ギフテッドの彼女と付き合ってた話
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29 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)00:56:54 ID:TePwGHLTM
ほうほう
30 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)00:58:02 ID:MXx0ba1si
食べ終わってから聞いた。
「あの、俺、なにか気に障ること言いました?凄い勢いで出て行かれたんで、てっきり怒らせちゃったのかと思って…」
「ち、ちがう、んです。わたし、あの…普段と、違うことが、ダメって、いうか…んー…」
「…え?」
「普段と、違うことになると、」
「…なると?」
「ぱ、パニックに、なっちゃってて、」
彼女の話し方はガチでこんな感じ。
よく知らない人と話す時は緊張して じゃっかん吃音になるらしい。
文字におこすとアニメっぽいな。
そう言った彼女の顔は真っ赤だった。可愛い。
汗で前髪がペトリとおでこに はりついていてもなお、可愛いと思わせてくる。
「…そうですか。でも、またお店来てください。待ってますから。サンドイッチとコーヒー用意して」
「…は、はい。」
初めて彼女の笑顔を見た。
バイトをすっぽかして話し込むわけにもいかないので、俺は店へと戻った。
ほうほう
30 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)00:58:02 ID:MXx0ba1si
食べ終わってから聞いた。
「あの、俺、なにか気に障ること言いました?凄い勢いで出て行かれたんで、てっきり怒らせちゃったのかと思って…」
「ち、ちがう、んです。わたし、あの…普段と、違うことが、ダメって、いうか…んー…」
「…え?」
「普段と、違うことになると、」
「…なると?」
「ぱ、パニックに、なっちゃってて、」
彼女の話し方はガチでこんな感じ。
よく知らない人と話す時は緊張して じゃっかん吃音になるらしい。
文字におこすとアニメっぽいな。
そう言った彼女の顔は真っ赤だった。可愛い。
汗で前髪がペトリとおでこに はりついていてもなお、可愛いと思わせてくる。
「…そうですか。でも、またお店来てください。待ってますから。サンドイッチとコーヒー用意して」
「…は、はい。」
初めて彼女の笑顔を見た。
バイトをすっぽかして話し込むわけにもいかないので、俺は店へと戻った。
32 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)00:59:20 ID:MXx0ba1si
店長と常連さんにパニックになってしまったらしいと説明してもポカンとしていたが、それ以上説明のしようがなかった。
そして その翌週の木曜日。
彼女はまた、16:00ぴったりにやってきた。
店長と また来ても普通に接しようと決めていたので、あえて その日のことには触れずに「いらっしゃいませ!」とだけ言ってサンドイッチとコーヒーを出した。
彼女は恥ずかしいのか うつむきながら食べて、いつものように会計を済ませるとさっさと帰って行った。
その翌週も、翌週も、彼女は来た。
そのうちに、だんだん話すようになっていった。
はじめは挨拶とか天気とか社交辞令。
でも、七月くらいになると お互いの名前を知り、年齢も一つ彼女が上ということを知ると、自然とタメ口になっていった。
店長は全然話せなくて、客にタメ口をきくなんて店の風紀が乱れてるとか騒いでた。
34 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)01:01:38 ID:MXx0ba1si
彼女は21の大学三年だけど、大学に籍だけ残して行ってない状態らしい。
店の近くの研究所に派遣されて もう研究を手伝っているとのこと。
その頃 俺は経済学部の二年目で、バリバリの文系だったのが数学をやらされていた。
だいたい一年やると出来るようになるが、俺はてんでダメだった。
そのことを話した時
「俺、数学全然わかんなくて単位ヤバイんだよね…」
「そっかー…でも、大学の数学って簡単じゃない?」
「え?難しいよ?www」
「そうかなぁ…」
「じゃあ今度教えてよ!」
「いいよー たぶん、分かると思うから」
こんな感じで、数学を急遽教えてもらうことになった。
翌週、彼女はいつも通りやってきて、俺は数学の問題を見せた。
自分の学歴に ちょっと自信があったので、心のどこかで自分よりは頭良くないだろうとか思い込んでいたのかもしれない。
だが彼女は問題をみるや
