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「バンドで売れたい」と思って10年間頑張ってきたけどもうダメだ
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57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:35:01.29 ID:PPg+erii0
僕は留年直前まで成績が落ちていた。
2年の夏の時点で留年直前、親と学校で三者面談をした。
とにかく怒られた、夏休み中毎日学校に来て講習を受けろと言われた。
そのことをメンバーに相談しようと決心したスタジオ練習後。
僕達が拠点としているライブハウス、仮にライブハウスKとする。
ライブハウスKでお世話になっている先輩のバンドが かなり大きなライブハウスでライブをするらしい。
そのライブのオープニングアクト(要するに前座)をやってほしいという話が入ってきた。
ライブの日程が9月の頭、あと2ヶ月で音源を作ってライブの日に配ろうという話だった。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:38:53.11 ID:PPg+erii0
AくんとRくんのキラキラした目を見ていたら、留年直前で夏休みは出れないなんて言い出せなかった。
その日は、「まだ予定がわからないから追々話すよ」なんて行ってはいたけど、僕は悩みに悩んだ。
夏休み練習できないとなると、CDは愚か、ライブすらうまく出来るかどうかあやしい。
本当なら悩むまでもなく学校のほうが大事である。
AくんもRくんもその話をすれば、じゃあ仕方ないな。ライブは断ろう。といってくれると思った。
でも そのことでふたりは、表に出さずとも相当がっかりすると思った。
せっかく僕を拾ってくれたふたりをがっかりさせるなんて絶対にできない、と思った。
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:39:40.67 ID:nrhlwQH10
読んでたら自分とは全然違う軌跡だけど、なんか高校時代を思い出す
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:43:53.90 ID:PPg+erii0
まず僕は親に相談した。
バンドを頑張っていて、夏休みはその活動で講習には出れない。
その高校の所謂留年講習と言うものは留年の可能性がある生徒を集めて、ギリギリ留年を免除しようというもので出なければ留年は確定といってもいい、という話だった。
だからもし留年してしまったとしても、許して欲しい。と話した。
母親は無言で その話を聞いていて、話し終わると「お父さんと相談するから」といった。
僕は話が通じることを願って その日は眠りについた。
僕は留年直前まで成績が落ちていた。
2年の夏の時点で留年直前、親と学校で三者面談をした。
とにかく怒られた、夏休み中毎日学校に来て講習を受けろと言われた。
そのことをメンバーに相談しようと決心したスタジオ練習後。
僕達が拠点としているライブハウス、仮にライブハウスKとする。
ライブハウスKでお世話になっている先輩のバンドが かなり大きなライブハウスでライブをするらしい。
そのライブのオープニングアクト(要するに前座)をやってほしいという話が入ってきた。
ライブの日程が9月の頭、あと2ヶ月で音源を作ってライブの日に配ろうという話だった。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:38:53.11 ID:PPg+erii0
AくんとRくんのキラキラした目を見ていたら、留年直前で夏休みは出れないなんて言い出せなかった。
その日は、「まだ予定がわからないから追々話すよ」なんて行ってはいたけど、僕は悩みに悩んだ。
夏休み練習できないとなると、CDは愚か、ライブすらうまく出来るかどうかあやしい。
本当なら悩むまでもなく学校のほうが大事である。
AくんもRくんもその話をすれば、じゃあ仕方ないな。ライブは断ろう。といってくれると思った。
でも そのことでふたりは、表に出さずとも相当がっかりすると思った。
せっかく僕を拾ってくれたふたりをがっかりさせるなんて絶対にできない、と思った。
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:39:40.67 ID:nrhlwQH10
読んでたら自分とは全然違う軌跡だけど、なんか高校時代を思い出す
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:43:53.90 ID:PPg+erii0
まず僕は親に相談した。
バンドを頑張っていて、夏休みはその活動で講習には出れない。
その高校の所謂留年講習と言うものは留年の可能性がある生徒を集めて、ギリギリ留年を免除しようというもので出なければ留年は確定といってもいい、という話だった。
だからもし留年してしまったとしても、許して欲しい。と話した。
母親は無言で その話を聞いていて、話し終わると「お父さんと相談するから」といった。
僕は話が通じることを願って その日は眠りについた。
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:47:11.72 ID:di7cgVTD0
気になる
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:49:48.88 ID:PPg+erii0
翌日 起きると父親から話があると呼び出された。
怒られた、今までこんなに怒られたことはなかったというくらい怒られた。
父親は音楽が好きだから、許してくれると思っていた。甘かった。
僕は黙って聞いていたが、
「そんなにギターが学業の邪魔をするならギターなんて捨ててやる。持って来い」
の一言で僕は今までにないくらい怒った。
父親と初めて殴り合いの喧嘩をした。
が貧弱な僕は勝てなかった。
父親は僕のギターを折って捨てた。
僕は泣いた。一晩中泣いた。
ギターを捨てられたことより、僕がバンドと出会ってからの変化を父親が認めてくれなかったのが悲しかった。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:54:13.48 ID:PPg+erii0
翌日僕は生まれて初めて学校をサボって家出した。
まっさきにRくんに電話した。Rくんは大学のために地元からこっちに出てきて彼女と暮らしていた。
