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不思議な友人と暮らしたひと夏の想い出をぽつぽつ語る

 




1 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 16:33:53.40 ID:VCBhrNux0.net
奇妙な体験だったけど、わたしの人生の中のしあわせだったと思う。

夏の終わりに思い出したから、とりとめもなく書いてみようかな。



2 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 16:40:43.34 ID:4BztRCehp.net
彼女とはとあるネットのコミュニティで知り合った。

コミュニティは9割が女の子。百合コミュニティって訳じゃないけど、そう言うのが好きな子も多かったのかな。

通話したり趣味を楽しんだり、オフ会してみたり。わいわいやってたなぁ。

そんな中で、お互い古株で数年前から名前だけは知っていたけれど、関わらずに過ごして来たのが彼女とわたし。

元々彼女は一匹狼みたいなところがあって、あまりグループの輪には入って来なかった。

おまけに忙しいのか滅多に顔を見せないからって理由でついた名前は「ツチノコ」。なんとも得体の知れない人だった。


知ってるのは、やたらコミュニティの女の子達にキャーキャー言われてたかっこいい雰囲気の人だってことと、わたしの友人の絶大な信頼を勝ち取ってる親友だってこと(いずれにせよ大して興味はなかった)



3 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 16:49:07.68 ID:4BztRCehp.net
そんなある日。

ひょんなことから、掲示板でツチノコと話す機会が訪れた。確か例の友人から紹介されたんだっけな…。

もう随分前だし話した事なんて覚えてないけれど、とにかくノリが良くてものすごく話が弾んだのは覚えてる。

ちょっと価値観がズレてるけど、わたしもズレてるから好都合とばかりにぴったり噛み合った。


日頃から一人称は俺、少し低いハスキーボイス、魔法みたいに次々と出てくるトーク、優しい気遣い。

そりゃ女同士だとしても女の子達が夢中になるはずだなぁって今でも思う。

そのくらい「外面の良い人」が彼女だ。





11 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 17:19:07.00 ID:4BztRCehp.net
そこからは個人的にツチノコと連絡を取るようになった。

彼女はこうして直接メッセージのやりとりをする方が喋る人だった。

電話も何度かして、良い友人の一人として仲を深められてるなぁなんて思ったり。

彼女が周りから変だと言われる理由のひとつについて。

『人の血液、人の怪我が好き』らしい。

確かにそう言った話になると彼女は周りから見てもわかるくらいのハイテンション。

「今日転んで怪我しちゃってさー…」

なんて電話で話しかけようものなら


「え!?え!?怪我!?何だよ、何で俺の前じゃねぇんだよ あーくそもったいない、じゃなくて。大丈夫だった?大したことなかったなら良いけど。…あ、後で傷の写メ送って。」

まで随分と興奮した様子でまくし立ててくる。さらに驚きなのが、彼女が傷やら怪我やら好きなのを知っていて その写真をわざわざメールで送ってくる子もいるらしい。

彼女のその変なところが、わたしと彼女の仲を深めるきっかけになる訳ですが。



18 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 18:43:27.05 ID:4BztRCehp.net
いつもの通り、暇を持て余してなんとなくの通話。

来世はトイレがいいパンツがいいとか すごいくだらない話をしてた。次元が小学生と一緒。


「ツチノコってさ、なんか人とズレてるよね。」


「あー、やっぱ?自覚はあんだけど もうズレてるもんはズレてるもんだし仕方ねぇよな」


「人が痛がってる時とか、すーごいにやにやしてんの電話越しでもわかるよ。笑」


「マジ?これでも隠してんだけどなぁ…」


「……わたしもさ、あんまり人には言えないけど変なとこあるんだよ。」


「へぇーなになに?」


「……人に痛め付けられることが好き。」



20 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 18:50:43.06 ID:4BztRCehp.net
友人に言ったことなんてなかったけど、わたしは性癖がどうしようもなく歪んでる。

物心ついた頃から、お仕置きだとか体罰だとかそんなものに興味が尽きなかった。

大きくなってからもその趣味は変わらず。

危険を承知でスパンキングやら調教のパートナーと実際にプレイに及んだこともある(今思えば馬鹿なことしたなと)


ただ、なぜか体がMだってことを馬鹿にされるのが嫌いだった。特に、高慢にSを振りかざして来る人に蔑まれるのは全く性癖には刺さらない。

出会い系にはそんな人が多い気がするんだよね。


そんな訳でもう諦めてた満たされない欲求。

何かを彼女に期待してたのかも知れない。

人生で初めて友人に自分の嗜好の話をした。



22 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 19:04:03.03 ID:4BztRCehp.net
「へえ、その話詳しく。」

