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15年片想いしてた人に別れを告げてきた
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40 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 00:38:13.84 ID:vbuqeZbH.net
この頃から俺は翼に好きだという気持ちを伝えたいと思うようになっていた。
1年生の頃はただ恋愛感情があるだけで、それ以上のことは望んでなかった。
せいぜい同じ気持ちだったら嬉しいなと思うくらいで、ただ一緒にはしゃぐだけで幸せだった。
でも、3年生になり、男子と女子の境が明確になっていく頃
俺は翼とただはしゃぐだけの関係が辛くなってきた。
想いを伝えて、もし、仮に同じ気持ちであってくれたらどれほど幸せか。
そればかり考えるようになっていた。
「藤森くん、おはよう!昨日の○○観た?」
彼女は、大体いつもあいさつから昨日みたテレビの話か、捕まえた虫の話を始める。
俺はテレビもそんなに見ないし、虫もあまり興味がなかった。
いつも家で絵ばかり描いてた。3年生になっても内気で冴えない奴だった。
彼女は、そんな俺にもっといろんなことを教えたかったのかもしれない。
今となってはわからないけど、彼女はそうしていつも腐らず俺に話しかけてくれていた。
でも、それが俺と翼の仲を引き裂く原因となってしまった。
41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 00:46:42.66 ID:vbuqeZbH.net
ある朝、いつものように翼と登校すると黒板に変ならくがきがあった。
相合い傘が書いてあって、下に俺と翼の名前が書いてある落書きだった。
たぶんみんなも一度は見たことあるやつだと思う。
一瞬で血の気が引いた。
中学年となれば、特に男女の恋愛だったり好きな人についてだったりに異常に反応するもの。
いつも一緒に登校して、教室にいても一緒にいた俺と翼は、まさしく他のクラスメートから注目の対象だった。
「お前翼が好きなの?」
そんな感じのことを大声で聞かれ、俺はなにも言えずにうつむいた。
翼も困ったような戸惑いの表情を浮かべていた。
でも、次の瞬間、翼は顔をあげて言った。
「私は藤森くん、いいなって思うよ」
俺、この時の言葉一生忘れないと思う。
この頃から俺は翼に好きだという気持ちを伝えたいと思うようになっていた。
1年生の頃はただ恋愛感情があるだけで、それ以上のことは望んでなかった。
せいぜい同じ気持ちだったら嬉しいなと思うくらいで、ただ一緒にはしゃぐだけで幸せだった。
でも、3年生になり、男子と女子の境が明確になっていく頃
俺は翼とただはしゃぐだけの関係が辛くなってきた。
想いを伝えて、もし、仮に同じ気持ちであってくれたらどれほど幸せか。
そればかり考えるようになっていた。
「藤森くん、おはよう!昨日の○○観た?」
彼女は、大体いつもあいさつから昨日みたテレビの話か、捕まえた虫の話を始める。
俺はテレビもそんなに見ないし、虫もあまり興味がなかった。
いつも家で絵ばかり描いてた。3年生になっても内気で冴えない奴だった。
彼女は、そんな俺にもっといろんなことを教えたかったのかもしれない。
今となってはわからないけど、彼女はそうしていつも腐らず俺に話しかけてくれていた。
でも、それが俺と翼の仲を引き裂く原因となってしまった。
41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 00:46:42.66 ID:vbuqeZbH.net
ある朝、いつものように翼と登校すると黒板に変ならくがきがあった。
相合い傘が書いてあって、下に俺と翼の名前が書いてある落書きだった。
たぶんみんなも一度は見たことあるやつだと思う。
一瞬で血の気が引いた。
中学年となれば、特に男女の恋愛だったり好きな人についてだったりに異常に反応するもの。
いつも一緒に登校して、教室にいても一緒にいた俺と翼は、まさしく他のクラスメートから注目の対象だった。
「お前翼が好きなの?」
そんな感じのことを大声で聞かれ、俺はなにも言えずにうつむいた。
翼も困ったような戸惑いの表情を浮かべていた。
でも、次の瞬間、翼は顔をあげて言った。
「私は藤森くん、いいなって思うよ」
俺、この時の言葉一生忘れないと思う。
45 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 00:55:20.23 ID:vbuqeZbH.net
彼女は単に、藤森くんのことは好きでも嫌いでもないけど。そんなニュアンスを込めてのものかもしれない。それでも、俺はこの言葉がどれほど嬉しかったか。
周りは当然、その言葉を聞いて一斉にはしゃぎ出す。クラスメートは やべーとか まじかよーとか、今まで以上に にやにやとしながら俺たちを交互に見つめてくる。
翼は、そんなのお構い無しに「ほら、いこ?」と黒板の落書きを消して席に向かった。
びくびくしながら、俺もその後を追って席についた。
でもこの瞬間から、俺は自分の気持ちを彼女に伝えることを諦めた。
彼女が俺に好意を抱いていようといなかろうと、ここで俺が気持ちを伝えてしまったら、それこそクラスメートの冷やかしの対象になる。そう思ったからだ。
結局は保身優先で、ちゃんと自分に向き合わなかった不甲斐ない結果が今に繋がってる。
47 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 01:05:11.67 ID:vbuqeZbH.net
なんとも馬鹿げた話だけど、俺はその日を境に少しずつ翼と距離を置くようになった。