「これがわかんないの?」
と言った。
タメ口で話すようになってもおとなしく、お淑やかな感じの話し方だったので 嫌味言いやがったwww と意外だった。
でも、顔を見ると、本気で不思議そうな顔だった。
本気で、こんなのが分からないなんてありえるの?と思っているようだった。
35 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)01:02:58 ID:MXx0ba1si
結果、彼女はその問題をあっさり解いて、その後出した問題もなんなく解いた。
「すごっ!」
「すごくないよ? 普通だよ?」
「これめっちゃムズイじゃん!」
「数学ってパターンだから、私はこのパターンを知ってるってだけだよ」
普通、問題を見ても そのパターンがどれか分からないのに…
このころから ただものじゃないと思い始める。
と同時に好きになりはじめていた。
七月くらいになると すっかり仲良くなって、メアドもケータイ番号も交換した。
彼女が俺にちょくちょく数学を教えたり、俺が彼女に映画を勧めたりする関係が続いた。
彼女は映画を ほとんど見たことがなくて、人生の半分を損していると思い、俺は お気に入りのやつを片っ端から勧めまくった。
時々 勧めたのに見ない奴とかいるだろ?でも、彼女は全部見てくれた。それが嬉しかった。
木曜日に喫茶店で彼女の映画の感想を聞くのが楽しみで仕方なかった。
相変わらず俺が数学の質問をすると凄いバカにしたように(彼女は素)教えてきたけど。
ある日、店長が冗談で
「お前ら さっさと付き合え。見ていて こっちじれったいわ!」
って言ったら彼女に
「え、え、でも、付き合うとか、そういうのって、 おかしいっていうか、そういうのじゃないんで!」
って言われた。
アニメみたいに すごい焦ってて可愛かったけど、やっぱり彼女はそういうふうには思ってないんだ…とがっかりした。
37 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)01:04:23 ID:MXx0ba1si
八月。
店長は沖縄に住む息子の家に一夏でかけるので、店は臨時休業になった。
給料的にもキツかったけど、彼女と会う公式的な理由がなくなったのが なにより辛かった。
15日くらいまでは大学で申し込んだボランティアがあってよかったんだが、それからは暇。
居酒屋も家庭教師も人が余ってあんま入れなくて週二三だったから、週の内4日はなにもないのだ。
俺は、悩んだあげく、彼女をデートに誘うことにした。
メールで『よかったら映画見に行かない? 初映画館行こうよ!』と送った。
その日 返信はこず、一日たってもこなかった。
馴れ馴れしかったかなぁ…結構仲良くなれたと思ったのに…と凹んでいた二日後、『行きたいです!』とだけ返信がきた(なぜかメールだと敬語)
時間と場所は彼女が決めて、結局八月の終わりくらいに2人で映画を見に行った。
いつも地味な服を着ている彼女が、その日は女の子っぽい格好をしてきた。
「あれ?今日はジーパンじゃないんだね。」
「うん、お母さんが男の人と映画館に行くならジーパンじゃ入れないっていうから」
「え?wwwwwそんなことはないけど?wwwwww」
「でもお母さんが言ってたから」
「あーそういう映画館もあるね(?)」
38 :名無しさん@おーぷん :2014/05/27(火)01:05:37 ID:MXx0ba1si
はじめてデートしてみて分かったんだけど、彼女は異常なほどに世間知らずだった。
アイドルも知らない、バンドも知らない。
映画館とかゲームセンターに行ったことないってのはパニック症だから分かるとしても、テレビすら見ないというから驚いた。
「でもさ、学校とかでテレビの話とかする時 困らない?」
「私 先生としか話さなかったからなぁ… 研究室の人とは仲良くないし あんまり」
「気になってたんだけどさ、…友達いる?」
「君はカウントする?」
「友達だと思うならカウントしてください」
「じゃあ2人」
つまり、俺が含められたとして、他に1人しか友達がいないことになる。
喫茶店で話をしてる時は基本映画か数学の話だったので、プライベートの話は避けてたわけじゃないけど全然してこなかった。
俺は面白くて たくさん聞いた。
「出身は?」
「生まれたのは東京だけど育ったのはイギリス」
「お父さんとお母さんは何してるの?」
「どっちも研究者」
「は?」
このあたりから 俺は今話してるこの人は もしかして、天才なんじゃないか?と思いはじめた。
>>次のページへ続く
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