと思ってるんです』

俺『あーそうなのか、ならいつでも来ていいし、好きなだけいればいーよ』

冬美『九月一杯位は道内に居ようと思ってますから、十月の頭くらいに・・・・、いいですか、本当に行っても?』

俺『おk』

冬美『じゃあ約束ですよ、えっと・・・携帯と、家電の番号も教えてもらっていいですか?』

俺『おk』


そうこうしている内に料理は全て2人の胃袋に納まっていた、

夕日の名残も無くなった頃、昨日セイコマで買ったフォアロゼをどんと置く。

何故かセイコマでフォアロゼだけ異常に安かったんだよwww、湯を沸かしてホットウィスキー?にして2人でガン呑み。

この日は俺が北東北の秋の素晴らしさを暑苦しく語り、身を乗り出して冬美が聞いていた、と思ったな、泥酔してたからイマイチ不正確。


俺『よし、んじゃあれだな、八幡平で待ち合わせすっか?』

冬美『あ、いいですねそれ!、分かりやすい場所に駐車場とかあるんですよね?』

俺『あることはあるけど確か有料なんだよな、アスピーテラインの一番高いとこから秋田側にちょっと下ったとこ、そこにも小さい駐車場あるから そこにするべ』

冬美『おk』


この日もボトルが全て無くなるまで飲み続け、冬美は今度もまた歯を磨き損ねた。



23 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:44:50.40 ID:DP/9YheF0
寝たのは十二時を回っていたが、六時半くらいには起きた。

サスガに頭の芯が重い、水道の水をがぶ飲みし、頭と顔に冷や水を掛けて自分に活を入れる。

日が暮れてから寝床を見つけるのは骨だ、夕方までには青森に着いていたい、あんまり時間が無いのだ。

頭を大雑把にタオルで拭き、キリキリ撤収を始めた。すると冬美のテントからガサゴソ音がし、じきに起きてきた。

冬美『おはようございます、もう撤収ですか、早いですね・・・・。』

俺『おう、日が暮れるまでには青森に上陸したいからな、またここでお別れだな』

冬美『そうですね・・・・、あ、あたしも もう出ますから、すぐ撤収しますね、一緒に出ましょうよ!』

俺『おう、もたもたすんなよ、四十秒で支度しな!』

冬美『四十秒????、いくらなんでも無理ですってwww』


冬美は どうやらラピュタを見たことが無いようだ・・・・・orz

結局三十分くらいで2人とも支度は終わり、さてエンジンをかけようかという時。

冬美『譲二さんは港に直行するんですよね?、じゃあ下の道路に出たところで右と左か・・・・・』

俺『また少しお別れだな、事故にだけは気をつけてな、じゃあ八幡平でな!』

冬美『はい!、必ず行きますから、じゃあ八幡平で!』


下の道路に出て俺は左へ、冬美は右に。

停止線に並んで停まり、最後に目で笑い合って、ほぼ同時にクラッチを繋いだ。

ハモっていたVツインとシングルが遠ざかり、もう俺の耳にはシャベルの音しか聞こえない。



24 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:47:06.85 ID:DP/9YheF0
・・・・・・さて、帰りますかね。

奥尻から江差に行く一番の船に乗り、最短距離をひた走りに函館へ向かう。

昼過ぎ二番くらいの船には乗れたのだが、青森に着いた頃には もうそこから動く気力が無くなっていた。

フェリー乗り場の建物の後ろ側に芝生があったので、そこで そのまま野宿する事にする。

一応気を使って塀際の目立たない場所にテントを張り、風呂にも入らず飯も食わず泥の様に眠った。

やっぱり疲れていたのだろう、でも心地いい疲れだ。



翌朝は四時くらいに起きてしまったのだが、場所が場所なのでそそくさと撤収して出発した。

ここからウチまではボロシャベルで急げば半日くらいだが、世界で一番好きな八幡平にも寄って行きたい。

秋田側からアスピーテラインに上がり、冬美と再会するはずの駐車場で奥羽山脈の山々に見惚れた。

俺はこの駐車場から見る景色が大好きだ、ああやっぱりいいなあここ、何回来てもいいなあ。

寄り道しまくって昼寝などしながらも夕方ぐらいに家に無事着き、小屋にバイクを入れているとぬこがすっ飛んできたwww

居ない間は近所に住む姉ちゃんが毎日カリカリと水をあげに来てくれていたのだ、明日は とうきびチョコを持って礼を言いに行かねば。

虎の子並みにデカイぬこを抱き上げて もふもふしながらウチに入り、シャワーを浴びてビールを飲んだ。

ふー、いい旅だったな、今頃 冬美はどうしてんだろなあ・・・・。


・・・・ここで北海道編は終了、次回からは、ぬこと俺と冬美編



26 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:53:32.46 ID:DP/9YheF0
翌朝は朝も はようからエサねだり ぬこパンチで強制的に起こされた、カリカリを景気よく補充して水を足してやってぬこ飯はおk。

