ブタとチビの話
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123 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 23:40:50.08 ID:aHeXaOjq0
お父さんとの関係がよくわからない
離婚してるんだと思って読んでたんだけど合ってる?
見落としてたらすまんこ
124 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 23:42:38.51 ID:Omu9vydwO
>>123
うん。これから説明していきます。
それから私は、 たーくん とおばさんが病院に行く時には一緒に行くようになった。
そうしていく中で、コンビニや迎えに来た時の数分しか会話をしなかった おばさんとよく話すようになった。
おばさんも たーくん の繊細さを分かってた。
私にも聞けないことがあるように、おばさんにも息子に聞けないことがあった。
たーくん がいつも大切にしてくれていたお守り。
あの日 たーくん が泣いていたことに おばさんも気づいたはずだ。
「もしかしたらって思うと聞くのをためらってしまって…」
開けるのが怖い扉を目の前にしたようにおばさんは言った。
今まで見てきて知った たーくん の優しい気持ち、おばさんから聞いたおうちの事情を踏まえて、あ゛ー…とちょっと分かってしまった。
そんな時、 たーくん が見せてくれた。
お守りの中身。
125 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 23:44:52.16 ID:6WJR/jIm0
はよはよ(´∀`)
お父さんとの関係がよくわからない
離婚してるんだと思って読んでたんだけど合ってる?
見落としてたらすまんこ
124 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 23:42:38.51 ID:Omu9vydwO
>>123
うん。これから説明していきます。
それから私は、 たーくん とおばさんが病院に行く時には一緒に行くようになった。
そうしていく中で、コンビニや迎えに来た時の数分しか会話をしなかった おばさんとよく話すようになった。
おばさんも たーくん の繊細さを分かってた。
私にも聞けないことがあるように、おばさんにも息子に聞けないことがあった。
たーくん がいつも大切にしてくれていたお守り。
あの日 たーくん が泣いていたことに おばさんも気づいたはずだ。
「もしかしたらって思うと聞くのをためらってしまって…」
開けるのが怖い扉を目の前にしたようにおばさんは言った。
今まで見てきて知った たーくん の優しい気持ち、おばさんから聞いたおうちの事情を踏まえて、あ゛ー…とちょっと分かってしまった。
そんな時、 たーくん が見せてくれた。
お守りの中身。
125 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 23:44:52.16 ID:6WJR/jIm0
はよはよ(´∀`)
126 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 00:02:50.83 ID:BYS+HnwmO
序盤のジャガリコからは想像も出来ない様な話の広がりかただね
(・∀・)ワクワク
127 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 00:05:32.30 ID:Omu9vydwO
たーくん のお父さんは たーくん の家には住んでいない。
たーくん のお母さんは今でもお父さんを、(これは私の主観だけど)愛してるのだと思う。
お父さんもお母さんと家族のまんま、離婚していない。
たーくん のおじいちゃんは たーくん のことが大好きだ。
お父さんは、 たーくん のお父さんは、 たーくん のことをすぐには受け入れられなかったそうだ。
どうしても自分の息子に障害があることを頭で理解しても受け入れられないのだと。
お父さんは お父さんでショックで、「あの人は悪い人ではないの。でも少し時間が必要だった…」とおばさんは言っていた。
だからと言ってお父さんは たーくん を傷つけるつもりもなく、自分自身の問題だと、家族になるために心の整理が必要だと。
それで別居しているそうだった。
幼くて何もわからない たーくん は、お父さんを悪く思うことも無かった。
でも たーくん だから、たーくん だから気づいてしまうんだよ。
自分のせいでお父さんとお母さんは一緒にいられない、と小さい心で気づいていた。
128 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 00:22:44.41 ID:k56beb5sO
>>1さんはイイ奴っぽいな
130 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 00:35:46.47 ID:rhTHXP0SO
そんな たーくん を見て胸を痛めていたのが おじいちゃんだった。
どうして そうなっちゃうんだろう、他人の私は思うけれど、おじいちゃんは義理の息子を拒絶するようになった。
