幼なじみとの馴れ初め
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その後に、香織が何か言った気がした。
でも、聞き返さなかった俺。
「じゃ、明日ね〜」
香織はそう言って手を振ると、自分の家に入って行った。
翌朝も、香織は門の側に立っていた。
そして夕方には、駅の改札口にいた。
その翌日も、そしてその次の日も。
俺らは毎朝一緒に駅に行き、夕方には並んで帰った。
ある時、中学時代の同級生と鉢合わせた。
「えっ?」と一瞬驚いたそいつ。
「お前ら・・・付き合ってんの?」
その問い掛けに、「へへっ」と笑った香織。
そして俺は、「そんな訳ないだろ!」と強く否定。
「だよな!」
同級生は安心したような顔をした。
その日は途中まで、3人で並んで帰った。
香織はずっと、そいつと喋ってる。
俺は一言も口を利かなかった。
同級生と別れ、また二人きりになる。
いつもはずっと喋ってる香織が、珍しく一言も喋らない。
気になりながらも俺は、訳を聞く事が出来なかった。
そして香織との別れ際、「あんなに強く否定しなくてもさ・・・」
そう言うと香織は手も振らず、家に入って行った。
翌朝、門の前に香織は来なかった。
夕方も、駅の改札口にはいなかった。
気になった俺は、香織の家に行ってみようかと思った。
でもいざとなると、呼び鈴を押す勇気がなかった。
小学生の頃は躊躇なく、押すことが出来たのに。
下からただ、灯りのついた香織の部屋を見上げるだけだった。
翌朝俺は早起きをして、いつもよりも随分早くに家を出た。
家を出て行く先は、3軒隣の香織の家。
でも30分たっても40分たっても、香織は出て来なかった。
諦めて、学校に行こうかと思った時、香織の家の玄関が開いた。
出て来たのは、香織の母親。
「あら〜俊ちゃん・・・久しぶりねぇ」
俺は挨拶をすると、「香織ちゃんは?」とおばさんに聞いた。
「香織ねぇ・・・昨日から具合が悪いんだって・・・」
そう言うと2階の、香織の部屋の窓に目をやった。
「困った子よね〜・・・」
そう言うと俺の方を見た。
「そうですか・・・」
俺はそう言って頭を下げると、駅に向って歩いた。
香織がいない道は、とても寂しかった。
その日の夕方、俺は香織の家の前にいた。
ケーキ屋で買った、ショートケーキが入った包みを持って。
相変わらず、呼び鈴を押すのは躊躇した。
躊躇はしたが、でも思い切って呼び鈴を押す。
出て来たのは、おばさんだった。
「香織ちゃん・・・いますか?」
おばさんに尋ねると、「いるけど・・・お部屋から出て来ないのよね・・・」と、困った顔をした。
「そうですか・・・そしたらこれ、香織ちゃんに。僕が来たって、伝えて下さい。」
そう言って頭を下げ、立ち去ろうとした俺を、おばさんが呼び止めた。
「俊ちゃんの顔を見たら・・・元気になるかもね・・・」
俺は おばさんに続いて、狭い階段を上った。
5年生の時に上って以来。
でも、懐かしさに浸る余裕なんてなかった。
おばさんがノックしても、中からは何も反応がない。
「俊ちゃんが来てるわよ。開けるわよ!」
そう言っておばさんがドアを開けたのと同時に、「えっ?」と驚いた声が聞こえた。
完全にドアが開き、布団から顔だけだした香織と目が合う。
そして香織との別れ際、「あんなに強く否定しなくてもさ・・・」
そう言うと香織は手も振らず、家に入って行った。
翌朝、門の前に香織は来なかった。
夕方も、駅の改札口にはいなかった。
気になった俺は、香織の家に行ってみようかと思った。
でもいざとなると、呼び鈴を押す勇気がなかった。
小学生の頃は躊躇なく、押すことが出来たのに。
下からただ、灯りのついた香織の部屋を見上げるだけだった。
翌朝俺は早起きをして、いつもよりも随分早くに家を出た。
家を出て行く先は、3軒隣の香織の家。
でも30分たっても40分たっても、香織は出て来なかった。
諦めて、学校に行こうかと思った時、香織の家の玄関が開いた。
出て来たのは、香織の母親。
「あら〜俊ちゃん・・・久しぶりねぇ」
俺は挨拶をすると、「香織ちゃんは?」とおばさんに聞いた。
「香織ねぇ・・・昨日から具合が悪いんだって・・・」
そう言うと2階の、香織の部屋の窓に目をやった。
「困った子よね〜・・・」
そう言うと俺の方を見た。
「そうですか・・・」
俺はそう言って頭を下げると、駅に向って歩いた。
香織がいない道は、とても寂しかった。
その日の夕方、俺は香織の家の前にいた。
ケーキ屋で買った、ショートケーキが入った包みを持って。
相変わらず、呼び鈴を押すのは躊躇した。
躊躇はしたが、でも思い切って呼び鈴を押す。
出て来たのは、おばさんだった。
「香織ちゃん・・・いますか?」
おばさんに尋ねると、「いるけど・・・お部屋から出て来ないのよね・・・」と、困った顔をした。
「そうですか・・・そしたらこれ、香織ちゃんに。僕が来たって、伝えて下さい。」
そう言って頭を下げ、立ち去ろうとした俺を、おばさんが呼び止めた。
