僕男「じゃあ携帯貸してくれる? 優美の画像消させてもらうから」
意外なことに、二人はすんなり携帯を貸してくれた。
もうちょっと人間的にクソなのかと思ったら、この二人はドキュ男ほどクソじゃなかったみたいだ。
僕は二人のデータ消去を確認して、その場所を去った。
さっきはハッタリで、まだやる気満々みたいな言い方したけど、体力的にはもう限界だった。
急に激しい運動したから、立っているのも辛かった。帰り道は、膝がガクガクいってうまく歩けなかった。
二人が大人しく引いてくれて正直、助かった。
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優美にはすぐに連絡できなかった。
「あーあ、やっちゃったな
あれだけやっちゃったんだから、きっと傷害罪で逮捕だろうな
退学かな?
そんなことになったら、また優美は責任感じちゃうだろうな」
「結局 切れて全部滅茶苦茶にしちゃって
大学生になって、真面目ぶってるけど、やっぱり荒っぽい父さんの子供で、兄さんたちの兄弟なんだな」
そんなことを考えながら、とりあえず自宅に向かった。
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うちは、絵に書いたような低学歴&DQNの家だ。
そんな中で、僕だけが大学にまで進学できた。
兄は二人ともDQNのエリートコースだ。
僕が一度も停学にもならず高校を卒業し、一浪はしたけど大学に行ったことを、父は、鳶が鷹を生んだって、すごく喜んでくれた。
僕が切れて暴れて大学を退学になったら、父はきっと怒るだろう。
まずはその父に、おそらくは傷害罪で逮捕されて、大学も退学になるだろうということを謝ろうと思った。
と言っても父はあんまり家には帰ってくる人じゃない。
だから僕は、父の携帯に電話して大事な話があるからすぐに会いたいと父に言った。
父は、今からすぐに家に向かうから、家で待ってろとのことだった。
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家で待ってると父が帰ってきた。
リビングルームで僕は正座して父に事の顛末を話して、土下座して謝った。
ずいぶん後になってから父に土下座して謝った話を優美にしたら「お父さんに土下座なんてするの?ふーん。変わった家庭だね」と不思議そうだった。
父は堅気の人間ではないので、「筋を通す」ということにうるさい。ちゃんと土下座して謝らないと、僕はタコ殴りにされてしまうだろう。
あの頃は もう大学生だったけど、それでも父にはよく殴られた。
僕から事の顛末を聞いた父は、怒りで手が震えてた。
父はよく怒りに任せて無関係な人も殴るから近くにいた僕が殴られるんじゃないかと思ってビクビクした。
「僕男、おまえは何にも悪くない。後は俺がなんとかするから、お前は心配しないで待ってろ」
父はそう言った。
その後、ドキュ男の住所を僕に聞いてきたので僕がサークル名簿の載ってるドキュ男の住所教えた。
住所を聞いた父は「クソガキが」と言いながらソファ近くの小さなテーブル思いっきり蹴飛ばした。
ガラス製のテーブルは窓まで飛んでいって、窓ガラスに当たって粉々に砕けた。
うちの窓ガラスは防弾なので、窓ガラスは無事だった。
父は支度を整えながら若い衆に電話し、あわただしく家を飛び出して行った。
うーん。標準語で書くと全く迫力ないな(;´Д`)
実際には方言バリバリで、威圧感ありまくりの父の話し方だけど地域特定回避のために標準語にしてます。
ちなみに、僕の話し方もずいぶん変えてます。
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父に謝って筋は通したので、その後は優美の元に向かった。