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戦争の体験談を語るわ
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190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 02:00:01.20 ID:jFTn8Qg0
>>173
そうか やらなきゃいつかやられる状況だったのか

当事者にしかわからない事なんだろうけど、一度タガが外れると想像も出来ない事が起こるんだな


193 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 02:04:37.14 ID:c1y0p92o
>>190
タガは外れてないんだ。皆罪悪感はあるんだよ。

でもその罪悪感をも超越する程の、他民族への恐れ、怒りや憎しみがあったんだ。

だから、自分達の民族のためと自分に言い聞かせながら殺したりしたんだ。

中には本気で楽しんでいた人もいたかもしれないけどスルツキの人たちだけが野蛮で殺戮をしまくっていたってわけじゃないんだ。

現に、それに反対するスルツキもいたんだよ。

でも、民族の敵といって、そういったスルツキの人も殺害の対象になってしまったんだ。


戦場の中は、皆普通の心理状態じゃないんだ。

もしかしたら、他の民族に同情した同胞が、自分達に銃を向けてくるかもしれない。

それほど疑心暗鬼に陥る状態だったんだ。

今までの歴史とか宗教とかが絡み合って、想像できない状態になってたんだ。



164 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:50:52.47 ID:c1y0p92o
見つかるのも時間の問題だったんだ。

そしたらさ、少し離れた所に隠れていたカミーユが俺を後ろに引っ張って、小声で囁いたんだ。

他の女の子には聞こえないようにしながらね。

「このままだと見つかってしまう。俺がスルツキを引き付けるから、その間に皆を連れて逃げてくれ。」

それを聞いて驚いたよ。

そして もしかしたら助かるかもなんて考えてしまった。

でも、それをやったらカミーユはどうなる?

「危ないよ。ここで皆で静かに隠れてよう。」

俺は慌ててそう言い返したんだ。

だけど、カミーユは、それだと見つかるって。

皆殺されるって言うんだ。

「引き付けた終わったら、後を追いかけるから大丈夫。」

俺はわかったって答えた。もうそうするしかないように思えたんだ。


そしたらカミーユはニコって笑ってさ、良かったって言うんだ。

そしてさ、「サニャの事、俺が戻るまで守ってあげてね。」って。



194 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26 投稿日:2010/05/21(金) 02:05:35.31 ID:c1y0p92o
そう言い終わると、俺の返事を聞かずにカミーユは俺達が隠れている方向とは反対側に身を低くしながら走っていったんだ。

俺は3人に、カミーユが引き付けるから、その間に逃げるって伝えたんだ。

ソニアやサニャは駄目駄目って言うんだけど、メルヴィナは「そう。」って呟いただけだった。



195 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26 投稿日:2010/05/21(金) 02:07:12.32 ID:c1y0p92o
スルツキの民兵が俺達まで20、30メートルぐらいまで近づいた時だったと思う。

向かい側の離れたところから、カミーユの声が聞こえたんだ。

たしかスルツキを馬鹿にするような言葉を発していたと思う。


それに気づいたスルツキの兵士たちが大声を出しながらそっちに走っていってさ。

俺達はそれを見て少し経ってから急いで その場から逃げたんだ。



201 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26 投稿日:2010/05/21(金) 02:09:36.07 ID:c1y0p92o
メルヴィナがサニャを、俺がソニアの手を引きながらガムシャラに走った。

そしたら、後ろの方から乾いた音が何回か聞こえたんだ。

パパン、パパンだったかな。

それと同時に、さっきまで叫んでいたカミーユの声が聞こえなくなった。


俺は、まさかと思って、立ち止まりそうになったんだ。引き返さなきゃって。


そしたら、メルヴィナが

「止まっちゃ駄目!」って言ったんだ。

引き返したら、カミーユの行動が無駄になるって



202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 02:09:52.68 ID:i.JGRRAo
こんなところで晒し者にされちゃってるなんてみんな(´・ω・)カワイソス


211 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26 投稿日:2010/05/21(金) 02:19:52.38 ID:c1y0p92o
>>202
かわいそうだよ。その通りだよ。

