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嘘で固められた男の話
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39 :名も無き被検体774号+:2013/06/02(日) 00:28:49.58 ID:Yhe5rlpu0
麻雀の場合。

この参加費は本当なら全員が二万円出し、まずは勝利した奴が最低保証金として八万円貰える。

だが、今回Fが参加した時は現金を出したのはFだけで他の奴らは「笠井から」という事になった。

俺 「大丈夫かよ? F」

F 「たぶん…余裕。麻雀で行こうと思うし」

こうしてFと麻雀軍団との白熱のバトルが行われ、徹マンになるのは分かり切っていた。

Fは今も寝る間を惜しんで戦っているんだなぁと思いながら俺は自分の部屋の布団に入り、「なだそうそう」を聴きながらゆっくり眼を閉じていた。

翌朝、Fから電話がかかってきた。


俺 「ねむてぇ〜あーなに?」

F 「勝ったぞ 168万!」

俺 「え〜あーおめでとーぉねむたい〜」

F 「おい!もっと褒めてくれよ!!」

という事で麻雀師の息子Fは軽く勝利を収めたらしい。

本当は170万円勝って、貸した二万円分も取り返すつもりだったらしいが、中川が168万円に到達した瞬間に「あー笠井から全部貰ってくれ」と言って辞めてしまったので、それはできなかったと



40 :名も無き被検体774号+:2013/06/02(日) 00:29:22.13 ID:Yhe5rlpu0
笠井のお小遣い日の28日。とりあえずFの家に集まる笠井と俺。

寝ぼけていてあんな事を言ったが、168万円を一晩に勝つなんて凄かった。


俺 「スゲェなF!!」

笠井「チュース…でも俺168万なんて返せねえよ…」

F 「最初貸した二万だけでいいよ、もう借金チャラだしな」

俺 「良かったな!!笠井!!Fに感謝しろよ!」

笠井「あっマジで 二万なら払えるわ。ちょトイレ」

俺 「いやぁスゲェわ!負けてたらどうしてたん!?」

F 「笠井が借金した時に麻雀見てたんだけど、結構全員レベル低かったし流れもってこりゃ負ける気しなかったね。賭け麻雀はやっぱ嫌だけどな」

そう言って笑うFは凄く凄くカイジみたいに面長だった。

俺 「いやぁカッケぇ!」

笠井「悪いなF ほら、二万」

F 「うい、もう賭けすんなよー」

笠井「次は負けねぇしね」

俺F「オマエな!!」

そんなこんなで、一件落着になりみんなの顔に笑顔が戻った。

その三日後 Fの母親の財布から笠井が二万円盗んだ事が発覚する。



41 :名も無き被検体774号+:2013/06/02(日) 00:29:48.21 ID:Yhe5rlpu0
Fがブチ切れた。当然の激怒である

F 「警察じゃゴルアアアァァァァ!!!」

教室に入るなり笠井の胸倉を掴んだFの顔は やはり面長だった。

結局、警察沙汰までは免れた笠井だったが親同士の話合いになる。

なぜバレたのか話を聞くと、どうやら笠井が盗っている所をリアルタイムでみていた笠井の母。

さすがに驚いてその場では言えず、悩んだ末にFに言ったという。

平成の間抜け大泥棒はあえなく御用

こうして笠井は完全に孤立するのである。

そんな状況の笠井は できるだけクラスで孤立してない風に俺達が集まる所の近くに寄ってくる。

Fは近づいてくると離れるが、俺とD,Eはしゃーなしで少し会話して去る。

学校帰りもサイゼに行こうという話になった時に笠井は 後ろからついてきてFはウザがって家へと帰った。

仕方なく俺とD、Eと笠井でサイゼに行く事になる。

なんとか仲間に入りたいという笠井の気持ちが分かったが、さすがに友達の金を霞め取る しかも自分の借金168万円を請け負った家の金を盗む奴とは
もう仲良くなれない。

これが俺達の正直な気持ちだった。

けれど笠井にそんな気持ちは伝わるワケもなく

笠井「腹へったなぁ!!何くうよE」

E 「……いやぁ入ってから決めるけど」

笠井「ちっFも来ればよかったのにな!!」

今井メロがオリンピックの時に歌ったラップの後のような静けさが俺達を襲う。

本当に正気なのかコイツは?