「俊ちゃんの顔を見たら・・・元気になるかもね・・・」
俺は おばさんに続いて、狭い階段を上った。
5年生の時に上って以来。
でも、懐かしさに浸る余裕なんてなかった。
おばさんがノックしても、中からは何も反応がない。
「俊ちゃんが来てるわよ。開けるわよ!」
そう言っておばさんがドアを開けたのと同時に、「えっ?」と驚いた声が聞こえた。
完全にドアが開き、布団から顔だけだした香織と目が合う。
「ちょっと待ってよ〜!」
香織はそう言って布団にもぐるが、おばさんはお構いなし。
「さぁ、入って、入って。」
そう言って俺の背中を押すと、「ごゆっくり〜」と言ってドアを閉めた。
ただ立ち尽くす俺。
香織も布団を被ったまま、顔を出そうとしない。
そしてドアをノックする音。
おばさんがジュースとグラスをトレーに乗せて、部屋に入ってきた。
「あら俊ちゃん、立たされてるの?」と笑ってる。
「はい・・・そんなとこです・・・」
「香織に遠慮しないで、座っていいのよ。」
そう言うとおばさんは、クッションに目をやった。
「はい・・・」
俺は返事をすると、クッションの側に腰を下ろした。
「香織ちゃん!いい加減にしなさいよ!」
おばさんは布団の中の香織に、厳しい口調で言った。
「俊ちゃん、香織が出てこなかったらそのケーキ、おばさんに頂戴ね。」
そう言うとおばさんは、部屋から出て行った。
「ケーキとか・・・買って来てくれたの?」
おばさんが出て行くと布団の中から、香織が聞いてきた。
「あぁ」俺はそれだけ返した。
「ケーキ、食べたいけど・・・恥ずかしいよ〜」
布団から顔だけ出して、香織がそう言った。
「じゃ俺・・・帰るから。ケーキ食べて元気出して。」
俺が立ち上がろうとすると香織は、「待って!」と言って布団から出て来た。
でも次の瞬間、「キャッ」と言うと、ピンクのパジャマの胸元を隠し、前かがみにになった。
「帰るよ」
俺は立ち上がり、ドアノブに手をかけた所で、香織に腕を掴まれた。
「待って!一緒に・・・ケーキ食べよ・・・」
「ノーブラだから・・・あまり見ないでね。」
俺の正面に座った香織は、襟元を左手で抑えながら、俺にそう言った。
「上に・・・何か着たら」
そう言われて照れた俺は、そう言うのがやっとだった。
「そだね・・・」
香織は立ち上がると、薄いピンクのカーデガンを出し、それを上にまとった。
でもそれで無防備になった香織。
ケーキが入った箱を覗き込んだり、食べようと前屈みになった時に、チラリと胸元が覗く。
その都度俺は、目のやり場に困って、香織から視線を逸らした。
人の気も知らずに香織は、「おいしい」と嬉しそうな顔をした。
>>次のページへ続く
香織はそう言って布団にもぐるが、おばさんはお構いなし。
「さぁ、入って、入って。」
そう言って俺の背中を押すと、「ごゆっくり〜」と言ってドアを閉めた。
ただ立ち尽くす俺。
香織も布団を被ったまま、顔を出そうとしない。
そしてドアをノックする音。
おばさんがジュースとグラスをトレーに乗せて、部屋に入ってきた。
「あら俊ちゃん、立たされてるの?」と笑ってる。
「はい・・・そんなとこです・・・」
「香織に遠慮しないで、座っていいのよ。」
そう言うとおばさんは、クッションに目をやった。
「はい・・・」
俺は返事をすると、クッションの側に腰を下ろした。
「香織ちゃん!いい加減にしなさいよ!」
おばさんは布団の中の香織に、厳しい口調で言った。
「俊ちゃん、香織が出てこなかったらそのケーキ、おばさんに頂戴ね。」
そう言うとおばさんは、部屋から出て行った。
「ケーキとか・・・買って来てくれたの?」
おばさんが出て行くと布団の中から、香織が聞いてきた。
「あぁ」俺はそれだけ返した。
「ケーキ、食べたいけど・・・恥ずかしいよ〜」
布団から顔だけ出して、香織がそう言った。
「じゃ俺・・・帰るから。ケーキ食べて元気出して。」
俺が立ち上がろうとすると香織は、「待って!」と言って布団から出て来た。
でも次の瞬間、「キャッ」と言うと、ピンクのパジャマの胸元を隠し、前かがみにになった。
「帰るよ」
俺は立ち上がり、ドアノブに手をかけた所で、香織に腕を掴まれた。
「待って!一緒に・・・ケーキ食べよ・・・」
「ノーブラだから・・・あまり見ないでね。」
俺の正面に座った香織は、襟元を左手で抑えながら、俺にそう言った。
「上に・・・何か着たら」
そう言われて照れた俺は、そう言うのがやっとだった。
「そだね・・・」
香織は立ち上がると、薄いピンクのカーデガンを出し、それを上にまとった。
でもそれで無防備になった香織。
ケーキが入った箱を覗き込んだり、食べようと前屈みになった時に、チラリと胸元が覗く。
その都度俺は、目のやり場に困って、香織から視線を逸らした。
人の気も知らずに香織は、「おいしい」と嬉しそうな顔をした。
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