結局のところ僕はただの高校生で誰かに頼らなくては生活できないということが悲しかった。
Rくんは理由も聞かずに泊めてくれた。
その優しさもまた痛かった。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:58:41.80 ID:PPg+erii0
Rくんの彼女は時々僕を邪魔そうにみてくるので、そういう時は ちょっと散歩に行ってくるなんて言って3時間くらい公園で暇をつぶしたりした。
1週間後僕は家に帰った。
父親は そのうち戻ってくるだろうという態度だったのか驚かなかった。
母親はひたすらに今までどうしていたのとか、なんでこんなことしたのとか聞いてきた。
その日の晩、僕はバンドのために学校をやめること、高校卒業の歳までは家で貯金をして家をでることを伝えた。
母親は泣いていた。
父親は「勝手にしろ。ただ、いざとなったら親に頼ろうなんてことを考えてるならやめておけ」
と言ったが、何故かその時 僕は自信満々だった。
バンドをやっていれば、生活するお金なんていくらでも手に入る。そう思っていた。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:02:21.66 ID:PPg+erii0
高校を辞めたことはバンドのふたりには言わなかった。
学校はいいの?とか聞かれても、まあ大丈夫だよとか誤魔化したりして。
9月のライブは そこそこに成功して無料配布CDも200枚用意したが、すべて配りきった。
配った時に女の子に「かっこよかったです!」っていわれるのは いい気分になった。
Uさんも「たくさん聞くね!」って言ってくれて何もかもうまく行っているような気分になった。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:08:22.98 ID:PPg+erii0
それから2年ほど経った夏。
Aくんは僕の1つ年上だったので高校を卒業し就職した。20歳。
Rくんの大学は そこそこに有名で就職活動したくねえ〜とかいいつつも就職活動しながらバンドを続けてくれた。
22歳。
僕は家を出てコンビニで夜勤のアルバイトをしながらバンドを続けていた。19歳。
バンドは そこそこに有名になっていた。
地元のライブハウスでは知らない人はいないくらいだった。
ただ自分のイメージしていたほど有名になっているわけでもなく、なんとなくやりきれない気持ちもあった。
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:13:39.73 ID:PPg+erii0
バンドのコンテストに出ようという話になった。
賞を取ればメジャーデビューにも繋がるという話で、かなりテンションが上がっていた。
結果 そのコンテストでは審査員特別賞を取った。
その年にアルバムのレコーディングに入った。
今まで何度かデモCDを作ったことはあったがプレスしたCDを作るというのは やったことがなかったので完成した時は感動で泣きそうになった。
結局CDは全国に流通し、500枚だかそのくらい売れていたと思う。
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:19:38.91 ID:PPg+erii0
ただ500枚CDを売ったところで生活は楽にはならなかった。
レコ発ツアーで全国を回っても、お金はかかるし、ギターを捨てられたあたりから機材集めに はまってしまって、ギターやらエフェクターやらを買ってお金はなくなる。
もっと楽々と生活できるようにならないとダメだと、焦っていた。
翌年、成人式で中学の同窓会があった。一応呼ばれてはいたけど、僕は行かなかった。
学校の奴らなんて嫌いだと思っていたし、僕を道端の石ころ程度にしか見ていなかったあいつらを見返してやるという気持ちも強くなった。
バンドはゆっくりと活動していくが、僕は焦りっぱなしだった。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:20:48.07 ID:D5Hy5dsR0
バンドマンらしくなってきたな
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:22:10.69 ID:zdbiUcI10
ふむふむふむ
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:23:19.46 ID:PPg+erii0
メンバーふたりは仕事で活動出来る時間が限られていたけど、いつしか僕は その時間もフルに使って活動して行かないとダメだと思っていた。
そのことを提案すると、ふたりは少し驚いたような顔をしていた。
「ちょっと焦り過ぎじゃないか?」
「そんなことはないよ、むしろこれでも遅いくらいだと思う」
「俺達もバンドは好きだけど、でもそれだけにすべての時間を使えるわけじゃないんだよ」
僕はその時に気付いた。
ああ、ふたりはバンドを趣味レベルにしか見ていなかったんだ。プロになりたいだとか、真剣に考えていたのは僕だけだったんだ。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:24:39.47 ID:J2XtuwYq0
このまま低空飛行のまま日の目を見ることは ついぞ叶わなかったのか…と考えると胸熱だな
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:28:03.17 ID:zdbiUcI10
でも本気でやれんのすげえよ
割とマジですげえよ尊敬するよ
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:28:07.65 ID:PPg+erii0
Uさんはライブハウスのアルバイトを辞めて就職してからも僕達のライブを見に来てくれていて、毎回良いと言ってくれたわけではなかったが そのたびに思ったことを真剣に僕に教えてくれていた。
正直Uさんのことが その時でも好きだった。
むしろUさんに見てもらいたいという気持ちでバンドを続けてきた僕はUさんにバンドのこういう面を見せるのを躊躇ってはいたが もう僕の話を聴いてくれるのは彼女だけだと思った。
Uさんにそのことをメールで伝えると、詳しい話をききたいから週末に飲みに行こうと言われた。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:30:53.45 ID:iHlOeE+8i
いいなーUさんいいなー
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