こうしてサイゼに入り 俺がドリンクバーを取りにいった時の事だった。

?「太郎? 太郎じゃねぇか!」



42 :名も無き被検体774号+:2013/06/02(日) 00:30:19.39 ID:Yhe5rlpu0
その声に振り向くと、俺等の向かい側の席に座っているヤンキーグループ

赤やら青やら金やらポケモンの話なら良かったのだが、髪の毛の話である。

俺は顔を歪めながらその声の方を見ると中学の時 同じ学校だった三島が手を振っていた。

三島は角の席に座っており、その横に金ヤンキーがいたので 立ちあがってくる事はなかったが大きく手を振っている。

三島とは同じ部活だったので仲は良かった。

三島「ちょ太郎!悪いけど俺にもメロンソーダもってきてくんねぇか?」

俺 「いいけど」

三島に持っていく分には良かったが、その集まりの所まで行くのは嫌だった。

そんな無茶ぶりをする三島に笑顔でメロンソーダをそそぎ、鼻くそ一欠けら入れて持って行く。

青 「悪いな」

俺 「いえ」

案外、いい奴らだった。俺はホッとして自分の席へと戻ると ちょうど俺が頼んだミラノ風ドリアと笠井のシナモンフォッカチオがきていた。

俺がミラノに手をつけようとしていた時に

赤色の奴が指をさして大声をあげた。

赤 「あれぇえぇ?シンゴじゃん!!? おいシンゴ俺にもジュースとってこいやコラ」

シンゴとは笠井の下の名前だった。

青 「うお!ホントだ!?おいシンゴ 聞いてんのか!?ああぁああ?」

さっきまで優しかった青ですら狂気の桜 ネオ・トージョー化していた。

そんな笠井を見ると、下を向きながら放心し、シナモンフォッカチオのシナモンをシャリシャリと指でまぶしてサイババでもそんなに付かないよというくらい指にシナモンを付けまくっていた。

俺 「呼んでるよ」

俺がそういうとメチャクチャ小さい声で

笠井「なんで――なん――」と全く聞こえない虫の息程の声量でなにか言っている。

俺 「えっ? 読んでるって」

笠井「なんで俺がいかんなんがんよ」

俺が耳を笠井の顔の前くらいに持って行ってやっと聞えた言葉だった。

その間も青と赤の狂気は高まっていく。



43 :名も無き被検体774号+:2013/06/02(日) 00:30:54.21 ID:Yhe5rlpu0
そう こいつ等は笠井の過去を知る男達。

こりゃ完全に高校デビューしてんなと瞬時に思わせてくれた。

結局、笠井は動く事なく赤と青がこちらに来て、「テメェ殺すぞ」と笠井の胸倉を掴んで三島が それを止めて終わった。

もっと面白くなると思ったが、赤も青も人の子でサイゼを出ていった。

もちろん天敵が消えた笠井は いつものように調子にのるが誰もそれに愛想笑いすらできないでいた。


これをFに話すと、アイツは何個嘘をついてるんだろう?と根本的な話になる。

もう それを暴いて どうこうしようとかいう感情じゃなくて、その嘘をシッカリと嘘だと見たかった。

こうして次の日から俺とFで笠井の嘘が嘘であるというのを眼で確かめようという事になった。

まずは帰宅後、一人で帰ったなら ほぼ必ずいるだろうというしょぼいゲーセンへ向かう

店の外から俺とFは笠井を確認しながら電話。

もちろん笠井は気が付いていない。

笠井「もしもし」

俺 「今、なにしてんの?w」

笠井「今、女といるわ」

俺 「あーならいいやw」

笠井「でも遊ぶなら女返すから、まぁ一発やってから行くよw」

俺 「そう」


そこで電話を切る。

一人でメダルゲームをしている笠井。周りには誰もいない。

俺達は中へと入り、笠井の横へと立つ。

F 「女は? トイレ?」

笠井「おぉ、今帰したわ」

俺 「そっかww」

そう言って遊ぶ事もなく俺達は帰った。

笠井が家庭教師が来るといった日、俺達は笠井の家へと足を運んだ。

マンションではあったが、夫婦二人、兄弟で二人が住むには小さく見えたし

東京とかならまだしも、一戸建てが当たり前なのにマンション。

笠井によると親は医者で 夫婦は東大出身。母は専業主婦。

東大出身なのになんで こんな田舎にいるんだろうしかも開業医らしいけど真相はわからない。





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カテゴリー:面白系  |  タグ:これはひどい, 面白,
 


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