こちらもどうぞ
男女間の修羅場を経験した話を書きますよ
(11ページ目) 最初から読む >>
\ シェアする /
287 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:59:45.80 ID:OCgOzOrt0
救急車がサイレンを鳴らして動き出す頃には、意識はかなりハッキリとしていました。
その代わりに顎の痛みが襲ってきて、非常に苦しかったことを覚えてます。
ただ、ミドリが同乗してくれてるのは嬉しかったですね。
288 : 忍法帖【Lv=19,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/05(金) 23:59:57.64 ID:EpNLtOtS0
俺もそんな青春したかったな
289 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:01:22.17 ID:OCgOzOrt0
>>288氏
でも、痛かったですよ。
――
呻くボクの右手をしっかりと握って、なぜか自分が泣きながら
「大丈夫だから、大丈夫だから」
と、ずっと励ましてくれましたし。
290 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:02:31.18 ID:OCgOzOrt0
検査が終わり、病室のベッドで横になっていると制服に着替えたミドリと担任が入ってきました。
ミドリはボクの顔を見るなり、みるみる泣き顔になってしまいました。
「ユーサクのバカぁ〜!」
泣き顔の彼女が、ボクに抱きついてきます。
291 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:03:44.00 ID:SXx2AtTZ0
正直なところ悪い気はしません。
誰かが自分を心配してくれると実感できるというのはなんだか、こそばゆいものです。
相手がカワイイ女性なら尚更です。
思わずニヤニヤしそうになるんですが、顔の表情を変えようとすると激痛が走るので、そうもいかないのが苦しいところです。
救急車がサイレンを鳴らして動き出す頃には、意識はかなりハッキリとしていました。
その代わりに顎の痛みが襲ってきて、非常に苦しかったことを覚えてます。
ただ、ミドリが同乗してくれてるのは嬉しかったですね。
288 : 忍法帖【Lv=19,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/05(金) 23:59:57.64 ID:EpNLtOtS0
俺もそんな青春したかったな
289 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:01:22.17 ID:OCgOzOrt0
>>288氏
でも、痛かったですよ。
――
呻くボクの右手をしっかりと握って、なぜか自分が泣きながら
「大丈夫だから、大丈夫だから」
と、ずっと励ましてくれましたし。
290 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:02:31.18 ID:OCgOzOrt0
検査が終わり、病室のベッドで横になっていると制服に着替えたミドリと担任が入ってきました。
ミドリはボクの顔を見るなり、みるみる泣き顔になってしまいました。
「ユーサクのバカぁ〜!」
泣き顔の彼女が、ボクに抱きついてきます。
291 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:03:44.00 ID:SXx2AtTZ0
正直なところ悪い気はしません。
誰かが自分を心配してくれると実感できるというのはなんだか、こそばゆいものです。
相手がカワイイ女性なら尚更です。
思わずニヤニヤしそうになるんですが、顔の表情を変えようとすると激痛が走るので、そうもいかないのが苦しいところです。
292 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:04:52.25 ID:SXx2AtTZ0
話すことができない上、表情を変えることができないという状況下でのコミュニケーションは困難を極めます。
せっかく仲直りのチャンスなのに、ひたすら無表情でいなければ ならないのですから。
293 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:05:59.67 ID:SXx2AtTZ0
そんな様子をみた担任がニヤニヤしながら、あるモノを取り出します。
磁石と砂鉄を使って絵を描く子供用のおもちゃです。
一度は使ったことがあるでしょう?