さて自分の朝飯だなと考えてたら、ねえちゃんがママチャリでやって来た。

この姉が兄弟姉妹の一番上で俺は次男、女男男女の三番目だ。

十歳離れた この姉ちゃんは俺にとって母親以上に母親だ、親達は農業で忙しく俺と妹の面倒の殆どをこの姉に丸投げしていたのだ。

見た目はちょっと所帯やつれして老けた小雪って感じだが、一度直接そう言ったら偉い剣幕で怒られたww


姉ちゃん『あれれ譲二?もう帰ってきてるの?』

俺『おうただいま、昨日の夕方無事にな。ぬこの面倒ありがとな〜』

俺『ああそれでコレお土産、名物だぞ名物!』、と、とうきびチョコを手渡して言った。

姉ちゃん『・・・・これって北海道名物なの?、いつだかの正月に安比行ったときも有った様な期ガス』

俺『だって有ったんから仕方ねーべよ、道内で買ったんだぞ、本場だぞ本場』

姉ちゃん『まあいいよ、ありがと。それより朝ごはんまだでしょ、ウチに来て一緒に食べなさい』

俺『おーサンキュ、すぐ着替えていくわ』


俺んちから姉ちゃんちまでは家10軒分くらい離れていて、よく遊びに逝って甥っ子に遊ばれたりしている。

市街地と田んぼが隣り合っているような中途半端な場所だが、実家を出る時に姉が今の物件を紹介してくれた。

近所で夜逃げwwwした人の家が空いてるから、あんたアパート嫌なら入ったらどう?、と言われたのだ。

因みに大家は近所に住む夜逃げ家族の親戚だそうだ、遊ばせて痛むに任せておくよりは誰かに住んで欲しいとの事だった。

姉は十年前に ここに嫁いできたのだが、旦那の祖父母〜両親と相次いで他界し、今は親子3人暮らし。

夫婦揃って大家族育ちなので、親子だけの家と言うのがどうにもケツの座りが悪いらしい、近くに住む俺は何かにつけて呼ばれたりしていた。

旦那である義兄は市職員でステレオタイプの堅物だが、どうにも酒が好きな性質なので同じくノンベの俺とは結構仲がいい。

俺『ハーイお邪魔します、では早速いただきまーす、でも野菜ばっかりだな・・・・』

姉ちゃん『あんたほっとくと米と肉と酒しか口に入れないでしょ、野菜もちゃんと食べなきゃだめよ』

俺『女って何でこう男に野菜ばっか喰わせたがるんだ?、菜っ葉ばっか食ってちゃ力なんて出ねーYO』

姉ちゃん『だからバランスでしょバランス!、ウチでくらいたっぷり食べていきなさい!』


とまあこんな感じで毎日が過ぎていっていた訳だがwww、当時は週に三回くらい姉ちゃんのとこで飯食ってたな。

それは冬美がいた半月間ほどの間も変わらなかった、姉ちゃんは今でも俺と2人になると冬美の事を話題にすることがある。



27 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:55:24.38 ID:DP/9YheF0
北海道から帰ってきて以来 冬美からは、週に一回くらいのペースで電話がかかって来ていた。

まだ秋なのに九州の冬より寒いとか、そんな他愛も無い話しかしなかったが。


そんな九月下旬のある日 冬美から、来週の日曜日に八幡平の例の場所で待ち合わせおk?という電話が来た、もちろんおkだと返事をし、ついにこの家に冬美がやってくることになった。

・・・・・今でも思い出すとぞっとするのだが、冬美からの電話が来た翌日、俺は仕事で大変なミスをやらかした。

俺の仕事は工場の生産設備の保守を行う生産技術関連、まあエンジニアの端くれの端くれだ。

俺の単純なミスで設備の根幹に関わる大事な部品を壊してしまったのだ、最悪な事に これまた俺の発注ミスで予備の部品も無い。

規格に無い特注品なのでメーカーにも在庫はなし、これから発注しても届くのは最短で一ヵ月後。

でも何とかしなければ向こう一ヶ月間ラインが完全に停止してしまう、が、東奔西走の結果、関東の系列会社に部品があることが分かった。

誠心誠意頭を下げて部品を廻して貰い、ラインが復旧したのはトラブル発生から四日後の事。

だが一体どれだけの人達に迷惑をかけ、どれだけの損害を受けたのだろう、顧客からの信頼をどれだけ失ったのだろう。

・・・・考えた末にすっぱりと頭を丸め、クマー髭も全て綺麗に落とした。

あーそういえば冬美はもう今週来るんだよな・・・・、この頭見てどう思うだろorz

鏡に映った顔は・・・・、どう見ても受刑者です、本当に(ry



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 胸キュン, すっきりした話,
 


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