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履いといてくれw
中学に上がると美人な結衣はやっぱり人気だった。
男が集まると一番美人は結衣だよなーみたいな話は必ず出た。
だけど結衣はあまり告白されたりとかはなかった。
高嶺の花すぎて手が出せなかったのかもしれんが、それより結衣は好きな人がいるって有名だったから。
結衣の好きな人は結衣の幼馴染の一個上のA先輩で、これまたイケメンだった。
A先輩はバレー部で、結衣もバレー部に入った。
バレー部は朝練があって、いつも二人で登校してきていた。
A先輩と結衣は付き合ってるのかってくらいお似合いで、俺の入る隙はなかった。
俺はサッカー部に入って、チビながらに頑張ってた。
サッカー部の休憩場所から体育館の中が見えて、そこから結衣の練習姿を見たりお互い休憩だと喋ったり仲は良かったと思う。
結衣は俺のことをいい奴って言ってて、俺は結衣を好きなことは誰にも言わなかった。
てかこんな美人を好きなんて言えなかった。
偶然女子バレー部と帰りの時間が重なって、方向の同じ俺らは二人で帰ることがあった。
俺が興味ないと装って「結衣とA先輩付き合ってんの?」って聞くと、
「付き合ってないよ。片思い」って結衣は言ってた。
付き合ってないことは嬉しかったけど、やっぱり結衣はA先輩が好きだと聞いて落胆した。
それから結衣は、A先輩との話を俺によく話すようになった。
結衣はA先輩に小学校の頃から合わせて三回告白して、全て断られたらしい。
A先輩は同級生に彼女がいて、結衣の入る隙はない。
だけど結衣は小さい頃からずっとA先輩が好きで、簡単には諦められない。
みたいな話をポツポツされて、本当は聞きたくなかったけど結衣に好かれるためにうんうん聞いた。
結衣はA先輩の話をするときはいつも顔が真っ赤だった。
いつもはクール系な美人なのに、A先輩の話をして可愛くなる結衣を見ると辛かった。
俺たちが中2になって、A先輩が部活を引退した。
それからA先輩の朝練が無くなり、結衣とA先輩の距離はだんだんあいていった。
A先輩は同級生の彼女と良好らしく、結衣を避けてた。
結衣はもう無理なんかなーとか、A先輩の彼女は背が低いからどうせ小さい可愛い子が好きなんやーとか俺によく愚痴をこぼしてた。
俺は、そことかなくもうやめなよみたいなこと言ってた。
でも俺が結衣を好きなように結衣はやっぱりA先輩が好きで、それだけは変えられなかった。
中2のバレンタイン、特に何もなく帰宅した俺に結衣からメールが着た。
会いたいとだけ書いてあって、内心めちゃめちゃ期待した。
だけど結衣は俺にチョコを渡したいわけじゃなかった。
部活から帰ってA先輩にチョコを渡しにいくと、いらないと言われた。
もう俺を好きなのやめなよと言われた。
結衣は道端にしゃがみこんで、笑いながら、結衣の真っ白のほっぺたに涙がボロボロ落ちてた。
結衣の涙を見るのは初めてで、どうすればいいかわからなかった。
結衣は俺を見つめて、
「どうやってやめればいいん?」
「やめようと思ってやめれるもんなの?」
と聞いた。
俺はなんとなく、やめなくていいって言った。励まし方がわからなくて、ただオロオロしてた。