ノリノリな様子のツチノコに急かされて、今までしてきた事、痛みに快楽を感じる事。自分の思うままに話した。

「……なんて、引かれちゃったかな。」


「いや、全然、やばい。噛みたい。ぶっ叩きたい。」


さすがに予想しなかった返答です、わたしも目が点。


「血が好きってのもそうだけどさ。噛みたいんだよ、人を。痛がってんのを見たい。」


そこからはもう、会話がヒートアップ。あんまりこうされたい、したい、なんて言わないタイプなんだけどまさか趣味が合う友人がいるとは思わないじゃん。

ひたすら興奮するシチュエーションについて語ったり、わたしの実体験を聞かせたり。盛り上がりに盛り上がった通話は深夜2時近くまで続いた。

おまけに通話を切ってからも目が冴え切ってて止まらない会話、もう、こんなん( ⊙ω⊙)。ずーっと目がお互いこんなん( ⊙ω⊙)。たぶん。


そこから常日頃SMについてというか、お互いの好きな事について語り合う日々。

幸いにもどうやら2人の相性は良さそうという事も判明。

溜まっていくフラストレーション。

そしてついに時は来た。

「俺さ、今度私用でそっち行くんだよね。コミュニティの奴らには伝えてないけど、1には会いたい。」



23 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 19:05:44.48 ID:4BztRCehp.net
なんかこうやって書くとツチノコ男みたい…。

スペック的なものがあった方がわかりやすいのかな?





24 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 19:17:31.78 ID:4BztRCehp.net
お互い忙しい合間を縫って、わたしの仕事が終わった後夜にカラオケで会う事になった。

ツチノコは人を傷付けた事がないらしく(普通はないとは思うけど)一度で良いから、噛んでみたい、ってしきりに言ってた。

気が向いたらね、なんてはぐらかしてはいたけど当然わたしも期待くらいする。

痛め付けられるのが好きな人にとっては、とんでもなく興奮するからもうほぼセッ(自主規制)と一緒。いや、それ以上です。ありがとうございます。


そして迎えた当日。


ツチノコは実在するんだと思ってしまった。

スーツケースを引いてパンツスーツでこちらに歩み寄って来る女の子。黒髪ショート。遠目に見ると小柄な男の子みたい。噂通りイケメンというか、凄く綺麗な顔立ちをしてた。多分体と中身の性別が違うって類の子なのかな?って印象。

少し談笑してそのままカラオケへ直行。



26 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 19:37:33.82 ID:1vfdccC+0.net
パンツ脱いでる


30 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 19:42:16.52 ID:4BztRCehp.net
>>26
わたし個人的には興奮しましたけど、ご期待に添えるほどすごいことはしてません(´・ω・`)



29 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 19:40:57.15 ID:4BztRCehp.net
カラオケに入ってもマイクを持つことはなかった。


ただ、やたらとツチノコからのボディタッチが激しい。女慣れしてる…って女同士で言うのも変だけど。

いろいろじゃれあってるうちに座ってる彼女の膝の上に乗っけて上半身を預ける態勢に。

「………噛ませてくれるんだよね?」

チャンスだとばかりに耳元で囁かれる。いつも電話で聴いてた低くて掠れた声。

「……いや、だ。」

嫌がるのはわたしの癖。それも何度も話した嗜好のせいで彼女の把握済みだったんだろう、にやって笑うのがわかった。

彼女の綺麗な指が服の上から背中を撫でる、なんだかくすぐったい。

「………いっ…!」

急に服の上から爪を立てられた。不意打ちのせいで出てしまったわたしの声が悪かったのか、どうやら彼女のスイッチが入った。



31 :名も無き被検体774号+ :2018/08/21(火) 19:50:20.38 ID:4BztRCehp.net
わたしの背中をひたすら撫でたり爪を立てたりを繰り返すうちに、手は服の下へ。

痛い。痛い。痛い。

何度口にしたかわからないけれど、時折爪が肌に食い込んで傷になるのがわかる。

「んー?ああ、そうだね、痛いね。」

酷く優しい声の割に全然手の力は緩まない、それどころかギリギリと余計に強くなる。

振り返って見た目付きの鋭さに心臓が跳ねた。本気で愉しんでる顔。自分を痛め付けて興奮してる顔。…ご馳走様です。

「背中が良いんだだけなぁ…噛みにくいな。」

独り言のようにぶつぶつ喋ったと思ったら、急に訪れた沈黙。それからゆっくりと皮膚に何かが食い込む痛み。逃げ出したくなる痛み。ずっと欲しかったもの。

…なんだけど、噛まれてる時は ただひたすらに痛い。

嫌だ嫌だと叫んでそのままソファの下にずり落ちた。

「あー…最高…ほらおいで、痛かったね。」


「ほんとだよ、もう、馬鹿。アザになっちゃうじゃん」


さっきまでの鋭い眼光の彼女は もういなくなってた。

ぐすぐす泣き言を言いながら彼女の腕に抱かれて、ひたすらに甘やかされる。いつも通り、優しくて皆の憧れのツチノコ。わたしの背中に残った爪の痕と、噛み痕を愛おしげに撫でてくれる。

これを世間ではギャップって言うのか、違うか。でもとにかくわたしの精神的な何かは満たされた。

皆の前で優しい彼女の、わたしだけが知ってる顔に酷く興奮した。

これがわたしと彼女の最初の出会い。




>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 純愛, メンタル,
 

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