こちらもどうぞ
一夜限りの国を築いた話
\ シェアする /
1 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 21:32:50.38 ID:rNr2S7dN0
大人たちの飲み会についてきた小学生達が廃園した幼稚園で それぞれの国を築いた話です
思い出しながら書くんで聞いてください
2 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 21:33:45.93 ID:UwSNZNWT0
ちょっと面白そう
3 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 21:36:04.59 ID:A70lOI9t0
聞くぜ!
4 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 21:39:51.01 ID:rNr2S7dN0
まず舞台は近所にある廃園した幼稚園
少子化のあおりを受け取り壊しが決定し 昔幼稚園に通っていた大人たちが惜しんで最後に盛大なパーティを開いた
昼の三時か四時ごろに大人たちは集まり、狭い園庭でバーベキューセットを組み始めた
園舎内の ひまわりぐみ (年少)は大人たちの宴会のメイン会場となり
親についてきていた小学生達は園内のさまざまな場所で遊びだす
ももぐみ(年中) さくらぐみ(年長)おゆうぎしつ がこの後の建国の舞台となります
5 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 21:51:08.14 ID:rNr2S7dN0
http://imepic.jp/20121109/785560
簡単な見取り図かいてみた
これを見ながら読んでくれるとわかりやすい
6 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 21:57:12.75 ID:rNr2S7dN0
当時小5(集まった子供の中では最年長)だった1は真っ先に さくらぐみ へ向かった
この幼稚園の最後の卒業生であり、思い入れは人一倍だったのだ
勢いにつられて他の子供達も数人 さくらぐみ へ集まり、室内の物色が始まった
この頃 人気が集中していた おゆうぎしつ では、子供達が手に抱えるほどの 大きさのぶつけても痛くないような素材のカラフルなブロックを発見する
このブロックが国の成り立ちへと繋がっていく
7 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:04:45.55 ID:rNr2S7dN0
ブロックを見つけた子供達は、我先にとブロックを積んで家を作り始めた
といっても 座布団二枚分くらいのスペースを残して自分の周りをぐるっと囲んだだけなのだが豪華なものだとブロック3段積みの壁付きの家もある
赤のブロックだけ、黄色と水色の しまもよう など配色にこだわった家もあらわれ おゆうぎしつ 以外で遊んでいた子供達も それを見るや否や わたしもやりたい!と おゆうぎしつ からブロックをせっせと運び始めた
そこで いい顔をしなかったのが元から おゆうぎしつ で遊んでいた子供達「ブロックを持っていくなら、かわりに何かをちょうだい」と条件を付け始めた
8 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:12:23.97 ID:rNr2S7dN0
それを聞いた ももぐみ で遊んでいた子供達は、となりの ひまわりぐみ の大人達からウインナーや焼肉を盗んできて「これと交換して」と おゆうぎしつ の子供達へ差し出した
それをみていた我ら さくらぐみ の子供達も、何か交換するものを探さなきゃ!と慌てて さくらぐみ へと引き返す
こうして子供達は それぞれ自分の遊んでいる部屋で家を築き ブロックなどの物々交換を主とした三国が誕生する
9 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:22:21.69 ID:rNr2S7dN0
ももぐみ 王国
同じく小5の ゆうとくんを国王とする ほぼ独裁国家
おとな国から奪ってきた食料を他国民に売りつけることで利潤を獲得する
おゆうぎしつ 共和国
低学年生たちを中心に、仲良しグループが集まって築かれた国
領土、国民数ともに子供たちの三国中最大
おゆうぎしつ の奥の ようぐしつ には様々な遊び道具や交換用ブロックが備蓄されている
さくらぐみ 国
1が所属していた、 さくらぐみ に来たはいいが資源も何もない弱小国
国民数4人と最小国でもある
おとな帝国
飲めや歌えやの どんちゃん騒ぎをこの後 夜中まで繰り広げる
親たちが中心だが、こどものやっていることにあまり関心はないもよう
この時点の勢力関係は
おゆうぎしつ > ももぐみ >>>>> さくらぐみ
11 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:30:36.76 ID:aw013OF2O
この見取り図から滲み出る>>1の可愛いオーラは一体なんだ
12 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:34:05.77 ID:rNr2S7dN0