病室にお父さんが来てくれた時も、お父さんの存在は見ようとせず口を聞かなかった。
そうして おじいちゃんとお父さんの間には、冷たい距離が出来ていた。
みんな たーくん を中心に動いてる心なのに、それが たーくんを苦しめた。
事情が分かってきて私の心境も曇ってきた。
なすすべもなく、居間で過ごしていた時に たーくん が私のそばに寄ってきた。
何も伝えずに黙々とお守りの袋から折られた紙を取り出して私に差し出してきた。
たーくん の目は、あの初めて会った時に電信柱のそばで私を見たあの眼差しに似ていた。
一年以上経っていたので折り目所は少し汚れていた。
私の下手くそな星よりも青くしっかりと描かれた沢山の星、その下で立っているおそらくおじいちゃんと思われる人と、お花を持って笑う背の高いお父さんがいた。
肌色で顔を描き、髪の毛を黒く、少しヘンテコな洋服も緑や青で太く描かれていた。
もう見せてもいい、そう思って絵を見ながら涙をこぼした。
お花は おじいちゃんの所にお見舞いに来たお父さんを思い出したんだろうか。
おじいちゃんは元気そうに立っている。
おじいちゃんもお父さんも、横顔で描かれていて口が大きく開いて笑ってるのか話しているのか。
私の涙につられたように目の前の たーくん の顔がくしゃ、て崩れて、しばらくそれ以上のことが何も出来なかった。
《早くお願いごとをかなえてほしい。どうしたらそれが出来るの?》
前よりずっと上手くなった字で たーくん が聞いてきた。
たーくん なりに沢山がんばったけど、おじいちゃんに時間がないのに、間に合わない。
それで初めて誰かに助けてもらおうと思ったんだろう。
131 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 01:34:25.84 ID:rhTHXP0SO
私は私が思うことを伝えることにした。
夢で終わらせちゃいけない。
どうしてこんな時にもチラシにボールペンなんだろう。
こんなに長い時間があったのに、真剣に手話を覚えようとしなかった。
《神様はずっと上の方にいるから、時間がかかるのかもしれない私はこう思うよ
自分の力で、 たーくん の口で大好きな人に伝えなきゃいけない
神様がいるならその人は たーくん の言葉を聞いてくれる 絶対》
そう書いた紙を手渡すと、 たーくん は何度も読み返すようにじっと眺めていた。
私は自分の部屋に戻り、ただ綺麗だからという理由で買ったが使わずに眠り続けていた便箋を取り出した。
小さな花がいっぱい散らばってる女の子用のだけど、ちゃんとした紙に書いてほしかった。
《お話することをこの紙に書こう!
間違ったら何枚使ってもいいから
いっっっちばん言いたいことは何?》
しかし たーくん は首を横に振った。唇を噛んで嫌という顔をしていた。
先程渡したチラシもテーブルの上に置かれていた。
気まずくて重い空気になった。
あららららら、私なにか失敗したのかも
と、ここで実はそばにいた…ははは
父が立ち上がって書斎→居間へと戻ってきて たーくん の前に筆ペンを置いた。
視界には入っただろうが たーくん は身動きせずじっとしている。
ドンッて父がテーブルを叩きながら自分で置いた筆ペンを取って、なんだよもう(・@・`)私の可憐な便箋に荒々しく字を書いた。
《弱虫は食いしん坊! 強くなりなさい》
………。
最初のは いらないような。私へのメッセージも兼ねてるようでドキリとした。
ドンッの段階で振動にびくぅッてした たーくん は、先程までの顔をくずしてぼんやりと勇ましい文字を見ていた。
父は深い皺を作って渋く笑った。
オジイチャンみたい(´・@・`)
それから便箋と筆ペンを たーくん の前に置くと、塾の講師のような態度で人差し指で便箋をトントンと叩いた。
普段私やおばさんみたいな女子としか深く接しない たーくん に、父というのは すごく響いたご様子。
私まで緊張してきた。
たーくん は自然と正座して、私もなぜか正座して、父は新聞を読むふりをしに台所に消えた。
そして、何度も書き直して たーくん の伝えたいの言葉の台本が出来た。
132 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 01:38:30.54 ID:rhTHXP0SO
いったんとめます。
133 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 02:05:20.64 ID:Mu5vp9Y+0
乙
続き楽しみにしてるお
138 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 14:07:04.14 ID:rhTHXP0SO
たーくん が気持ちを伝える相手はおじいちゃんです。
車中でも たーくん は少し緊張していた。
便箋は予行演習のようなもので、病室での たーくん は改めて自分の言葉で伝えるようだった。
例えば豚は、たとえ家族といえども心の奥底の本音を伝える時には いっぱいいっぱいになるしアフアフする。
たーくん もシャイな子なので勇気が必要だったと思う。
>>次のページへ続く
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