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本性
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あまりの怒りに忘れていましたが、2人のとんでもない会話を思い出しました。
『尻の穴に入れる・・・。
触るだけでも、不潔だと言って嫌がっていた百合子が、指を入れられて歓んだ・・。
それに俺が飛び込んで行った時の百合子は、指示どおり自分でバイブを持っていた。
まさか、受け入れるつもりだったのでは・・・・・。』
また激しい嫉妬と怒りが込み上げ、枕元で正座して泣いる妻に、
「おい百合子。脅されて無理矢理されていただけか。」
「嫌で、嫌で、死のうかと思った事も有りました。でも死んでしまっては、あなたや子供達とも会えなくなると思うと・・それに加藤さんが・・。」
「加藤がどうした。」
「・・・・・。」
「まあいい。それより死にたいほど嫌な割には、あの感じ方はどうしてだ。」
「ごめんなさい。最初・・本当に嫌でした。でも・・でも・・・・。」
「おまえ、後ろでも加藤を受け入れるつもりだったのか。・・答えろ。嘘は吐かない、逆らわないという約束だろ。別れたいのか。」
また妻が激しく泣き出したので、
『今は無理か。よし、加藤から詳しく訊く事にしよう。
加藤の奴、百合子に何をしたんだ。
ビデオを見ながら訊き出して徹底的に復讐してやる。』
知れば知る程自分が苦しくなる事は分かっていましたが、知らずには居られないのです。
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朝10時頃、加藤は脇に紙袋を抱えてやって来ました。
「・・・・すみませんでした。」
「俺の前に座れ。」
加藤がソファーに座ろうとしたので、
「馬鹿野郎、おまえは少しも反省しとらん様やな。誰がソファーに座れと言った。」
昨夜の恐怖が蘇り、慌ててソファーを後ろにずらして、床に正座しました。
「百合子。おまえも並んで座れ。」
私は、これから訊く質問に対し、2人の顔色を同時に見たかったので、並んで座らせようとしましたが、百合子は2mほど離れた所に正座しました。
「加藤。俺は今でも おまえを殺したくウズウズしとるんや。子供の為に我慢しようと思うが、それもどうなるか・・・。
おまえの考えて来た償いの前に、訊きたい事が山ほど有るから正直に答えろ。俺が頭に来るような内容でも構わん。
正直に話せば我慢するが、もしも嘘だとわかったら・・・。」
「嘘は申しません。包み隠さず答えます。」
「よし。俺は百合子の事を全て知っておきたい。そうしないと同じ屋根の下では暮らせない。このままではいつか別れるだろう。・・・別れて欲しいか。」
「いいえ、別れないで下さい。お願いします。」
「流石頭がいいな。そうや、百合子と俺が別れる時は俺の人生が終わる時や。同時におまえの人生もな。」
「・・・・・。」
「持ってきた物を出せ。」
加藤の差し出した紙袋には、ビデオテープが4本入っていました。
「テープは4本だけか。」
「本当です。他には有りません。」
ビデオテープには、日付・部外者回覧厳禁・○○株式会社と印字されたシールが貼って有ります。
「何じゃ、このテープは。」
「もしも妻に見つかった時にばれない様に・・・。妻や会社に知られるのが何より怖かったので・・。」
その時妻が、
「エッ・・どうして・・私には・・。」
「すみません。私も家族や世間に知れては困るのですが、それを言ってしまっては脅して次の関係をもてないと思い、私は知られても平気な振りをしていました。」
それを聞き、妻は大きな声で泣いています。
「百合子と2人だけで何回会った。」
「・・昨日を入れて5回です。」
「ところで、俺は全て持って来いと言った筈だ。テープは本当にこれだけか。元のテープはどうした。」
「処分しました。本当です。余分な物を持っていて見つかると嫌なので、この編集したテープ4本だけです。」
「・・・信じよう。テープは後で見るとして、まずどうして百合子をこんな目に合わせたのか最初から詳しく話せ。」
「・・・昨夜少し話しましたが、会合で何回か会う内に、百合子さんのやさしさ、明るさ、清楚なところが好きになってしまい、私は何かと理由を作り、例年より会合を増やして会う機会を多くしました。」
「自分の女房に無い物を求めたのか。」
「違います。私の妻は百合子さんとよく似たタイプです。
私は百合子さんと出会うまで、妻の様にやさしく、清楚で、恥じらいを持った女性は居ないと思っていたので、どんな美人やプロポーションの良い女性と会っても、心まで動く事はありませんでした。
ところが百合子さんは全てに妻より上でした。
この性格にして、顔も可愛くてスタイルも素晴らしい。・・・
どうしても百合子さんを、自分の物にしたくなりました。」
加藤の話によると、妻を自分に振り向かせ様と色々良い印象を与え、努力したが良い人止まりで愛とは程遠く、
子供が卒業してからも会える様に外で働いてみたらどうかと勧め、地位を利用して自分の会社に入れてはみた物の、
妻の私への愛が強い事を知り、身体の関係を持てばどうにか成ると思ったという事です。
「身体の関係を持ちたいと思った理由は、本当にそれだけか。」
「・・・・・・。」
「加藤。ここまで来たら正直に全て話せ。死にたくないだろ。」
「・・・百合子さんが あの時どんな乱れ方をするのか、どんな声を出すのか知りたかったです。
それと・・・妻には出来ない色々な事もしてみたかった。」
「ビデオはどうして毎回撮った。脅すだけならそんなに要らないだろう。」
「もしもの時に脅す目的も有りましたが。・・・本当の目的は、百合子さんがどの様に変わって行くのか・・記録に撮ろうと・・。」
この後、加藤は私の質問に対し、何か吹っ切れた様に詳しく雄弁に答え出したので、自慢している様にも聞こえて怒りを覚えましたが、本当の事を訊き出すには我慢するしか有りません。
「加藤。どうして金曜日ばかりで他の日は会わなかった。」
「妻の母親が1人暮らしをしていたので、この春から金曜日には、妻は昼過ぎに、子供達は学校が終わると直接義母の家へ行って、泊まってあげる事にしていました。
私も金曜日は午後から得意先を回って、ほとんど直接家に帰っていたので、会社にも家族にも怪しまれずに自由な時間が作れました。」
「どこのホテルを使っていた。」
「いいえ。ホテルへは行っていません。ラブホテルも考えましたが、遠くでは時間が少なくなり、近くでは知人に会わないとも限りません。
何より百合子さんがホテルにすんなり入ってくれるとは思えないので、自宅にしました。」
「自宅・・。おまえ達の寝室では、何か痕跡が残って奥さんにばれるだろ。」
「はい。寝室では知られる恐れが有りますが、私の書斎なら、会社の資料も置いて有ったので部屋に鍵を掛けていましたし、
重要な仕事を持ち帰っていた時は掃除も断って、妻でさえ中には入れなかったので安心でした。
・・それと仮眠用に・・ベッドも有りましたし・・・・。」
「どうやって百合子を連れ込んだ。」
「金曜日の朝、少しでも長く百合子さんと会える様に、暇になったので今日から暫く、4時迄にさせて欲しいとお願いして、こっそりメモを渡しました。」
その時、妻が顔を上げて私の方を見たので、まだメモが有ると思い、見せる様に言うと持って来ました。
メモ : 突然でごめんなさい。
>>次のページへ続く
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