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突然の海外赴任
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「いいえ、支店長も以前はヘビースモーカーでした。タバコを吸う人がどうとか、出世がどうとかではなくて、お医者様に止められたので今は吸っていないだけです。」


「俺がタバコを変えた事も気付かないおまえが、流石にあいつの事は何でも知っているのだな。将来を共にする、愛する旦那様の事は何でも知っているという訳か。」


また僻みの様な、嫌がらせを言ってしまいました。

何を言っても私の気が収まる事は無いのに、私自身、いつまで この様な事を続けてしまうのだろうと不安になります。


「言い忘れたが、今日、奴の奥さんが来るぞ。」


それを聞いた妻の顔が蒼ざめて行き、

「許して下さい、私は会えないです。典子さんに合わせる顔が有りません。とても会えないです。どうか許して下さい。」


「そうか、典子さんと言うのか。おまえがしてしまった事の責任ぐらい自分で取れ。会って謝罪しろ。

奴と再婚したいのなら、ついでに離婚して下さいとお願いしたらどうだ?」


私の嫌がらせも妻の耳には入らない様で、ただ俯いていて、少し体が震えている様にも見えました。

--------------------

昼食に親子丼をとったのですが、妻は箸もつけません。

「どうした?食べろ。」


「典子さんに会うのだけは許して下さい。典子さんには会えないです。」


「子供みたいな事を言うな。

離婚を前提の別居か何か知らないが、今はまだ夫婦だ。頭の一つも下げられないのか?

もういい、その話は後だ。折角俺が注文してやった物を食べない積もりか?」
妻は一口食べましたが、また箸を置いてしまいました。


「どうして食べない?

奴の言う事は何でも聞いて、あんな卑猥なパンティーまで穿いていたおまえが、俺の言う事は、おまえの身体を心配して言っている事すら聞こうとしない。

本当なら、俺は稲垣や奥さんに会いたくなければ会わなくても良い立場だ。それを一緒に居てやろうと思っているのに。

もう分かった。俺は出掛けるから3人で話し合え。」


すると妻は、口いっぱいに頬張り、お茶で流し込む事を繰り返し、時々吐きそうになっています。


「そうだ。残さず全て食べろ。」


空腹も辛いのですが、食欲も無いのに無理やり食べさせられるのも同じ位辛く、一種の拷問ともとれます。

妻を言葉で虐めるだけで無く、身体への虐めを始めた自分が恐ろしくなりました。

--------------------

夜になって稲垣から電話がかかり、既に途中まで来ていたのか、それから10分ほどで来た奥さんは、小柄で可愛い感じの方なのですが、ここに来る途中も泣いていたのか、目の回りの化粧が落ちていて、折角の可愛い顔が台無しです。


私が妻の待つ座敷に案内すると、部屋の隅でうな垂れて正座している妻を見つけて駆け寄り、前に座って妻の両肩を掴んで揺すり、

「どうして?どうして智子さんなの?どうして?」

「ごめんなさい。ごめんなさい。」


私があえて止めずにいると稲垣が、

「もう、そのぐらいにしておけ。悪いのは俺だ。」


別居の原因が奥さんの浮気では無いと確信していた私は、私と同じぐらい辛いで有ろう奥さんに対しての、横柄な口の利き方に怒りを覚え、

「悪いのは俺だ?何を格好つけているんだ?まだ女房の気を引きたくて、いい男を演じているのか?

悪いのは おまえだと認めているのなら、おまえ一人で全ての責任を、今すぐにとってもらおうじゃないか。」


「どの様に責任をとらせていただけば良いですか?」


「馬鹿か?責任のとり方も分からないで、偉そうに言うな。泥棒が捕まってから、泥棒は俺だと威張っているのと何も変わらないぞ。」


「すみません。威張っていた訳では。」


「今日は どの様に責任をとって、どの様に償うのか考えて来ただろうな?」


「ご主人の気が済む様に、出来る限りの事は致しますので、どうかご提案頂けないでしょうか?」


「俺に言わせてもいいのか?出来る限りの事をしてくれるのか?