本当は楽しく会話したいのに、周りが俺たちのやりとりに注目してるかもしれない。
そんなことを思うと、彼女への返事もぎこちなくどこか冷たいものになってしまった。
最初こそは いつものように話しかけてくれた彼女が、次第に話しかけてこなくなった。
今までは別々に登校することがあれば真っ先に挨拶をしてくれていたのに、それすらなくなった。
別に関係が悪化していたわけではないと思う。
そう信じたい。
朝、一緒に登校する時。その時だけは、誰にも見られていない安心感から、俺たちは普通に会話をしていた。
登校班が同じとは言え、時間帯によって2班に別れることも少なくない。
教室での彼女の挨拶やテレビの話を聞かなくなった代わりに、登校が一緒になった時は足枷が解けたように彼女はよく喋っていた。
クラスメートの目を気にしながらこそこそと会話する。
今思えばどれだけ情けないんだろう。もっと堂々とすればよかった。どうして彼女を避けるようになってしまったんだろう。
48 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 01:14:17.65 ID:vbuqeZbH.net
そうして、進展どころか退行してしまった3年生は、微妙な空気を漂わせたまま終わりを迎えた。
4年も引き続き同じクラスだったが、翼と面と向かって会話をするのは朝の登校の時くらいになった。
死ぬほど苦しかった。本当は毎日でも、片時でも離れたくないのに、教室では遠くから彼女を見つめるくらいで、自分から話しかけることは ほとんどなかった。
もともと翼は活発で、誰とでも仲良くできる人。俺と会話することがなくなっても、翼は毎日楽しそうだった。
たまにふと目が合うときに微笑んでくれる以外では、彼女から俺に話しかけることもほとんどなくて、そうしてつまらない日々を送っていた。
そんな俺の日々に、ある日小さな異変が起きた。
俺に直接的なダメージはないけれど、クラスの数名の男子が翼に惚れている噂が流れ始めた。
その噂の対象に俺の名前はなく、いつの間にか俺と翼の関係を冷やかす人間は誰もいなくなっていた。
それと同時に、俺は翼と今までのような一番近い異性としての関係に戻れないこともなんとなく悟っていた。
49 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 01:24:37.91 ID:vbuqeZbH.net
それからのことは、よくわからない。
何人かが翼に告白をしたらしいが、彼女は顔を真っ赤にするばかりで自分の気持ちを誰にも話すことはなかったようだった。
つまりみんなフラれたのだ。
俺は影で小さくガッツポーズをしていた。
自分から告白する勇気もないくせに、勇気をもって告白した男子がフラれるのが嬉しくて仕方なかった。
「私また告白されたんだー」
朝、登校の時に彼女はそんなことをよく俺に話していた。
俺はただ、そうなんだと相討ちを打つことしかできなくて、何て返事をしたのかも、翼に好きな人がいるのかも知らないまま時間だけが過ぎていった。
「藤森くんは、誰が好きなの?」
一度だけ聞かれたことがあったが、その時は、「教えられない」となんとも情けない返事をした記憶がある。
それから6年生になって、活発だった彼女もおしとやかで大人しい女の子へと変わっていった。
気づけば卒業まであと数ヵ月まで迫っていた。
結局、なにも進展はなく、成長するに連れて少しずつ翼と俺は完全にただのクラスメートになった。
朝、一緒に登校することもいつの間にかなくなって
修学旅行も、音楽祭も運動会も、彼女との思い出はなにもない。
気づけば彼女に一目惚れをしてから、6年になろうとしていた。
50 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 01:29:11.20 ID:o1a6zt2Q.net
最後釣りでしたー、よかった振られた男はいなかったんだね。で終わるやつだな
52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 01:40:02.06 ID:vbuqeZbH.net
>>50
そっちのが気は楽でいいね
51 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/11/24(木) 01:39:32.10 ID:vbuqeZbH.net
そして、卒業式を迎えた。
仲の良い友達は何人かいたし、離れるのか悲しい先生も何人かいたけど、一番悲しかったのは、やっぱり翼と離れることだった。
翼は中高一貫の中学に進学することが決まってて、俺とは別の学校に通うことになる。
それはつまり、今度こそ本当に翼との別れを意味していた。
「藤森くん、中学別々になっちゃったね」
卒業証書を受け取って、式も終わって、各々が記念撮影だったり先生との別れを惜しんだりしているなかで、翼は俺のそばまで寄ってきてそう言った。
手には卒業証書の筒が握られていて、そんな彼女は俺とは別の制服を着ていた。
「そうだね」
本当は、もっと言いたいことがたくさんあったのに、本人を目の前にすると何を言っていいかわからない。
つまらない人間の俺は、相槌を打つくらいしかできなかった。
「いっつも、一緒に登校して楽しかったね」
「私はもう虫触れないや」
そんなやりとりを一言二言交わして、俺たちは記念に写真を撮った。
翼が先生にお願いをして、ツーショットを撮ってもらった。
別々の中学の制服に身を包んで、にっこり笑う翼とぎこちなく笑う俺。
こんな時まで俺はどんな顔をしたらいいかわからずに、中途半端に笑ってた。
そうして、お互いケータイを持ってないから、当然連絡先を交換することなく、離れ離れになった。
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