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夜も更けてきたので私とダンナの話でもする
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52: ヨメ:14/06/04(水) 13:30:07 ID:h3Ol6v60R
マスターは そんな女の子たちを なだめてくれてはいた

「大人同士のことなんだから口をだすんじゃないよ」

「ヨメにはヨメのやり方があるんだから」


と言ってくれていた

でもその立ち位置もどんどんウザくなっていったんだろうね

マスターもわたしに冷たくなっていった

たくさん迷惑かけてお世話になって

潮時なのかも知れないなと思った




53: ヨメ:14/06/04(水) 13:39:41 ID:h3Ol6v60R
あるとき体調をひどく壊した

そりゃあ毎晩吐くまで呑んでWワークしてりゃそうだよねって思うんだけど

すごい気分悪くて戻したら血を吐いた

これには さすがのわたしもびっくり

便器が鮮血にそまった

どうもこうも酒も飲めずに客が入ったけどヘルプポジションについて出来るだけ飲まないように氷や水を足したり、洗い物に専念した

合間に裏で座り込んでいたら、チーママが心配してくれた

チーママ「大丈夫?顔色やばいよ」

ヨメ「はあ…今日は ちょっとどうも胃がおかしくて」

チーママ「わたしがマスターに言ってあげるよ、帰りなよ」

ってやりとりをしていたら、表からマスターの怒鳴り声がした

「昼の仕事なんかするからだ」

「やる気がないなら もう来なくていい」

「おまえには がっかりだ」

みたいな内容だったと思う

わたしは崖から突き落とされた気持ちだった

ほんとうに想ってくれていたら、「昼の仕事なんか」とか言うわけないよなとか

そういえばマスターの娘がキャバ嬢やるって言ったら大反対してたなとか

わたしが勝手に慕ってただけか…とか

チーママはとにかく もう帰っていいから!と大声だして対抗してくれた(わたしが許可したんだから帰すわよ!アピールしてくれた)

わたしはワアワア泣きながら帰った。

夜中の公園で大声で泣く女…

怪談にはなっていないようだ。よかった





54: ヨメ:14/06/04(水) 13:43:40 ID:h3Ol6v60R
すごく仲がよかった客には しゃくりあげながら電話した

ゴメンネ、こういう事情だから、マスターにはもう迷惑かけられないし、あんまり会えなくなるけど、みたいな

客はビックリしてたけど、まあ分かってくれた(後日一緒にご飯食べて説明した)

ダンナにも電話した

ダンナもビックリしてたけど嬉しそうだった

まあ普通 彼氏彼女がそういう場所勤めっていうのは心配だよね

その晩は泣きつかれて眠った。

次の日の仕事が修羅場、瞼パンパンやで……おそろしい



56: ヨメ:14/06/04(水) 13:49:09 ID:h3Ol6v60R
それから店にはいかなくなった

昼の仕事だけして、夜はダンナとご飯をたべた

その前に7年くらい付き合ってた彼氏はすごいDV男で、日々ぶん殴られてたけど、ダンナとの日々は すごく穏やかだった

男の人って こんなに優しいんだと思った

ダンナはまあ年だし(wわたしも冷めているほうだったから、こう付き合いたての初々しいキャッキャした空気は皆無なんだけど

なんだろう…雲が流れていく青空を見つめているような穏やか感?ああ今日も平和だな…みたいな

生まれた時から修羅場ばかりのわたしは戸惑うばかりだった

ヤバイ!こんなに幸せだと落とし穴あるかも!みたいな疑心暗鬼になることもあった

でもべつにいまのとこないな うん



57: ヨメ:14/06/04(水) 13:58:52 ID:h3Ol6v60R
そんな日々を過ごしているところ、ダンナとマターリ呑んでいたら携帯に弟から電話がきた