それなら、おまえが何度も何度も汚した女房の身体を、以前のきれいな身体に戻してくれ。

俺の壊れた家庭を元に戻せ。

俺は一生この事を忘れずに、苦しんで生きなければならない。

そんな人生は嫌だから、俺からこの記憶を消してくれ。時間を単身赴任の前に戻してくれ。」


その時、稲垣の奥さんは声を出して泣き崩れ、妻は私の前に来て畳に額を擦り付けながら、

「あなた、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」

しかし私は、そんな妻を無視して、

「おい、何とか言えよ。おれの希望を出来る限り叶えてくれるのだろ?」


「出来ません。どれも出来ないです。どうか私に出来る事にして下さい。お願いします。」


「そうか。それなら現実に出来る事を頼もう。

去勢してくれ。いや、全て取ってしまって、性転換してくれ。そうすれば過去は消せなくても、今後は少し安心出来るかも知れない。
どうせ この様な事が平気で出来る2人だから、今も謝りながら腹の中では舌を出しているのだろ?これからも目を盗んで会うのだろ?

おまえが女になれば少しは安心出来る。これなら現実に出来る事だ。」


無理を言っているのは分かっていまが、これは私の本心なのです。


稲垣も妻と同じ様に額を畳につけて、

「すみません。私には出来ません。」


「努力するから何でも言ってくれと言いながら、何もしてくれないのだな。

俺にこれだけの苦しみを与えておきながら、銀行には知られたくない。

性転換も嫌だ。おまえは本当に償う気は有るのか?おまえは何も失わないじゃないか。」


すると妻が話しに割り込んできて、

「私が悪かったです。あなたを裏切ったのは私です。あなたには私が償います。どの様な償いでもします。あなたの言う事なら何でもします。」


妻の稲垣を庇う様な言葉で更に頭に血が上り、ネクタイを持って来ると妻に投げつけて、

「それなら死んでくれ。

おまえと結婚した事が人生最大の汚点だった。

今からでは 人生のやり直しは出来ないかも知れないが、過去の汚点だけは消し去りたい。

それで首を吊って死んでくれ。

ただし、おまえの遺体なんて引き取りたくは無いから、誰にも見つからない様な所で死んでくれよ。」


妻は、体に当たってから目の前に落ちたネクタイを見詰めたまま動きません。


「何処で死のうか考えているのか?

そうか、俺が無神経だった。俺が身に着けていた様な物で死にたくないか。死ぬときぐらいは、愛する人の物で死にたいよな。

稲垣、おまえのベルトを渡してやってくれ。」



それを聞いた妻は、ネクタイを力一杯掴んだのですが、やはり動こうとはしませんでした。


「間違っても車に飛び込む様な真似はするなよ。おまえの様な人の心も持たない人間の為に、見ず知らずの人に迷惑を掛けるなよ。」


当然、妻は出来ないと言って すぐに許しを請いながら、泣き崩れると思っていたのですが、

妻はそのままの状態で動かず、涙は流していても泣き崩れる事も無かったので、私の目論見は狂い、思惑通りに事が進まないことにも腹が立ちました。

何度謝らせても私の心が晴れる事はないのですが、それでも常に謝罪の言葉を聞いていないと不安なのです。


私が次に思いついたのは娘の事でした。

「理香の事は心配するな。おまえの様な女にならない様に、俺がしっかりと育てる。」

すると妻は顔を上げて、縋る様な目で私を見詰め、


「ごめんなさい、出来ません。私には出来ません。理香を残して死ぬなんて出来ません。死ねばあなたの顔も見られなくなってしまう。許してください。他の事なら何でもします。」


「理香?今頃何を言っているのだ?今迄散々 理香を放りっぱなしで、こいつに抱かれて喜んでいたおまえが、理香を残して死ねない?

そんな物ただの言い訳だ。自分が死にたくないだけだ。

それに、あなたの顔が見られなくなる?それも言うなら こいつの顔だろ?

言い間違えたのか?それとも お得意のご機嫌取りか?

あなたの言う事なら何でもすると言いながら、死んでくれと言えば死ねないと言う。

本当にお前の言う事はその場凌ぎの嘘ばかりだな。」


その時 稲垣が妻に助け舟を出し、

「お願いします。死ねなんて言わないで下さい。お願いします。」


>>次のページへ続く
 
カテゴリー:復讐・倍返し  |  タグ:浮気・不倫, 寝取られ, SM_調教,
 


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