国の個性や特色が見え始めてくると、子供たちは それぞれの国に帰属意識を持ち もっとも頭の切れるもの、もしくは もっとも年上のものが指導者として選出された
1も さくらぐみ の指導者となり、なんとか他国と渡り合うための交換材料を探し始める
といっても廃園となったせいで さくらぐみ 内は すっからかん
もとより おゆうぎしつ 以外は 特に何もないのだが、ももぐみ の場合は隣に大人たちがいるので資源には困らない
ももぐみ の指導者 ゆうと も大人たちの食料は重要だと考えたようで 他国民がおとな帝国の食料を無断で取りに行くことができないよう、廊下に検問を設置した
これで なんとなく親の元へ行きたくなった幼児以外、他国民はおとな帝国への出入りを制限される
13 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:36:28.87 ID:A70lOI9t0
三国志とか好きなんで わくわくするw
14 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:39:06.05 ID:rNr2S7dN0
食料を奪う道を経たれた今、 さくらぐみ 国にできることは とにかく自国にあるもののなかから使えそうなものを絞り出すくらいである
国民4人全員での捜索の末発見できたのは
はさみ のり 画用紙 マジック こま ダンボール
の6つのみであった
はさみ類は工作の時間に使っていたものの余り、こまも確か年長になると習得しなければいけないので 練習用のが余っていたのだろう
ダンボールを開けてみると、中には おゆうぎ会で使ったと思われる衣装類
これは使えそうだ
15 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:45:34.50 ID:rNr2S7dN0
まず おゆうぎしつ 共和国に目をつけた
あそこは低学年が多く女子率も高いため、この衣装類をちらつかせれば確実に釣れる
しかし衣装は小物を除くとわずか8着ほど、その上 小学校低学年女子が好きそうな衣装となると さらに数は少ない
そこで思いついたのが加工貿易である
ここにある画用紙に可愛らしい模様を書き、はさみでリボン型にでも切り取れば なかなか喜ばれそうだ
幸運なことに さくらぐみ には手先が器用なものが集まっていたため早速生産にかかった
まずはこのアクセサリーと おゆうぎしつ のブロックを物々交換し そのブロックを使ってさらに ももぐみ 王国の食料と交換するという作戦だ
16 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 22:52:21.29 ID:rNr2S7dN0
色とりどりの水玉やチェック柄のサンプル用リボンを持ち、お付きを従えて おゆうぎしつ共和国へと交渉に向かった
向こう国の立てている門番に「ブロックが欲しいなら こうかんするものを!」と言われ 今から見せるから女の子達を集めてくれと頼んだ
家作りに夢中だった女の子の中から数人が集まり、わざと もったいぶりつつリボンを見せるとかわいい、ほしいの嵐
それじゃあブロックをくれる?と言うと女の子達は それぞれ作りかけの自分の家から余りのブロックをたくさん持ってやってきた
国民数が多い上に それを取りまとめる はっきりとした指導者がいないため こんな単純な手でブロックを集めるのもなかなか簡単だ
18 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 23:01:59.53 ID:rNr2S7dN0
集まったブロックの数は4人で持ち帰るのが やっとなほど
元からあったブロックと足せば20個弱はあるだろう
しかし ここで油断して使いまくってはいけない
お腹をすかせた国民達の声もあり、ブロック1つと画用紙、マジック、こまを持って ももぐみ王国へと向かった
部屋へ入って驚いたのは そのブロックの数
大人たちから奪ってきた食料をブロックと交換しまくったのだろう、ゆうに40個は超えていた気がする
ブロックで机を作り、その上には紙皿に乗った焼肉やウインナー、ジュースが並べられていた
その奥のブロックで作られた玉座に座っているのが 国王ゆうと
ももぐみ王国の下っ端たちには取引の権限がないので、ゆうとに直接交渉する
19 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 23:06:08.05 ID:rNr2S7dN0
1「お肉がほしいんだけど」
ゆ「ブロックは?」
1「ブロックもあるけど、他のものと交換しない?」
まずはこまを取り出し、ゆうとの前で回してみせる
ゆうとも数年前はこの幼稚園でこま回しをしていたんだから、ちょっとは懐かしいはずだろう
それに座ってばっかりじゃ暇なはずだ
ゆ「こまだけじゃ交換できねぇなぁ」
さすが ゆうと 商魂たくましい
そんなこともあろうかと、持ってきていた画用紙と黒のマジックを ゆうと に差し出した
ゆうと が最近ロボットの絵を描くことにハマっているのを知っていたのだ
>>次のページへ続く
\ シェアする /
関連記事
easterEgg記事特集ページ