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童貞と共に人として大切な何かを亡くした話9【完結】
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508 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/05/31(火) 22:14:13.19 ID:WsDM33uN0
とりあえず結衣の注文通りに翼を衣装に付ける。

横ではセットリストと言って、結衣が翌日の曲順や、トーク内容などの進行を考えているが あまり集中して出来ていない。

結衣「今日はもう帰っちゃダメ?」


まあ結衣のワガママは何時もの事だが 仕事に対しては、常に全力な結衣が仕事の事でワガママを言うのは珍しい。


俺「とりあえず仮縫い終わるまで待てよ。お前が帰ったら微調整出来ないだろ…」

結衣「えー」


俺「それよりセットリスト決まったのか?」

結衣「まだ…」


俺「何やってんだよ…間に合わなくても知らないぞ」

結衣「体調悪い…気持ち悪い…」


流石に俺も少しイライラしだす。


俺「分かったよ。じゃあ今日は帰れよ」

結衣「ゴメンね」

俺「その代わり必ず今晩中にセットリスト作れよ」

結衣「分かった」

結衣を自宅まで送り届けた後、俺は帰って衣装作りを続けた。

気付けば、日付けはすでにイヴになっていた…



509 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/05/31(火) 22:15:45.13 ID:WsDM33uN0
今日はここまでー

明日には完結の予定です。

上手く纏められる自信無いけど…



510 :名も無き被検体774号+:2011/05/31(火) 22:44:27.95 ID:ME9C/Nbu0
EDお疲れ様

面白く読ませてもらってるけど、身バレは大丈夫なん?

内容かなりきわどいし、当事者が読んだら特定されない?

今後の仕事とかに影響しないか心配なんだけど・・・


まぁ今更ですが




512 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/05/31(火) 23:32:48.00 ID:WsDM33uN0
>>510
身バレは可能性高いかもね…

当事者は確実に自分の事だって分かると思う。

まあ、一応これでも本当にヤバイ話は伏せてあったり…


おっと、これは俺の見た夢の話だった

誰か似てる人が居たとしても、それは物凄く良く出来た偶然に過ぎない

なんで問題無いハズ…多分…そういう事にしておこう…



511 :名も無き被検体774号+:2011/05/31(火) 23:31:30.12 ID:Ka45izzdO


子供の時に弟の雑巾や体操着の裁縫…

EDは小さい頃から苦労人なんだな


513 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/05/31(火) 23:36:43.00 ID:WsDM33uN0
>>511
まあ自分から苦労背負い込むのが好きなんだと思う

あと、親の件は当時むしろ喜んでたかな?

片親って便利!とか思ってたし 余りの酷さに悲しいを通り越して笑い話になってるから もはや俺の持ちネタになってる



514 :名も無き被検体774号+:2011/06/01(水) 01:23:14.87 ID:HCnketbB0
EDさんはすげいぜ

良い意味で不思議なオーラ持ってるんだろうなと想像


517 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:32:38.58 ID:vYoDa/Eq0
>>514
オーラねぇ…

最近、自分の枕の臭いが気になりだした

ただのオッサンです

>>515,516
キャバ嬢は多いね。

キャバクラやってる事務所も結構あるし

所謂風俗はそんなに居ないかな?

何人かは知ってるけど…

本気で売れようと思ってる娘は、流石に風俗に手出さない



518 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:36:17.49 ID:vYoDa/Eq0
じゃあラストもひっそり投下です


衣装作りは 結局朝までかかった。

少しだけ仮眠を取ってから、結衣を迎えに行く。


結衣「おはよー!」

昨日とはうって変わって元気な結衣。


俺「衣装出来たぞ」

結衣「おお凄い上手く出来てる。流石!」


俺「昨日はちゃんと眠れた?」

結衣「あんまり眠れなかった」


俺「体調悪かったのか?」

結衣「友達から電話かかってきちゃって…」


悪びれる様子もない結衣。


俺「体調悪かったんじゃないの?」

結衣「体調悪いけど、ついね…」


俺「はぁ…まあ良いや…セットリストは出来たよな?」

結衣「まだ…」

??

どういう事よ?

キレても良いよね?俺…


俺「ふざけんなよ!!!」

俺は初めて結衣に怒鳴った。

結衣は驚いたのか、一言も言葉を発しない。

視点の定まらない目で、どこか遠くを見つめている。



519 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:37:25.46 ID:vYoDa/Eq0
何を言っても反応しない結衣。

その態度に俺も余計にイラついてしまう…


俺「仕事する気あるのか?」

結衣「……」


俺「やる気ないなら、このまま帰るか?」

結衣「……」


結衣は身じろぎ一つしない。

一応 念の為に言っておくと、手を出したりとかは一切してないし 結衣の人格否定するような罵詈雑言の類も一切言ってない。

何を言っても瞬き一つしない結衣。

本気でショック死でもしたんじゃないかと、ちょっと心配になった…


俺「昨日もヤル気無かったし、最近どうしたんだよ?俺が責任者外されたから、俺の言う事なんかどうでも良くなったか?」

結衣「…馬鹿じゃないの?…」


結衣が唯一話した言葉だった。


俺「もう好きにしろよ」


この後、結衣と俺は一言も言葉を交わさなかった。

このままじゃ仕事にならないので、俺は大垣を呼んで現場を任せて帰った。

これが俺と結衣との最後の日になった。

あっけない終わりだった…



521 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:38:37.82 ID:vYoDa/Eq0
結衣と会わなくなって数日。

