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男女間の修羅場を経験した話を書きますよ
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383 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:55:14.19 ID:SXx2AtTZ0
なぜかその日までは分からなかったんですが、確かにあの指輪があることに。

しかもあの時のまま、薬指に……

だからボクは……やっぱり彼女には何か辛い事情があるんだ!とか考えるようになったんです。



384 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:56:23.16 ID:SXx2AtTZ0
それでまた虹ヲタと、メカ夫に相談したわけです。

指輪のことも話して……


「おまえなあ、頭大丈夫か?」

虹ヲタが心配そうに言います。

「悪いことは言わん。やめとけ」

メカ夫が諭すように言います。

「今さらあのビッ……いや、彼女に近づいてどうするよ?」

虹ヲタはさすがにイラっときたのか、暗黙の禁止用語をうっかりと言いそうになってました。



385 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:57:53.91 ID:SXx2AtTZ0
「おまえが仲の良かった頃とは違いすぎるぞ。もう幻想を捨てて現実を見ろよ」

メカ夫も呆れたように続けます。もう全否定モード。


「でも、見てられねーじゃん。いっつも一人で……

なんかあるんだよきっと。カワイそーじゃん」


ボクも必死でした。コイツらには分かって欲しかったんです。

たとえ協力してもらえなくても、コイツらには理解して欲しかったんです。

彼女を……



386 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:58:56.89 ID:SXx2AtTZ0
「おいおい、マジですかぁ〜?」

肩をすぼめながら両手を天に向けて“やれやれ”という仕草を揃ってしながら、生暖かい目でボクを見つめる二人。

とか言いつつ、二人とも真剣に考えてくれることになりました。やっぱり友達はありがたい。



387 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:59:42.36 ID:SXx2AtTZ0
さて、考えるとは言ったものの何も浮かばない。


すると虹ヲタが、何だか怪しげな推理を展開し始めました。

手詰まりのボク達は、今は怪しさ満載の彼の推理に耳を傾けるしかありません。



388 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:00:11.31 ID:SXx2AtTZ0
「きっと、どこかでフラグが立ったということだよね」

「フラグ?」 

ボクとメカ夫が怪訝そうに繰り返します。

「映画を観に行って、指輪を買わされたところまでは問題なかったんだよね?」

虹ヲタは構わず持論を展開していきます。



389 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:01:06.50 ID:SXx2AtTZ0
「なら、その周辺になにか選択肢があったハズ。おまえは“Bad Endルート”を辿ったんだよ」

「選択肢……? ないなぁ。彼女に言われた通り、動いただけだし」

ボクは、正確性に自信のない記憶を辿りながら答えます。



390 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:02:21.08 ID:SXx2AtTZ0
「じゃあ、環境変数だ。彼女の心境に変化を与える何かがあったハズだ」

コイツ……完全にギャルゲーとして考えてやがる。

でも、今はコイツしか頭を働かせてないから仕方ない。

「そういえば……気のせいかもしれないけど」

ボクは映画の一件よりも、更に古い記憶を辿ります。



391 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:03:11.15 ID:SXx2AtTZ0
「なになに?」

二人が食いついてくる。

「彼女の家の前に、変な色のスクーターが停まってたことがあって……」

「それで」

話を聞く前からこれが原因、と決めて掛かりつつある様子の二人。

「そのスクーターを見た彼女が、急に黙り込んだことがあったんだ」



392 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:04:27.80 ID:SXx2AtTZ0
それは夏休み前のことでした。

いつものように彼女を家まで送っていくといかにも柄の悪そうな目立つスクーターが停まっていたんです。

オーナーらしき人影は見えなかったんですが、彼女の顔がみるみる曇り黙り込んでしまったわけです。

その時は「おや?何だろ?」くらいにしか考えなかったんですけど。



393 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:05:53.59 ID:SXx2AtTZ0
「……むぅ、そのスクーターってカナブン色みたいなやつ?」

機械モノの記憶についてはコイツの右に出る者はないメカ夫が言います。

「そうそう、ラメ入りグリーンみたいな色」

ボクの記憶はいつも曖昧ですが、さすがにカナブン色のスクーターはしっかりと記憶に残ってました。



394 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:07:04.12 ID:SXx2AtTZ0
「それなら、オレも学校の周りで何度か見かけたな。結構弄ってるヤツ だったから覚えてる」

さすがメカ夫だ。ノーマルではないところまで覚えてるらしい。

というか、あのカラーリングで、ドノーマルってことはないわな。

「……それだな」

虹ヲタが満足そうに頷きます。



395 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:08:01.04 ID:SXx2AtTZ0
虹ヲタの推理では、そのスクーターのオーナーと彼女には何らかの接点があり、彼女はそれを好ましく思っていなかったんだろうとのこと。

その件は、きっと学校では知られたくないレベルの話ではないかとの推理。



396 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:08:58.43 ID:SXx2AtTZ0
というわけで、メカ夫が知り合いのショップ経由でカナブン色のスクーターを追いかけてくれることになった。

なんでも、あれだけ弄ってるなら どこかのショップに頻繁に通ってるハズだ、という読みでした。



397 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:10:14.32 ID:SXx2AtTZ0
何日かして、メカ夫がニヤニヤしながらやってきた。

カナブン号は読み通り、簡単に見つかったとのこと。

なんでもオーナーは、○○中学の卒業生で現在は高校を中退して何か日雇いのような仕事をしているらしいとの情報だった。

面倒な輩が出てきたなぁ〜、というのが正直な感想でした。



398 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:11:21.78 ID:SXx2AtTZ0
メカ夫がカナブン号を追いかけてる間、虹ヲタはミドリの過去を洗っていた。

彼女と同じ中学出身の同級生から、知り合いの元教師、果ては親同士のネットワークにまで食い込んで調査してくれたらしい。

お前、卒業したら探偵事務所でも開設したらどうだ?

そこで分かったことは、噂を含めて次の通り。



399 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:12:43.13 ID:SXx2AtTZ0
まず、彼女は中学の一時期、転校してくる前に荒れていたことがあったこと。

次に、父は再婚しており、義母の連れ子の義姉がいること。

そして、義母とは折り合いが悪いらしく、現在は義姉と二人で暮らしていること。

最後に、義姉とは非常に仲が良く、二人で外出しているところをよく目撃されていること。



400 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:13:57.90 ID:SXx2AtTZ0
ここまでの調査で、カナブンと彼女の接点が分かりました。

転校前の中学が同じでした。

ボクは、さすがに彼女の転校前の状況は知らなかったです。

それどころか、お義姉さんと住んでる、なんてことも初めて知りました。

彼女とは4年くらい近くに居たわけですが、そんなことは全く知らなかったですよ。

うぅぅ……



402 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:14:44.23 ID:SXx2AtTZ0
そこで、ボク達三人が想像したストーリーは次のようなもの。ありきたりですが。


親の再婚

義母と折り合い悪し

娘荒れる

不良グループへ

更正して転校

高校入学

昔の仲間登場

再び荒れ始める ← 今ココ




>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, すっきりした話,
 


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