何が本当に大事で何が俺に必要か。大事な人が側に居てくれる事がどれほど大切な事か、その時の俺は何も解ってはいなかった。
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>>118
昔の事ちょっとだけ書きます。
ある年の秋、日帰りのソロツー途中に休憩しに寄った道の駅で、250ツアラーにまたがり、ダブルのジャケットをカコヨク着こなした、小柄で可愛いオニャノコに思い切って声をかけた。
俺は2stオフで林道フル装備、見た目は185センチ95キロで人に言わすと熊みたいな大男。更にメットを脱いだ顔は実にむさ苦しい体育会系。
んで最初彼女は明らかに引いていた、でもジャンルは違えどバイク乗り同士、旅や温泉の話題で小一時間盛り上がり、自然にアドと携帯を交換して別れた。
ここは雪国で冬の間はまず乗れないので、一日おきくらいにメールの交換をした、彼女は東京の人でふたつ年上、仕事の都合で こっちに来てると言う。
内容は春になったら一緒に走りたいねとか他愛の無い話が主だった。
春になると二人であちこちに日帰りで出掛けて、当たり前のように付き合い始めた。
手を繋いでツーリング先の湖畔を歩き、木陰でキスしたりした帰りに初エチーした。
このもてない俺に初めて彼女ができた!しかも夢にまで見たバイク乗りカポー、俺は有頂天だった。
>>123からの続きです
身長で35センチ、体重は50キロ以上の差があるブサ顔の俺と小顔で可愛い彼女、よくある言い方をすれば美女と野獣って感じだった。
俺たちは休みが合うたびにいろんな所にバイクで連れ立って出掛けた、雨が降った日は俺の車でドライブ、
彼女は人の多い有名な観光地などには あまり行きたがらない、訳を聞くと、私は東京生まれの東京育ちなので人が多いのには飽き飽き、とにかく静かな所がいいと言う。
それを聞いた田舎者の俺は、都会の人とはそんなものなのかなと、深く考えずに納得した。
それに俺の方も静かな場所で二人きりになるのは嬉しいので、特に異存は無かった。
そんな訳で誰もいない海岸、辺鄙な場所にある森林公園などが定番のデートスポットだった。
んでチャンスがあればどこでもキスばかりしていた、全く見事なバカップルだ。
その内 互いが読書好きの活字中毒なのも分かり、バカデートするだけでなく持っている本の貸し借りもする様になった、話題の新刊本を同時に読んで感想を語り合ったりした。
俺は彼女のことが好きで好きで堪らなかった。付き合い初めてから二ヵ月間くらい、まるで夢を見てるみたいだった。
つづく
夢見るような毎日でも、さすがに付き合い始めてから3ヵ月くらい経つと少しは冷静になってくる。
すると これまでは気にならなかった彼女の行動や言動になにか違和感とゆうか、不自然を感じる様になってきた。
たとえばデートは いつも昼間だけ、晩御飯を食べに行こうと誘っても明日仕事が早いからとか、同僚と飲み会だからとか言って断られ続けた。
アパートで一人暮らしと言っていたが、一度も部屋には呼んでくれない。
訳を聞くと散らかっているからとか、今日は東京から友達が来るからとか言ってこれもまた毎回ダメ。
当然泊りのツーリングの誘いも断られる、キャンプツーが何より大好きな俺はこれが一番悲しい。
誰かに相談したかったが、俺の友人は俺と同じく体育会系の筋肉馬鹿ばかり、この手の相談ではアテになりそうにない。
そして同じような事が何度も続くと、俺の中にある不安が芽生えてくる。
図体はでかいが小心者の俺の不安は疑心を呼び込む、それを放置しておけばいずれは彼女との間に暗鬼を産んでしまうだろう。
そうなる前に何とかしなければ・・・
続く
梅雨が来た。
雪国の短い夏に向けた産みの苦しみの時期、俺はいつもの年より100倍暗かった、原因は無論彼女の事。
悩みの種はズバリ『彼女は人妻なのでは?』だった、
そう考えると全ての辻褄が合う、彼女の行動、言動、静かな場所が好みだと常々言っていた事までが疑わしい、人込みが嫌いなのではなく、俺と一緒になのを見られるのは まずい人達の目から隠れるためでは・・・
それに当時女性と付き合った経験が ほぼゼロだった俺がこんな事を言うのは何だが、彼女の女としての立ち居振る舞いは、なんつーか、年齢に比して成熟しすぎているような感じがした。
その後も 会うたびに、今度こそは はっきりさせるぞと意気込むのだが、・・・話せない、もし彼女が『隠しててごめんね、もう終わりにしましょう』等と言ったら俺はどうする?
某競技に打ち込んだ高校時代にはインターハイや他の大きい大会にも出場した、どんな大舞台でも臆したことはない、その延長で仕事にも打ち込み、ある程度の評価はされていた。
だが彼女を前にすると、俺は単なる低能筋肉馬鹿だ、今考えてもまったく情けない。
だがやがて夏が来て、俺にとっては唐突なある事が起こった。
続く
>354
な、な、な、何が起こった?
夏が来た。
とはいってもその年は毎日雨ばかりだったな、思うようにバイクに乗れないイライラ、忙しすぎる仕事、そして もちろん彼女に関する心配事、とにかく欝だった。
そんなある八月の雨の日、俺は彼女とドライブに出掛けていた。
その日は珍しく、人の集まるデパートに買い物しに行きたいと言い出す彼女。
今までそんな事は一度も無かった、『え・・・・?』と馬鹿みたいな反応をする俺。
何故かいつになく明るい今日の彼女、一緒に手を繋いで並んで店内を歩き、あれこれ見て回って結局何も買わないw
出会って以来初めて、と言っていい普通のデート。
鬱な気分は いつまにか消し飛び、心行くまで楽しみながら俺は、もしかして彼女が人妻なんてのは俺の嫉妬から来る勘繰りに過ぎなかったんじゃないかな、などと楽観的な事を考えていた。
楽しい時間はあっという間だ、いつもなら彼女が帰ってしまう時間が近くなって来たとき、さりげなく彼女が言った。
『ねえ、これから私のアパートに遊びに来ない?』
なんと初めて部屋に誘われた、やはり彼女は人妻などではなく、今まで都合が悪かっただけなのだ!
と、瞬時に都合よく解釈した俺、もちろん『行く!!!』と即答した。
続く。
>『ねえ、これから私のアパートに遊びに来ない?』
(;´Д`)ハァハァ
で、彼女の子供たちを紹介されるわけだな。
壺の品評会だな、買わされたことがあるからわかる!