もう年も変わろうとしていた。

俺は、この頃も日々ロケに追われていた。

いつもなら仕事に逃げれば済むはずだったが この時の俺は、美貴を俺のワガママで傷付けてしまった事へよ後悔や 事務所を外されて、結衣も俺から離れて行き どうにもならない無力感と虚無感に襲われていた。

仕事にも全く集中が出来ない。

朝起きるのが辛く、酒を浴びるように飲んでみるが全く酔えない。

正直限界だったが、仕事だけは何とか終わらせなければと思って踏ん張っていた。



523 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:39:56.35 ID:vYoDa/Eq0
そんな中、大垣からまた呼び出された。


大垣「久しぶり。元気だった?」

俺「元気に見えるか?」


大垣「いや…まあ…」

俺「結衣はどうしてる?」

大垣「まあ仕事は普通にやってる。でもED君とは会いたくないらしい」

俺「そっか…」


俺が居なくても結衣がちゃんとやれてると安心した反面

俺が居なくても大丈夫な結衣を考えて絶望した。


大垣「だから情移すなって言ったのに…」

俺「そうだね…」

この時になって今まで大垣が俺に言ってた意味を理解した。

どこで掛け違えてしまったのだろうか…


大垣「早くヤっとけば良かったのに…」

俺「それは間違っても無いわ…」


そこだけはブレなかった。



525 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:40:59.86 ID:vYoDa/Eq0
大垣「それより本題なんだけどさ…」

俺「何?」


大垣「ED君さ、プロデューサーになってくれないか?」

俺「はぁ?何言ってんの?ディレクターで手一杯だって」


大垣「そうじゃなくてプロデューサーに専念して欲しい」

俺「言ってる意味がわかんねぇ…」


俺は大したディレクターじゃないが、ディレクターという仕事には俺なりに拘りが有った。

生涯ディレクターで居たいと思っていた。

考えようによっては、ディレクターからプロデューサーは出世とも言えるがディレクターにしか興味の無い俺には死刑宣告にも等しい。

俺「なんで?」


大垣「ディレクターは最近○○(俺の下で働いているAD)も育って来てるし、外部からいくらでも呼べる。Pが俺だけじゃ仕事回らないんだよ」

俺「事情は分かるけど俺はPはやりたくない」


大垣「そこを何とかならないか?」

俺「俺がDとしてしか大垣さんとは仕事しない。どうしてもPと言うなら金輪際仕事しないって言ったら?」


大垣「そしたら仕方ない。残念だけどね…」


この時、俺の中で何かが完全に切れてしまった…



527 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:42:48.49 ID:vYoDa/Eq0
俺は美貴から逃げ出し マネージャーとして捨てられ、結衣とも決別し

最後に唯一残っていたのはディレクターとしての自分だった。

でも、それすらも否定されたと思った。


美貴を散々傷付けてまで守ろうとした物なのに結局、全てを失ってしまった。

俺には何も残っていなかった。

孤独が俺の周りを埋めつくしていた。

その日から俺は全てを投げ出して閉じこもった。

残っていた仕事も全部投げ出した。

色んな人達に迷惑かけるな…とは思ったが もう完全に身体が言う事をきかない。

部屋の隅で何もせず、ただただ壁を見つめる日々が続いた。


全てに絶望していた。

感情がある事が辛かった。

希望なんか無ければ絶望しないのに…

最初は、そばにいる人達をただ守りたいだけだった。

理由なんか無い。それが当然だと思っていた。

大垣が困って居るなら少しでも協力しよう。

結衣や夏の未来の為に、何かしてあげたい。

美貴の為に仕事を頑張ろう。

でも、いつしか手段が目的に変わってしまっていた。

大垣は俺が助けてやらなきゃ潰れる。

結衣は俺に依存している。

美貴は俺が守ってやってる。

誰かの為にやっていた事が、何時の間にか俺の為になっていた。



529 :ED ◆WayzE/RKE2 :2011/06/01(水) 22:44:02.31 ID:vYoDa/Eq0
「アイツらは俺が居ないと」なんてしたり顔でいってたのに気が付いたら、俺が周りに依存される事に依存していた。

周りの奴らに無理矢理Yesと言わせようとしていた。

それに気付いた俺は、俺自身に絶望し続けた。

俺には何も無いんだ。

何も無い事を誤魔化す為に誰かの為に必死になってる自分を演じ続けていただけだ。

吐き気が止まらなかった。


ただ時間だけが過ぎる日々。

何も考えたくないのに、思考は止まらない。

永遠に眠って居たかった。目覚める事が怖かった。

起きるといつも震えていた。

その震えに、これが現実だと教えられた。


どれだけ時間が経っただろうか?

この頃の事は今でもあまり正確に思い出せない。


その日も俺は、部屋の隅で終わる事の無い思考の迷路にはまっていた。

そんな時、家のインターホンが鳴り響いた…



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, 結婚,
 


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