学校の話はほとんど関係ないので飛ばすわ。
書きためて用意していたんだけど、操作ミスって上書きしちゃった。遅くてすまん…。
マレーシア生活もあと2か月で終了という頃、学校の先生から学校が終わった後の事で話があった。
曰く、「あと2か月でビザが切れるけど、観光ビザで入り直したらもう3か月は滞在できるよ」とのこと。
ビザが終了した後の事をどうしようか考えていた俺はそういう方法もあるんだなと、滞在延長して3か月放浪の旅に出ようかと考え始めた。
一年ほどクアラルンプールに滞在していたが、クアラルンプールの外にはほとんど出た事がなかった。
名前をよく聞くペナンだとか、ジョホールバルとか、どんな街なのか興味があった。
クラスで一番仲が良いブラジル人のイケメンは、友達達とタイの方にバックパッカーをしながら北上してタイまで旅行するつもりだと言っていた。
中国人のお姉さん(すごく美人)は、マレーシアで働けないか学校に相談中と言っていた。
俺は資金的には多少余裕があったし、ブラジル人達と一緒にタイ国境まで見送りに行くのもいいなと思っていたが、彼らは学校の卒業のセレモニーを待たずして出発してしまった。
(公的な物ではないが、卒業証書のような物は前日に貰っていた。)
あれこれ考えたがどこでどうするか決めないまま、とうとう学校も終わった。
学校のビザを観光ビザに切り替えるにはそのままだと罰金が発生するらしく、罰金を避けるには一度国外に出て、今度は普通に観光ビザで入れば罰金は発生しないらしかった。
ブラジル人達はそれを狙っていたのかと今更気づいた。
その時点でビザ失効まで3週間ほどだったと思う。
自分もタイまで行って、戻ってくる足で観光ビザに替えようと決意した。
クアラルンプールからペナンに行き、更にタイのソンクラーという街を目指して、そこからバンコクまで向かってクアラルンプールに飛行機で戻ってくるというプランを立てた。
ゆっくり一週間ほどかけてのんびりやるつもりでいた。
マスジット・ジャメという高速バスや鉄道なんかが集まる場所から、ペナンに向かうバスに乗って出発した。
高速バスはすごく乗り心地が悪くて、シートなのか他の客なのか分からないけど独特の匂いがして落ち着かなかった。
それでも2時間ほど揺られていた辺りで眠ってしまい、起きたら日の暮れかけたどこか田舎のバスターミナルだった。
しかしそこからバスが発車する様子がない。気づいたら車内にいるのは自分ひとり。
ペナンに直行のはずだったのだが、ペナンではない場所で止まっている。
流石に焦ったので、一旦下りて、周りの様子をみる事にした。
バスの運転席には運転手はいなくて、バスの周りにもいないみたいだった。
こういうのはマレーシア生活で散々見慣れていたので、時間ぎりぎりまで自分の休憩に使うつもりなんだと理解して、バスを降りたら、当の運転手が俺が乗っていた事に驚いた様子だった。
「このバスはここが終点だから明日まで動かない」「ペナン行は1時間待て」という事を教えてもらった。
直通だったはずなんだが、遠くに同じバスに乗っていた人を見かけたので、ちょっと安心してそのバスを待った。
そのペナンまで行くバスは2時間ほど待ったが来ない…。
モスクから夕方に聞こえてくる時報みたいな歌が聞こえてくる中、俺はひたすら待った。
同じバスに乗っていた仲間がいるからと安心していた。
が、その人は程なく迎えに来た家族らしき人と自家用車に乗って行ってしまった。
自分と同じペナン行のバスを待っていた人ではなかった…。
既に元々乗ってきたバスもいつの間にかいなくなっていて、閑散としたバスターミナルに取り残されている事に気付いた。
更に30分ほど待ったが、バスが来る気配はなかった。
バスの運転手は、こっちの人にありがちな希望を持たせるために無責任な嘘をついたんだって事にようやく気付いた。
その時点で19時だったか20時だったか覚えていないけど、今日はとりあえずホテルに泊まろうと思ってバスターミナルに併設のお店でホテルの場所を聞いた。およそ2km位の所にあるらしい。
タクシーすらターミナルにいなかったので、歩くことにした。幸いほぼ直進でホテルらしき建物も見えていた。
水とお菓子を買って、その建物まで歩き、とりあえず明日ペナンまでのチケットを買い直してとりあえずペナンまで到着しようとか考えながらロビーに入った。
でも言われたのは、「すみません、満室です」という意味でティダアダッって言われて、絶望がピークに達した。
今思うとそこでホテルの人にタクシーを呼んでもらうだとか、他にホテルはないかとか聞けばよかったんだけど、絶望感の余り、ぼけーっと元来た道を歩いていた。
なんとなくバスが来る事に賭けていたのかもしれない。
しばらく歩いていたら、車に乗っていた人に声をかけられた。
「どこに行くんだ?乗せてやろうか?」って感じで、暗くて顔とか見えてないけど多分マレー系の二人の男だったと思う。
色々限界だったので、ペナンまで行くつもりだったけどバスがなかった、ホテルも満室だったと伝えたら
「俺達もペナンに親戚を尋ねに行くところだったんだよ!」と言われて奇跡的な事が起こったように見えて判断能力がおかしかった。
今思うと、ペナンに遠ざかる方向に走っていたとか、おかしいと思うべきだった。