半透明の白い板の上に磁石で線を引いて絵を描き、レバーを左右にザーっと動かすと、それが消えるというアレです。
どうやら病院の備品のようでした。
294 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:07:53.98 ID:OCgOzOrt0
それを使ってボク達は、かなり長い時間、静かな“会話”をしました。
会話文の始めはボクからです。
「心配かけてゴメン、もう大丈夫だよ」
295 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:09:29.54 ID:SXx2AtTZ0
ミドリは その道具をボクから取り上げると
「ホント心配したんだから、バカ」
そこまで書くと、それをボクに突き返します。
話ができないボクは仕方がないとして、なんでミドリまで その道具を使ったのかは謎です。
296 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:10:44.76 ID:SXx2AtTZ0
それからボクは1年前の件を謝りました。
本当は色々と言い訳を書きたかったんですが、なにしろ子供用のおもちゃですから細かい字は書けませんし、画面も小さい。
だから……
297 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:11:56.49 ID:SXx2AtTZ0
「1年前の件は、ごめんなさい」
きわめてシンプルな謝罪文です。
こんなんじゃ許してもらえないかと思いましたが、それ以外に思いつかなかったんですよ。
298 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:13:27.72 ID:SXx2AtTZ0
「元気になったら許してあげる」
この文字を見たときは、涙が出るくらい嬉しかったですよ。
そして、彼女は そのおもちゃをボクに渡すことなく、続けて何かを書き始めました。
静かな部屋に、ペンの音が響きます……
そういえば、いつの間にか担任が消えてます。
299 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:14:49.32 ID:SXx2AtTZ0
「1年間、本当に辛かったよ……」
それからは、彼女の文字による1年間の心情の吐露が続きます……本当に怒ってたのは最初だけで、そのうち事情が分かってきたらしい。
300 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:16:11.38 ID:SXx2AtTZ0
だから仲直りをしようと思ったのに、その頃にはボクが彼女を避けるようになってしまっていたとのこと。
何度か声を掛けようとしたけど、無視されるのが怖くてできなかったこと。
そして、そのままの状態で夏休みに突入したと。
301 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:17:16.15 ID:SXx2AtTZ0
そのうち、ボクがマネージャーさんと付き合い始めたこと聞いた時には後悔とショックで、何日か学校を休んだこと……
ボクはマネージャーさんとの件は、やはりミドリには伝えておこうと思いました。
だから、おもちゃを受け取り、こう書きました。
「彼女には、結局 許してもらえなかったよ」
「知ってる……」
302 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:18:18.18 ID:SXx2AtTZ0
彼女は、次にボクが何を書くのか待っています。
ボクはマネージャーさんにフラれたせいで、ミドリと再接近してるとか思われたくなかったから、どうしても次の言葉が書けません。
303 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:20:03.06 ID:SXx2AtTZ0
本当は……
「ずっとミドリが好きだったことに、やっと気づいた……」
と書きたかったのに……
304 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:22:14.82 ID:SXx2AtTZ0
ちょうどその時、ボクの母親が、わさわさと病室に到着です。
「あんた大丈夫なの〜? もう、ほんっとに鈍くさいんだから〜」
愚痴モード全開で近づいてきてから、ミドリの存在に気づきます。
もうね、なんというタイミングの悪さ。わざとなのか?
305 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:24:03.27 ID:SXx2AtTZ0
「あっ、ミドリちゃん来てくれてたんだ。ありがとうね〜、ほんとコイツはダメよね〜」
母とミドリは知り合いというか、家も近所なのでお互い知ってるんですよ。
というか、帰れよ。頼むからさー
306 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:26:04.01 ID:SXx2AtTZ0
母は例のオモチャを見つけると
「何コレ? 懐かしいおもちゃじゃないの。ひょっとしてあんたたちコレで会話してた?へー、それでなんか進展があったわけ?」
場の空気を読まない爆弾発言を、かましてくれます。
ほんっとに帰って欲しいですわ。担任だって空気を読んだのに。
307 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:27:39.97 ID:SXx2AtTZ0
ミドリは顔を真っ赤にすると
「じ、じゃあ、今日はこれで失礼します!」
バタバタと慌てて病室を出て行きました。
308 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:28:47.33 ID:SXx2AtTZ0
「あれぇ〜? 母さん邪魔しちゃったかなぁ?ゴメンね〜」
ぜんぜん悪いと思ってない口調で、聞きもしないコトをさらに続けます。
「母さんはね、ミドリちゃんの方が好きだよ。えーっと、ユウコさんだっけ?あの子はイマイチね、あれは本気じゃないかもよ」
ズバリ核心を突いてきます。
うっ、と言葉に詰まるボク……って、今はしゃべれませんけど。
310 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:30:34.45 ID:SXx2AtTZ0
「まあ、決めるのはアンタだけどさ」
なんでコイツは、こんなに細かい状況を把握してるんだ?ボクは不思議に思いましたよ。
ひょっとして、ボクの携帯とパソコンを毎日チェックしてるんじゃないだろうな?
確かに、母にはユウコさんと一緒に居るところを何度か目撃されたことはありましたけど。それだけで、この情報量とは……女の勘か?
>>次のページへ続く
\ シェアする /
関連記事
easterEgg記事特集ページ