「もうオヤジダメだわ、追い出す」

わたしが家をでてから、払うものも払えず、家を追い出されたオヤジは結婚した弟のとこに世話になってた

だが、隠れてコソコソ酒を飲んでは、小便を撒き散らし、くだを巻き、怒鳴り、泣き落し、弟の奥さんの精神もやばくなっていったところだったそうだ

ヨメ「そうか、野垂れ死ねばいいのに」

弟「ねえさんどうにもならないの」

ヨメ「ああ、わたしの家じゃないしね、というか今までのこと忘れてない。金輪際面倒みない、おまえも早くそいつを追い出せ、おまえが食いつぶされるよ、なんなら手伝う」

弟「わかった…また連絡する」

ダンナ「何かトラブルか」

ヨメ「昔話したクソオヤジ、追い出すらしい、ざまあ」

ダンナ「でもオヤジさんなんだろう、後悔しないか」

ヨメ「するかも知れないがしないかも知れない、もう関わりたくない」


後日携帯が鳴った、知らない番号

出たらクソオヤジだった

弟てめえーーーー!





58: ヨメ:14/06/04(水) 14:06:08 ID:h3Ol6v60R
オヤジはいま、いかに自分が邪険にされているか、いかに自分がかわいそうかコンコンと語ってきた

真面目に働いて生きていきたい、人生をやり直したい、酒もやめる…という。

わたしは悩んだ。あれだけわたしの稼ぎに縋り、家計から酒ばかり飲み、朝も夜も働くわたしを拘束して愚痴を言い続けた

わたしは肝臓がパンパンに腫れて立てないほど背中〜腰を痛めた

でも人生をやり直すチャンスというものはひとしく与えられるべきじゃないのか?

一度つまづいた人間にすごく厳しい社会だというのもわかっていることじゃないか。



ダンナ「なんか今日へんだぞ。なんかあった?」

ヨメ「言いたくない。だがしかし どうせ言ってしまうわたしの性格。クソオヤジから電話があってカクカクシカジカ」

ダンナ「うーん。なら一度会ってみようか。会って話さないとわからないだろう」

ヨメ「う〜〜〜〜〜〜ん。絆されるのは嫌だな」

ダンナ「おれがいる。大丈夫だ」


そんな感じで一度会ってみることになった




59: ヨメ:14/06/04(水) 14:12:16 ID:h3Ol6v60R
一緒に食事をすることにして、弟宅まで迎えにいって、食事をした。

わたしには何も言わなかったが、このときからダンナのなかで色々思惑があったようだ。

ヨメ「今日はありがとう、わたしのために」

ダンナ「気にするな。オヤジさん、おまえにすこし似ているな。やり直したいっていうのを、助けてあげる気はないのか」

ヨメ「う〜〜〜ん。そりゃあ わたしが大金持ちだったら少しは考えるかもね。でもいまは自分を立て直すのに精一杯。引き摺られてダンナに迷惑かけるのもイヤだ」

ダンナ「そうか」

じつはこのとき、ダンナとクソオヤジは携帯番号を交換していたようだ。

わたしの知らぬ間にいろいろ話が進んでいって、なんとダンナはクソオヤジのためにアパートを借りてきた。



60: ヨメ:14/06/04(水) 14:18:26 ID:h3Ol6v60R
3ヶ月の期限付きの契約だった。レオパみたいなもんなのかな? 契約書をわたしは見せてもらってもいない

むかついた、悲しかった、つらかった、みじめだった

なんて表現していいかわからないけど複雑だった

ヨメ「なんでこんなことしたの」

ダンナ「…おまえの父親だから、助けたいっておもったから」

ヨメ「ありがたいけど、嬉しいけど、あいつは絶対お金なんか返さないよ。

恩義に感じるかもわからないよ。今まで散々わたしを踏みつけにしたよ。

今更変わるわけがない」


ダンナ「それはごめん…でもおれは、自分の親にもろくに孝行できなかったから。やって後悔するのはおれの自由だから、おまえはなんにも気にしないでほしい」

もうなんか申し訳なくてどうしようもなかった

ほらやっぱり わたしなんかと一緒にいたからこうなったじゃんって

ていうか気にするなって言われても無理だよね普通




>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:修羅場・人間関係,
 


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