でも約束だからね。

そして紛争前は民族が混在していたけれど、今は違う。


ボスニア・ヘルツェゴビナ領内でもボシュニャチとフルヴァツキで住んでいる場所がわかれているんだ。

そして連邦のもう片方、スルプスカ共和国にはスルツキが住んでいる。


スルプスカにいたボシュニャチは どうなったと思う?逃げたか、殺されたかだよ。

逆もまたしかり。

そして今、スルプスカでは連邦から独立したいって考える人が再び増えてきた。

だから、戦後にあっちの国の人がいったんだよ。

「現在でもバルカン半島は世界の火薬庫だ」って。



これを書くのは皆に悪いことかもしれない。

でも絶対悪にされたスルプスカやセルビアの人々の禍根は、未だに消えてない。

そして、それが恨みとなっていつ爆発するかもわからないんだよ。


俺が最初にどの勢力も賞賛・批難・中傷するつもりはない。って言ったのは、俺が1995年1月にオーストリアへ脱出するまでの間、ボシュイニャチの民兵とも、そしてスルツキの民兵とも行動を共にしたからなんだ。

それは後で書くつもりだったけどさ。


でも、俺には止められないんだよ!

そういうのをもう起こしたくないから、

体験を広めてと言われたのにさ!

何も出来ないんだよ。無力なんだよ。


出版してどうだ。誰もわざわざ買って読まない。

アップロードしてどうだ。誰も読み出そうとしないよ。


だって面白いものは沢山転がっていて、

そして この紛争は日本にとって遠い国で起きた自分達には関係がない話だから。


出版はね、ぶっちゃけていえば、何社か持ち込んだけど断られたんだよ。売れないってね。

今ではそれでもいいと思ってる。

いつか誰かに読んでもらえればって。

でもそんな時間ももうないんだ。

だからこんなとこで、大切な仲間の死をさ、面白おかしく書くしかないんだよ。

それで、何かを感じてくれて、あわよくば、もっとバルカン半島の現状に目を向けてくれれば、それでいいんだよ。


無力なんだよ。俺はさ。



215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 02:26:04.89 ID:NNSgcXUo
>>211
無力じゃないよ

昨日スレ立ててなきゃ、それこそ誰にも読まれなかったんだから


多分、>>1が想像する以上に多くの人がROMってる

レスに反応するにしても、出来たら本編投下後にしてもらいたい


212 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26 投稿日:2010/05/21(金) 02:22:02.39 ID:c1y0p92o
ごめん。ちょっと言い過ぎた。

202が悪いわけじゃないのに。

少し頭冷やしてきます。



227 :以下、VIP にかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 02:38:15.04 ID:Dl0w/yY0
>>212
無駄でも無力でもないさ

お前の気持ちを全部理解することは到底できないけど、みんなに少しずつ思いを伝えることはできているはずだ


232 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 02:47:12.09 ID:c1y0p92o
ごめん。気を遣わなくていいです。

どうせこれは俺の妄想なんだ。

妄想だから、罵倒して不謹慎な作り話しやがってと思ってくれ。


そしてもし、何があったのか気になったら、ネットでもいいし書物でもいいから、良かったら読んで欲しい。

憎しみというかシコリがある民族同士じゃ解決できないことが一杯あるんだ。

それが出来るのは誰?麻生元首相が、パレスチナとイスラエルの子どもを日本に招待して交流の場を設けたり、橋渡しをしようとしていたよね。

日本なら出来る事もあるかもしれない。


この俺の不謹慎な妄想を読んで、もし気になったら、小さな力でもいいから、橋渡しの土台になってほしいんだ。

小さな柱でも、それが集まれば丈夫な橋、広くて長い橋になると思うんだ。

他人の力まかせで本当に申し訳ないけど。




それじゃ続き書きます。

明日も会社に行かなければいけないので、 3時になったら寝るね。

書き込めるのは、もしかしたら8時過ぎるかもしれない。

そして、明後日もやらなきゃいけない事があるから、明後日は夜の12時には書くのやめて寝るよ。

予定狂って、もしかしたら書き終わらないかもしれないけど、その時は許して欲しい。



>>次のページへ続く
 
 


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